任務の終わり 上

  • 文藝春秋 (2018年9月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163909066

作品紹介・あらすじ

エドガー賞受賞作『ミスター・メルセデス』にはじまる3部作完結。

メルセデス事件の生存者たちが次々に自殺を遂げる。

退職刑事ホッジズ、底知れぬ悪意の迷宮へ――

キングにしか書けない徹夜ミステリーの開幕。



6年前に暴走車を駆って大量殺人を犯した男、ブレイディは、いま脳神経科クリニックに入院していた。第二の事件を起こす直前で捕らえられたブレイディは、その際に脳に負った重傷による後遺症で、意思疎通も困難な状態にあった。だが、その周囲で怪事が頻々と発生する。看護師、師長、主治医……いったい何が起きているのか?



一方、相棒のホリーとともに探偵社を営む退職刑事ホッジズのもとに、現役時代にコンビを組んでいたハントリー刑事から、ある事件の現場に来てほしいという連絡が入った。事件は無理心中だった。6年前に起きた暴走車による大量殺傷事件で重篤な後遺症を負った娘を、母親が殺害後に自殺したものとみられた。だがホッジズとホリーは現場に違和感を感じる。やがてふたりは少し前にも6年前の事件の生存者が心中していたことを突き止める。これは単なる偶然なのか?

傑作『ミスター・メルセデス』でホッジズと死闘を演じた〝メルセデス・キラー〟が、いま静かに動き出す。恐怖の帝王がミステリーに挑んだ三部作完結編、得体の知れぬ悪意が不気味な胎動をはじめる前半戦がここに開始される!

感想・レビュー・書評

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  • ▼独身者の自殺率は平均の2倍。離婚した者の自殺率となると4倍だ。(本文より)

    ▼アメリカの統計データでしょうが・・・。と、言うことは。結婚することで ”俺は私は自殺する可能性が半減!” だけど同時に、 ”もし離婚したら、倍返し・・・?” という不安と暮らすことに? 
     喜びの深きとき憂いいよいよ深く。金は大事だ、大事なものが殖えれば寐る間も心配だろう。とかくに人の世は住みにくい草枕。

    ▼「任務の終わり」(上下巻) スティーブン・キング。白石朗訳。初出2016年。文藝春秋社。2020年5月読了。「ミスター・メルセデス」「ファイダーズ・キーパーズ」に続く「元刑事・ホッジズ探偵シリーズ」の最終作。

    ▼第1作「ミスター・メルセデス」で死闘を演じた、イっちゃってる殺人鬼のブレディくん(ただ、イっちゃってる、と言ってもきちんと人物、人ととなりが濃厚に描かれています)。「ミスター・メルセデス」の終わりで、ホッジズと相棒ホリーによって頭部に重傷を負い、脳異常で全身後遺症になって入院しています(だから裁判を受けていない)。このブレディくんが、実は徐々に、密かに、覚醒していた・・・。どうなるどうなる。
    (このブレディくんが、「自殺させる名人」という凄いキャラクター。相手の弱い心に突き刺さる言葉の達人・・・)

    ▼スティーブン・キングさんは大好きですが、ホラーは敬遠しているので、本格ミステリであるこのシリーズには大喜びでした。ところが第3作最終作にして、これは...ミステリであると同時にホラー/SFです。三部作で唯一、少なくとも現在の科学では説できない展開。そのため「どっちらけ」という感想もあるやもですが、僕としては眠れないくらい面白かった。寝ても怖くて寝付けなかった。こういう形で超常現象が描かれるのであれば、小説としては全然あり。

    ▼(本文より)ティーンエイジャーは群れる習性の動物だし、群れる動物は精神と感情の双方で同調傾向が強い。

    ▼相変わらずアメリカの、そして人の世のダークサイドがコレでもか、と描かれます。絶望とアイロニーに縛られて海に沈められた如くな静かな知性が行間から迸る、 ”スティーブン・キング節”。イタイです。脳と心のマッサージ。ツボにグリグリと、痛い気持ちいい。スティーブン・キング、もっと読もうと夕陽に誓いました。また愉しみが増えた。

    ▼旅行に行きたくて行って、お金もそれなりに散財したのに、帰宅してくると「あー、やっぱり自宅がいちばんだなー」と思うこともあります。心臓つぶれそうな犯罪ミステリって、ちょっと似ています。
     好きで読んで、読み終えて大満足して「いやー、でもやっぱり毎日平和で平凡がいちばんだなー」と、うどん食べて寝る。
     さらに言うと割とすぐ「面白かった」という印象のほかは、きれいさっぱり忘れちゃう。考えようによっちゃ「賽の河原で石を積むのが趣味です」みたいなもので、でも案外と愉しみというのはそういうことなのやも知れません。違うかも知れませんが。

    ~~~~~~~~~~~~

    以下、ネタバレ備忘録。

    ▼最強の悪役・ブレディくんは、四肢は不自由なままなのですが、邪悪な精神と、怪我で起こった脳異常、そして科学者の研究投薬の結果・・・。
    なんと、インターネットを通して相手を支配することができるようになっていく。そして意識を乗っ取ることまで可能になっていく・・・。

    ▼それによって不可解な死(自殺)が多数発生。「ひょっとしてブレディが超常現象で糸を引いてる?」という驚愕の真相に、ホッジズ&ホリーが近づいていく。そして途中で、読者にだけはすべての真相をばらす手法。絶妙。

    ▼とうとうブレディは、担当医師を肉体&脳みそごと乗っ取ってしまう(こうやって要約して書くと、「・・・なんじゃそりゃ。落語か?胴切りか?コメディ?」という感じですが、とんでもなく心臓つぶし。無理が通れば道理は引っ込みます。強引剛腕、読ませます)。

    ▼そして更に荒唐無稽にドライブがかかり。空き家になった(?)ブレディの肉体は死んでしまいます。でも、担当医師としてブレディの意思は生きている。うーん、上手く説明できない・・・。兎にも角にも新たな肉体を得たブレディは、天敵ホッジズとの最終対決を迎えます・・・。

    ▼このシリーズの安心なのは、とにかくホッジズが最後の最後の最後には負けない、という安心感。そこでエンタメとして穏やかに成立します。けれども、高齢名探偵ゆえ「任務の終わり」の序盤からホッジズは、癌に冒されている設定。ブレディの息の根は止めますが、自身もやがて病没。

    ▼「もうこのシリーズは終わりです!」というキングさんの宣言を感じました。うーん。ホームズだってカムイだって死んだかと思わせて、かなり恥ずかしげもなく強引に復活したのだけど、癌で死んでしまっては、詮方なし。作者としても「任務の終わり」ということなのか・・・。

  • レビューは下巻にて。

  • 最後の対決!

  • ミスター・メルセデスの完結編上巻です。
    脳神経科に缶詰となっているメルセデス・キラーのブレイディに、著者らしい超常的世界観が付与されていきます。
    過去の二編は異常事件の刑事小説の範疇でしたが、今作はその枠を超えるために読者を困惑させるかもしれません。
    しかし、それもスティーヴン・キングと思えば自然であり、楽しめるでしょう。
    下巻にも期待します。

  • 3部作の終わり。
    どんどん読めたけど…

    それにしても、痛そうで。
    最後まで、もつのかしら…のドキドキ。
    急いで、下巻へ。

  • キングの作品のなかでは、とっても物語に入りやすいシリーズ。

  •  何か良くないこと、恐ろしいこと、悲しいことが怒るに違いない予兆は、前作の『ファインダーズ・キーパーズ』の最後に示されていた。そして、満を持して、〈退職探偵ホッジス、あるいはメルセデス・キラー三部作〉完結編の幕が上がる。

     『ミスター・メルセデス』の最後でホリーの渾身の一撃によって植物状態になったブレイディ・ハーツフィールドは皮肉にもその脳損傷の副作用なのか、超常的な能力を獲得していた。一つは念動力。水道をひねって水を出したり、ブラインドをざわつかせたりするに過ぎない、たいして役に立ちそうにもない能力。しかし、もう一つは、他人の意識の中に入り込んで、その人間を意のままに操るという、ブレイディにとっては便利極まりないもの。この、悪の権化のようなブレイディにとって都合の良い、言い換えれば「陳腐になりがちな」能力が、キングの筆にかかるとずしりと重い説得力を帯びる。ブレイディの企みは緻密で狡猾で悪意に満ちている。

     そして、我らがホッジスは健康上の不安ーー不安はやがて時限爆弾となって彼の命の炎を食い尽くしていくーーをかかえている。ホリーは〈ファインダーズ・キーパーズ社〉のハートナーに昇格していた。ジェロームはハーヴァードの大学生になって、ボランティア活動に忙しい日々を送っている。
     そこへ、ホッジズのかつての相棒ピートから電話がかかる。心中したと思われる母娘は〈メルセデスの惨劇〉の被害者だった。同行したホリーは現場から「あるもの」を見つける。

     ブレイディのどす黒い悪意は、ホッジズの大切な人の一人にまで及ぶ。胸が苦しくなるような展開にページをめくる手が止まらなくなる。体を襲う激痛とも戦いながら、ホッジズ最後の戦いは後半へと続く。

  • 2019.7 まぁ無事に読了。ありきたりと言ったら失礼か。

  • 2019/07/01

  • じわじわときてますな。
    キングのはいっつも最初じれったくて、
    上巻の終わりくらいから
    急にスピードが増す感じだから
    下巻が楽しみ!

  • 3部作の完結編はまさかの展開(設定)。前2作とは別のジャンルとも言える。素直に受け入れられるか。んなアホなと思うか。とりあえず上巻は違和感を感じながら読みました。

  • どんどんキング
    ちょっと悲しい

  • 個人的には、3部作のうち任務の終わりが一番読みやすかったと思う。
    人格投影の部分は、表現するのに大変だったろうと思うが、すごくわかりやすかった。

  • 待望の完結編にして、やっぱそっちかぁ〜な路線。期待に違わぬ面白さ!下巻へGo!

  • 下巻でまとめて

  • <興>
    スティーブン・キングの特徴ある語り口と物語展開の手法に慣れてしまえばこれ程読みやすくて面白い本もないのだろうと思う。例の三部作の最終作の上巻。もちろん下巻へつづきますのです。こんなの「読書感想でない!」ことは重々承知してます。すまぬ。

  • 感想は下巻で。

  • シリーズ完結編。ドラマも観たいなあ。下巻へ急ぐ。

  • 面白い。下巻へー。

  • やっぱキングはこうでなくちゃ。下巻に続く。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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