永遠の詩

  • 文藝春秋 (2018年10月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163909165

作品紹介・あらすじ

「男と女、人の世の仕方なさ、これは現代版の源氏物語だ」

(桜木紫乃氏 推薦)



愛した美しい継母は、とてつもない悪女だった。

世の中にあふれている「不格好な愛」にどう向き合えばいいのかを、問い直す傑作長編。



継母との秘められた関係。

罪から逃れ出た青年は、新たな人生を求め、ガラス工芸の道に飛び込む。

心から信じた者の裏切り、繰り返される過ち。

千四百度の炎に煽られながら彼が探し続けたものとは――。



〈著者プロフィール〉

香月夕花(かつき・ゆか)

1973年、大阪府生まれ。2013年「水に立つ人」でオール讀物新人賞を受賞。2016年に短編集『水に立つ人』を刊行。本作が初の長編となる。



〈装画製作者プロフィール〉

塩月悠(しおつき・ゆう)

1982年、宮崎県生まれ。佐賀大学大学院修了後、第61回二紀展 奨励賞、第10回記念春季二紀展 新人選抜奨励賞、第12回九州二紀展 九州二紀賞(最高賞)などを受賞。2015年、二紀会準会員推挙。



〈装丁・野中深雪〉

みんなの感想まとめ

複雑な愛の形を描いた物語が展開され、特に継母との禁断の関係が中心となります。主人公は、愛した美しい継母に翻弄されながらも、自己を見つめ直す旅に出ます。彼は、継母との関係や家族の秘密に苦しみ、最終的には...

感想・レビュー・書評

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  • この足りなさはほかのものでは埋められない。
    飢餓感だけがあって、誰を求めているのかも自分でもわからなくなっていく。
    それを狂っていると称されて、足りなさを埋めるために何かに執着する。
    元基は希帆に母性を求めているように思うし、
    希帆は唯一そのまま受け入れたいと思ったあの人から裏切られたことで今の性質を決定づけた気もする。
    だけどそんな由来はもはや関係なくて、
    足りないままで生きていくしかない。

  • え?え?え?という男女関係が絡み合っている、不思議な本だった。小説でしかありえないような設定ではあるし、主人公が20歳くらいの設定で、こんな人生はきついなーと思うものだが、それでもここから進んでいけそうなところで終わるのが救いだった。

  • 再婚。
    『きらら』2019.3にて。

  • デビュー作「水に立つ人」がとても良かったので直近作を。残念ながら、最後まで登場人物たちの輪郭が掴めませんでした。前作は描き過ぎなくても、行間から哀しみや寂しさなどが醸し出され、物凄く揺さぶられました。しかし本作は私の期待する作風ではなかったかな。筆力のある作家さんだと思うので、次作に期待します。

  • 初出 2017年「オール讀物」

    高校生だった元基が20代の継母希帆との肉体関係を持ち、生まれた弟が自分の子供だと仄めかされ、苦しんで家を出る。
    雇ってくれたガラス工房の雨宮もまた、自分が兄の子であろうことを、母が兄を愛していたことを知って鬱屈を抱えてきていた。
    信頼していたバイト先のカフェの優しいマスター倫夫が事故死し、裏でたくさんの女性関係があって、希帆もその中にいて事故死のきっかけを作ったことに衝撃を受け、希帆への思慕を断ち切って溶けたガラスに向かう。

    十代の義理の息子の子を産む二人の母親が登場し、雨宮の方は純愛っぽく描かれるがおかしくないか?
    他方の希帆は、子供の頃から男の弱みを見抜いて、欲しいものを与えながら手玉に取る悪女として描かれる。動機は退屈だから。
    怖いねえ。きっと元基はトラウマになるだろうな。

  • 父親の再婚相手、継母の毒牙にかかって思い悩む男子高校生の話。生まれたばかりの弟がもしかしたら自分の息子かもしれない、だなんてとんでもない展開に仰天しました。
    これは間違った愛だと、家を飛び出して雨宮というガラス工芸師のところに住み込みで働くようになった元基。継母であるスミレを遠ざけるのに、反面抗いようもなく求め彼女の来訪を待ち続けてしまう姿は可哀想でしかたなかった。
    スミレという女は、とことんミステリアスで幻想めいていた。退屈な日常に惓んでトラブルが起こりはしないかと舌舐めずりしながら男を誑かしまくっている悪女。
    行くあてのない元基を保護してやっていたカフェ・ヘイナのマスターとの関係が明らかになったところでは本当にその救いようのなさに吐き気がした。
    だからこそ、最後まり子さんや雨宮さんの言葉で立ち直る元基の姿は業火に燃える迫力を感じた。
    受け入れられなかった愛、諦めきれない幸福、ありとあらゆる無念さを、粉々に叩き割って、そうして炉にぶち込む。千四百度の炎ですべてを溶かし、光を受けてゆらめく自分だけのガラス細工を生み出すのだ。
    元基がスミレを愛した事実に変わりはない。それは嘘ではない。

  • 【「不格好な愛」にどう向き合えばいいのか】高校時代に美しい継母と関係を持ったことに耐え切れず、実家を飛び出した青年。間違った愛に溺れたとき、人はどう生きればいいのか。

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著者プロフィール

1973年大阪府出身。京都大学工学部卒業。2013年「水に立つ人」で第93回オール讀物新人賞を受賞。16年受賞作を含む短編集『水に立つ人』を刊行。他の著書に『永遠の詩』『昨日壊れはじめた世界で』がある。

「2020年 『見えない星に耳を澄ませて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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