辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

  • 文藝春秋 (2018年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784163909196

作品紹介・あらすじ

ヒキガエルジュース、ラクダ丼、水牛の脊髄炒め、サルの燻製脳味噌、元首狩り族の超熟納豆、古代粘土板せんべい、生羊肉ハンバーグ、胎盤餃子……

辺境探検家がありとあらゆる奇食珍食に挑んだ、驚嘆のノンフィクション・エッセイ。



・ジャングルのゴリラ肉ってどんな味?

・恐怖のスパーリング・エイ料理ホンオ

・「世界最高のビールのつまみ」の意外すぎる正体

・“女性用絶倫食材”カエルの子宮の効果とは?

・トン族は「ヤギの糞のスープ」を食べる!?



人類最後の秘境は食卓だった! 抱腹絶倒の〈食の冒険〉ノンフィクション決定版。



目次

Ⅰ アフリカ ゴリラを食った男の食浪漫

Ⅱ 南アジア 怪魚、水牛、密造酒……爆発だ!

Ⅲ 東南アジア 思わずトリップするワンダーフード

Ⅳ 日本 猛毒フグの卵巣から古来のワニ料理まで

Ⅴ 東アジア 絶倫食材に悶絶した日々

Ⅵ 中東・ヨーロッパ 臭すぎてごめんなさい

Ⅶ 南米 魔境へようこそ――

感想・レビュー・書評

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  • 辛い時というものは誰しもあるものだ。体調が悪かったり、嫌なことがあったり、うまくいかないことが続いたりする時もある。そんな時は活字を読むといい。文字を追っているだけで、その間だけでも大抵のことは忘れていられる。その本が読みやすければなお良いし、面白ければ言うことはない。そして高野秀行だったら、もうパーフェクトだ。

    体調を崩していて熱が出てる?蜘蛛の唐揚げを食べればいい!こんな発想が浮かんでくるのは世界広しといえども高野秀行くらいではないだろうか。普通の人間なら体調を崩したのであれば薬を飲むし、海外にいるなら帰国することも考えるだろう。しかし「ヤバいけど食べてみよう」じゃなくて「ヤバい‘から'食べてみよう」という考え方の人だ。頭のネジが外れているというか、そもそも作りが違うのかもしれない。だから調理しないと食べられたものではない芋虫や、ほぼ生のカタツムリですら食べてしまったりする。胃腸が弱い?何を言っているんだこの人は…。

    もはやヤバい寄生虫ですら胃酸で溶かしてしまっているんじゃないかと思える超人(奇人)高野秀行だが、狂った食生活を海外で送りながらもきっちりとしたグルメリポートは忘れない。どんな奇天烈な見た目でも、うまいものはうまいとしっかり解説してくれる。水牛の骨髄?髄液の胃袋包?そんなもの名前だけ聞いただけでも食欲が落ちてしまいそうだ。でも気づけば腹の虫がグーっと鳴っているのを感じている自分がいる。ラクダの肉?乳?いやー食べ慣れてない上に見慣れない動物肉なんてちょっとなー、なんて思ってたら、もうラクダの肉を食べる方法を検索している自分がいる。なんなんだこの人の文章は…。何冊か読んでみて改めて考えてみると、そこまで文章が上手いわけじゃない。でも、なんというか、読んでいると腹が減るのだ、こんなわけのわからない料理の記述なのに。

    辺見庸『もの食う人びと』という本がある。この書籍も世界中の料理を紹介してくれているが、グルメリポートというより各国の背景を料理を通じて叙述する手法をとっているため、社会派ノンフィクションといった趣で楽しめるのだが、『辺境メシ』の場合はわりと本格的な食レポだ。しかも体当たりの。どっちが良いかとかそういう問題ではないのだが、最近なんか疲れてるなーって感じた時は迷わず『辺境メシ』を読んだ方がいい。ただし、食事時は避けよう。念の為に。

    今まで何冊か高野さんの本を読んだことのある人からすると、別の本に集録されている記事も多いので「またかよ」と思う場面が多いかもしれない。そこはぐっと堪えて、アホで行動力のある天才タカノのバカをもう一度楽しめるからラッキーくらいに思って欲しい。そして、その記事が集録されている本をもう一度読んでほしい。面白いものは何度読んでも面白いものだ。何度だって、疲れた我々の心を笑いで満たして元気にしてくれる。「読む抗鬱剤」高野秀行の書籍がもっと多くの人に読まれることを、私は切に望む。

  • 電車の中で読んでいて、あまりの面白さに大笑いしてしまった!!

    この本は部屋でこっそり読むべし!
    そして大笑いすべし!

    「ヤバそうだから食べてみた」って…
    高野秀行さん…やっぱりサイコーです!!

    辺境に旅する高野さんが食べた「ヤバいもの」エッセイ
    「ヤバいもの」と言いつつも、高野さんがすごいのはそれを地元の人が食べているんならフツーに食べれるじゃん~っとなんというか、国境がない、偏見がないフレンドリーな食に「これぞホントの国際交流!」
    いや、ただ単に好奇心からかもしれないが…

    水牛の骨髄やらラクダ(肉&乳)、ゴリラ、鯉の円盤焼き、ムカデ、タランチュラ、虫ピザ、趙熟成納豆、ヤギの糞スープ(いや、糞じゃなくてアレでした!!)、カエルジュース、●●そっくりなチーキョテフ、そして極め付きは…胎盤って!!
    文章の表現がもうおもしろすぎて何度読んでも笑いがこみあげてくる~。ひ~ひ~!!

    個人的にはテナガザルの●●の写真が~~!!
    最初は何の写真かわかってなかったのだけどよく見るとおお~!!思わず笑ってしまった。
    なんだろう、人間、想像もできないものを見ると笑ってしまうのか…。

    いいな~高野さん
    ホントにステキだ
    私も一緒に旅してみたい
    いや、それを言うなら奥さんもステキ
    タランチュラのおつまみを即座に「クモくさい」なんて言える人はなかなかいない。

    食べることは生きること
    そして食べることは文化
    いや~サイコーの本でした。

  • ものすごく興味深い話が多かったのですが、一つも食べてみたいと思わない...
    とはいえその地ではそれを食べるのが当たり前であり、それを否定することはその地で暮らす人の生活そのものを否定することであり、それはやってはいけないこと。それが分かった上でも、カエルをミキサーで砕いたジュースは飲みたくない!!

  • 待望の新作は、文春連載をまとめたもの。そりゃもう高野さんなんだから、おもしろくないわけがない。連載時も「ヒャーッ」とか「ゲーッ」とか叫びながら読んでたが、こうやってまとまると、その迫力たるや半端ではない。

    おそらく最も「ゲテ度」が高いのは胎盤餃子だと思うが(うー、なんてえぐい字面だ)、他にも、それほんとに食べたんですか!いくらなんでも!というのが目白押し。わたしが心の底からイヤだと思ったのは「素材の味を生かしすぎた田んぼフーズ」。蛙の姿煮を塩味のみで…、ウェー。

    それに比べれば、肉系のものはまだなんとか…、いやいややっぱり絶対ムリだけど。なかでも「水牛の脊髄炒め」と「豚の生血あえ」のビジュアルが強烈。冒頭のカラーページ見ただけで閉じちゃう人もいるだろうな。

    あ、こんな風に書いたら、「こんなものまで食べた自慢」のキワモノ本みたいだが、全然そんなことはない、当然ながら。世界のあちこち(あまり観光客は行かない所)へ出かけていって、そこの人たちの普通の暮らしを知る、その大事な手立てとして、現地の人が食べているものを一緒に食べる、というのが高野さんの一貫したスタイルなのだ。まあ、時折(しばしば?)それが思いがけない方向に転がって、現地でもオジサンしか食べない絶倫食なんか食べることになるのが、高野さんの高野さんたる所以なのだけど。

    ワセダの頃のコンゴの話とか、入国できなかったカルカッタの空港でのこととか、おなじみのエピソードも盛り込まれている。ほんとにまあ、あちこち行ってるなあと感心してしまう。いろんな食べものがあり、いろんな文化があり、世界は広いなあと胸が広がってくるようだ。この自由な空気感が大好きだ。

    この本はあちこちで紹介されて評判が良く、発売後すぐ重版が決まったらしい。まことにめでたいことで、長年のファンとしては慶賀に堪えない。高野さんがなあ、天下の文春に連載を持つんだものなあ。こんな妙な身内感を持つ人は私だけではないと思うが。

  • 現地の人が食べてる物は食べて良しって感覚、自分にもあったな〜。でも今は色々な余計な知識が増えて、食べられないと思う。実体験を聞かせてくれるのは嬉しい。

  • 人様の食べてるものを面白半分にワーワーギャーギャー言いながら食べる系の食レポ、好きじゃないんです。と思ったらこの本で高野氏も似た趣旨のコメントしてて、ああやっぱり!と思った。いや、一つも「食べてみたい」と思わせるものはなかったんだけど、でもなんというかとっても前向きっていうか、(ああ、人間ていいな)てな気持ちになる読後感。

  • 短いコラムで読みやすい。

  • 料理を作るのが嫌いで苦手な私にとって、この本を読み終わった後は、自分の作った料理がまずくても「世界にこんな料理ありそうだな」と思えるようになり、気が楽に、楽しくなった。

    ただ、最初のほうは結構気持ち悪いと思って見ていたが、最後のほうは(南米はあんまり変なの出てこなかったが)慣れてきた
    虫は絶対食べられないな、と思った...

  • 日本編でチュールと出会う話が面白かった。
    全般的にはハードルが高すぎる昆虫食の紹介量が圧倒的で、写真だから見ていられるけれど、もう実食した高野さんには尊敬の念しか感じない。さすが探検家。

  • ゲテモノ食べるの好きな自分も、閉口するような逸品ばかり。これは食べられたもんじゃない。中国の胎盤餃子はちょっと無理…。

  • 好奇心で読んだが、人間の食への飽くなき探究心に感服した。

  • いままで海外の変わった食べ物を紹介しているブログとかよく読んでたけどこの本に載っているのはほとんど知らなかった カエルをミキサーにかけて飲むのが人気とか
    一番ビックリしたのは生の小麦粉 消化できるの?大量じゃなければ大丈夫なのかな

    文章も面白いし好きな食文化の話で最高だったので続編はぜひ読みたい

  • 世界中の様々な料理を地域毎に紹介している。地域毎の紹介でも十分面白いのだが、後半にあった、この食材はどこでこう食べたと比較する内容が非常に面白かった。個人的には同じ食材で章を立てた方が面白いかと思う。

    文春の連載をまとめているので、見やすくて良いと思う。

  • メシが美味いに越した事はない、とつくづく思うが、珍味が生まれた背景や、民族の暮らし、味付けを真面目に考えてみるとすんなり理解できることもあるし、そうでないこともある。その点、一端に過ぎない未知なる食の世界は広大で、想像を軽々と超えてくる。ゲテモノの方向性はよくあれど、胎盤餃子だけはまじでぶっ飛んでると思った。

  • 世界各地の珍味をショートエピソードで紹介した一冊。
    たしか書評で気になり購入。かなりガチのバックパッカーでも食べたことのないレアな味のオンパレードにただただ驚愕。ちなみに私はペルーの天竺鼠は食べたことがある。

  • 人類最後の秘境は「食卓」

    まさにその通りでした。
    ただ、絶景を知ると、行きたい、と普通は思うのに。

    なぜ、、だろう?
    うおおお!すぐにでも食べたい、と手放しで突き進めない。
    それが食卓の秘境なのか?!
    でも、、いつか、、そう、いつか。。

    まさに、それが本書の狙いなんですね。笑

  • よい

  • >注意してほしいのは、食事中に読まないこと。中には強烈な刺激を伴うものもある。
    現代人が「変な食べ物」と聞いて真っ先に思い浮かぶのはYouTuberの動画ではないだろうか。爬虫類だろうと脳味噌だろうと昆虫だろうとネットを介せば自宅に届き、世界に発信できる。アマゾンよりもAmazon。そんな時代である。では、本書はYouTubeで事済むようなものであるのだろうか。いや、そうではない。多数登場する食事のエピソードは必ず「現地で」行われており、命のやり取りやナマの声が臨場感として辺境メシの輪郭をあらわすための最高のスパイスとなっている。一エピソードにつき一枚の最低限の画像しか用意されていないが、動画に決して劣ることのない香りや味が本書には漂っており、まさに「食事中に読まないこと」という最悪で最高の感想が最適である。

    >さすがに誰も「俺は他の人間よりたくさん食べたい」とは言わないが、人より少ないのは絶対に嫌だから、異常なほどに「公平」を気にするのだ。
    本書は、ヤバい飯を眺めて顔を歪ませるだけの書籍ではない。文化慣習の違いや地域のやむを得ない食事事情に触れれば、あれはダメでこれは良いなどということは気軽に口に出せなくなるであろう。他人は自分ではないのだ。自分に出来るからといって他人に出来るとは限らない。作者が芋虫を食べられるからといって私は食べられない。そういうものなのだ。私は日本でひきこもるから、カエル丸ごとジュースは飲ませないで!
    >いまや「この世で最もうまい食品」とまで賞賛されるカロリーメイトを一人で頰張ることは人間としてできない。
    各エピソードは大小あれどどれも過酷な旅(に見える)なのだが、そのどれもがどこかおかしくて笑ってしまった。本書を読み終える頃には多少の困難も面白おかしく乗り越えられる、そんな気持ちになることだろう。ゴリラの毛だらけの肉を食べるくらいなら、上司との飲み会なんてお手の物だ。

    読み終わってから思ったが、本書はどこから読んでも良い。どれも秀逸な「辺境メシ」である。貴方が仮に辺境メシに興味があって世界を旅していたとしても、30年に渡る筆者の旅路には及ばないであろう。その場合は、地域別に分けられているので行ったことのない地域の章から読めばよい。貴方が仮に猿の脳みそをヤバい飯だと感じなかったとしても、胎盤餃子はそうではないだろう。食事別で分けられているので、興味がわくものだけ読めばよい。最も、私が本書を手に取る前にこの事実を知っていたとしても全ての食べ物が等しくヤバい飯に思えるため、同じように最初から読み進めたであろう。そして、多くの方は私と同じはずである。

    本書及び作者から椎名誠先生に似た何かを感じた。本書を楽しめた方は先生の作品に手を出してみるのも良いかもしれない。
    また、本書は「粉薬飲む太郎」という方から紹介された一冊である。わざわざ粉薬を飲むことを名前にしてる人間が辺境メシを紹介するという事実だけでもう興味が湧いてくるであろう。非常にユニークな視点で描かれたブログもやっているので、そちらもオススメである。

  • You are what you ate.
    世界各国の珍妙な食べ物を巡る旅。気候と風土の特色を活かした人類の叡智を堪能できる。

    週刊文春に連載されていたコラム。探検家、ノンフィクション作家である筆者が、世界の珍妙な食事を堪能する。昆虫食やグロテスクな外観の爬虫類、地元独自の植物など。中には調理方法が特殊なものも。発酵食が多い。

    発行額の小泉武夫先生によれば世界で一番臭い食べ物はスウェーデンのシュールストレミング、2番目が韓国のホンオであるという。

    珍味が伝統食になる課程、人々の試行錯誤は面白いものだ。

    ヒトの食べ物ではないが、猫の「チャオちゅーる」の試食なんてのも面白い。

    外国人から見たら日本人の刺身(わさびも)やアジア各地にあるようだが納豆、鮒寿司あたりも辺境メシのカテゴリーに入ることだろう。

  • 一気に読んでしまいました。どの食事も自分なら食べられるか?と考えながら読みました。
    個人的には口噛み酒はキッツいかなという感じです。

    >カノムジャック。もち米をココナツミルクと砂糖で炊き上げ、それを滑らかにつぶしてヤシの葉に包んで火であぶったもの。

    書いてておいしそう(笑)いつか食べてみたい。

    >それにしても驚きなのは、研究所のスタッフの誰一人として外国でワインの造り方を学んでいないこと。(タイ東北部サコーンナコーン一気に読んでしまいました。どの食事も自分なら食べられるか?と考えながら読みました。
    個人的には口噛み酒はキッツいかなという感じです。

    >カノムジャック。もち米をココナツミルクと砂糖で炊き上げ、それを滑らかにつぶしてヤシの葉に包んで火であぶったもの。

    書いてておいしそう(笑)いつか食べてみたい。

    >それにしても驚きなのは、研究所のスタッフの誰一人として外国でワインの造り方を学んでいないこと。(タイ東北部サコーンナコーンの農業貿易研究所にて)ワインの造り方みたいな本を読みながら、ぶどうでもなく別の果実でワインを作ってしまったそうだ。
    実にユニーク。しかもこのワインが虫と合うように作られているという点も非常に面白い。

    >外国語を「鶏肉」「豚肉」「結果はどうなるかわかりません」の三つしか知らない人間が存在するのかという異常な謎が残ったものの、ともかく納豆カレーの試食だ。

    吹き出しました。

    プラセンタは日本語では胎盤の事。

    ここが一番しんどかったかも。詳しくはぜひ本を読んでください。。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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