昨日がなければ明日もない

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 392
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163909301

作品紹介・あらすじ

『希望荘』以来2年ぶりの杉村三郎シリーズ第5弾となります。中篇3本を収録する本書のテーマは、「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」。自殺未遂をし消息を絶った主婦、訳ありの家庭の訳ありの新婦、自己中なシングルマザーを相手に、杉村が奮闘します。収録作品――あらすじ――「絶対零度」……杉村探偵事務所の10人目の依頼人は、50代半ばの品のいいご婦人だった。一昨年結婚した27歳の娘・優美が、自殺未遂をして入院ししてしまい、1ヵ月以上も面会ができまいままで、メールも繋がらないのだという。杉村は、陰惨な事件が起きていたことを突き止めるが……。「華燭」……杉村は近所に住む小崎さんから、姪の結婚式に出席してほしいと頼まれる。小崎さんは妹(姪の母親)と絶縁していて欠席するため、中学2年生の娘・加奈に付き添ってほしいというわけだ。会場で杉村は、思わぬ事態に遭遇する……。「昨日がなければ明日もない」……事務所兼自宅の大家である竹中家の関係で、29歳の朽田美姫からの相談を受けることになった。「子供の命がかかっている」問題だという。美姫は16歳で最初の子(女の子)を産み、別の男性との間に6歳の男の子がいて、しかも今は、別の〝彼〟と一緒に暮らしているという奔放な女性であった……。

感想・レビュー・書評

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  • 2018/12/15読了

  • 相変わらず読後感悪し。
    杉村さん、頑張れ!

  • 杉村三郎探偵シリーズ。元妻と別れた探偵のもとに依頼人の女性がやってくる。きっかけは些細な調査だったのが、大きな事件になってという話が多い気がしました。

    第1話の絶対零度は自殺未遂を計り、実の母との面会を拒絶する女性の話。

    第2話は、依頼人に付き添って、やって来た結婚式場では、二組のカップル、それぞれの花婿と花嫁が逃げ出して。

    第3話は、自分勝手なシングルマザーのお話。

    特に3番目のシングルマザーの様なタイプのひとって、いるよねと思います。責任を他人に転嫁しないとすまないひと。タイトルの昨日がなければ明日もないって、過去に縛られた未來。幸せって自分だけでなれるものではないのだよねと思う。

    教訓として、ひとを好きになる時は、多少でも冷静になることって大切だと思いました。

  • 待ちに待った杉村さんシリーズ。

    奥様との別れ、勤めも辞めてその後・・・
    私は、彼の出会う謎、事件よりも私生活の方が心配です。
    そういった意味ではこのシリーズまだ続きそうな一冊であり、ほっとしたところ。

    さて今回の三つの章、どれもモヤモヤが残りスッキリしないというのが正直な意見。
    特に最後の「昨日がなければ~」
    突き止めてあげなければ良かったのに、いやそれではこれからもっとひどくなる一方だったからしょうがなかったのか、モヤモヤと。

    杉村さんのお人柄に惚れ直します。

  • 【あらすじ】
    杉村探偵事務所を訪ねてきた五十代半ばの女性の相談は、一昨年結婚した娘が自殺未遂をして入院後、連絡が取れなくなっているというものだった。
    入院先や夫の周辺を調査する内、杉村は嫌な予感を覚え始めーーーーー。(「絶対零度」より)
    “ちょっと困った”女たちの真実を追う杉村の苦悩を描いた中編3編を収録。

    【感想】
    帯には“ちょっと困った”女たちとありますが、この女たちがかなりのくせ者で不快です。
    そういえば杉村三郎シリーズって「悪意」がテーマだったなぁと途中で思い出しましたのですが、今回の「悪意」はまた質が悪いです。
    自分が悪意を振りまいていることにすら気付いていない女ばかり。そして、その周囲にいる人間たちも悪意に毒されているんですね。読んでいて、かなりゾッとさせられました。

  • 杉村さんの女難の相はまだまだ続くようで。
    「絶対零度」は、そうであってほしくないと願っていた展開で、被害者の心を思うと胸が苦しくなる。
    その分、次の「華燭」に救われた。
    表題作の美姫は本当に最低。
    そんな母親に育てられた漣がかわいそうでならない。
    クラスメイトにあんな態度をとるような子に育ってしまったなんて。
    美姫の妹の登場で、まさかの2役なんて妄想してしまった。
    やりきれないラストだ。
    杉村がハッピーになる日を待つことにしよう。

  • 宮部みゆきの本は時代物のほうが断然面白いと思っている私ですが、このシリーズは最初から好きでした。あまり知りたくもない人間の心を蝕んでいく毒がよく分かる。結局、人は弱さに負けるのだろうか、だとしたら毒に打ち勝つほどの強い人間がこの世の中に果たしてどれほどいるのだろうか…いつも読み終わるとそう思う。

  • 宮部みゆきらしい、読みやすさと面白さ。でも内容的にやるせない、後味の悪いお話が多かった。普通の良心的な人達が、周りのどうしようもない人達に振り回され、最終的に人生を壊される…どこにでも起こり得る、というか、実際どこかで既に起こっているかもしれない出来事だけれど、こういう常識の通じない、それこそ「宇宙人」のような人達と関わりが出来てしまった場合、どうやって対処をすればいいのか…。なんだか気の遠くなるような思いがした。

  • 『杉村三郎シリーズ』最新作。裏切らない面白さ!

  • 杉村三郎シリーズの第5弾は、「杉村三郎vs.”ちょっと困った”女たち」をテーマにした中篇3本。
    シリーズものの新作を読むときの気持ちは、昔の恋人に久しぶりに会うようなときめきと高揚感。
    まずは装丁を味わい、本に挟み込まれていた著者インタビュー「シリーズの愉しみ方」をじっくり読む。そして、杉村三郎シリーズ相関図を見ながら、過去の作品を反芻し、本編への期待が最高潮に達したところで、いざ!

    あ~、最高に面白かった~。やっぱり宮部さんは期待を裏切らない。
    相変わらず探偵杉村の引き寄せ力は半端なく、”ちょっと困った”どころじゃない女たちに関わる案件は、相変わらず重く、そこに人の悪意が渦巻く。
    彼の人の好さは健在で、周りの人たちの情けに助けられ、励まされながら、立派に探偵業を営んでいるのが救い。
    事件にかかわる調査も、そこまでしなくても~という所までやっちゃうところが彼の人柄で、そうして問題を解決しても決してすっきりしない、むしろ後味の悪~い結果となるのが宮部作品ならでは。
    この事件の後味の悪さと、対する杉村の人の好さが醸し出すホッコリ感のバランスがこのシリーズの魅力。

    今回も、こじれた家族関係に人の「悪意」が渦巻く相当気分が悪い事件があったけれど、随所に織り込まれた離れて暮らす娘・桃子への杉村の思いに、じ~んと来る。

    このシリーズ、いつまで続くのかわからないけど、最後は杉村さんに幸せになってほしいな~。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。
1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。
大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。
『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2018年10月、『宮部みゆき 全一冊』を刊行。

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