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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163909578
作品紹介・あらすじ
なぜ放送されないんだ!
政権を揺るがす「森友事件」の報道の最前線で活躍したNHKのエース記者が突如退職した。何があったのか?
著者は「森友事件」の発覚当初から事件を追い続けたNHK大阪放送局の司法担当キャップだった。次々に特ダネをつかむも、書いた原稿は「安倍官邸とのつながり」を薄めるように書き換えられていく。NHKでも検察でも東京vs.大阪のせめぎ合いが続く中、ついに著者は記者職からの異動を命じられた。記者であり続けるために職を辞した著者が、事件の核心、取材の裏側、そして歪められる報道の現在を赤裸々に明かす、渾身のノンフィクション。
はじめに
第1章森友報道は「忖度」で始まった
第2章一転して大報道合戦~小学校認可の行方~
第3章クロ現製作ですったもんだ~けんかの末に仲間に~
第4章注目を集めた籠池理事長夫妻の人物像
第5章国有地問題から補助金詐欺へ~焦点を移す検察の捜査~
第6章背任の実態に迫る特ダネに報道局長激怒
第7章籠池前理事長逮捕の舞台裏
第8章取材体制変更で担当を外された私
第9章森友事件追及弁護団(仮称・阪口弁護団)の活躍
第10章 近畿財務局職員の自殺が残した謎
第11章「口裏合わせ」の特ダネに圧力再び~プロの記者はこうして取材する~
第12章 強者記者列伝~5本の指に入る記者+と、もう一人の優れもの記者~
第13章 個性豊かな検事たちとの愉快なやり取り
第14章 急転直下の検察捜査、財務省は全員不起訴 ~そして私は記者を外された~
終章 NHKから大阪日日新聞へ~森友事件の取材は続く~
あとがき
感想・レビュー・書評
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民主党政権崩壊以来この方、ますます目立ってきたマスコミの劣化ぶりはもう見過ごすことができない水準まで高まって溢れんばかりだ!と、改めて認識させてくれたドキュメントです。相澤冬樹という1人の「記者」が記者であり続けられることを願っていますし、彼のように志、気骨のある報道人が少しでも増えていってくれたらいいな、と心から願うものです。
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一人でもできる政治参加の手段として、国会中継を見るようにしている。
当然(!)森友の問題が国会で初めて質問された時も見ていたし、安倍さんの「私や私の妻が関係してたら…」の発言もはっきり覚えている。(「私の事務所も無関係」だと強調してたのも印象的)
ほかにもTBSのラジオインタビュー、幼稚園での記者会見、菅野氏のネット中継や小学校建設地でインタビューに答える様子や証人喚問当日は全中継をリアルタイムで見たので、本書を読んで改めて当時の政府側答弁の矛盾点が蘇って来た。ぜひ、続編を! -
森友事件が国家ぐるみの隠ぺい工作の中で幕を閉じ、一部報道機関、とりわけNHKもそれに加担したことがよくわかる。
その中でも一匹狼のように反旗を翻し、報道を続けた記者がいたこと、どうやら検察の中でも捜査を続けようとした人がいただけでも救いか。著者は実質フリーのようになったようだが、どうか真の報道を続けて欲しいと思う。
「安倍官邸 vs. NHK」という名は実を表していないが、報道番組がどのように作られているのか、取材・報道現場の実情がわかるのも良かった。 -
興味があれば、と、貸していただいたので読んでみました。
マイナス評価を書き残すのは好きじゃないけど、敢えて率直な感想。
自己顕示、自己陶酔的な文章に少々辟易。組織を去った人が書く裏話系の本によくある感じ。
記者だから、個人商店的に仕事をする面もあるのだろうけれど、報道番組を作る過程はこの本を読む限り、多くの人とのチームワークであるはず。
「この人は自分を理解してくれている(バトルの末に理解者になった)」と所々で紹介されている何人かとのメールや電話のやりとりは、相手方が、扱いにくいチームメンバー(著者)にいかに周囲へのダメージなく働いてもらうか苦心しながら紡いだ言葉に思えてならない。著者が組織を飛び出すにはそれなりの理由もあったのだろうけれど、それにしても、この著者をメンバーの一人としてチームをビルドしなければならない立場の人は、大変だったろうなぁ。
奇しくも、著者は、自分が関わった同僚記者たちの中でも特に優秀だと思う数人について言及する場面で、『「私はこんなに頑張ってます。こんなに成果を上げてます」と自己アピールに走る記者が目につく中、そういうことを一切せず、黙々と自分の仕事に励む』『彼女の特徴は自分の仕事を誇示しないことである。本当の優れものは仕事を誇示しない』と書いています。…そうそう同感、それなのに…?
そういう意味で、私には読みやすい本ではなかった。
ただ、世間を騒がせた事件について、関わっていた人たちそれぞれの人となりや、新聞やテレビなどの報道が、取材段階からどのような手続きを経て、私たち読者・視聴者のところに届けられるのか、といったことが垣間見えた部分については、なかなか興味深かったです。
キラキラに装飾せず、著者がこれまで向き合ってきた事実を淡々と語ってくれたほうが、迫力あるドキュメント本になったろうに。
そして。本のタイトルにある安倍官邸とNHKの対決については、ん?官邸のこと、どこに書いてあった?副題が本来のタイトルという感じ。これまで的確な短文速報ニュースを流して来た記者なら、もっと内容に合ったタイトルを付けて欲しかったなぁ。 -
色々と内情はわかり、「不自然だな」という“違和感”はありますが、最後まで“違和感”のまま。核心に迫ってないから、逆に怖いのかな?
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森友疑惑のスクープで官邸の圧力を受け、退職を余儀なくされたNHK記者。
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本件につき、官邸というか安倍夫妻は、ほぼ黒に等しいグレーな訳だけど、実際責を問われているのはあくまでも末端という、理解不能な図式がよく表されている。安倍は、現在に至っても相変わらず妄言を垂れ流し続けてるけど、ただの一議員に過ぎない者の言い分を、なぜメディアは取り上げ続けるのか。そもそも、本件の質疑で辞めるって言ったくせに、なぜ政治家であり続けてるのか。そのあたりの忖度が、本作からも如実に感じ取られて不愉快千万。いやしくも、国民に信を問う立場にある者なら、失われた尊い生命に対する誠意を見せろよ、という話。
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ふむ
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安倍官邸と闘うのはこれから?
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安倍官邸vsNHKと言うよりも相澤vsNHKと言う感じ。
もっと森友問題を掘り下げた内容と思いきや既に報道されている内容がほとんどで、特に新味はなかった。 -
公共放送だと思っていたけど、
ここまで偏ってると、
どの放送局も信じられないな。 -
これはひどい本だった。以下、理由を述べる。
まず、本の題名と内容がまったく一致していない。森友事件について、政権にきわめて不都合な事実をNHKがスクープしたにもかかわらず、結局放送しなかったのは周知の事実である。本書を手にした者は皆、NHKが権力に屈し、政権の広報機関に成り下がった経緯を、それを機にNHKを退社した著者が詳細に語ってくれることを期待したはずである。
だが、本書には安倍官邸とNHKの戦いなど全くと言っていいほど出てこない。著者が掴んだ事実を放送させまいとする局長は実名で登場するが、そこに焦点を当てては、所詮、同じNHK内の対立、内部抗争のようにしか読めない。我々が知りたいのは、そこに安倍官邸という巨大権力が、具体的にどう関わっているのかであるが、その肝心な点には著者は触れない。代わりに、いかに難しいインタビューを実現させたかなど、著者の自慢話は延々と読まされる。「安倍官邸 VS. NHK」、全く看板倒れの書名である。政権とNHKの関係についてなら、番組改変事件でNHKを去った永田浩三の「NHKと政治権力」の方が数倍優れている。是非、こちらを読んでほしい。
それから著者は、「脱線」とことわりながら、自分が出会った優れた記者の紹介にかなりのページを割いているのだが、紹介される記者のほとんどがA、Bのようにイニシャル一文字の仮名になっている。「Aはこんな人で~」「Bは~をした」などと書かれても」具体的な人間を想像しにくく、現実味が乏しい。そもそも、本書のタイトルとほとんど関係がない。
更に、著者の怒りを私は共有できなかった。著者は本書の中でよく「怒る」。だが、その怒りは、不正行為に手を染めながら、平然と嘘をつく権力者に対してというより、段取りの悪さや、経験のなさ等、誰かの仕事上の不手際に向けられているように、私には感じられた。同じように記者が書いた「地図から消される街」(青木美希 朝日新聞)、「除染と国家」(日野行介 毎日新聞)などは静かな筆致で事実を伝えているが、だからこそ、デタラメで冷酷な政権に対しての怒りが伝わってくる。記者の正義感、使命感が根底にあるからだ。本書の著者にはそれが欠けている。そうでないと言うなら、読者にそのように感じさせてしまう、著者の筆力の問題だろう。優れたルポを読み、この国、現政権の冷酷非情さを知ると絶望的な気持ちになるが、事実を事実として伝える人がいる、そのことが我々に希望を与えてくれる。ルポとはそういうものだろう。本書にはそのような気高さが、ない。
最後に、本書には、NHKという特殊な企業、組織についての言及が全くない。デタラメやどうでもいいことばかりを垂れ流すメディアとは、我々は契約を打ち切ることができる。ある新聞の報道姿勢に疑問があれば、購読をやめる、テレビの有料チャンネルが視聴に値しないと判断したら、その旨を伝え支払いをやめる、当然のことだ。だが、NHKだけはこの道理が通用しない。NHKの報道姿勢がおかしいと思っても、NHKを全く見なくても、金だけは払わなければならない。それでいて、NHKの人事、報道姿勢、企業としての在り方について、何をする権利も一切与えられていない。こうした、誰が考えても理不尽で筋の通らない、間違った制度を支えているのは、誰だろう。そう考えると、NHKは、その構造上、決して真の報道機関たりえない。私は、著者が長く勤めたNHKは、そのような歪な企業だと思っているが、著者にはそのような問題意識は皆無である。
本書にはよく、著者が酒を飲む場面が出てくるが、その酒代も、著者が着る服も、食べるものも、「受信料」という名の強制徴収金で賄われている。著者はNHKを離れ、NHKについて自由に書くことができる立場になったのだから、多くの人が感じているそうした疑問について、何らかの言及があってしかるべきだったと、私は思う。大変残念である。
本書は「安倍官邸 VS. NHK」というより、「元NHK従業員のあくまで個人的な回想」である。森友事件について、記者の仕事について、NHKについて、安倍官邸について、私は本書から、ほとんど得るものはなかった。 -
籠池泰典氏がどうしても憎めない(妻の諄子氏はちょっとまぁなんてぇか)。憎めぬどころか、基本は善人としか思えず、今でもこの事件は籠池夫妻の詐欺罪逮捕、財務省全員不起訴で終わりにして欲しくない。著者については知らなかったし、かつての職場の暴露本でもあるので手放しで肩入れはしないが、記者魂は伝わってきた。Yahoo!ニュースで現在も報じられている森友事件の記事を読むと、お〜、いずれも相澤冬樹大阪日日新聞論説委員・記者(元NHK記者)が書いている。もはやこの事件発端の裁判については、先日の国への損害賠償を命じたヌルい判決をもって、これ以上は国や大阪府を法廷で追いつめることはできないんだろう。でも、ジャーナリストとして徹底的に真相に迫って欲しいし、注目し続けたい。
著者プロフィール
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