- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163909608
作品紹介・あらすじ
「命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人は――」おっとりした菓子職人の晴太郎と、商才に長けたしっかりもの幸次郎の兄弟は、年老いた茂市に手伝ってもらいながら、江戸の菓子司「藍千堂」を営んでいる。「菓子」一筋だった晴太郎が、佐菜に恋をして結婚。男所帯の藍千堂に、佐菜とその娘のさちが加わったことで、暮らし向きは華やかになった。人気シリーズ第3弾となる本作のテーマは、「命がけの愛」いとこのお糸の縁談が発端となり、彼女の実家「百瀬屋」が窮地におちいる。命をかけて愛する相手に出会ったがゆえに、絶望の淵に突き落とされた人々を、晴太郎兄弟は、和菓子で笑顔にできるのか。江戸菓子の魅力と、人情あふれる物語がたっぷりと詰まった時代小説短編集です。
感想・レビュー・書評
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今回は切ない話が多かった。゚(゚´Д`゚)゚。
お糸に早く幸せになって欲しい…
そして茂市!兄弟を暖かく支えてくれる茂市の過去
にグッときました(>_<)
今作はホント良かった\(//∇//)
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<藍千堂菓子噺>シリーズ第三作。
ただ前作までの詳細をかなり忘れていたので「晴太郎がいつのまにか結婚して子持ちになってる」とか、「この武家の女性だれだっけ?」などと疑問符だらけで読み始めた。ただ作品内でこれまでの物語を語られているのでその辺の疑問も解消、前作を読み返さなくても大丈夫だった。
これまでは確か、悪どいやり方で晴太郎・幸次郎兄弟を店から追い出した汚い叔父の店<百瀬屋>vs<百瀬屋>の意地悪にも負けず自分たちなりの個性を出して少しずつ商売を起動に乗せていってる健気な兄弟の店<藍千堂>という構図だったのが、この作品では「百瀬屋」も少しずつ自分たちなりの商売に専念しあからさまな<藍千堂>に対する妨害もなくなってきていた。
晴太郎の妻となった佐菜の連れ子・さちが何とも良い緩衝材になってくれている。これまでは茂吉がその役目を追っていたのだが、さちも加わってより賑やかに。
終盤は<百瀬屋>のこれまでの悪行三昧(言い過ぎか?)が自らに返ってくるという皮肉な話。これがスカッとするのではなく、何とも哀しく苦い話になってしまうのは、唯一晴太郎・幸次郎兄弟とつながっていた従姉妹のお糸が大いに関わっていたから。
しかしどの話も女性は強し。きっとお糸もこの逆境を跳ね返すだけの力を持っている筈。
しかし呑気な晴太郎が先に世帯をもったと思ったら、幸次郎の方はなかなか…。
田牧さんお得意の人情絡みではあるものの、個人的にはセンチメンタルが過ぎてちょっと胃もたれ気味。
だが人によってはこのくらいが良いのかもしれない。 -
藍千堂の皆が大好きだーっ!(*>∀<*)切ない、ほろ苦い、心に沁みる…そんな噺(*´∇`*)装丁も大好き!久しぶりに読み終わるのが勿体無く感じた(^^)幸次郎とお糸ちゃんとの決意をそれぞれ応援したい!そして行く行くは…o(*≧∀≦)ノ♪
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晴太郎に惚れました。
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藍千堂シリーズ。佐那と一緒になった晴太郎だが、娘となったさちから「おとっつぁん」と呼ばれないことにほんの少し寂しさを感じている。
幸次郎は従姉妹のお糸の想いを知っていながらも、叔父への憎しみから受け止めることができずにいる。
本作ではお糸が縁談や盗賊騒ぎに巻き込まれ、辛い思いをする。
変わらず面白いけど、「笑いを堪える」という表現が多用されてて気になった。 -
藍千堂めぐる江戸人情の絡みが、回を重ねるごと面白くこれからの続きがまた楽しみです。身内のいなかった茂市っぁんの藍千堂皆んなを身内と思う嬉しさにジンワリ、そして幸次郎のお糸を思う気持ちが強がっているからまた切ないですね。
今日はどんなお菓子を買おうかなぁと思います。