文豪お墓まいり記

  • 文藝春秋 (2019年2月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163909707

作品紹介・あらすじ

終戦の前日、永井荷風と谷崎潤一郎がすき焼きを食べた。

あの文豪を、もうちょっと知りたい。

二十六人の作家と出会う、お散歩エッセイ!



永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。

谷崎はデビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。

一九四五年八月十四日、二人は疎開先の岡山で再会します。終戦の前日に、谷崎は牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。

……このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。今は、お墓の中にいます。時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。現代の作家が、昔の作家に会いにいきます。



二十六人の文豪たち――中島敦、永井荷風、織田作之助、澁澤龍彦、金子光晴、谷崎潤一郎、太宰治、色川武大、三好十郎、幸田文、歌川国芳、武田百合子、堀辰雄、星新一、幸田露伴、遠藤周作、夏目漱石、林芙美子、獅子文六、国木田独歩、森茉莉、有吉佐和子、芥川龍之介、内田百閒、高見順、深沢七郎。

感想・レビュー・書評

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  • 太宰治、夏目漱石、遠藤周作、林芙美子、星新一、澁澤龍彦etc.…明治・大正・昭和の文豪達のお墓参り記。こんな立地で、こんなお墓で、周囲にはこんな店があって…。そして、それぞれの作家を思いながらこんな花を供えて。お墓参りという視点から作家を紐解くのが面白く、テンポよい文章も読みやすかった。
    文豪達の人生に思いを馳せる一方で、ナオコーラさんの文学に対する思いや死生観にも共感できる部分が多々あった。何だか色んなことを考えさせられたなぁ…いいタイミングで出会えた一冊だった。

  • 山崎さんがつれづれに書くお墓まいりの記

    お墓や文学作品の雑学的なものではなく、個人的な読書の体験や死生観への思いが綴られている。

    〇読んだことのある作家さんや作品が出てくると、自分の体験や感想はどうだったかなと思いだしながら。
    〇お墓にお供えするお花に作家さんへの敬意、ランチ(ときには夕食)のことは生きているエネルギーを感じました。
    〇作家さんたちには書きたい作品を書いてほしいな!そして気楽に読ませてほしい
    〇作家さんでさえ、エッセイと小説は曖昧なのか。仕事がら、いろいろ分類しないといけないのだけど、ノンフィクションとか日記とかエッセイとか記録とか、自分ごときはそら迷いに迷うよなあと、ちょっと肩の荷がおりました。

  • お墓参りから広がる、著名な作家たちの交流や食卓、生活について、山崎なおコーラの目線も交えてゆったりと読み進められる。
    当たり前だけど、みんな生きていたんだよなぁ。人間を知ると、作品を更に読みたくなる。未読の作家も含め、読みたいメモが一気に増えた!

  • 本作に出てくる文豪の作品について、自分自身は不勉強ながらほとんど読んだことがありません。
    …とはいえ、本作を読み進めるうちに「小説を読んでいないことを『不勉強』と捉えるのはなんだか違うのではないか」という思いが湧いてきました。
    著者の山崎さんも過去の文豪たちも、おそらく自身の作品を誰かに何かを学ばせるために書いているわけではないし、教材的な見方をされるのは違和感を覚えるのではないか、そんな気がしました。
    終始静かな文体で綴られる本作は「死はネガティブなだけのものではないし、小説はもっと気軽に手にとっていい」ということを教えてくれます。

  • 文豪たちのお墓まいりをするたびに、ナオコーラさんが色んな食事を楽しんでいるのが印象的なエッセイ。意識的に食事の場面を入れていたんだと思う。
    食べるという行為は、すごく生きてるって感じがする行為だ。生きている人が墓のなかで眠る人を想う。すでに亡くなった人々も生きてるときは日々食事を繰り返していたはず。墓のなかで眠る人は何も食べない(お供え物はあるけれども)。生者と死者の対比だ。

    文豪たちの功績を紹介しつつ、ナオコーラさん自身の死生観や考えていることが綴られていた。小説とエッセイを分ける必要ないのでは、と持論を力強く展開する流れが面白かった。

    こういう本がもっと売れる世の中だったらいいのにな、と思う。

  • 『文豪 お墓まいり記』というタイトルを見て、文豪がお墓まいりに行って、あの世の先輩と交信するファンタジーなのかと思ったが、違った。
    いや、ファンタジーではないけれど、大体合ってる?

    表紙のイラストが、なんともBL小説っぽい。
    どういう読者層を想定しているのか考えてしまうが、私が釣りあげられたことは事実である。
    この表紙は、谷崎潤一郎が疎開先の住まいで、憧れていた永井荷風をすき焼きでもてなしている図だ。
    先輩を精いっぱいもてなしたくて、高価な牛肉を苦労して手に入れた。
    もちろん、戦時中にそんな贅沢をすることに罪悪感が無いわけではない。
    しかし、先輩をもてなしたい気持ちの方が勝ったのだ。

    山崎ナオコーラさんがお墓まいりをした文豪は26人。
    だから、一編の文はあまり長くない。
    夫と一緒だったり、母と一緒だったり、編集者と一緒だったりする。
    どこでどんなお花を買って、どんなお店で何を食べたか、ということが必ず書かれる。
    はじめは、「お墓めぐり」であり、とにかくたくさんお参りして、リスト作り・数自慢なのかと思ってしまったが、それは私が浅はかだった。

    食事・お花というのは、生きている自分の糧と、亡くなった方へ供える糧、という対比で書かれているのだろう。

    学生の頃から、「文学者が戦時下でどういう仕事をしたか」に興味があったという著者は、短い文章の中でも、深い考察を見せる。
    反戦を暗喩する作品を上げるか、または戦争には全く触れずに自分の文学の世界を描き続けるか。
    時代に流されるか。
    作家の独特の死生観にも触れて、自分も考える。

    ひとつ面白かったのは、幸田文と森茉莉の対比である。
    どちらも偉大な父を持つが、家事にまめな文と、ずぼらで掃除もできないお姫様な茉莉は対照的。
    娘に厳しいしつけをした露伴と、甘やかして溺愛した鷗外…その違いなのか否か…

    巻末に作品中で行ったお墓の場所を載せた路線図あり。

  • ◆自身の死と、生を想う [評]伊藤氏貴(文芸評論家)
    東京新聞:文豪お墓まいり記 山崎ナオコーラ著:Chunichi/Tokyo Bookweb(TOKYO Web)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2019032402000188.html

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    終戦の前日、永井荷風と谷崎潤一郎がすき焼きを食べた。
    あの文豪を、もうちょっと知りたい。
    二十六人の作家と出会う、お散歩エッセイ!

    永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。
    谷崎はデビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。
    一九四五年八月十四日、二人は疎開先の岡山で再会します。終戦の前日に、谷崎は牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。
    ……このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。今は、お墓の中にいます。時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。現代の作家が、昔の作家に会いにいきます。

    二十六人の文豪たち――中島敦、永井荷風、織田作之助、澁澤龍彦、金子光晴、谷崎潤一郎、太宰治、色川武大、三好十郎、幸田文、歌川国芳、武田百合子、堀辰雄、星新一、幸田露伴、遠藤周作、夏目漱石、林芙美子、獅子文六、国木田独歩、森茉莉、有吉佐和子、芥川龍之介、内田百閒、高見順、深沢七郎。
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163909707

  • この本が初読の作家さん。著者がいろんな文豪のお墓参りをした記録。旅エッセイのような感じもする。内田百閒、深沢七郎の著作が読みたくなった。この本の著者である山崎ナオコーラさん自身の本も気になった。

  • ナオコーラのエッセイはこれで二冊目。すっと入ってくる落ち着いたエッセイで気に入りました。

  •  26人の文豪のお墓まいり記です。エッセイ風です。山崎ナオコーラ「文豪お墓まいり記」、2019.2発行。多磨霊園には、中島敦、堀辰雄。禅林寺には、太宰治、森茉莉。池上本門寺には、幸田露伴、幸田文。永井荷風は雑司ヶ谷霊園。芥川龍之介は慈眼寺。中島敦と太宰治は同じ1909年生まれ、幸田文と堀辰雄は1904年生まれなんですね。読みやすい本でした。
     JR巣鴨駅又は駒込駅から慈眼寺の芥川龍之介の墓、訪れたいと思っています。東急池上線池上駅からの池上本門寺(幸田露伴、幸田文の墓)も機会を作って訪れたいです。山崎ナオコーラ「文豪お墓まいり記」、2019.2発行。

  • 「ベランダ園芸で考えたこと」が面白かったので。
    タイトルに惹かれたが、よく考えると文豪にあまり興味がなかったわ、わたし。なので、墓や墓地にもいろいろな姿かたちがあるんだなあ、くらいの感想。
    各エッセイでうっすらと夫さんの人柄が見えてくるのは面白い。

  • お墓参りを兼ねたお散歩エッセイ。ある時は母親と、ある時は夫と、ある時は親友の西加奈子と、ある時は編集者と訪ねる文豪のお墓の数々。
    墓前に語り掛ける会話もいい。
    例えば、幸田文のお墓の前で、ナオコーラ「愛読しております」書店員の夫「本を売ります」
    また、高見順のお墓の前では生まれたばかりの赤ん坊の手を合わせさせる。
    そして、お墓参りをしていくうちに筆者はこう考える。
    「そうだ、死というのは時間が止まるだけのことなのだ。死ぬのが怖くなくなってくる」
    私は、特に森茉莉(禅林寺)詣りの文章が気に入りました。巻末のお墓地図も親切です。

    本書PR文:
    終戦の前日、永井荷風と谷崎潤一郎がすき焼きを食べた。あの文豪を、もうちょっと知りたい。二十六人の作家と出会う、お散歩エッセイ!永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。谷崎はデビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。一九四五年八月十四日、二人は疎開先の岡山で再会します。終戦の前日に、谷崎は牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。……このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。今は、お墓の中にいます。時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。現代の作家が、昔の作家に会いにいきます。二十六人の文豪たち――中島敦、永井荷風、織田作之助、澁澤龍彦、金子光晴、谷崎潤一郎、太宰治、色川武大、三好十郎、幸田文、歌川国芳、武田百合子、堀辰雄、星新一、幸田露伴、遠藤周作、夏目漱石、林芙美子、獅子文六、国木田独歩、森茉莉、有吉佐和子、芥川龍之介、内田百閒、高見順、深沢七郎。

  • 墓参りの前後に、飲食シーンを挟んでいるのはわざとなのかな。「生きることは食べること」「墓=死の象徴」で、著者自身の出産・育児経験と、父親を亡くしたことと合わせて、生と死の対比を表現しているのかな。

  • 「文學界」に連載していたもの。明治・大正・昭和の作家たちのお墓参り。一人で、ご主人と、お母様と、友人(西加奈子)と訪れる。お花を買い、桶や束子を借りてお掃除もして。そして近くのお店で食事もして。ちょっとしたお散歩気分。そして大学で日本文学を専攻していた著者らしく、その作家の作家論・作品論も。単なるっ街歩き本では終わっていないところが良かった。

  • ごめんごめん、やっぱりナオコーラがあまり好きじゃなかった。

  • 文ストのキャラの絵を、森茉莉の章が来たら群ようこを思い浮かべながら読んだ。私は戦国ゆかりの地を巡りたいな。宮部さんの平成お徒歩日記より好きだな。
    そして遠藤周作の海と毒薬が読みたくなった。人間不信、絶望に陥りたい。

  • 自分ち以外のお墓参りをしたことない自分
    そんな趣味はアリなのかとちょっと驚きつつ、興味深く読んだ
    お墓参りと肉はセットなのか、そうかー

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000153076

  • そういう切り口できたかぁ、と。文豪のお墓をお散歩感覚で巡るナオコーラさんの感想が現代っ子だなぁ、と。ナオコーラさんの日常話があり、お墓参りした時に感じた事や文豪たちの作品を引用し、ナオコーラさん独特の感性で書かれた文豪たちの印象が面白かったです。ナオコーラさんのこの作品は古き良き時代の文豪たちの作品を読もうかな、と思わせてくれる一冊でした。

  • 「文學界」に連載されていたものを単行本化。しかしこんな企画をよく考えたものだ。著者は、一人ではなく、つれあいさんか母親とお墓まいりをしている。やはり一人で行くものじゃないのだろうか。あと、著者による作家の肖像イラストがある。

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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