文豪お墓まいり記

  • 文藝春秋
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本棚登録 : 127
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163909707

作品紹介・あらすじ

終戦の前日、永井荷風と谷崎潤一郎がすき焼きを食べた。あの文豪を、もうちょっと知りたい。二十六人の作家と出会う、お散歩エッセイ!永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。谷崎はデビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。一九四五年八月十四日、二人は疎開先の岡山で再会します。終戦の前日に、谷崎は牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。……このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。今は、お墓の中にいます。時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。現代の作家が、昔の作家に会いにいきます。二十六人の文豪たち――中島敦、永井荷風、織田作之助、澁澤龍彦、金子光晴、谷崎潤一郎、太宰治、色川武大、三好十郎、幸田文、歌川国芳、武田百合子、堀辰雄、星新一、幸田露伴、遠藤周作、夏目漱石、林芙美子、獅子文六、国木田独歩、森茉莉、有吉佐和子、芥川龍之介、内田百閒、高見順、深沢七郎。

感想・レビュー・書評

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  • お墓参りから広がる、著名な作家たちの交流や食卓、生活について、山崎なおコーラの目線も交えてゆったりと読み進められる。
    当たり前だけど、みんな生きていたんだよなぁ。人間を知ると、作品を更に読みたくなる。未読の作家も含め、読みたいメモが一気に増えた!

  • 本作に出てくる文豪の作品について、自分自身は不勉強ながらほとんど読んだことがありません。
    …とはいえ、本作を読み進めるうちに「小説を読んでいないことを『不勉強』と捉えるのはなんだか違うのではないか」という思いが湧いてきました。
    著者の山崎さんも過去の文豪たちも、おそらく自身の作品を誰かに何かを学ばせるために書いているわけではないし、教材的な見方をされるのは違和感を覚えるのではないか、そんな気がしました。
    終始静かな文体で綴られる本作は「死はネガティブなだけのものではないし、小説はもっと気軽に手にとっていい」ということを教えてくれます。

  • ◆自身の死と、生を想う [評]伊藤氏貴(文芸評論家)
    東京新聞:文豪お墓まいり記 山崎ナオコーラ著:Chunichi/Tokyo Bookweb(TOKYO Web)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2019032402000188.html

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    終戦の前日、永井荷風と谷崎潤一郎がすき焼きを食べた。
    あの文豪を、もうちょっと知りたい。
    二十六人の作家と出会う、お散歩エッセイ!

    永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。
    谷崎はデビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。
    一九四五年八月十四日、二人は疎開先の岡山で再会します。終戦の前日に、谷崎は牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。
    ……このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。今は、お墓の中にいます。時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。現代の作家が、昔の作家に会いにいきます。

    二十六人の文豪たち――中島敦、永井荷風、織田作之助、澁澤龍彦、金子光晴、谷崎潤一郎、太宰治、色川武大、三好十郎、幸田文、歌川国芳、武田百合子、堀辰雄、星新一、幸田露伴、遠藤周作、夏目漱石、林芙美子、獅子文六、国木田独歩、森茉莉、有吉佐和子、芥川龍之介、内田百閒、高見順、深沢七郎。
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163909707

  • 『文豪 お墓まいり記』というタイトルを見て、文豪がお墓まいりに行って、あの世の先輩と交信するファンタジーなのかと思ったが、違った。
    いや、ファンタジーではないけれど、大体合ってる?

    表紙のイラストが、なんともBL小説っぽい。
    どういう読者層を想定しているのか考えてしまうが、私が釣りあげられたことは事実である。
    この表紙は、谷崎潤一郎が疎開先の住まいで、憧れていた永井荷風をすき焼きでもてなしている図だ。
    先輩を精いっぱいもてなしたくて、高価な牛肉を苦労して手に入れた。
    もちろん、戦時中にそんな贅沢をすることに罪悪感が無いわけではない。
    しかし、先輩をもてなしたい気持ちの方が勝ったのだ。

    山崎ナオコーラさんがお墓まいりをした文豪は26人。
    だから、一編の文はあまり長くない。
    夫と一緒だったり、母と一緒だったり、編集者と一緒だったりする。
    どこでどんなお花を買って、どんなお店で何を食べたか、ということが必ず書かれる。
    はじめは、「お墓めぐり」であり、とにかくたくさんお参りして、リスト作り・数自慢なのかと思ってしまったが、それは私が浅はかだった。

    食事・お花というのは、生きている自分の糧と、亡くなった方へ供える糧、という対比で書かれているのだろう。

    学生の頃から、「文学者が戦時下でどういう仕事をしたか」に興味があったという著者は、短い文章の中でも、深い考察を見せる。
    反戦を暗喩する作品を上げるか、または戦争には全く触れずに自分の文学の世界を描き続けるか。
    時代に流されるか。
    作家の独特の死生観にも触れて、自分も考える。

    ひとつ面白かったのは、幸田文と森茉莉の対比である。
    どちらも偉大な父を持つが、家事にまめな文と、ずぼらで掃除もできないお姫様な茉莉は対照的。
    娘に厳しいしつけをした露伴と、甘やかして溺愛した鷗外…その違いなのか否か…

    巻末に作品中で行ったお墓の場所を載せた路線図あり。

  • そういう切り口できたかぁ、と。文豪のお墓をお散歩感覚で巡るナオコーラさんの感想が現代っ子だなぁ、と。ナオコーラさんの日常話があり、お墓参りした時に感じた事や文豪たちの作品を引用し、ナオコーラさん独特の感性で書かれた文豪たちの印象が面白かったです。ナオコーラさんのこの作品は古き良き時代の文豪たちの作品を読もうかな、と思わせてくれる一冊でした。

  • 「文學界」に連載されていたものを単行本化。しかしこんな企画をよく考えたものだ。著者は、一人ではなく、つれあいさんか母親とお墓まいりをしている。やはり一人で行くものじゃないのだろうか。あと、著者による作家の肖像イラストがある。

  • 生前のエピソードが興味深く面白かった。
    私には作品知識も思い入れもないから、お墓参りは行けないな。

  • とても読みやすい本です。数時間で読めました。
    お墓の描写よりも、お墓詣りすることによって沸き起こる作家への追憶回想がメインのエッセイです。そのため、この本を読んだ後、取り上げられた近現代の日本作家の本を無性に読みたくなると思います。
    まずは、深沢七郎から読もうかな。。

  • コンセプト自体はすごく面白かった。文豪の墓参りをする。面白い。わたしの地元には太宰治、森鴎外、森茉莉が眠っているのだが今だに墓を訪れたことがない。行ってみたいとは思ってるのだけども。。。
    コンセプトは面白いんだけどやっぱりナオコーラさんの書くエッセイ、悲観的というか自虐的というか、ネガティブで、卑屈で、、卑屈、ほんと、嫌になるくらい随所で出てくるから好きじゃないなー。(じゃあ読むなとか言われそうだけどね)

  • お墓参りといえば肉だ がなんでか面白くて
    亡くなられたお父上のことにも触れられ、
    もう少し知りたいと思ったり、印象的な言葉や読んでみたい本があった

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著者プロフィール

1978年生まれ。『人のセックスを笑うな』で第41回文藝賞を、『美しい距離』で島清恋愛文学賞を受賞。その他の著書に『浮世でランチ』『この世は二人組ではできあがらない』『ニキの屈辱』『昼田とハッコウ』『反人生』『ネンレイズム/開かれた食器棚』、エッセイ集『かわいい夫』『母ではなくて、親になる』、絵本『かわいいおとうさん』などがある。

「2018年 『偽姉妹』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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