極夜行前

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 95
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163909745

作品紹介・あらすじ

2018年の超話題作『極夜行』の“エピソード1”といえる、本番前に要した3年間の準備の旅。2018年、ノンフィクション界の話題をさらった『極夜行』。太陽の昇らない冬の北極を一匹の犬とともに旅をし、4か月ぶりに太陽を見るという誰も真似できない大冒険を描いた作品でした。新作『極夜行前』はその名の通り、『極夜行』を完遂させるために要したプロセスを描いたものです。角幡さんは言います。何事にもプロセスが大事なんだと。本番の旅を迎えるためには3年の月日がかかりました。その間、毎年北極に行き、自分が計画している極夜の旅が実現可能なものなのか、様々な面から試行しました。いよいよ本番と位置付けた年の春~夏には、事前に自分と犬の食料や燃料をカヌーで遠くのいくつかの小屋に運びました。その過程ではセイウチ(海象)に襲われて危機一髪の局面もありました。この3年に何があったのかもぜひ皆さんに知ってもらいたい。そしてこの準備があったから『極夜行』が書けたのだということも。『極夜行』と同様、一度読みだしたら止まりません。

感想・レビュー・書評

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  • 風とは何か?闇の世界にいるとその答えが分かる。すなわち風とは音である。それを知るのには視覚は余計な情報だ。

    私は北海道に住んでいますが、比較にならないほど、寒さ、それと、自然の驚異に驚かせた。極夜行を読んでみたい。

  • 海象こわい…!はずなのになんだかコミカル。角幡さんの文章好き。エッセイも読みたくなりました。

  •  一日中、闇の極夜の冒険に挑む。
     極夜行の前日譚である。

     その冒険に前、三回現地へ行き食料などをデポする。
     それだけで既に冒険だ。
     一回目のデポは何者かによって消費されて無駄となる。
     二回目のデポで犬ぞり用にウリミヤックを引き連れるが、この一歳犬は言うことを聞かない。
     怒りがこみ上げるたびにボコボコにする。
     三回目のデポではカヤックで荷物運搬をするが、海氷に阻まれ、さらにはシロクマ以上に危険な海象に襲われる。

     そしてラストは極夜行のトラブルの原因となる。
     段取り八分。
     ただし、相手は自然である。
     自然は非常である。

     冒険をスポーツから取り戻す。
     筆者の今後の活動に期待。

  • ラストのオチがすごい。極夜行本編を読みかえさずにいられない。これからも冒険記を書き続けて欲しい。
    この人の非凡な冒険と比較して、ときどき出てくる脱システムの思考は凡庸としか思えず、こだわっている様子を不思議に感じる。犬との関係がやはり最も素晴らしく、そこからの方が哲学が出てくるんじゃないかと思った。

  • 前作「極夜行」は非常な名作でした。
    息苦しい明けない夜の中を犬を道連れにさまよう臨場感が最高でした。
    コミカルさがブレンドされて思わずくすっとさせる能力まで手に入れて、何処まで行くのか角幡唯介という出来でした。
    今回はそんな「極夜行」の準備段階を本にしているのですが、侮るなかれ、本編に負けず劣らず、というか準備の方が死にかけている位すごい。セイウチとの海上チェイスから寒中水泳までありえないエピソードが山盛りです。
    そして本編でパートナーとして愛くるしくも凛々しく旅をした、犬橇犬のとの出会いが読めます。
    そして何よりも「天測」という方法を身に着ける為に、既に捨てられつつある技術の習得と創意工夫をする姿に胸が熱くなります。
    冒険家は文章力重要ですね。どんなにすごい冒険をしても僕らに伝えてくれないと自己満足ですから。現在の冒険家で最高の文章力を持った人だと思います。高野秀行がんばれ。

  • 「極夜行前」というタイトル通り、前作「極夜行」の準備に費やした冒険を描いたもの。
    前作が書下ろしであったのに対して、本作は雑誌の連載を元にしたようだ。そのためか部分的に重複感があり二番煎じのような部分があるものの、これはこれで十分に一つの作品になっている。できれば読む順番は逆の方がよかったかなぁ。
    圧倒的な自然の中で死と隣り合わせのヒリヒリとする感覚。我々が決して経験することが無い世界を豊かな文章で綴る、著者らしい一冊だった。

  • 極夜行を読む前に読めばよかった…

    最後の章、シーカヤックに乗る人は3倍楽しく読めるかも。

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著者プロフィール

角幡 唯介(かくはた ゆうすけ)
1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。同社退社後、ネパール雪男捜索隊隊員。『空白の五マイル』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。『アグルーカの行方』(集英社)で講談社ノンフィクション賞受賞。

「2014年 『地図のない場所で眠りたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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