陰陽師 女蛇ノ巻

  • 文藝春秋 (2019年2月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784163909769

作品紹介・あらすじ

「そういうおまえが愛しうて、こういう眼になってしまうのだ。博雅よ」(「さしむかいの女」)



シリーズ開始から30年を迎えた、稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が活躍する600万部超の人気シリーズ第16巻。



【目次】

「傀儡子神(くぐつがみ)」桜を愛で酒を呑む晴明と博雅。そこへ道満が木偶を持ってやって来る。

「竹取りの翁(おきな)」老母が山にでかけたまま消えて五年。妻が目が痛いと訴え……。

「さしむかいの女」兄弟子に頼まれた晴明は三日間目を覚まさない男のもとへ向かう。

「狗(いぬ)」女の童をつけ狙う白い狗。道満は童と狗を離すように忠告したのだが……。

「土狼」姿を見せずに人の足を喰うものの正体を、晴明が突き止めると……。

「墓穴(つかあな)」雨宿りするために入った墓穴で、男は鬼と出会った。

「にぎにぎ少納言」毎夜あらわれては少納言の右手ばかり噛む女の正体とは。

「相人(そうじん)」僧の登照は、夜道をゆく博雅の笛の音を聴いて死相を感じた。

「塔」比叡山の僧・玄珍は、奇妙な夢を見た。

「露子姫」薄紫色の衣を来た女性が、露子姫の夢に出て歌を詠むのだが……。

「月を飲む仏」巨大な薬師如来を目撃した晩、博雅の夢に美しい女が現れる。

「蝉丸」逢坂山で独り暮らす蟬丸は自然の中で琵琶を弾く。



著者略歴:1951年神奈川県生まれ。77年「奇想天外」に「カエルの死」を発表し作家デビュー。『餓狼伝』『魔獣狩り』『キマイラ』『陰陽師』シリーズで人気を博す。89年『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞受賞。2011から12年にかけて『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞受賞。2017年、第65回菊池寛賞受賞、2018年に紫綬褒章受章。

感想・レビュー・書評

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  • 今回は初期を彷彿とさせる怖い話が前半にあり、後半は最近よく見られるファンタジー色の強い構成になった印象です。

    いつもながら風景描写や虫の声、風の音を文字で表すのが本当に上手い。

    「竹取りの翁」「墓穴」は本当に切なかった…

    その他、蘆屋道満や露子姫、蝉丸法師など準レギュラーの登場もあり、賑やかな短編集でした。

  • シリーズ第十六弾。

    陰陽師 女蛇(めのへび)ノ巻

    ・傀儡子神(くぐつがみ)
    ・竹取の翁(おきな)
    ・さしむかいの女
    ・狗(いぬ)
    ・土狼(どろう)
    ・墓穴(つかあな)
    ・にぎにぎ少納言(しょうなごん)
    ・相人(そうじん)
    ・塔
    ・露子姫
    ・月を呑む仏
    ・蝉丸

    今回はちょっと多めの十二編。
    怖そうな表紙はおそらく「にぎにぎ少納言」
    題は少々緩いが、まあ怖い話か。
    他にも「竹取の翁」「狗」「土狼」「墓穴」など、けっこう怖い話が多かった印象。

    考えさせられたのは「相人」
    今昔物語にある人相見が得意な登照(とうしょう)という僧の話。前半部分は今昔物語そのまんまだが、後半の捻りが獏さん流である。もう、こんなの絶望するわ。デスノートか。平安流デスノート無意識発動か。俺ならどうするかなー。自殺するか、誰にも関わらずずっと独りで生きるか。よけいな力はいらんよな。

    しかし露子姫は相変わらず虫を愛で、あの平安の世で力いっぱい思うように生きていて好感しかない。

    「しかしねえ、露子や、女の幸せというのは、よき家の、どのようなお立ち場の男の方の子を生むかということで決まってくるものだからねえーー」
    「それは、お父さまが、なにかだまされているのよ。女の幸せなんてもの、どこにもないのよ。あるとすれば、女の幸せじゃあなくて、わたしの幸せなんだから。お父さまの言う女の幸せが、わたしの幸せと同じだなんて、どうか思わないで下さいな」
    このような会話が、月に一度は、父と娘の間でかわされているのである。
    「ねえ露子や、親の贔屓目で言うのじゃないけれど、おまえの見目は、普通の女性よりずっと優れているのだけどねえ」
    「わたしはわたし。むしが好きで、草の上を走るのが好き。御簾(みす)の向こうで、なよなよしてるだけなんて、まっぴらだわ。こういうわたしのことを、そのまま好きと言って下さる方がいるのならともかく、どなたかの子を生むために、わたしがわたしでなくなるなら、一生このままでもいいのーー」

    (〃⌒∇⌒)ノ モットイッタレー!!

    • 土瓶さん
      みんみんさん。
      露子姫は自由です( ´∀`)bグッ!
      虫を追っかけまわします。

      1Qさん。
      ふりがな疲れました。もっと褒め称え...
      みんみんさん。
      露子姫は自由です( ´∀`)bグッ!
      虫を追っかけまわします。

      1Qさん。
      ふりがな疲れました。もっと褒め称えて下さい^^

      ゆーき本さん。
      にぎにぎは蛇でした。握って握られて手をガジガジです(笑)
      おにぎりは筋子が好きです。
      2024/10/04
    • 1Q84O1さん
      土瓶師匠

      ふりながら作業お疲れ様でした!
      ふりがな最高ッス!
      読みやすくて非常に助かります!
      あざーす!
      次からももちろんお願いしますよ!...
      土瓶師匠

      ふりながら作業お疲れ様でした!
      ふりがな最高ッス!
      読みやすくて非常に助かります!
      あざーす!
      次からももちろんお願いしますよ!w
      2024/10/05
    • ゆーき本さん
      おにぎりは鮭が好きです。
      ツナマヨが食べられません。
      おにぎりは鮭が好きです。
      ツナマヨが食べられません。
      2024/10/05
  • 晴明が相変わらず博雅大好きでにまにましてしまう。露子姫いる前でもいちゃいちゃしてるし。露子は気にしないでしょうけど。「傀儡子神」、微笑ましいラストなんだけど、突然有能な部下が消えた伊豆守を思うと切ない。「蝉丸」、3年もこっそり通う博雅とそれを黙認してた蝉丸の関係、晴明が妬きそう(笑)「相人」、無自覚で呪ってしまうのは怖いな。博雅の特異体質がさらっと語られる。ちょっと呪われても笛を吹けば祓われる。すげぇ。自然のもの、なるほど。
    他どの短編もよろしかった。

  • 短編集なので玉石混交。
    自分は『陰陽師』のキャラクターが出れば何でも良いというわけではないので、ちゃんと物語性があって、心に残るお話が好きです。

    この巻では『相人』が良かったです。

    しかし、このところは物語とはいえ、国家公務員たる晴明さんのフットワークが妙に軽いうえに全体的な口調や博雅さんへの言葉などにお年を感じます。
    多少のネタ切れ&作者さんの年齢が関係しているのかな~。

  • 陰陽師シリーズと書くまでもないが。

    あとがきに作者の連載状況が書いてあったのだが大丈夫なのか作者。バイタリティに恐怖を感じる。

    なんだかんだで読みでがあるなと感じる話が多々。
    最近というかまあ、わりと多かった「いつものような話」と感じることがなかった。
    しかし博雅はいつも誘いに乗ってくれるけど、突然の遠出にも対応できるとか、まあ、この頃の上流の人ってそんなものか。方角悪ければ休むし。

    蝉丸法師と博雅の馴れ初め話がなんか若いわー博雅若いわーってなって微笑ましい。
    夫のことも「つま」と呼ぶ、というのは最近のNHKの番組で知ったばかりだったのでうむなるほどこういうことかと思いながら読んでいたのだが、やはり違和感は拭えんのですな。ただこの夫婦はいいな。爺婆って言ってるけど若いんだろうな。四十、五十とかくらいなのでは。

    なぜか教養が欲しいとか思いながら読んでた。教養が欲しい。

  • 安定感にヌクヌクしながらホクホクした気持ちで読み終えました。
    登場する人物が皆(多様な意味で)自由なんだなあ、としみじみ思いました。「どうせ生きるというのは、死ぬまでどうおもしろう遊ぶかじゃ」なんて言われると、にんまりして、そのように生きたいのだけれど、なかなかそうもできない自分を思います。そんなことを思っていると、心の持ちようで世の中などどうにでもなるものだ、と言われそうな気もしてきます。
    人物が自由で、それをとりまく景色も自然、本当に自ずから然り、という感じで美しい。
    人の業というものを的確に表しながら、すっと心を軽くさせてくれる。
    まさしく。陰陽師の呪にあやかっている気になります。

  • なんかホンマに、巻を追うごとに愛が溢れてってますなぁ…。実際の晴明には奥方がいたはずだけど、この物語の中ではいつまで経っても博雅と連れ立ってるんだろう(笑) 道満も近頃ではめっきりお茶目な翁だし…あぁなんだか平和だ(笑)

  • 待ちに待ってた最新刊。
    露子ひめが、取り繕わなくても、どんな自分も受け入れてくれる存在がいたら結婚してもいいって言った舌の根も乾かぬうちに 当人目の前にして、博雅がただそこいる、それだけで意味がある。それだけでありがたいって言っちゃう晴明さまよ。。〜愛〜

  • 久しぶりに陰陽師シリーズを読みたくなったので。短編冒頭の、庭(自然)の描写が毎度ながらいつも本当に好き。美しさも、同時に恐ろしさも、やわらかな言葉で繊細な空気のゆらぎが感じられる文章で好きです。お話も安定の面白さでよかった。

  • 夢枕獏、陰陽師シリーズ読了しました!この本でラストです。陰陽師シリーズでは自分の好きなキャラがいるのですが(虫愛る姫君、露子姫)、この本には2話も登場して嬉しかった。いつの間にか源博雅と安倍晴明の飲み友達みたいになっているのも良いです。
    陰陽師シリーズはどれも平安の時代にふーっと迷い込んだかのようで没入できるし、その割に軽く読めるし、博雅と晴明のお互いを信頼し切った会話も心地よかった。

  • 『蝉丸』が好き。蝉丸と博雅の出会いを蝉丸目線で書いてあるのが新鮮だった。博雅のふんわりとした優しさとはちょっと違ったどっしりとした優しさかな。

    あとがきで知ったけど夢枕獏の連載の多さにびびった〜。すごいよ。次の新刊も楽しみにしてる。「満月や添い寝の屍体の笑い声」の句が訳分からんけど愉快で好き。

  • 今回はあまり大きな事件は無かったような気がする。

  • 人の社会で生きていた傀儡の人形のお話「傀儡子神」
    死相が見える僧は、実は見た人を死に追いやれる能力を持っていたという悲しい真実を晴明が見抜いてしまうお話「相人」
    博雅と月を飲む薬師如来と道満のお話「月を飲む仏」 他。
    大好きな露子姫が出てきたり、一つ一つが秀逸だった。
    面白かった。

  • 陰陽師シリーズ、16作目。短編12作。

    「ゆこう」「ゆこう」という晴明と博雅の二人の距離感、関係性が相変わらず心地よい。とりあえずお酒を与えれば何とかなりそうな道満も可愛いし、露子姫も可愛い。タイトルまんまの「露子姫」もとてもステキで綺麗な文章で癒されました。博雅の笛の音に死相を見た「相人」では、晴明の博雅に対する愛情たっぷりの人間評にキュンとさせられるし、聡く察していく相人の登照にやるせなさや同情を感じてしまったり。それぞれ短いお話だけれど、読み応えのある、しばらく余韻にひたりたいお話ばかりでした。
    30年にもわたる長期連載のこのシリーズだそうですが、これからも二人が変わることなく続けていってほしいなと思います。

  • 全てのものが愛おしく思える魔法にかかる本

  • 様式美 様式美。
    露子姫がきゅうに現代ぽさをだしてくるのすき。

  • なんかBLっぽくなってきた

  • 2019.07.20.読了

    久しぶりの陰陽師。
    晴明も好きだけど、
    いつ読んでも
    博雅が本当に好き。

    前にも登場した蟲好きな露子姫も
    好きだわ。

    前はいいとは思わなかった
    蘆屋道満もいい味を出してるなあと思えるようになり
    私も少し大人になったかなと思ったりして。

  • 夢枕獏の陰陽師シリーズは以前からはまっている。
    マンネリだが読むのをやめられない。
    そのマンネリさが良かったりする。

    この本も安定の満足度。

    大好きなキャラクターの虫愛づる姫こと露子が久々に登場したので更に満足度が高まった。

    良かった…。

  • 世の無常や儚さ、季節の移ろいを定期的に感じられる陰陽師シリーズが大好き(*´ー`*)毎回、晴明と博雅が酒を呑んでいるシーンが好きだけれど、今回は「蝉丸」がそれを上回った(*´∇`*)道満だけでなく、露子姫もお元気そうでなにより(^^)♪

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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