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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163910116
感想・レビュー・書評
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想像以上に面白かった。
過酷な職場を志す物理波矢多が今回見つけた職は、灯台守。
赴任地の轟ヶ崎灯台を目指す道中、やっとたどり着いた灯台でと…様々な怪異が彼を待ち構えている。
ピュアで明るいイメージの白を見事にダークに変化させ描かれた不気味さはさすが。
灯台長との、まるで合わせ鏡のような体験は偶然の一致か必然の一致か…波矢多の推理にはキラリと光るものを感じた。
特に雨と一緒にしがらみを洗い流す…の推理は感嘆の吐息。なるほどね。
そしてまるで待ち構えていたかのような悪寒。たまらない。
次なる波矢多の職が早くも楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前回は炭坑を舞台にした不可思議な連続殺人事件だったが、今回は灯台を舞台にした不可思議な因縁話。
前回のような如何にもな連続殺人事件という派手な事件が起きない分、中弛みというか飽きそうになった部分があったのが残念。
前作での炭鉱夫から一転、今回は灯台守(正式には航路標識看守)として東北地方の轟ケ崎灯台に赴任することになった物理破矢多(もとろいはやた)が、灯台に行き着くまでの不可思議な体験と、灯台に辿り着いた後に聞いた灯台長の体験談と不可思議な因縁に気付く。
前作は「黒い狐面」だったが、今回は何かと「白」が出てくる。白い面を被った女、後を付いてくる白いモノ、白衣の森に白拍子の白子村、白神楽に白神…もう白尽くしだ。
本来なら漁船で灯台の麓に着けるはずが船長が嫌がり少し離れた港へ回り、そこから陸路で山に入り藪を漕ぎ、そうしているうちに夜が更けて、お誂え向きに怪しげな一軒家にたどり着く。灯台に早く着任しなければならないのに、なかなか辿り着けない。
しかもそこに辿り着くまでに何やら怪しいモノにずっと追いかけられる。
ようやく辿り着いてホッとしたのもつかの間、灯台長から聞かされた体験談にあまりの自分との相似点に気付いて不安にかられる。
つまり灯台長の体験談は破矢多の未来をも暗示しているのだから。
先にも書いたように、今作は前作のような殺人事件は一切出てこない。出てくるのは破矢多と灯台長、二人が体験した不可思議な出来事だ。
白いものに追いかけられ、見つめられ、先回りされる。
今回は前作と違って全面的にホラーテイストかと思いきや、終盤にははやり破矢多の謎解きが始まる。
しかしそれでも刀城シリーズのように物理的に説明が付くものと付かないものがある。
そしてその説明が付かないことにこそ、本当の恐ろしさがある。
破矢多が見たもの、聞いたもの、さっきまでいたモノは何だったのか。
「黒」「白」と来て、次は何色なのか。破矢多は今度はどこへ行くのか。そして何が待ち受けているのか。 -
いつ人が殺されるんだろうって勝手に思って読んだせいでなんかもう。最後バタバタバタっと謎解きだったな。灯台守の話は興味深かった。
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読むのに苦労した…。
ラスト100ページで怒涛の展開となって読み切れた。 -
読了。40点
三津田さんは非常に好きな作家さんですがこの作品はあまり楽しめなかった。
その最大の要因は語り部に感情移入できずまたその人物が見ているものも伝わってこなかったからでしょう。
超常的なホラー作品の怪異として、怪異がはっきりと観測・把握・肯定されるものと、そうでないものに分けることができると思います。
前者はその上で主人公たちが対峙するか逃げるかが話の本筋になりますが、後者は付かず離れずの距離感のまま話が進む。三津田さんの作品は後者のパターンも多くその上で比較的楽しめてはいましたが本作はその怪異の雰囲気だけで読み続けるには魅力に欠けました。
灯台守という職業にフォーカスを当てること自体は素晴らしいと思いますが如何せん説明がくどく読ませられる感が非常に強い。
もう少しコンパクトに纏められた中編小説としてならより楽しめたかもしれません。 -
物理波矢多シリーズ第2弾。
敗戦に志を折られた元エリート青年の物理は日本の復興を縁の下から支える過酷な職を選ぼうと決意し、前作の炭坑夫につづいて灯台守となる。しかし赴任地の轟ヶ埼灯台に向かう彼を待ち受けていたのは不可解な怪異だった…
ひたひたと迫る得体のしれないもの、山中の一軒家、見えているのに辿り着けない灯台。サプライズはあるものの前作よりホラー寄りな話で、怖さに引っ張られて読み進むうちに読み終わってしまった。
個人的には前作『黒面の狐』の方が好みだが、秘境の灯台と怪談という組み合わせはいい。 -
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『黒面の狐』に続く波矢多シリーズの第二弾。灯台守になった波矢多が「白い人」の謎に巻き込まれる。彼自身が体験した奇妙な出来事と、灯台守の上司が過去に体験した出来事の、時を隔てた相違の謎を解くホラーミステリ。不気味な効果音の繰り返しで怖さが増してくるいつものパターンだけど、今回もゾクゾクさせられた。
ホラーミステリであるから、謎解きも本格ミステリの様に全てが明らかになる訳では無く、曖昧な部分も残る。それを不完全燃焼と思うか余韻と思うかで評価は分かれるだろう。私は『黒面の狐』の方が好きだな。 -
いわゆる殺人事件は最後まで起こらずでびっくり。それでも最後にはうわっとゾクッとするような謎解きが展開されて面白かったです。灯台守というまたしても特殊な職業でしたが、戦前からどういう形態を経ていっているのかの説明辺りは素直に感心しながら読みました。
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物理波矢多シリーズ、2作目。
前作は北九州の炭鉱が舞台であったが、今作は東北地方にある灯台が舞台。現代は船にGPS機能がついているし、灯台そのものの役割が薄れてきている上、灯台の無人化で灯台守という職業も消失しているとのこと。なので、今は存在しない灯台守がかつてどういう仕事でどのような暮らしをしていたのか、その実態をとても興味深く読めました。ただ、前作は怪奇譚でありながらも本格ミステリの面もちゃんとあり、謎に対してそれなりに合理的な解決が成されていたと思うのだが、今作は結局のところ怪奇譚は怪奇譚でしかなかった、という結末で終わってしまった。少しばかり謎解き的なところもあるけど、最後、灯台長の存在そのものを怪異譚で終わらせてしまうと、それまでの全てが非現実化してしまって元も子もないような。もう少し、合理性があっても良かったかな。 -
『黒面の狐』の続きになるのかな。
相変わらず、雰囲気が怖い。
本なのに、文字から嫌な空気が流れ出てくるような感覚。
文章として物凄く怖い言葉が書かれているわけではないのに、「何か気持ち悪い。おどろおどろしい気持ち」になってしまうのはすごい。
「白もんこ」の正体が結局何なのかうやむやなまま終わったけど、そこがいいのかな。結局怖いものは怖いもののまま。この本には、その結末がピッタリかな。
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