愛が嫌い

  • 文藝春秋 (2019年6月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163910444

作品紹介・あらすじ

おおきくなる、つよく逞しく、この夜を越えてゆけ。



自分の、ひとつひとつの輪郭がぼやけて、危機感をもてないまま

今日も一日をやり過ごす。就職して恋愛結婚して、その先に何があるだろう。

地震に金融崩壊。カタストロフに満ちた社会で、丁寧な明日をうまく保てない。

ある日、夜の川のたもとで出会った少年。女友達の幼い子ども。

そして舞い込んできたルームメイト。時を重ねて、夜の時間がほどけてゆく。



黄昏日本の、みずみずしさをたたえた青春物語。

「しずけさ」「愛が嫌い」「生きるからだ」の3作を収録した

新芥川賞作家の飛翔作。

みんなの感想まとめ

日常の中に潜む寂しさや不安、そして微妙な心の揺れを描いた作品は、青春の瑞々しさを感じさせる短編集です。三つの物語が織りなす世界は、引きこもりの青年と家庭に問題を抱える少年の交流や、働きながら感情を失っ...

感想・レビュー・書評

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  • おだやかな日常の中に確かに存在する、寂しさや、言い様のない不安、暗さ、ねじれとも呼べないくらいのねじれ。日向と日陰のあわいを読む印象。

  • 2022.05.08
    短編集だが、かなり読みにくかった。
    筆者のこだわりかと思うが、普段漢字で書く単語がひらがなであったり、その逆があって難しく感じた。
    そろそろ面白くなってきたぞ!って所で終わってしまうので消化不良であった。

  • ‪町屋良平さんの『愛が嫌い』を読んだ。文章一つで氏の作品と判るのは、やはり稀有な才能なのだろう。
    だいぶ慣れたけれど、独特のひらがな使いや壊れた日本語に戸惑いつつ、必死で振り払われないようについていく…今回もそんな読書体験。
    正しい文法や表現を袖にするような端々に煌めく異端の美しさ。鬼才だ…‬

  • 期待せず読み始めたけれど
    結構すきでした。

    自分がやわらかいからこそ
    他人のやわらかさが怖い、みたいな
    優しさとも弱さとも言えないような感覚が
    ゆったりと漂っているように感じました。

    あと、自分とこの作者がカメラを持って同じ一日を撮ったとして、私が1枚写真を撮るあいだに、作者は5枚は撮るだろう、と思いました。

  • ひらがな表記が多かったり、表現がすらすら読めないところが多いが、うつ病や精神的に悩みがある人の思考回路を表現しているのかな?

  • 読書開始日:2022年3月12日
    読書終了日:2022年3月19日
    所感
    自分には合わなかった。
    多分経験した人にしかわからない部分が多い。
    自分はそういった人に寄り添えないのかと悲しい気持ちになった。
    いつもの読書のような共感が本作からはどうしても得られなかった。読む速度がそれを物語る。
    いざそういった人と対峙するとこんな感じなのだろうと思う。
    ただ【生きるからだ】でも一文「人格より優先したいものが強くある」と言う部分はわかる気がする。ここ数ヶ月だ。自分も自己同一性をロストして、人格の不必要の可能性に気付いたのは。ただ上松程掘れてはいない。
    書いているうちに共感がたくさん出てきた。以前の自分に戻るのが怖いこと、人格を失くすことで支障をきたすものが少なからずあること、人間味がなくなること
    でも、自分が好きだと思える範囲を大切にするなら有効な手立てだと思う。
    また読みたい。

    【しずけさ】
    大人ってのは、自我がない
    話を自分で拓いていく人は、どれだけ語っても自分に辿り着けない。終着点が向こうから来ると思ってる。その逆はある程度が終着だと折り合いがつけられる人
    粒子のこぼれで字を見る
    ゆううつがために自分の欲望に沿った浪費ができないのがいま。だからこそ逆、適度な浪費
    寝袋
    【愛が嫌い】
    感動
    喃語
    地震や不倫や金融崩壊。そういったカタストロフを想像せず築く丁寧な明日をうまく保てない
    鬱は今が強い
    ただそう言う雰囲気のことを言いたいだけ
    憩えない
    惹句
    世間からすると「ふつう」の域に閉じ込められ、その中で稼ぎに育児にとフル稼働する真菜加
    ひろ
    【生きるからだ】
    感慨の記憶
    鬱はかなしみすら感じることの無い無感覚の蓄積
    営業は相手の欲望を言語化し、それを叶えず自分の願いを相手に通すスキルが要求される
    モネ、睡蓮
    しろいうつわの底で水に浸っている鱈を見て、身につけた白い半袖シャツからのびた腕が涼しい
    困難宗教という磁場
    自己同一性なんてくそ、幻の自分でいい
    人生の自己同一性をロストしている
    なんかだれかを手本にして生きたくなった
    仰臥
    むした
    生きがいで誰かを虐げている場合じゃ無い
    生きがい=自暴自棄
    夕餉
    人格より優先したいものが強くある

  • 変な本だったな 2話が好みでした

  • 埼玉、少年期に過ごした昭和のマンション、元荒川、出版社勤務、男性、ゆううつ。
    条件を共有した三つの"かれ"は、もしかしたら同一人物でないのかもしれません。そのぐらい自己同一性を失ってしまったという暗喩なのかも。
    かれが語る言葉は、ぶつ切りになった時間の中を漂うように虚ろで幼く感じました。身体は新陳代謝されるのに、思考や感覚や記憶が代謝されないとは限らないよね?と問われた気がします。
    過去と現在と未来、昨日と今日と明日。
    実家と自宅と会社、家族と友人と恋人。
    ペルソナを使い分ける社会性のほうが、もしかすると不健全だなあと思います。記憶や関係性や、誰かに同化してしまえたら楽なのに・・・そんな自我のゆらぎを捉えた連作でした。

  • すべての輪郭が溶け合って、また年が明ける。

  • #愛だとか憶えるからだ思い出すからだ何度も生まれ直して

  • どの主人公にも共感出来なかった。でも、もしかして私のような人間が彼らを生き辛くしてるのかなと思ったり…

  • 合わなかった

  • 『しずけさ』
    仕事を辞めて、深夜の川のほとりで小学生と交流する”かれ”は薬を飲まなければまともな生活を送れない。

    『愛が嫌い』
    正社員の仕事を辞めてからファミレスでアルバイトをしている”ぼく”は、忙しい友人夫婦の代わりにひろを保育園へ迎えにいく日々を送る。

    『生きるからだ』
    同期二人は仕事を辞めた。”かれ”は「情緒」や「感慨」をなくしたけど仕事は続けて、彼女からプロポーズされる。

    ---------------------------------------------

    何がしたいのかもわからない”かれ”らは惰性のような毎日を過ごす。
    ”かれ”らは何もしたくないから何もしないんだろうけど、読んでいて何も感じることができない自分がむなしかった。なんなんだこれは、と思いながらページをめくった。むずかしい文章はまったくないのに読むのがきつかった。

    『生きるからだ』の”かれ”がドラクエVIのゲーム実況をしている場面で、「レイドック城」という単語が出てきた時、懐かしくてすごく興奮した。20年くらい前、小学生のころ遊んだドラクエVIの記憶が蘇った。
    短編三つの”かれ”らも自分が小学生だったころの記憶にしがみついているみたいだったけど、そういう興奮を探しているのかな、と思った。

    過去にとらわれている現在も、未来から見たら過去なんだろうな。

  • なんか、読んでいて気持ちいい。
    芥川賞受賞作の1R1分34秒よりもこっちの方が心地よい。

  • 短編集。
    「しずけさ」っていう最初にある話が好きだった。
    自分の家がおかしいって言いたいいつきはでもその言葉を持たない。
    持っていても、親を突き放すことも拒否することもできない。
    そういうのが、本当っぽくて普通で悲しかった。
    季節毎の夜の過ごし方の描写が、淡々としていて淡々とつらい。子どもにこんなことさせたらあかんよなぁ。
    夜に話す間に、いつきが気持ちに対して言葉をどんどん獲得していくのが面白かったなぁ。

  • 夜を生きる男性たちのお話三編
    しずけさ、愛が嫌い、生きるからだ

  • これがよくわからないのは心の老化かと心配になりました。読みづらかった!

  • 何も起こらず
    何も完結しない話

    意図的なひらがな多用は読みづらいだけ

  • 【踏み出せない一歩を踏み出す。新芥川賞作家のみずみずしい飛翔作!】愛が怖い、生活が怖い。成長できない自分をもて余している。ノッペラボウな僕の輪郭を取り戻すために。黄昏日本の青春物語!

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著者プロフィール

1983年生まれ。2016年『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞。2019年『1R1分34秒』で芥川龍之介賞受賞。その他の著書に『しき』、『ぼくはきっとやさしい』、『愛が嫌い』など。最新刊は『坂下あたるとしじょうの宇宙』。

「2020年 『ランバーロール 03』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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