将軍の子

  • 文藝春秋 (2019年7月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163910604

作品紹介・あらすじ

名君・保科正之の来歴を、爽やかに描きだす。



生まれた直後に養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。

不遇にも見える生い立ちの陰には、彼を思いやる多くの人々がいた。

養母となった武田信玄の娘、見性院。

人徳の高さを買われ、養父となった高遠藩主、保科正光。

そして陰に日向に力になってきた老中、土井利勝。



江戸城の外で育った「将軍の子」は、

いかにして稀代の名君と呼ばれるに至ったのか。

今もっとも注目される歴史時代小説の新鋭が、その半生を辿る。

みんなの感想まとめ

己の出生に葛藤を抱えつつも、保科正之が名君へと成長する過程を描いた物語は、彼の複雑な人間関係や周囲の思惑を通じて展開されます。将軍の血を引きながらも、幼少期に養子に出された正之は、父である徳川秀忠との...

感想・レビュー・書評

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  • 保科正之。将軍の血を引きながらも、己の出生について周囲の思惑によって明かされることがないまま幼少期を過ごし、自分の存在に違和感を感じていた。父親が秀忠だと分かり、権力というものを少なからず手に入れ、そこで大成したい、と欲を持ち始め、しかしその欲というのを己の至福ではなく世の為、特に弱者の救済の為、そして徳川の安泰の為に投じた。武士という存在が、戦士から官吏へと移り変わり、世の中が行き詰まりを見せている中、類稀なる発想力で泰平へと導こうとした。政治家の鑑といっても過言ではない。是非二世三世ばかり、奇しくも世襲制の永田町の方にも読んでいただき、この日本を良き方へと導いていただきたい。

  • p162 怠らず行かば千里の果も見む 牛の歩みのよし遅くとも

  • 将軍の子供として生まれながらも、生まれた直後に養子に出された保科正之の物語。
    最後まで父である徳川秀忠とは対面がかなわなかっあこと、兄弟である忠長、家光との交流など、見どころは多い。
    おそらく、同じような境遇である土井利勝との因縁、関係性など面白い。

  • 保科正之中心のエピソードがあるのかと思ったら全然ちがった。前半は家康、秀忠の子が歴史の裏ですれちがっていた話 で、そこに正之がちょっとかかわってくる。正之の描かれ方も名君というよりお人良し。後半は家臣が主人公で、最後の最後に正之が名君ぽくかかわる。何が書きたかったのかわからん。ねむい本。

  • 二代将軍、秀忠の子として生まれたが、子と認めにくい状況のため、保科家の養子となる。しかし、その境遇に鬱屈せずに育っていく様子や、保科家の跡取りとして先に養子になっていた左源太の思いや、秀忠の子として影から支援する土井利勝など、周辺の人々の様子も描かれていて、話に吸い込まれた。

  • 913-S
    閲覧

  • 保品正之、会津家訓十五箇条のため松平容保の運命が・・・は、置いといて何の説明もいらない有名人です
    初の佐藤巌太郎先生作品は大変良かった

    夢幻の扉の章から感想

    町奉行が山形藩主から呼び出された
    江戸初期の旗本と将軍弟という特別な関係とはいえ、大名家との関係を思わせる心情の動きも「ニマニマ」が止まら無い
    牢人の弟が兄をキリシタンと訴えた
    当時の感覚や、最近知った絵踏みに効果が無いケースもあった事など「あああ」と読者的に嬉しかった
    目こぼし依頼と誤解する奉行に、正しい裁決を希望するものの審理過程にて拷問を避け明白な証拠に基づく裁きを希望した

    正之の考えさせる言葉の影響で、やがて以外な真相と、その後の斜め上を行く正之の行動に喝采を送りたい
    シナリオとしてもミステリですか?と言いたいほど秀逸な流れに、作家の力量を感じた(次作以降も読もう)
    正之が人を上手に使うサマが象徴的な話でした

    改めて此の本は周囲の人間が正之を見て、心情が移り変わる所で正之像を浮き彫りにする試みだが、大変成功している
    なに、有名な正之事績を知りたければ中村彰彦先生の著作を読めばいいのだ
    (最近の作品は明らかになった歴史を元に描かれているので、そこを踏まえた作品は気持ちがいい)

  • 保科正之という人が立派な人だったのはわかったけど、思いの外、保科正之の話が少ない。。もっと見たかった気がします。

  • 淡々と

  • 保科正之を、その周辺の人物から描いたお話。仏のような人だ。
    2019/11/29

  • 連作短編7編
    保科正之の誕生から壮年期あたりまでをいろいろな人たちの視点で浮かび上がらせ,そのエピソードとともに人となりが際立っていて,スマートで非常に面白かった.家光も含めて保科正之に関わった人たちはいい人ばかりのような気がしたが,そうでなくては生き残れなかったのかもしれない.

  • 会津藩祖の保科正之の幼年時代から壮年時代を周辺の人々のエピソードを通して描いている。上手い設定。
    徳川家第一を通し抜いた会津藩行動の理由が判る。

  • 徳川二代将軍のご落胤で会津藩主となった保科正之の小説。保科正之...秀忠が認めたくても正妻お江の方に遠慮して認めることができず、しかし一旦異母兄である家光や忠長に認められた後は双方からとても可愛がられ、信頼されたという。私の疑問は、実の弟である忠長にはあれほど辛くあたった家光がなぜ保科正之には異母弟でありながら(だからこそなのかもしれないけど)とても優しくできたのか、忠長もなぜ親近感を覚えたのかといったところ。まあ真実はわからないのですが、この小説でなんとなくそんなところかという満足は得られました。さて、小説は面白いけど、後半は正之自身を描くというよりは正之の藩政が良かったというエピソードで終わっているのがちょっと不満かな。どんなふうに亡くなったか落とし前をつけてほしいぞと。
    しかし、本書では正之は秀忠に生前会えなかったように描いているけど、大河の「葵三代」では15歳の時に対面を果たしている。ちょっと調べた限りではどちらが正しいのかわからなかったけど、テレビは脚本家ジェームズ三木の優しい創作なのかしらん。

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著者プロフィール

作家

「2020年 『伊達女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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