日本の戦後を知るための12人 池上彰の〈夜間授業〉

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163910611

感想・レビュー・書評

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  • 文藝春秋社の広い講堂で、いろいろな人が夜間授業をしています。
    2018年4月~2019年3月池上彰さんに与えられたお題は「”戦後”に挑んだ10人の日本人」。
    既成の体制にさまざまな方法で挑んだ12人の人物伝です。

    選ぶ視点は「毀誉褒貶のある人」。
    その中で天皇陛下と美智子さまは、陰に陽に批判してきた勢力もあったから、ということ。

    それ以外の人物は、私が悪人と認識している人もおり、「こういうことを語れる池上さんて凄いな」と思いました。
    ナベツネの時は明らかに読売グループから送り込まれたとみられる参加者が目に付いたし、池田大作のときも創価学会会員、反創価学会、大勢の聴衆がつめかけたそうです。

    ナベツネのところでは、ここで初めて明かされる興味深いエピソードがありました。
    池上さんは「憎めない人」とおっしゃっていますが、私はますます嫌いになりました。

    とても面白い本でした!

  • さすが池上彰!と思わせる内容。

    もっと辛口に掘り下げてみてはどうか?と思うところもあるが、これだけの大御所を扱うのであるから、そう簡単にはいかないのだろう。扱われている人物(12人)をとりあえず理解するという目的には最適で、ここから読者の必要・興味に応じて発展してゆけば良いだろう。

    上皇・上皇后を取り上げた事に驚くが、戦後の日本国憲法下の天皇として国民と寄り添う態度を崩さなかった上皇・上皇后に対する感謝と敬意の念を抱く。

  • 久々にこんな読み応えのある本に出会えた。歴史の中で一番現代人に関係があるはずなのに、学習が疎かになりがちな戦後史を学ぶには最適。ジャーナリストらしく、教科書には書けないような踏み込んだ話もある一方で、根拠が薄い斬り込みすぎた話はなく、客観性が保たれている。そのバランスが良いと思う。

    今では当たり前のように受け止められている現実も、過去の泥臭い様々な出来事を経て、形作られてきたのだと、改めて実感した。現在を相対化して視点を広げられるという点で、歴史を学ぶ重要性を痛感した。

    読むと、「もっと勉強したい」ってなる本。

  •  日本の戦後に大きな影響を与えた人物について、毀誉褒貶(褒める事とけなすこと)により、人物を紹介し、その人が戦後の日本にどのような影響を与えたのかを、とにかく分かりやすく解説してくれている本。
     その人物が何を成し遂げたのか、その中での褒めるべき部分、そうでない部分という風にメリハリをつけて説明しているので、とても面白い。

  • とにかく説明の分かりやすさはさすが。

  • 表現しても大丈夫な事柄を選んで、コンパクトに纏めている。
    種々の人物の入門書。
    現代の漂白された世界に対するアンチテーゼ。総じて大きくプラスならば良いではないか。

  • こんばんは! 今日のイチオシの本は、
    『日本の戦後を知るための12人』:著 池上彰
    
     本書は、池上彰さんチョイスの、現代日本を形作った重要人物12人を語る本となっています。今回はその12人から【田中角栄】さんのご紹介をさせていただきます!調べてみると、田中角栄さんの人柄や人生はすごく面白いです。田中さんの成り上がりはまるで、農民から太閤まで上り詰めた豊臣秀吉、分かる人には分かるものですが『キングダム』の呂布韋のようです。
     このレビューを見れば、田中角栄という人物や当時の政治の流れを、【最速で大体知ることが出来る】ようになっています!政治や歴史のことになんとなく興味があるけどあんまり知らないよって方は勿論、興味なんかねえよ!って方にも面白い内容となっていますので、ぜひご覧ください!
    
    ※この記事は特定の政治団体や信条を支持するものではないです。あくまで、「面白いこと、ものをたくさんの人に知ってもらいたい」という本レビューの目的から書いており、本書と事実に基づいた内容となっていますので、ご安心ください。
    
    ●田中角栄...自民党の政治家であり、1972年の日本の内閣総理大臣。日中国交正常化などの大きな成果を挙げたが、「金脈問題」を契機に僅か2年で退陣。
    
    ①農民出身の内閣総理大臣
     日本の歴代総理大臣の中でも有名な田中角栄。さぞ有名大学出身のエリートなのだろうと思うところでしょうが、なんと彼は貧しい農民出身。しかも最終学歴は高等小学校卒。今で言うところの中学校卒程度の学歴しかありません。
     彼は高等小学校卒業後単身上京し、工場で働きながら夜間学校で勉強しました。その後、建築会社を設立して経験を積んだり、人脈を作ったりしていき、最終的には政治家になったという、努力で成り上がった人間なのです。これは、当時の「有名大学卒中心の政治」ではもちろん、今の「世襲政治」でもなかなか見られない異色の存在と言えるでしょう。
    ※「世襲政治」...現首相の安倍晋三は元総理である岸信介の孫、副総理の麻生太郎は元首相の吉田茂です。
    
    ②コンピュータ付きブルドーザー
     では田中角栄はどうやって成り上がったのでしょうか。暗記力、実行力等、要素はたくさんあります。しかし、彼を語る上で欠かせないもの、それは「金」です。彼は、工場で働いたり建築会社を経営したりした中で「金」の知識、使い方を培いました。政治家となってから、彼は金を上手く使うことで人の心をつかみ、成り上がっていきました。 
     彼の「金の使い方」を表す面白いエピソードがあります。これは総理になった後の話ですが、当時敵対していた議員が入院したとき、田中自身お見舞いに行きました。議員からしたらこれだけでも恐縮するのですが、帰り際に田中は封筒を置いていきました。その議員は、「田中さんは気前がいいからお見舞い金は50万円くらいかな。」と思い封筒を見てみたら、なんと500万円だったのです。しかも、それが4日間も続きました。合計で2000万円。
     こうやって田中は自分の見方を増やしていったのです。【金を豪快に巧みに操る、力と知をあわせ持った人物】ということで、彼は「コンピュータ付きブルドーザー」という異名を持つようになったのです。
    
    ③田中内閣の政策
     田中は総理になってから、外交では日中国交正常化、内政では列島改造計画と、大きく動き出していきました。
     当時、世界は資本主義と社会主義の対立という構造で、共産党が支配する社会主義国である中国と国交を結ぶのはとても難しい情勢でした(日本はアメリカとの関係もあり、資本主義陣営側)。そんな中、田中内閣はなんと発足してから【僅か3ヶ月後に】成し遂げます。
     列島改造計画に関して。田中は総理になる1ヶ月前に新聞記者や官僚を集め、これからの日本列島の土地をどのように開発していきたいかを大々的に発表します。(これはすぐに『列島改造論』という本になり、ベストセラーとなりました。)これに、大手ゼネコンや建設会社は飛びつきました。それは、【これから総理になる人がどの土地に鉄道や道路を作りたいかを知ることで、前もって土地の買い占めをし、利権を得ることが出来る】からです。これが理由で、1970年代前半に土地の買い占めブームが起こりました。
     
    ④幕引き
     しかし、田中内閣は長くは続きませんでした。1973年に第4次中東戦争が勃発し、石油が市場に回らなくなることで価格が高騰し、日本はオイルショックとなってしまいます。あらゆるものの値段が高騰し、土地の買い占めブームと悪い形で重なってしまったために、日本は混乱に陥りました。これが政権批判に繋がり、田中内閣は危機に陥ります。
     そして、文藝春秋社が田中がどのような金の使い方をして政治活動をしていたかという記事を世に出したことが決定だとなり、田中角栄は1974年、辞任という形で幕引きとなりました。しかし田中派閥の議員が首相になるなど、引退後も、その圧倒的な影響力は日本政治に残り続けたのです。

  • 戦後、庶民からは正義にも巨悪にもなっただろうし、戦後の新しい社会に挑んだ12人であること確かだと思う。
    毀誉褒貶あるが、私達が彼らの影響を受けていない人はいないはず。

  • 東2法経図・6F開架:281A/I33n//K

  • 有り 281/イ/19 棚:5

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著者プロフィール

池上彰(いけがみあきら)
1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、NHKに記者として入局。さまざまな事件、災害、教育問題、消費者問題などを担当する。科学・文化部記者を経て、NHK報道局記者主幹に。2005年3月にNHKを退職し、フリーのジャーナリストに。
主な著書に、『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ(第4版)』(海竜社)他、多数。

「2020年 『池上彰の今さら聞けない日本のこと(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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