• 文藝春秋 (2019年7月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163910666

感想・レビュー・書評

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  • 始まる前に読者への挑戦があって、絶対見破ってやるぞと意気込んだのに見事に騙されました!

    まさか!
    まんまとしてやられた。

    子供時代と現代が交互に語られる形式で、ブリッジが必ず前の文と繋がりを持たせてるのが良いですね、犬は吠えないのあとに犬の鳴き声から始めるとか好きな繋ぎが大量にあります。

    メインの眼球くり抜き事件と殺人?が少し弱いけど、主人公の出自がかなり面白いのでカバーされてると感じた。
    これぞ映像化不可能なトリックですね。看板に偽りなし。

  • 中国語で書かれた未発表の本格ミステリー長編を募る文学賞で2009年に創設された、文学賞の「第4回島田荘司推理小説賞」受賞作。

    中国の孤児院で育ち、富裕なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年、阿大(アーダイ)ことベンヤミン。
    中国で六歳の少年が木の枝で両目をくり抜かれる凄惨な”男児眼球摘出事件”が発生。
    ベンヤミンは被害者の少年を力づけ、同時に事件の真相を暴くべく、お目付け役のインターポール捜査員・温幼蝶(ウエンヨウデイユ)とともに中華文明発祥の地・黄土高原へと旅立った。(以上、裏すじより)

    この小説には一つ叙述トリックが含まれています。
    タイトルである『黄』がキーポイントです。

    そして引用されている一編の詩もキーポイント。

    遥か東方に一條の江あり、その名を長江という
    遥か東方に一條の河あり、その名は黄河という
    いにしえの東方に一條の龍あり、その名を中国という
    いにしえの東方に人々あり、彼らは龍の末裔なり
    巨大な龍に守られて我らは成長し、やがて龍の末裔となりし
    その黒い瞳、黒い髪、そして黄色い肌、永遠、それは龍なり



    以下ネタバレですが、
    そのトリックは、とてつもなく大掛かりで大胆でしたが、悪人が登場せず、周囲の善意がかんじられる、前向きな話で、読後感は悪くなかったです。

    • くるたんさん
      まことさん♪

      このポイントを押さえていただいたレビューに拍手です♪

      さすが中国、壮大なスケールでしたね♪
      これは見抜けた人いるのかな⁇っ...
      まことさん♪

      このポイントを押さえていただいたレビューに拍手です♪

      さすが中国、壮大なスケールでしたね♪
      これは見抜けた人いるのかな⁇って思ってしまいます(笑)

      うん。ほんと、読後感、良かったですよね(⁎˃ᴗ˂⁎)

      私もまた まことさんの本棚から何かいただこう(≧∇≦)
      2019/10/17
    • まことさん
      くるたんさん♪

      これは、全然わかりませんでした。
      気づくとすれば、犬で気づく人がいるかもしれないけど、その最後の真相までわかる人はい...
      くるたんさん♪

      これは、全然わかりませんでした。
      気づくとすれば、犬で気づく人がいるかもしれないけど、その最後の真相までわかる人はいないんじゃないかと思います。私は。

      くるたんさんのレビューもまた楽しみにしていますね(*^^*)
      2019/10/17
  • 最近ハマってる華文ミステリー。

    盲目の青年が主人公のミステリー小説、ありきたりな設定だからこそ注意して読み進めてしまう。

    海外の要素もあるから幾分読みやすかったし、意外性もあり良かった!

    ただ設定的に無理がある部分も・・・。

  • 壮大なミステリに興奮。

    中国の孤児院で育ちドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年ベンが中国で起きた凄惨な事件の真相を暴くミステリ。

    見事な自分好みの作品だった。

    盲目という、見えない分、研ぎ澄まされる聴覚、嗅覚を巧みに盛り込ませながら進むストーリー。過去の回想と交互に進むストーリー。
    そして導かれた終着点。

    その瞬間はまさに自然と狭められていた視野が開かれた感覚だった。
    思わず声がでるほど興奮し、練り込まれた仕掛けは感嘆せざるを得ないほどの壮大さだった。

    ラスト、ベンが真っ先に望んだものに思わず涙腺がゆるむ。
    彼がこの先切り拓いていく人生もまた壮大な予感しかない。
    タイトルも含め、インパクトのある作品だ。

    • まことさん
      くるたんさん♪こんにちは!
      くるたんさんのレビューを拝見して読みましたが、とても読後感のあたたかいミステリーで面白かったです!
      ありがと...
      くるたんさん♪こんにちは!
      くるたんさんのレビューを拝見して読みましたが、とても読後感のあたたかいミステリーで面白かったです!
      ありがとうございます♪

      私は、レビューに裏すじを書いてしまいましたが、くるたんさんのレビューはいつも抽象的にぼかしながら、的確にピリッとした感想が書かれていて、いつも憧れています(*^^*)
      2019/10/17
    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪

      わー!楽しんでいただけて良かったです♪

      まさか、まさかの真実でしたよねぇ(⁎˃ᴗ˂⁎)

      ミステリは本当にレビ...
      まことさん♪こんにちは♪

      わー!楽しんでいただけて良かったです♪

      まさか、まさかの真実でしたよねぇ(⁎˃ᴗ˂⁎)

      ミステリは本当にレビューが難しい!
      2019/10/17
  • みなさんのレビューで気になって読んでみた作品。
    初めて読む中国ミステリーだが、それ以上に、島田荘司先生が中国語で書かれたミステリーを対象にした賞を創設されていたことも知らず驚いた。
    この作品はその島田荘司推理小説賞の第四回(2015年)受賞作品だそうだ。

    「黃」というタイトルには様々な意味が込められている。その辺も考えながら読むと面白いかも知れない。

    主人公は中国の孤児院で育ち裕福なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年・ベンヤミン。
    中国で6歳の少年が両目をくり抜かれるという残忍な事件が起きたことを知り、事件の真相を探りに生まれ育った中国へと旅立つ。

    現在と過去の話が交互に展開していくよくあるスタイルだが、例えば過去の車に乗るシーンが次の現在の車のシーンへと繋がり、水を掛けられるシーンの次はまた頭を拭かれるといったように上手く繋げているので一瞬、同じ過去のシーンが続いているのかと思わせてくれて凝っている。

    冒頭に『一つ叙述トリックが含まれている』とあるので意気込みながら読んだが、予想とはちょっと違っていた。当たり前だが作家さんの方が上だった。
    主人公が盲目ということでそこに留意しながら今何が起きているのかを想像しつつ読んでいた。しかし頻繁に色や見た目についての描写が出てくるので、もしかして主人公の視点ではないのか?と疑ったりして、でも真実は全く違うところにあった。

    ミステリー要素よりも何よりも、個人的に印象に残ったのはドイツ人夫婦と主人公、そして一緒に養子になった『妹』の絆。
    日本国内の事情しか知らない私にとっては国外に行ってまで養子を探すという感覚がよく分からないのだが、それ以上に養子に対してここまで愛情を注げるというのはどういう絆なんだろうと感心した。
    作品内に出てくる夫婦は割と淡々としていてマイペース型のように見えるし、主人公もツンな優等生キャラのようだが、書かれていないシーンでどのように親子関係、家族関係を築いてきたのか、その辺が知りたかった。

    ドイツでは肌の色についてあれこれ言うことは禁忌となっているらしい。だが禁忌としてしまうより、肌の色も髪の色も目の色も様々あって当たり前、その当たり前を前提とした世の中であれば良いと思った。

  • 第4回島田荘司推理小説賞受賞作。中国の話かと思っていたら、最初にドイツが舞台になっているところからして新鮮味がある。魅力的な物語に引き込まれ、ミステリとしての満足感も十分に与えてくれた。なかなかの傑作といっていいだろう。他の作品が邦訳されればぜひ読んでみたいと思う。

  • 目の見えない少年が語り手&探偵役というだけで、どう物語られていくのか気になるが、読んで見ると初っ端からホームズばりの観察力を駆使した推察が繰り広げられ、面白さで読み進めることができる。
    海外ミステリではあるものの、ミステリとしては非常に国内ミステリと読み心地が似ている。
    それも新本格に近いケレン味。
    そして新本格に感じたある種の屈折よりも、まっすぐというか純粋というか、樹形図の別のノードが進んだ先を見ているかのようだった。
    ありがたいことに中国語の人名が同一ページ内でもすべてにルビが振られているのがとても助かる。




    以下、真相に言及した感想としては……





    ・日本と中国では仕掛けの効果が異なるのでは?
    主人公の少年は、現在はドイツに暮らしているが、生まれた国である中国に対して誇りを持っており、それが支えにすらなっている。
    どうしてそこまでこだわるのか。自分が読んでこの部分に疑問を抱いていた。
    この部分に関する「何故」が明確に描かれずに物語が進行するからだ。
    中国の作家だから? アイデンティティの拠り所として、中国人であることの重要性があるのか? 書くまでもない自明のこと?
    このように、海外の作家ということに理由の在り処を考えたりもした。
    けれども、この「何故」をミステリという観点から考えたとき、語り手の正体にピンとくることが出来た。(人種が違うというところまでで、黒人というところまでは特定できなかったけど)
    で、本題としては、この自分が気づくに至った回路は中国を母国とする人間にとってはどうなるのか?ということ。

    (自分)
    中国生まれであることへの主人公のこだわりの理由への疑問

    ミステリ的仕掛けへの疑い

    ここで自分が抱いた疑問点に関して、中国を母国とする人たちは同じように疑問を抱くのだろうか?
    日本人である自分からすれば、そのこだわり自体の動機が謎として目の前に立ち現れてくる。
    けれども、母国の人たちにとっては、それは当然のものなのかも知れない。またはやはり同じように疑問に感じるのかも知れない。
    (ちょっと容疑者X論争の笠井潔の指摘を思い出した。見えないという死角の可能性が、ある層に発生し得る点において)
    そして、疑問に思わず気づけなかったとしたら、この仕掛けのもたらす効果は、きっと外国人である自分とは異なった衝撃となるのではないか?
    本作、わりときわどいのでは?

    ・叙述トリックはひとつ?
    「この小説には一つ叙述トリックが含まれている」
    阿香(アーシャン)=楽楽(ローロー)
    作中内で言及される叙述トリックは上記だけれど、語り手が黒人であるというのも叙述トリックであり、ここの解釈の仕方が分かっていない。

    ・単に面白い作品だからという理由だけではなく、これ翻訳して日本人に読ませたらどうなるんやろ?というような翻訳者の企みを感じる(良いと思う)。

  • 「見えない」という設定が、読む側の思索を覚醒させる。展開の巧拙を見出すことに囚われてしまうと、眺望は霧に覆われてしまうだろう。読了後、「小説」の楽しさが隆起し、広がり、そして「ととのう」

  • 孤児院で育った生まれ付き全盲の中国人のベンは、中国で少年が目玉をくり抜かれる事件の真相を明かす為に渡航する。結末は、えっ、、なんで?みたいな展開です。
    とても読み易く、アジア小説で煩わしい漢字の名前も読みやすい名前の上にルビも多いので頭に入り易いですが、結末に向かっての展開は、頂けませんね、、

  • いい小説だった。殺人が起こるのだが、殺人が起こったかのような感じがしない。不思議な小説。冒頭の「叙述トリックがあります」に引っ張られて読んでしまうのだけど、どこにも叙述トリックはなくて、叙述トリックあるある詐欺で、ぐいぐいと読んでしまった。こんな仕掛けを小説に施すなんて! 天才か!

  • 第4回噶瑪蘭・島田荘司推理小説賞受賞。全体的に荒削りで描き分けが甘い印象ですが、冒頭に叙述トリックが使われていることを宣言する大胆さや、既視感のあるネタの組み合わせ方に唸らされました。華文ミステリーですが違和感なく読めるのも良かったです。

  • 2020年4月28日BunDokuブックフェアで紹介されました!

  • 生まれつき盲目の主人公ならではの小説。意味深なタイトル、描写があったにも関わらず気が付かなかったトリック。驚きを味わせてくれるミステリだった。

  • 中国の孤児院で育ち、ドイツの富裕層に引き取られた盲目の青年ベン。中国で起きた六歳の少年が両眼をくりぬかれた事件の被害者を力づけようと中国へ渡る今の出来事と、自身の過去が交互に語られます。最初にあるトリックが仕掛けられていると伝えられるのですが、いつしかベンと一緒に暗がりの世界に耳を澄ませ匂いを想像し夢中になってトリックのことなど忘れて読んでいました。ラストまで読むとあれもこれもがすべて伏線だったと気付きます。事件の真相よりこの物語のメインの部分には驚きながらも納得し、気持ちよく読み終えることができました。

  • 今更なネタで終わると思ったらラストぶっ放してきたな。

  • 中国のミステリーが珍しくて読み始めたが、よく練り上げられた構成に圧倒された。結末が解ってもまた手に取りたくなる作品。先入観なしに読んで欲しいと思った。

  • 非常に凝った作品である。二度読み必至とは、まさにこのこと。
    よくできたミステリがしばしばそうであるように、本作も非常に人工的だ。だが、それが何だと言うのか。こういうものに文句をつけるロマンを解さない人種とは、個人的にお近づきにはなりたくない。それにしたってスケールの大きさは、さすが中国四千年である。
    ペダンティックなインテリである作者は、やや煩瑣な注釈から鑑みるに、中国社会では著しく群を抜いたエリートなのだろう。いまだそのような注が必要な社会の中から、先進国に引けを取らない(とあえて言う)レベルの作品が出てきた。ここまで来たか、と思わせられる。
    それにしても——本作からは、作者個人としても、国家(全体的にも、推理小説の市場という意味でも)としても、「昇り調子の勢い」というものを強く感じる。翻って我が母国…女性を酷待してみずから未来をつぶし、成長できなくなってしまった愚かな衰退国家とのあまりの差には、ため息しか出なかった。

    2019/9/30〜10/1読了

  • んー、着想が新しいと言えばそうかもしれないし、本筋の謎解きは平凡であったり、読後感はまあまあかなぁ。

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