五つ数えれば三日月が

  • 文藝春秋 (2019年7月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (152ページ) / ISBN・EAN: 9784163910871

作品紹介・あらすじ

日本で働く台湾人の私。

台湾人と結婚し、台湾に移り住んだ友人の実桜。

平成最後の夏、二人は5年ぶりに東京で再会する。



話す言葉、住む国――選び取ってきたその先に、

今だから伝えたい思いがある。



第161回芥川賞候補作。

みんなの感想まとめ

異なる国籍や文化を持つ二人が、再会を通じて愛や思い出を共有する物語が描かれています。主人公は台湾で働く日本人で、友人の実桜は台湾人と結婚し台湾に移住しています。彼女との再会は、過去の恋心や異文化間の葛...

感想・レビュー・書評

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  • 日本で働く台湾人の林妤梅と、台湾人と結婚した浅羽実桜が5年ぶりに東京で再会し、現状を語り合い、過去を追憶しながら過ごす一日の物語。実桜への密かな想いに揺れる妤梅の心の情景が淡く描かれる。ただ物語から分流する中華料理や台湾の風習の説明が長く、早く本流にもどりたい読者には余剰に感じられた。

  • 『言霊の幸う国で』に続いて読んでみた。短くてよさそうだったから。女性同士の恋愛ものというので少し期待してしまったけど、これは気持ち悪いキャラを自覚して書いてあるのか、それとも真面目なキャラとして書かれてるのかと迷ってしまった。

    ・五つ数えれば三日月が
    久しぶりに再会した林(リン)妤梅(ユーメイ)と友人実桜(みお)の話。
    なぜ好きなのかが分からないけど、『大学の時に一緒にいたから好き』という事だけはわかった。少女マンガでよくあるパターンで、私の好みではない。やたらと見た目の評価をしてるけど、それもどうなのかなと思う。美しいとか地味という評価が必要なのは美人コンテストだけにしておいてほしい。

    ・セイナイト
    恋人の絵舞のクロッキー会を見に行く『つき』の話。
    子供の恋だと思えば読める。でも、恋愛と言われるとわからない。

    恋愛シーンなんて二つともどこにもないから。友情と子供の恋愛ごっこ。
    つまり、私の好みではない。

  • 国籍、言語、文化、性別…他人と自分は絶対にイコールになることはないのに、愛する人と繋がりたくて、私たちは数多の違いを、窒息しそうになりながら、乗り越えようとする。愛なんて実体がないものなのだから、空虚で、嘘っぽくて、何の意味も持たないのかもしれない。でもいつだって、自分を一番突き動かすのは、やっぱり愛なんだ。

  • まず、私の好みではないお話。
    短編2作。
    どちらも女性同士の恋愛。
    描写が美しく、情景が目に浮かぶ。
    「五つ数えれば三日月が」では、美味しそうな中華料理が。「セイナイト」では、男性の肉体美がwww
    ただ、話の内容としては不完全燃焼。
    同性間の恋愛の難しさ?いや、男女に置き換えても全く同じでしょって感じの話。
    ただ、日常を切り取ったお話。余りにも心に残らない。
    読後、日が経てば、この本、面白かったなとか、感動したなとか、記憶に残らないだろうな。ただ、女性同士の恋愛話だったとしか。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 想いを寄せていた友人と何年振りかに再会し近況報告しながら昔の想いにひたる。狭い世界観に思うが台湾や日本で暮らしているので狭い訳ではないと思うが、狭い空間と人間関係で生活しているような雰囲気で余計な情報がないので落ち着いて読める。叶う事のない恋を大切に伝えることのできなかった胸のうち。切ない話だった。

  • 中国に留学経験があり、今は台湾人と結婚して台湾で暮らす日本人の実桜と、台湾人で日本で働く私。

    池袋の中華屋さんで再会の食事をしながら
    実桜の台湾での生活の話を聞きつつ
    かつて彼女に思いを寄せていたこと、外国人として、日本で働くことの大変さや、台湾で過ごした日々に思いを馳せながら。

    中国語と台湾語は少し違い、生活の文化も少し違う。
    同じ国かと思ったら、違うみたい。

  • 大学を卒業すると、それぞれとんでもなく違う人生を歩むことになる。あの頃の私たちはそれを想像できない。
    ステージが進むごとに、自分が自分で無くなっていく。
    大勢の仲間の輪に入って、違和感を与えない様に、小さく笑いながら頷く…この作家さんの文章はいつもそんな感覚を思い出させる。
    その中で、美しく物語の中心にある料理たち。誰にでも平等に、メニューを選んで好きなものを食べて味わい、評価する自由があることが救いだと思った。
    いつか羊肉泡莫を食べてみたい。

  • 夏の暑さ。目線。気まずさ。中国料理の香り。家族。文化の交差。漢詩。ぱっと汲みとれない言葉も多くて、きちんと理解できたかというとそうでもないけれど。中国語と日本語が入り混じる文章が綺麗で新鮮だった。短編も含めて、2人の出会いが穏やかにドラマチックで素敵。(2021.2.21読了)

  • 台湾にルーツを持つ女性と、台湾に嫁いだ日本人女性のお話がメイン。会話よりも情景描写が豊かな小説で、所々漢文が出てくるのが今までにない小説だと感じました。自分が何者なのかわからなくなり、溶けていくような感覚と焦燥感を覚えるお話でした。

  • 初めて読む 李琴峰(り・ことみ)氏の本である。
    台湾生まれの方である。
    もう、お年寄りの人は、日本語の上手な方もいらっしゃる。
    そして、毛筆が、達筆で、みんなこんなに字を綺麗に書くのか?と、思われるほど、整った漢字を書く。

    この本では、2話描かれているのだが、その中でも、七言絶句の詩が、とても綺麗であった。
    2話共、同性愛なのだろうか?
    ちょっと複雑な関係であり、台湾と日本に住む友人に5年ぶりに再会するこの題名の小説に、最後は、5秒のカウントダウンと、・・・・
    英語に返還しているような最後の言葉である。
    難しい漢字が、本の中に書かれており、そして、料理の話も今まで食した事の無い食べものが、描かれていて、どんな味がするのだろうか?と、空想して見たりして、読んだ。

    セイナイト、裸体姿の男性モデルを描く絵舞と月。
    日本語の漢字と台湾の漢字の意味が、異なることが、描かれていたりして、面白い。
    ちょっとした、言い方が、まぜこぜの新語になったりしても、手を触れあうのには言葉が、要らないという所は、なるほど!と、思ってしまった。

    しかし、やはり、私には、この本の意図するものが、わからないで、読み終えてしまった。

  • 芥川賞候補作品。
    今回もこの作者の作品が候補に上がっているらしい。
    日本語が綺麗だと思った。
    日本語の美しさを再認識させてもらったかも。
    物語はストイックで少しヒリヒリする。
    女性同士の関係が薄いガラスのような脆さを感じた。

  • 台湾生まれの著者による2篇の物語から成る。双方とも同性愛、外国人という二重のマイノリティを持つ女性が主人公となっている。

    五つ数えれば三日月が

    自分自身が社会のパズルにはまり切れていない二人、自分が望む関係は分かっているのに、同性愛という(ストーリー上)超えられない壁があるが故にその方向に進めないもどかしさが何とも切ない。

    ストーリーの面白さもあるが、情景描写がかなり特徴的である。特に主人公の梅が主人公の同級生と口づけとして家出したお寺のシーン、実桜と梅が花火をするシーンは文章からも美しい情景が浮かんでくる。実桜へ漢詩で想いを伝えるところもまた印象的だった。

    セイナイト

    一方こちらは交際をしているカップルの物語である。舞台はクリスマスの写生大会という不思議な感じだが、東京ではこのような場もあるのだろうか。絵舞との関係や、自分の使う日本語など、自分が拠り所にしているものがいかに不安定かが伝わってくる。

  • 自分と同じ性的指向の人の物語というだけで、こんなにもスムーズな読書体験ができるのかと感動した。文章の説明のところでは「美桜」と呼び捨てなのに、会話の中では「美桜ちゃん」という呼び方であることにグッとくる。

  • 『独り舞』は台湾好きだったので台湾人作家の作品として興味があって読んだ。
    こちらは芥川賞候補になったと知って読んでみた。
    彼女の作品は私にとって難しかったり、読めなかったりする日本語が散りばめられていて難解。そちらに気を取られてしまい、お話し自体がはいってこない印象。これは面白いのか?
    彼女は何かの記事で、日本語の美しさについて語っていた。本当に日本語が好きで、日本語で書くことを楽しんでいるのだと思う。
    私の日本語レベルを上げなければ彼女の小説は楽しめなさそうだ。次回作まで頑張る。
    台湾好きな私にとっては、地方の風習や地名がでてきてうきうきしたりする要素はたくさんある。時間をおいてまたチャレンジしてみよう。

  • 第161回芥川賞候補作。食べ物が美味しそう。とてもよい。

  • さらさらと読み終える。
    たまに来るハッとするような美文。

  • 恋の描き方はとてもストレートでありつつ、女性の描き方はとても現在的でもある。
    そのバランスが良かった。
    苦しさや重さを持ちながら、読後感は爽やか。

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著者プロフィール

李琴峰(り・ことみ):1989年、台湾生まれ。作家・日中翻訳者。2013年来日、17年『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、デビュー。『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川賞、第41回野間文芸新人賞候補、『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨新人賞受賞、『彼岸花が咲く島』で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川賞受賞。他の著書に『星月夜』『生を祝う』『観音様の環』『肉を脱ぐ』がある。

「2024年 『言霊の幸う国で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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