巡礼の家

  • 文藝春秋 (2019年10月3日発売)
3.21
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784163911045

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『永遠の仔』『悼む人』の著者が故郷・道後温泉を舞台に描く、現代社会への「希望の灯火」。

「お遍路さん」を迎える場所として道後温泉にある架空の宿「さぎのや」。

行く場所も帰る場所も失った15歳の少女は、この宿の美人女将からこう声をかけられる。

「あなたには、、帰る場所がありますか」

女将や地元の人々との交流を通じて、少女は、自らの生き方と幸せを見つけられるか。



「他者に対して不寛容になっていく時代だからこそ、手を差し伸べあって、希望と悲しみを分かち合う理想郷が必要である」と語る天童さんが紡いだのは、「本当の幸せ」をみつけるための物語。

感想・レビュー・書評

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  • 道後温泉、歴史ある宿「さぎのや」。そこに「人を殺してしまった」と逃げていた15歳の少女が辿り着く。宿の人をはじめ、街の人が手を差し伸べあって助け合って生きていた。彼女が犯した罪はどうなるのか、そして彼女は生きる道を見つけられるのか。
    読んでいて、温かいなあ、そして都会はなんてギスギスしているんだろうと思いました。自分も困っている人に対して、手を差し伸べられるか、それ以前に優しく向き合えるか…心の余裕がさぎのやさんのようにはないのが現実。理想郷のようなところになってしまったか。生きてゆく上で辛くなって心が狭くなることはあるでしょうが、こういった温かみを忘れてはならない、疲弊した心をとかす物語でした。
    ただ、主人公の少女の頭の中で考えていることが軽いような風でいて、一方で正岡子規やら小林一茶の俳句が出てくるし、「迷惑かける分、お役になてるように心尽くします」というくらいなので、軽すぎる分は無理に出さなくてもよかったような。
    あと、挿画にも惹かれて手をとったのだけれど、三沢厚彦さんの油絵のようで。彫刻とはだいぶイメージが違うので驚いた。でも、結構好きな画風。

  • 道後温泉の近くで、昔からお遍路さんや帰るところのない人々を受け入れては癒してきた旅館"さぎのや"。
    そこに、水害で家族を亡くし、両親の死という現実を受け入れられずにいる15歳の少女、雛歩がたどり着き、周囲の人の温もりに触れ、親切にされるなかで、生きる力を取り戻していくストーリー。
    人に寄り添うことの大切さを思い起こさせられると同時に、自分も含め、余裕のない人の多い今の世の中の生きにくさというものを改めて感じた。

    雛歩があまりにモノを知らない設定に初めは呆れたが、そんな雛歩が、本来自分が持っている共感力を発揮し、外からやって来た心に痛みを抱えるお遍路さんを癒す側になっていく様子を見て、人はその時々の表面的な知識や態度だけでなく、その人の本当の姿というか、人が深いところで持っているモノ(うまく言えないけれど)を見なきゃだめだということを作者は伝えたかったのかもしれない。

  • 家族と離れ、親戚の家に身を寄せて生きる少女。
    あるきっかけでその家を飛び出し、道に迷い半死半生の状態で助けられたどり着いた、さぎのや。
    そこで暮らす中で少女が再び生の歓びを得るまで。
    物語に大きなメッセージがある。
    大きな愛がつまっている。
    クライマックスでは滂沱の涙。
    この物語に救われる人は多いだろう。
    この物語から生きる標を得る人は多いだろう。

  • 最初、ちょっと淡々としていて「面白くないのかな・・・」と思ったら、全く杞憂だった。話が進むにつれはまっていき、主人公、雛歩の人生や、女将さんの過去などが明らかになると、ギアが上がったように惹かれてしまった。
    著者の思いが詰め込まれていて、その思いが深く伝わってきて、何か大事な事を思い出させてくれた一冊のように思いました。
    「さぎのや」が実在すればいいのになと、松山に出掛けたくなりました!

  • ラストだけよかった、というか、作者さんここだけ書きたかったんと違うかな?
    15歳の少女の設定が甘すぎてあまりに現実離れしすぎ。ハグとハゲを間違うとかありえなすぎるし他にもあまりに稚拙なオヤジギャグか?というような勘違いのわりに少女視線の説明が大人びすぎてるとか支離滅裂すぎてイライラ。
    おっさんのギャグに突き合わされて最後まで読まされた感じで大減点。あとあまりに鷺を前面に出し過ぎてくどすぎてこれまた気持ち悪い。親戚の兄弟の後半の登場とセリフもありえなすぎて強引すぎる。強引といえば村人の紹介がひどすぎて読むのやめようかと思ったくらい。これなら道後温泉のパンフレットを隅から隅まで読んでた方がましである。
    2ページ読むごとに寝てしまったので苦行でした。

  • ・余りに「良い人」ばかりで嘘っぽい。
    ・主人公の少女のアホぶりがわざとらし過ぎる。(作者が慣れぬユーモアを盛り込もうとした?)
    ・状況を書き込み過ぎ。内容の割りに分量が多く、結果薄まった印象が有る。
    欠点を挙げれば幾つも。
    でも、基本優しくて暖かく、時に涙を誘うような良い話です。

    天童さんのテーマは「寄り添う」という事なのかな。
    この作品も『悼む人』も『ムーンナイト・ダイバー』も、悲しみや苦しみにある人を救い上げたり背中を押したりするのではなく、ただ寄り添う。そんな形を多く感じます。もっとも寄り添い方がかなり押しつけがましい気もしますが。

  • 私には合わなかった。主人公に感情移入できなかった。

  • いい話なんだろうけど…‥
    好きな作家さんなんだけど…‥
    主人公の雛歩に全く感情移入が出来ない
    雛歩の背景が分かってもあの言い間違いにはほんと、イライラ以外の言葉が見つからない

  • 生きることに臆病になっている女の子が道後温泉を舞台とした優しい環境で自分を取り戻して行く心温かい物語。とにかく長かった。ギャクにしては寒すぎる、わざとらしいいい間違いがとても鼻について完全にお話の熱量を削がれてしまった。こんなに優しい人達が溢れている世界は有り得ないと思ってしまった辺りが自分の夢のなさに悲しくなってしまう。世界観にどっぷりと浸かることはできなく残念。

  • 筆記がこの作品を完成させられて、よかった。

    多少独りよがりかもしれないけれど、
    道後への誇りを感じたし、私はこの物語が好きです。

  • 来たー!天童荒太さんらしくて、本当に優しくて。また道後温泉に行きたい。お遍路さんへのお接待の気持ち。私も忘れないようにしなきゃなあ。
    「縁もゆかりも無うても、困っとる人のために、汗をかける自分でおられるかどうかよ」
    お祭りの様子をぜひ動画で見てください。すごい迫力です!

  • テーマ自体には共感するんだけど…
    自分的にはファンタジー感が強すぎるし、粗いきれいごと的な感じを受けてしまった読後…
    道後温泉には行きたくなったけど!

  • 意地で読了も、全く乗れないファンタジー?
    ダジャレも苦痛。

  • 最後まで主人公が好きになれなかった…。
    行動がわざとらしいのが癇に障る。

  • 旧へんろ道で行き倒れた少女が目覚めたのは
    道後温泉に古くから続く温泉宿。
    そこは帰る場所を失った人を優しく迎え入れ癒す場所でもあった。 

    柔らかいお湯に浸かってるような優しい世界。
    四国は未踏の地なのだが
    これを読んだらますます行ってみたくなった。

    [図書館・初読・12月19日読了]

  • こんな軽めなのも書くんですね。
    雛步の思い違いの数々は必要なかった気が…。

  • 美男美女、いい人だらけのもはやファンタジー。
    主人公の15才の少女のキャラクターが好きになれず、かつ語り手として物足りない。聞き間違いが過剰すぎて笑えず。

    わたしには合わなかったというだけなのかもしれませんが…

  • 大団円!凄く良かった!
    素晴らしい!!

  • 道後温泉の遍路宿さぎのやを舞台に、傷ついた少女が心優しい人たちの中で生きる力を取り戻す物語。

    少し前に読んだ「青嵐の旅人」のさぎのやが出ている!
    と思って、手に取りました。
    実際の刊行は本作の方が早かったようですが。

    優しい人たちばかりのハートウォーミングな話なのだけど、いかんせん主人公の雛歩が好きになれず、ハマれませんでした。
    何度も出てくる言葉の間違えもしつこくて、鼻につく。

    でも道後温泉の街の描写やお祭りの様子は魅力的で、以前観光で一度伺っただけの道後温泉に、再訪したい気持ちがムクムク。

    さぎのやの中では、鶏太郎さんのテントに一番惹かれました。いいなぁ、あの空間。

  • プロローグの後、話の始まりでいきなり「殺した。殺してしまった。わたしは人殺しだ。」
    という一節で始まる。

    一体どういうことなのか。

    水害で両親を亡くし、親戚の家に預けられることになった15歳の雛歩。
    「人を殺してしまった」雛歩は逃げる途中で道後温泉にある宿「さぎのや」に辿り着く。

    そこで人々のあたたかさに触れ、大切にされていくなかで、前を向いて生きていく力を取り戻していく。

    雛歩を取り巻く人々が本当にあたたかい。「さぎのや」のような場って、本当は誰にも必要なのではないかと思う。

    そして、そういう場は本来は想い一つで創りだしていけるものなのかもしれない。覚悟はいるけれど。

    「(さぎのやでは)何かで困ってる人がいたら声をかけるし、できることがあれば手を差し伸べる。みんなで一緒に汗をかいて、ご飯を食べて、笑い合って、病気やけがをした人がいたら気づかうし、困ったことがあったら助け合う。・・・・・・この生き方って、すごく楽なんだよ」

    と雛歩の思い人、飛朗は言う。
    そう、飛朗が言っていることは、やろうと思えばできること。でも、できない。どうしてなんだろう。

    そんなことを考えさせられました。

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著者プロフィール

天童 荒太(てんどう・あらた):1960年、愛媛県生れ。1986 年、「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞、1993年、『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。1996 年、『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000 年、『永遠の仔』で日本推理作家協会賞、2009 年、『悼む人』で直木賞、2013 年、『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『静人日記』『ペインレス』『巡礼の家』『青嵐の旅人』『昭和探偵物語 平和村殺人事件』などがある。前作『包帯クラブ』は2006 年ベストセラーになり、映画化もされた。

「2025年 『包帯クラブ ルック・アット・ミー!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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