殺し屋、続けてます。

  • 文藝春秋 (2019年10月23日発売)
3.48
  • (21)
  • (55)
  • (89)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 557
感想 : 80
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163911151

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 副業で殺し屋をする富澤。
    なんでも受け入れるわけでもなく、依頼人の周辺は細かく頭に入れて計画を立て実行する。
    無理な場合は、手を引く。
    ビジネスライクに事を運ぶだけあって、感情も入れずスマートにこなす。
    連絡係を間に入れることにより、より自分の身を守るというスタイル。
    恋人の雪奈が知っているというのも面白いのだが、「双子は入れ替わる」ではマンガ家ならではなのか、人の表情を読む力を発揮して、富澤に双子の判別法を伝える。
    推理をした富澤は、危険を予想しそれが現実に。
    新たな女性殺し屋が登場。
    こちらも富澤と並ぶほど、淡々と仕事をする。
    「靴と手袋」では同時に仕事をするのだが、かち合うことがないのが不思議。




  • 「殺し屋、やってます」の続編。

    プロの殺し屋・富澤が受ける様々な殺人依頼の中で感じる違和感の謎解き。
    ターゲットの奇妙な行動だったり、依頼のオプションの場所指定・期間指定のその理由だったり、ターゲットはすでに死んでいるのにしつこく依頼を掛けてくる理由だったり。

    石持さんらしさ全開の作品。

    『一般的な家庭に生まれて、ごく当たり前に大学まで出たのに、なぜ物騒な仕事に手を染めるようになったのか。その経緯はともかくとして、現実に僕は殺し屋をやっている』

    仕事としてだろうが止むに止まれぬ事情だろうが、人を殺すことに対する躊躇いや罪悪感は無いのか。そんな突っ込みをしてはいけない。
    富澤と依頼人を繋ぐ連絡役で彼の高校時代からの友人・塚原も、富澤の恋人・雪奈も、自分のやっていること、置かれている状況、殺し屋との関係についての不安や心配は無い。

    このシリーズでのテーマはあくまでも殺し屋・富澤が感じる違和感の謎解きであって、それ以上でもそれ以下でもない。
    富澤は依頼人を知らないし、何故依頼人がターゲットを殺したいのかも分からない。
    だがその違和感を解き明かすことによって、依頼人がターゲットを殺したい理由も見当が付くこともある。
    その結果、たとえターゲットが本来殺されなくても良い人間だったという結論に至っても、たとえ依頼人は見当違いの依頼を寄越しているという結論に至っても。それは富澤には関係ない。
    富澤にとって重要なのは、自分が証拠を残さず、誰にも自分の犯罪を気付かれることなく完璧に仕事をやり遂げられるかどうか、それだけなのだ。

    このドライ感を許容出来るかどうか、そこがこの作品(どころか石持作品は全体的に言えることだが)を好きになれるかどうかだと思う。

    今回から女性の同業者が登場する。彼女もまた富澤と同様割り切った思考の持ち主であり、彼女の協力者の男性もまた塚原同様ドライだ。
    女性の殺し屋の方は娘がいるというのにどういう思考回路なのだろうと思わなくもないのだが、これが石持作品ということだろう。

    さらなる続編があるのかどうかは分からないが、あるとすれば富澤ともう一人の同業者は交差するのか。またこんなドライな殺し屋たちだが、果たして自分の恋人や娘がターゲットにされたらどうするのか、何を思うのか、流石に焦ったり熱くなったりするのか、ちょっと興味がある。

  • 経営コンサルタントの富澤の副業は、殺し屋。
    依頼者との連絡担当・伊勢殿、殺し屋との連絡担当・塚原とともに関わる、事件のあれこれ。

    『殺し屋、やってます。』の続編。

    殺害そのものに重きはなく、さくっと実行できて、警察にしっぽをつかまれることもない。

    それよりも、依頼を受けるかどうかの下調べで判明する、ターゲットの不可解な行動や、依頼人の妙なこだわりといった部分の謎を楽しむ、ミステリ。

    殺害するためという一風変わった状況だけれど、ミステリとしては日常の謎。
    切り口が変わっているので、おもしろかった。

    チーム富澤の連作短編集として続くのかと思ったら、新たな殺し屋が登場したのが、意外。

  • 殺し屋シリーズ2作目。前回同様殺しのターゲットが起こすちょっとした違和感を持つ行動の理由を副業殺し屋の富澤が推測していく短編集。淡々と依頼は完遂されるのと平行して謎解きも同じ位あっさり解き終わってしまいあまり意地悪な捻りはない印象。普段結婚指輪をしないターゲットが女性と会う時だけつけるのは何故か「銀の指環」と霊感商法サークルのターゲット達がある位置でだけ起こす奇妙な行動「靴と手袋」が比較的込み入っていて好み。短編毎に連絡係の塚原や恋人の雪奈、さらに依頼者までと視点が変わるけど皆体温低そうで若干突き放した語りなのは変わらず。似た者同士が集まっているという事か。今回はシングルマザー殺し屋、鴻池が新登場し微妙なニアミスもあったので先が気になる。

  • シリーズの第二弾ですね。
    殺し屋が2人になるとは思わなかったです。
    必殺仕事人みたいですね。
    第三弾になるとどうなるのかな。

  • 「殺し屋、やってます」の続編。
    経営コンサルタントを表の顔に持ち、その裏では殺し屋を続ける富澤。連絡役の塚原や伊勢殿、恋人の雪奈など個性派揃いだが、仕事は完璧。
    依頼ごとに完結する一話完結型だが、今作では物語の視点が、それぞれの登場人物に移るのも一つの特徴。
    そして、後々富澤と対立しそうな女殺し屋の鴻池知栄の存在も不気味。
    1人を殺すのに、550万円は妥当な金額なのか?
    そもそも、どんな凶悪な人間だって、殺されて当然なのか?
    登場人物の会話は一貫してドライで、そのドライ感が余計人間の命の重さを考えさせられる。
    でも、作品としては重くもなく、軽いタッチで面白い!

  • ’21年3月25日、読了。「殺し屋」シリーズ?の、2作目。

    以下、微妙にネタバレ、かも…


    前作は、なかなか良かったが…こっちは、僕には連作としては微妙。これって、それぞれの短編を、初出時に、どのように発表したのかな?「殺し屋」シリーズの一編として?それとも、それぞれ全く独立した、一短編として?

    最後の「靴と手袋」に、2人同時に出てきますが…交わりは無し。殺し屋二人が、すれ違う、それはそれで、オシャレ?な感じて面白いけど…女殺し屋が、突然出てくる、という感が、僕にはしてしまって…なんだか、「連作短編に、違うシリーズの短編(僕の印象では、「銀の指輪」で、突然?主人公が変わる)がミスで混ざってしまった」感が。

    でも、「双子は入れ替わる」、「銀の指輪」、「猪狩り」あたりは、短編として、好きなタイプでした。一番好きな「双子は〜」が、女殺し屋の、紹介編だった、のかな?謎の理由が、面白かったです。

    石持作品は好きだし…次があるなら、また読みたい、と思いました。知らないだけで、既にあるのかな?

  • 「殺し屋、やってます」の続編。
    今回も面白かったー。
    やっぱり主人公以外の視点の話もあるのが良い。
    そして短編なのに、上手い具合に人物が絡んでくるのがニクイ。

  • やっぱりなかなか面白いよね。
    短い中でギミックを駆使しながらミステリの面白さを描いているね。
    さすが。

    2970冊
    今年198冊目

  • シリーズ2作目。殺し屋って題材の割には、1作目はライト過ぎてどうかなぁって感じだったけど、
    キャラクターも増えて、少しずつ掘り下げられてきて、じわじわと面白くなってきた。
    連作短編の構成だから、ついつい読み進めてしまう。続編に期待。

  • 新たな登場人物が加わりまた面白かったです。二人の邂逅にちょっとドキドキしながら読みました。まだ続編ありそうで楽しみです。

  •  現実の社会の出来事ではないから、楽しく頭を働かせているだけで良い。
     ロジカルの愉しさ。

  • ビジネスに徹する殺し屋、富澤に商売敵現る?
    発売即重版となった『殺し屋、やってます。』に続く、日常(?)の謎シリーズ第二弾。
    (アマゾンより引用)

    この主婦の殺し屋の話いる?

  • 淡々と進む。

  • まちぼうけ(殺し屋[富澤允]視点)☆
    わがままな依頼人(殺し屋[富澤允]視点)
    双子は入れ替わる(殺し屋の恋人[岩井雪奈]視点)
     中年女性初登場、殺し屋かと匂わせる
    銀の指輪(殺し屋[鴻池知栄]視点)
    死者を殺せ(殺し屋担当連絡係[塚原俊介]視点)
    猪狩り(依頼人[白物電機社長:榎敏郎]視点)☆
    靴と手袋
    (殺し屋[富澤允]視点)と(殺し屋[鴻池知栄]視点)

  • 殺し屋、やってます。の続編ということで読了。新たな主要人物も登場し、さらに面白くなっていたと思います。相変わらず、殺し屋のターゲットとなっている人物の行動には毎回謎があり、それを解き明かしていくストーリーも健在。殺害依頼の動機は様々で、なるほどねとも、やるせないなとも思えるような気持ちになりました。ストーリーによっては主人公の視点が切り替わったりして、新鮮で面白かったです。

  • 登場人物が増えたことで話が広がって良い

  • 独特な殺し屋がまさかのもう一人。
    実はまだまだ続いてたり?
    なんとも不思議な世界。

    そーいや星新一にも「殺し屋ですのよ」ってのがあったねー。

  • 殺し屋シリーズ第2弾。ライバルとしてシングルマザーの殺し屋が登場。さらに彼女は格安で殺しの依頼を引き受けている。殺人の描写より依頼者・被害者のバックボーンの謎解き。ずいぶんと簡単に殺人を依頼するのだなあと呆れとともに読了。

  • 殺し屋シリーズ二作目。今回は新たな殺し屋も登場する。
    基本的に殺す標的の謎を探る、というオフビートな作風は前作と変わらないが、新たな殺し屋を登場させた事で話の幅に広がりができた。ところで、前作は『殺し屋、やってます。』。今作は『殺し屋、続けてます。』。次作のタイトルはどんな風になるのだろう。

全67件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石持浅海の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×