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Amazon.co.jp ・本 (440ページ) / ISBN・EAN: 9784163911175
作品紹介・あらすじ
読売、日経、ヤフー、波乱のメディア三国志!
紙かデジタルか? 技術革新かスクープか?
「読売はこのままでは持たんぞ」
2018年正月の読売賀詞交換会。いつも「経営は磐石」と太鼓判を押す渡邉恒雄がその年は違った。「紙の王国」に大きな危機が訪れていた。
分水嶺は2005年に訪れていた。
1995年には存在すらしていなかったヤフー・ジャパン。
そのヤフーは、読売からのニュース提供をうけて、月間224 億PVという巨大プラッットフォームに成長。
危機感を抱いた読売新聞の社長室次長山口寿一(後のグループ本社社長)は、ヤフーに対抗して新聞社が独自のプラットフォームを持つことを思いつく。
日経、朝日に声をかけ、ヤフー包囲網がしかれたかに見えたが・・・。
同じ時期、日本経済新聞社長の杉田亮毅は、無料サイトにみきりをつけ、電子有料版の準備をひそかに進めていた 。
序章 読売はこのままでは持たんぞ
二〇一八年正月の読売賀詞交換会。いつも「経営は磐石」と太鼓判を押す渡邉恒雄がその年は違った。遺言のようだ、と感じた社員もいた。紙の王国に大きな危機が訪れていた。
第一章 最初の異変
「新聞の切り抜きを使った授業はもうできないんです。新聞をとる家庭がもうないから」そう言われて北区で複数の読売の新聞専売店を経営する副田義隆は衝撃をうける。
第二章 中心のないネットワーク
後に「日本のインターネットの父」と呼ばれるようになる慶應義塾大学の村井純は、この技術が、産業のあらゆる分野で変革を起こすようになるとは夢にも思っていなかった。
第三章 青年は荒野をめざす
二〇一六年には読売、朝日、日経を全て足した売上よりも大きな売上をあげるようになるヤフー・ジャパンの設立は、九六年一月のことだった。旧メディアから若者たちが集まる。
第四章 読売を落とせ
激烈さをますポータルサイト同士の競争のなか、「ヨミウリ・オンライン」は喉から手がでるほどほしいコンテンツだった。遅れをとったヤフーの井上雅博はいらだつ。
第五章 ライントピックス訴訟一審
ハイパーリンクというインターネットの最大の発明を使って様々なビジネスが花開く。神戸の小さな会社が始めた「ライントピックス」というサービスもそのひとつだった。
第六章 戦う法務部
守るだけではなく、攻めなくてはだめだ。山口の信念のもと読売法務部は変わっていく。「ライントピックス」訴訟控訴審。グーグルの上陸で掛け金ははねあがる。
第七章 日経は出さない
各社が自社サイトやヤフーで紙面掲載のほぼ全てを見せているなか、日経だけは3割ルールをもうけて制限をしていた。このことがデジタル有料版への重要な布石になる。
第八章 真珠のネックレスのような
二〇〇五年は分水嶺の年だった。ヤフーの売上が一〇〇〇億円を
みんなの感想まとめ
新聞メディアの変革とデジタル化を巡る歴史的な競争を描いたこの作品は、読売新聞や日経新聞、ヤフー・ジャパンの関係を通じて、時代の変化を深く掘り下げています。著者は、取材を重ねることで当事者の視点を織り交...
感想・レビュー・書評
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これは、面白かったです。
自分、不器用なんで
この本のように、取材を重ねて
当事者の言葉と認識を掘り起こして、
対峙する反対側の当事者にも取材して、
時代の俯瞰も加えて
まるで歴史書という織物を作ってくれたことに
感謝感謝です。
新聞とヤフージャパンの競争が
大きな絵地図を眺めるように理解できました。
懸命に働いた人たちの話は、すごみがあります。
時代を動かした感じがすごいや。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この半世紀で世の中は大きく変わった、
そして、新聞を巡る状況も。
2019年10月発刊、既に6年以上前の本なれど、刺激的で面白く読みました。 -
新聞という紙メディアを変える試行錯誤について読売新聞、日経新聞、ヤフーへの取材を通して描いている。本1冊作るにあたっての下山進さんの取材量がすごい。各社ひたすら紙からデジタルへの転換に迷走するだけなんだけど、なんか力技の文章で無理矢理納得させられたように感じる。
一番面白かったところ
インターネット最大の発明はハイパーリンクだ。
(下山進 慶應SFC教授) -
2000年以降のメディア史は、インターネットの歴史でもあると思った一冊だった。メディアは抽象的に見ると、媒体に情報が掲載されて消費される。その媒体のあり方が激変させたのがインターネット。
PCの時代にはヤフーという巨大なメディア企業が生まれ、スマホの時代にはLINE、Facebook、Twitterと国内では同規模のプレイヤーが生まれた。
一方、旧来の新聞社のようなメディアは100年に渡り、宅配制度によるビジネスで大きくなったため、変化の激しい時代に追いつけない状況にある。
このメディアで起こったことが、小売がEC、金融がFintechの括りで起きて他の産業でも芽が植え付けられつつある。これからインターネットが世界をどのように構造改革させていくか楽しみ。 -
紙の新聞では未来がない。そんな子どもでも分かる未来が見えない人たちがいる。フィルム業界という先例がある。マスメディアは、イノベーションのジレンマを打ち破り、富士フイルムのような「両腕の経営」をしなければならいない。
しかし、できない。読売新聞の後進ぶりが目立つ。答えが見えているのに、できない人たち。これこそが「日本型組織の病」であろう。危機の時代には、組織につかった人間よりも、傍流で斜に構えて組織を見つめてきたクールな人間がふさわしいのだろう(日経の社長人事の例)。2020年代は、マスメディア激震の時代となる。
マスメディアが滅ぶは当然としても、日本社会や日本政治がカオスになるのは困る。われわれ国民に大きなマイナスにならないように、各社は滅んでor変身してほしいところだ。 -
インターネット時代が来て、圧倒的な紙の部数だった読売新聞は変革に遅れる。インターネット時代の勝者となったはずのヤフー・ジャパンもスマホ時代への対応が遅れる。「イノベーションのジレンマ」はメディアにも当てはまる。
本書では読売新聞の取り組みを中心にメディアの変化を辿る。膨大な取材による情報や横道のエピソードも面白いが、それに絡め取られずに大筋を読んでいく方が理解しやすいと思った。 -
読売新聞、日経新聞、Yahooを中心に、2,000年代初頭からのメディア動向の歴史が分かります。
特に当事者からのインタビューを中心とした企業内情も生々しく、書かれています。
読売の山口社長については、あまり印象が強くはなかったのですが、認識を改めました。 -
リアルで過去がよくわかりました。読んでてワクワクする実態本でした^o^
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新聞の電子版に至る話。ヤフーで只で読める、紙が売れない、販売店の苦悩、拡販、地方紙、巨人軍と清武の乱、アントン・ピラー命令、PCからスマホ、NTの衝撃、日経電子版の成功、FTの経験、読売はどうなる? ヤフーもメディア離れ、データ企業へ、2050年を想像/創造するにはこれまでの30年の歴史を知る必要がある。
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内容は未来の予測ではなく、これまでの20年の緻密なインタビューによるルポ。特にYOL事件、Nordot誕生の複雑な経緯のあたりは、メディアの人間としてリアルタイムに見てきた側だったが、ここまて深い背景を初めて知った。
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タイトルと内容がそぐわないように思うが、
ヤフー、読売、日経、共同のデジタルをめぐる攻防を知るという意味では、
秀逸であり、読み応えがあることは間違いない。 -
文藝春秋の元編集者、下山進が、日経新聞、読売新聞、ヤフージャパンの最近20年間の経営について取材して記した本。例えば米国のウォール・ストリート・ジャーナルの有料電子版の取り組みから日経がどう学びどう変わっていったかや、読売が見出しを無断で表示した神戸のベンチャー企業を訴えて負けたライントピックス訴訟で何を得て何を失ったのか、清武の乱とは読売にとって何だったのか、ヤフージャパンはニュースサイトの運営会社からどんな形に脱皮しようとしているかなど、各社を右往左往させた出来事とその時々の経営者目線の動きを細かく取材して描いている。同時に各社の隆盛、経営方針の変わり方がよくわかる。
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未来を考えるために、過去を知る。紙の衰退とWebの勃興期を、丁寧に書いてくれている。業界にいるなら、一度は読んでみるべき一冊。非常に勉強になった
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没落する新聞と興隆するネットメディアの相克を描いたノンフィクション。
一読して、まずそのスタイルに感心しました。
書名を見て、「メディアの歴史と未来展望の本」だと思ったのですね。
その手の本は過去に何冊も読んでいます。
そして、その手の本は、論文スタイルである場合が多い。
手堅くまとめてあるため知識としては吸収しやすいですが、無味乾燥になる嫌いがあります。
その点、本書は読み物として実に面白い。
登場人物の喜びや苦悩が縦横な筆致で描かれているため躍動感と迫真性があり、ページを繰る手が止まらなくなります。
元雑誌記者である著者の面目躍如と言えましょう。
ぼくは吹けば飛ぶようなローカル新聞の記者ですが、本書を読み、目を覆わんばかりの新聞の惨状をあらためて認識しました。
新聞は2017年までの10年間に、5200万部から4200万部に減りました。
実に1千万部が消えてしまったのです。
新聞業界の苦境を示すエピソードが、本書の冒頭で紹介されています。
業界のガリバーである読売新聞の社主、渡邉恒雄が2018年に社内で開かれた賀詞交歓会でこう言い放ちました。
「読売はこのままではもたんぞ」
これまでナベツネは、賀詞交歓会で強気の発言を繰り返していました。
曰く―。
「この精神力と体力があれば、これからの一定のパイの中の争いで、絶対に勝ち抜けると確信」(2007年)
「読売の経営があらゆる指標からみて最も健全」(2012年)
「とにかく読売新聞は盤石です。何も心配ありません。何をやっても必ず勝ちます。いかなる戦でも勝ちます。その自信があります」(同年)
「思いきった政策を実現させ、景気を向上させ、広告収入が回復すれば、読売は絶対安全、安泰です」(2013年)
読売は2001年に1028万部と世界に冠たる部数を誇りましたが、2011年に1千万部の大台を割り込むと、加速度をつけて部数を減少させ、873万部まで後退しました。
対して急速に勢力を伸長してきたのはネットメディアです。
本書では、ヤフー・ジャパンがいかにして現在の地位を築いたのかを関係者の証言で描き出しています。
2016年に読売、朝日、日経を全て足した売上よりも大きな売上を上げるようになったヤフー・ジャパンが産声を上げたのは、1996年1月のことでした。
我が世の春を謳歌していた当時の新聞人は誰一人、この都会の片隅でひっそりと誕生したネットメディアに後年、その地位を脅かされ、追い落とされるとは思いもしなかったことでしょう。
しかし、その存在に気付いた時には、既にヤフー・ジャパンは手に負えないほど巨大になっていました。
新聞はその地位に胡坐をかき、油断をした結果、デジタルへの移行が遅れました。
本書では、「イノベーターのジレンマ」という見逃せない言葉が出てきます。
イノベーションによって市場を制覇した大企業が、そのイノベーションゆえに新しい市場に出て行けないことを言います。
読売が陥ったのは、まさにこのイノベーターのジレンマという陥穽でした。
専売店の全国ネットワークというイノベーションは、紙の新聞市場が拡大している時は良かったですが、その紙がインターネットに置き換わるようになると、この「イノベーション」が逆に新市場に出て行く足かせとなったのです。
現在、主要紙で紙の部数減をデジタルで補い、売り上げを維持しているのは辛うじて日経1紙のみです。
本書では、日経がどのようにしてデジタルという新市場に進出し、成功を収めていったのかも詳細に描出しており、読ませます。
こんな話が紹介されています。
紙の時代は、翌日の朝刊に向け午後11時台に日経の編集局内は最も活気づきました。
それが、締め切りの事実上なくなった電子版に軸足を移した結果、午後10時ともなると、編集局内はほとんど人がいなくなるそうです。
新聞社に限らず、テクノロジーの進化は人の働き方も変えるということでしょう。
さて、インターネット市場で勝利を収めたかに見えるヤフー・ジャパンも決して安泰ではありません。
ヤフー・ジャパンは、確かにパソコンのプラットフォーマーとしては押しも押されもせぬ存在となりましたが、スマホに代表される移動体通信の時代になると苦境に立たされるようになりました。
特に、それまで「ヤフー1強」と言えたニュースサイトの分野で、グノシーやスマートニュースなどの新興勢力の後塵を拝するようになったのです。
デジタル市場では片時も安閑としてはいられません、常に潮流に合わせて変化するよう私たちを駆り立てます。
この先もジリ貧となることが確実な新聞ですが、「社会の木鐸」たる新聞の存在はやはり必要だと思っています。
そこで、かねて私が考えている処方箋を①発行手段②取材内容③記者個人―の3点でまとめました。
①の「発行手段」というのは、紙かデジタルかという選択の問題です。
答えは言わずもがなでしょう。
新聞は紙からデジタルへの移行を急ぐべきです。
本書でも言及されていますが、世代が若くなれば紙の新聞を読まなくなる傾向がはっきりと出ています。
この点、紙での「成功体験」を捨てられるかがカギを握っていると思われます。
②の「取材内容」は、では記者は何を取材するべきかという本質的な問題です。
いずれは明らかになる話を、他社より早く報じることの意義は相対的に低くなると思われます。
こうした速報性に重きを置いたコモディティ報道は1~2社程度の通信社に任せ、それ以外の多くの記者は、もっと建設的で生産性の高い取材をすべきだと考えます。
端的に言えば調査報道です。
データや証言を丹念に集めて問題を掘り起こし、社会に問うていく。
これこそ記者が本来すべき仕事であり、情報が洪水のように溢れるインターネット時代にあって益々重要になってくるでしょう。
調査報道まで行かなくとも、その記者が取材して書かなければ決して世に出なかった報道にこそ力を入れていくべきではないでしょうか。
③の「記者個人」は、では記者は、この変化の激しい現代をどのように生き抜いていくかという問題です。
本書にヒントがあります。
英経済紙フィナンシャルタイムズ(FT)では、日経より早く紙から電子版への移行に取り組んでいました。
「FTは、これまでのように、日々の出来事を追うのでは、駄目だということを学んでいた。記者ひとりひとりの個人の体験、分析と意見が色濃くでた、そこでなければ読めないような記事でなくては、ウエブでは有料の記事を人々は買ってくれないということを身をもって学んでいたのだ。」
FTを買収した日経もこの考え方を吸収し、記者個人の顔が見える記事が増えつつあるようですが、FTほどうまくいってないようです。
ここから見えてくるのは、記者も「個が立って」いないといけない時代になってきたということです。
代替可能性のある記者では駄目なのでしょう。
かく言う自分は、近年は他の媒体でも積極的に活動し、「他流試合」を好んでするようにしています(経済的な事情もありますが)。
そうして培った知識や経験を本業にフィードバックすることが出来れば最高です。
厳しいですが、面白い時代になってきたと思います。 -
日本のメディアの近代史が読売とヤフーで構成されてたのがとても面白かった。
テレビの話がほとんど出てこないのも印象的 -
2022/03/22
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2021.02.17 品川読書会で紹介を受ける。
http://naokis.doorblog.jp/archives/shinagawa_reading_comm_42.html -
読売、朝日、日経、Yahooのこれまでと現状を丹念に取材したノンフィクション。紙媒体の未来は。メディア業界全体のこれからは。それは分からないが示唆に富んでいた。各社の群像劇としても読めた。
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読売、日経、ヤフーのメディア企業としての20年の歴史。ヤフーのメンバーはみんな戦友なので懐かしいなということだけかな。その時に読売、日経がどう動いていたかも、想定の範囲内ではありました。
俯瞰して、インターネットができてメディア企業が取り組んだのはデバイスシフトだったということなんですかね。スマフォファーストになった時の既視感は凄かったし、その次に関しても「それ」はもう来ているかもで、YouTubeの勃興をみると次は動画なのかな。
最近感じてるのは、圧倒的なコンテンツ不足。どんどんパーソナライズが進むことで、興味が細分化して、ここに満足するコンテンツを放り込める仕組みがまだ全然ないですよね。すごく難しいけど、技術で解決していかねばいけない分野。誰か頑張ってw(2020.02.04読了)
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