- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163911182
作品紹介・あらすじ
伝説の男がついにすべてを語った!
戦後生まれ初の閣僚で、自民党最盛期の建設族のプリンス、そして田中角栄最後の愛弟子であった男は、ゼネコン汚職で逮捕され、刑務所へと送られる。
しかし、そこから新たな伝説が始まった。
検察の取調べに完全黙秘を貫き、検事をして「男の中の男」と言わしめた男は、出所後も当選を重ね、初当選から現在まで14戦無敗。そして、安倍一強の政界を揺るがす仕掛けを次々と繰り出している。
中村喜四郎
25年の沈黙を破って語られた驚愕の事実とは。
角栄の素顔、ゼネコン汚職の真相、自民党分裂で小沢が果した役割……昭和から平成にかけて激震した政界の裏事情。さらに日本だけでなく、トランプを生んだアメリカにもわたり、「選挙に勝つ」ことの意味を掘り下げる。
この男から目が離せない!
感想・レビュー・書評
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もう少し、影の部分を描いて欲しかった。
でも充分面白い詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
政治家の評伝はどうしてもヨイショ本になりがちで、途中で断念することも多いのだけれど、波乱万丈すぎて最後まで一気に読んだ。
選挙の鬼の鬼たる所以をみた。経世会の気配が消えつつあり、金丸信クラスでも名前は聞いたことあるくらいになってきたいま読むと、フィクションのように思えるほど政争が凄まじい。 -
とても面白かったです。一気に読みました。政治家に国のために良い政治をしてもらうためには強い野党が必要と思います。
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中村喜四郎という政治家がいて、平成の初めの頃に建設大臣を務めたものの収賄罪で罪に問われた、という知識はあった。
しかし中村氏が現役の代議士であり、なおかつ今に至るまで小選挙区で無敗を貫いているとは本書で初めて知った。
小選挙区で与党の現役候補と争いながら毎度勝ち上がるのは並大抵のことではない。政治家というのは確かに特殊な職業ではあるが、氏の選挙・政治へのド真剣な向き合いには背筋が伸びる思いがした。
元は自民党の政治家であり長く党と考え方や行動を共にしてきたであろうが、最近の与党の政治姿勢には明確に異を唱える。こんな気概、国・選挙民を思い、行動する姿勢、氏のような政治家が多く出て欲しいと思う。 -
小泉さんと小澤さんが手を結び「反原発」で政権を揺する
「連合」を斬り、「無党派」を取り込むべきと
電力体制派かアンチか
いずれ日本は大きな選択=決断を求められる -
収賄罪で現職議員でありながら逮捕されたにもかかわらず選挙で無敗を続ける中村喜四郎を、その生い立ちから選挙に勝つ秘訣まで、マスコミ嫌いの本人はもちろん、大物国会議員のインタビューも取り入れながら丹念に取材し、考察したノンフィクション著作。選挙に勝つ秘訣は非常にシンプルで組織に頼らず徹底的に自ら足を運んで気持ちを通じること。常勝に秘策はなく愚直なまでの努力が必要であることがわかる。これはあらゆる人の生き方の参考にもなる。
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2021/3/27(土)朝、booklive電子書籍にて読了。
中村喜四郎という人物はとても興味深いし、勉強になる。
それは、本書の中村喜四郎氏本人や周辺の人物への取材での口述や、周辺の事実などから、良く理解できる。
一方、著者である常井健一氏は、
中村喜四郎氏から口述を引き出した点は優秀かも知れないが、
各種分析は一面的、短絡的で、間違った推論でよくやる「母集団を大きくする」(「みんな」「いつも」「絶対に」といった文脈)や決めつけが多く、仮説や推測、一意見としても、違和感が大きすぎて読むに耐えない。特に最終章でひどくなった。
そもそも、中村喜四郎氏を語るなら、中村喜四郎氏が社会に対して何を成し遂げたいのかを知りたいのに、
選挙に負けない理由の部分が本書の大半を占め、成し遂げたいことや成し遂げたことは中村氏が多くを語らないとはいえ、最終章に配置され、そこまでの選挙ばかりの記載を我慢して読み進めてきたのに最終章が前述の違和感に満ち溢れた分析であったので、読後感が非常に悪くなった。
中村氏を、選挙のごく一部の側面に限ってトランプとなぞらえるのは理解できるが、
人間は違うがといくら断っても、中村氏を全般的に単純にトランプ現象と似ているというのは、中村氏に失礼だと思うし、中村氏本人も本書内で暗に不快感を示していると見てとれた。
違う著者による中村喜四郎伝を読みたい。
何より、単純に、中村喜四郎氏の演説や著述を読む方がいいのかも知れない。 -
2021年2月14日読了。