アフリカ人学長、京都修行中

  • 文藝春秋 (2021年2月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784163911366

みんなの感想まとめ

多様な価値観が交錯する京都を舞台に、マリ共和国出身の学長が自身の文化と日本の文化を対比しながら描く本書は、異なる視点からの学びや気づきをもたらします。著者は、空間人類学という新しい視点を通じて、京都の...

感想・レビュー・書評

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  • サコ学長。
    Eテレの「こころの時代」に出演されていました。

    ウィキペディアによると、

    ウスビ・サコ(Oussouby SACKO(佐古 ウスビ)、1966年5月26日 - )はマリ共和国出身の教育者。2018年4月より京都精華大学学長。アフリカ系として初めて、日本の大学の学長となった。


    マリ共和国は、人口1,600万人位。国土面積1,240,000km2。
    国土面積は、けっこう広いですね。
    日本が、377,974km2ですからね。
    ただ、国土の北側3分の1はサハラ砂漠の一部とのこと。


    ●2023年7月22日、追記。

    今日の聖教新聞1面に、著者が載っていました。
    京都精華大学学長は、2018年から2022年まで、務めたようです。
    で、現在は、同大学で建築学の教授をされているとのこと。

  • 読み終わるとやっぱり京都に行きたくなる。秋だし。
    と同時に、やっぱり京都っていけずなのね。住めないわと思う。
    サコさんのように、言いたいことがあるならはっきり言ってよと思うタイプの私は、住民としてはお呼びでないだろう。

    自分の中の京都が、観光地としての京都であり、つまりは表の京都なんだとよく分かった。
    京都人たちの普段の京都は特によそさん(余所者)いけずだけど、それは伝統と革新を繰り返す誇りと威厳の現れなんだろう。防御は最大の攻撃みたいなものかな。

    昔のJR東海のCM「そうだ、京都いこう」。
    このCMの音楽と風景の美しさに圧倒され、今でも春や秋になると京都に行きたくなる。そろそろ旅行するにはいい季節ですね。

  • 京都の大学の学長モノ(笑)と聞いたら、なんでか買ってしまいます。

    空間人類学という、あまり聞き慣れない学問を扱っておられるのだけど、本の内容としては柔らかい感じ。論文とか研究内容って、どんなんなんだろ。

    マリの親戚縁者勢揃い!な生活空間は、きっと私には耐えられないけど、でも大きな家に中庭があって色んな用途に使われている風景は、いいなあ。
    外でゆっくり本読みたいなーって、なりました。

    一方の京都は、行きたい場所ではあるけど、住みたい場所ではないんだよなー。
    コミュニティの近さと、気温だろうか。
    でも、京都の人たちにそれを言うと、確かに!と言いながら、そういうところを誇りにしている気がする。

    でも、この本を読んでいて思うのは、京都ほど、多様な価値観が凝縮される町はないよなってこと。
    観光客もそうだし、学問の場としてもやっぱり京都は安定している気がする。

    ホテルもコンセプトの素敵な場所多いしなー。

    らしさ、を失わないことの秘訣と、そのことをイノベーションとして生かしていこうとする姿勢がちゃんと合わさっているのが面白い。
    グローカル?というやつか?

    あとは、サコ先生の日本KY例話がなかなかすごい。
    とにかく、やんわり注意されてる。
    日本人って、本当にハッキリ言わないんだなということがよく分かって、海外から来た人が「ハッキリ言ってよ!」ってなるのも確かに頷けます。

    ま、しばらくゆっくりしていったら、で、10日以上滞在されたらそれは確かに困るとも思うけど、言った手前、断りにくかったんだろうな(笑)

  • 京都精華大学長のサコさんが、京都について書いた本。
    読み終わって、思うのは。。
    京都、奥深すぎやろー!!!ということ。
    30年も京都に住んでいらっしゃる著者ですら、まだまだと言われる。。。
    色々な意味で京都はやはり奥が深いし、よそさんには厳しい土地。。

  • 一夫多妻制で四人まで奥さんをもらうことのできるマリという国から来たサコ学長。

    日本人でも理解しがたい京都という場所やそこに住んでいる「いけず」な京都人は、外国人の目にはどのように映るのでしょう?

    京都人は、店で作りたての生八つ橋を買う。一見さんお断りは「料理や器の価値が分からない人には食べてもらいたくない、理解した上で味わってほしい」という京都人のサービス精神からきている。京都人は反対語や婉曲的な表現で注意する。そんな「京都人コード」が山ほどある京都。

    「郷に入っては郷に従え」の通り、今では京都にすっかり馴染んでいるサコ学長でした。


    p23
    自分の学問を「空間人類学」と呼んでいるのは、「空間と人間の関わりを文化人類学的なアプローチで研究する」という意味です。

    p44
    御所南小学校→御池中学→堀川高校→東京大学(または京都大学)というエリートコース

    p45
    そのヒエラルキーの頂点にあるのが「洛中」です。豊臣秀吉が京都を囲むように築いた御土居のなか、周囲二二・五キロにおよぶエリアのことです。「御所周辺」ともいわれ、行政区でいうと、中京区・上京区・下京区が該当します。「洛中以外は京都にあらず」と思っている人も多く、京都内では無敵です。

    p70
    「いけず」とは、意地悪という意味です。これは嫌いな人だけでなく、好きな人にも使う場合があります。「ほんま、この人、いけずやわ」なんて恋人どうしで甘えるときに使うのです。

    p72
    一夫多妻制というと日本では抵抗があるかもしれませんが、マリではシングルマザーが生活するのは大変なので、たとえば、夫が亡くなったら、子どもを夫の家に残し、別の人と再婚して第二夫人になるというように、再婚しやすい制度になっていて、それが女性を守る福祉的な意味合いも含んでいるのです。

    p95
    近年は、中国をはじめとする外国資本が、不動産投資として町家を買い占める動きが見られます。

    p117
    小川治兵衛の初代は、江戸時代中期に武士から作庭家になった人で、帯刀を許されていました。歴代の小川治兵衛でカリスマとされるのが、明治から昭和の初めまで活躍した七代目です。山県有朋邸(無鄰菴)、平安神宮神苑、円山公園、西園寺公望邸(清風荘)などを手がけ、近代日本庭園の先駆者とされています。

    p136
    実際、どんなに美しく合理的な建築物を作っても、その土地の昔ながらの生活が崩れてしまったり、コミュニティがうまく作れなかったりという近代建築の失敗例もたくさん報告されています。建築はただのハコではなくて、そのなかで生身の人間が生きているわけですから、デザインや機能ばかりを優先するのは、建築家のエゴではないかと思うのです。

    p139
    まだ学問分野として確立しているわけではありませんが、空間人類学とは、人の行動や心理、関係性などから空間を考察しようというものです。

  • 京都に関する1冊目の本として薦めたい。
    京都を理解するために懐に入る努力を長年されている著者には頭が上がらない。一方、未だ著者は序の口に入っただけであると書かれていたことに愕然とした。

  • 時々メディアで名前を見かけていたマリ出身の京都精華大学の学長さんのお話。
    彼自身への興味からふっと購入したわけだが、中身は純然たる京都観察本であった。ここに書かれている京都人の性質は、一言で言うと面倒臭い人たちだなと思ってしまった。

  • 京都あるあるで面白かった。しかし、全く違う環境で育ったにも関わらず、京都を理解し、馴染んでる著者の社交能力には驚く。
    鴨川の岸に等間隔に座るカップル、空いた電車の座席感覚は京都人のみならず日本人独特の距離の取り方らしい。日本人以外だとこうはならないとか。知らなかった。

  • シン京都本

  • 長く住んだら理解できた京都人の素晴らしさを語ってくれてる本かと思ったら、京都人のこの発言はこういう意味だから気をつけて!みたいなHOWTO的な内容が多いように感じた。
    でも、この本でしか知れない事がたくさん書いてあっておもしろかったです。

  • とても面白かった。
    同じ日本人だと、どうしてもバイアスがかかってしまうと思うが、外国人としての…それも京都が好きで暮らし始めたというわけでもなく、たまたま京都にやってくることとなった筆者の視線・指摘はとても新鮮で、勉強になることが多かった。
    サコ学長の他の本も引き続き読んでいこうと思う。

  • 2022,04

    空間人類学者であるマリ共和国出身の著者が、外国人として京都人としての複合的な視点で京都の人や文化をみた、面白い本。

    町の成り立ちや道の役割等、専攻である空間人類学的視点での考察や母国マリとの共通点は勉強になった。

    京都は一見排他的と思われているが、実は外部のものを一旦受け入れ、伝統に上手く適応させ、伝統を守り受け継いでいる、と学んだ。

    京都に住み着いた余所者(大阪人)として色々な視点で京都を知っていきたいと思った。

  •  日本の中でもややこしいのが京都だが(笑)、アフリカ人が飛び込んだというのだから、その経験が面白くないわけがない。
     読んで面白く思ったのは、私自身意外と京都的な要素に共感してしまった点だ。もちろん「お茶漬け」なんかはやりすぎだと思うが、自分と他人が不快にならないように、不満すらも微笑みの中で伝えようとする姿勢は、直接に思ったことをぶつけ合うよりも淡いコミュニケーションではあると思う。最近は思ったことを分かりやすく伝えてぶつけ合うほうが主流で、まどろっこしいコミュニケーションは嫌われやすい時代だが、私はこの察する文化も嫌いではないなと感じた。
     他方で、京都の文化が目に見えるところでも見えないところでも変わりつつあることには、危機感を覚えた。少し考えれば分かるが、京都は寺社だけでなく産業の街でもある。着物一つとっても工程ごとに職人が居り、無数に集積してきた。ところが、職人がいなくなれば機を織る音は消え、建物は消え、マンションが建って、地域に根のない「よそさん」がやってくるのだろう。仮に建物は文化財として保護されても、そこにはかつての営みがない。問題は思った以上に深刻なのだと本書に学び、今更ながらに危機感を覚えた。

  • 観光で遊びに行くだけでは、わからない京都のはなし。
    著者が外国人であることから、より遠い目で京都人のナワバリ意識を観察できたのでは。
    ※他の都道府県から見ると好き嫌いが出てしまいそうな距離感

    京都人コード、以外にも所属するコミュニティでの暗黙知みたいなものって当然にあるので、この話をもとにして考えてみるのも一興。(文脈依存が高い低い、開放的か閉鎖的か、等)

  • 前の著書
    「アフリカ出身 サコ学長、日本を語る」
    が とても 面白かったので
    行きつけの「図書館」の新刊紹介の棚に
    並んだものを 早速手にしました

    あれから ますます
    京都に入り込み始めている
    学長ウスビ・サコさん、
    ではない
    京都人ウスビ・サコさんの
    日常生活の
    あれやこれやが 語られている
    エッセイ

    ただ
    前書が圧倒的に面白く読ませてもらったので
    今回はそのインパクトがちょっと弱く感じました

    私個人としては
    マリの大家族での「暮らしの場の空間」と
    京都の人たちの暮らしの中の空間認識の
    比較をするなかでの
    「空間人類学」での論考が
    とても興味深かったです

    その視点と頭の柔軟性には
    大いに敬意を抱いている
    ウスビ・サコさんなので
    次作に期待したいです

  • 京都に住んでたことあります。京都人大嫌いです。

    コミカルに「いけず」な京都人について色々書かれていますが、大変な苦労が透けて見えます。
    頭の良い器のおおきな方であると思います。

    京都人のコミュニティに溶け込めば力強く、良いところ、ってのはわかります。
    でも私はあの責任を人に押し付ける、本音を言わない、遠回しに攻めてくる京都人が本当に大嫌い。
    だから内容に理解ができて共感しても星3つ。

  • いけずな京都の話にしんどくなる
    自分が下のランクの人間と差別される
    遠回しに親切に教えてくれるんだけど結構傷つくんだよな

    サコさんもどれだけ差別にあって傷ついただろうに
    本の結構なボリューム書き連ねてる
    読者ビビっちゃうよ笑
    30年住んでるとヘーキになるのかな

    コミュニティのある町、面倒見のいい所利点もたくさんあるし
    そこで頑張って今の居場所があるんですね

    イノベーションを起こすのは京都の外から来た人
    家を継ぐ人はこのままじゃダメだと思っている
    精華のような斬新な教育を求めてる
    精華は海外の人を受け入れたりするのに熱心で
    伝統工芸に遠い所と思っていたが
    実は何代も続く御曹子が学んでいたりするらしい

    いろいろな事を吸収して京都なりにアレンジしていく
    決して保守的ではない
    そこに存在する事がサコさんの使命ですね

  • ふむ

  • 京都人より京都人。
    京都人独特の文化(いい面、悪い面)考。
    マリ人から見た京都。
    大阪人から見た京都は少し違うけど。

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著者プロフィール

ウスビ・サコ京都精華大学教授。1966年マリ共和国・首都バマコ生まれ。北京語言大学、南京の東南大学等を経て、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。2018年4月~2022年3月京都精華大学学長。アフリカ系として初めて、日本の大学の学長になった。社会と建築空間の関係性について様々な角度から調査研究。著書に『サコ学長、日本を語る』など。

「2023年 『君たちのための自由論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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