東京、はじまる

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911717

作品紹介・あらすじ

この男がいなければ、今日の東京の風景は、なかったかもしれない。日本銀行、東京駅、国会議事堂……経済、交通、そして民主政治という近代国家を象徴する建物を次々と設計した明治の建築家・辰野金吾。理想の首都「東京」を作り上げようとする辰野はまさに維新期ならではの超人だった。しかし、超人であるがゆえの破天荒さは周囲を振り回し……。下級武士から身を立てるべく学問に励み、洋行して列強諸国と日本の差に焦り、恩師ジョサイア・コンドルを蹴落としてでも日本人建築家による首都作りを目指した男の一代記は、今日の風景が生まれるに至った「東京のはじまり」の物語でもあった。今日誰もが見慣れた建築物の向こう側に秘められたドラマを知ると、東京を歩くのが楽しくなること間違いなし!『家康、江戸を建てる』の著者だからこそ書けた、「江戸」を壊して近代「東京」の街づくりを志した日本人初の建築家・辰野金吾の熱い生涯。

感想・レビュー・書評

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  • 門井慶喜さんの本は『家康、江戸を建てる』を前に読んだので、
    「今度は東京か。」と手に取りました。

    「慶喜」は本名らしい。
    ご両親はどのような気持ちで名前をつけられたのでしょうね?

    閑話休題。
    「東京」を作った建築家辰野金吾の生涯を
    興味深く読みました。
    幕末から大正まで「史実に基づくフィクション」として、
    ある意味「自分とかけ離れた遠い世界」を楽しんでいたのですが…


    まあ、終わりにきてビックリ!
    なんと辰野金吾さん、ウイルスで亡くなったそうじゃないですか!

    〈何しろすさまじい伝染力で、流行はなかなか終息しなかった。
    いや、終息どころの話ではない〉

    〈有名人もやられた。(中略)世間に甚大な衝撃をあたえた。彼らの死自体よりもむしろ、疫病の前には、
    ー有名も無名もない。
    という当たり前の医学的事実のほうに人々は恐怖したのだ〉

    この本の発行が今年の2月25日
    別冊文藝春秋2017年11月号から二年に渡って連載されたもの。
    まさか今こんなことになろうとは
    当時、夢にも思わなかったでしょうね。
    体中に衝撃が走りました。

  • 実在の人物、建築家辰野金吾の生涯。
    江戸を東京に変えるという意気込みで、日本人設計の建物を建てる事に拘り、日本銀行、東京駅などを建築する。
    生涯自分の信念を貫き、多くの実績を残すが、煉瓦がコンクリートに変わる時代に虚しさも感じる。
    明治の味わいある建物の数々を堪能した。

  • 【この国の首都の顔を決めた、一人の建築家】江戸から東京へ。急速に近代化する街の形を決定づけた建築家・辰野金吾。今日につながる景色を創った男の野心と葛藤を描き出す。

  • 面白かった!

  • 家康で江戸を建てた著者が辰野金吾で東京を作ったか。

    ざっくばらんな文体が主人公の性格やふるまいによく合っている。

    高橋是清の、日銀建設時の裏方を含めた意外な経歴は知らなかった。

  • 建築家としての辰野金吾というより、明治の男としての辰野金吾の話だったかな。もう少し建築と作品に焦点を当てた伝記に近いものを想像していたので、少し期待外れ。また著者の狙い過ぎた文章表現も食傷気味。

  • 『家康、江戸を建てる』で、江戸の誕生を描いた門井慶喜が、今度は近代都市、東京の誕生を描く。
    東京駅の生みの親、辰野金吾の目線で東京の誕生を見る。
    少し、展開が早すぎたような気もする。
    上下巻くらいの長丁場で読みたかった。
    今まで読んだことがない題材だったので、その部分が少し残念。

  • 江戸から明治なのに政治家に比べあまり知られてなかった辰野金吾ですが、日本近代建築の父と言われ、人間的で魅力的な人物です。田中角栄みたい。
    東京駅や日本銀行を設計した辰野金吾の生き方に
    明治人としての辰野の気概を感じました。近代日本、特に東京の風景を形作っていった人々の物語を興味深く読了しました。伊藤博文や高橋是清も出てきます。是非お読みください。おすすめです。

  • 知らないことばかり。建築に芸術性は必要。

  • 東京駅が大規模改修を終える今、面白かったねぇ~日本銀行・東京駅を設計して建てた辰野金吾は、佐賀の下級武士出身で、英語学校の教師としてやってきた東太郎が東京に帰るのを追って、東京に出て、工学校の一期生となり、同郷の曾禰を差し置いてイギリスに留学し、帰朝して師のコンドルから、日本銀行の建築仕事を奪い、曾禰の紹介で中央停車場の仕事を得た。国会議事堂の仕事に掛かりつつ、スペイン風邪で死去する~久し振りのフィクションで丸一日で読めました。やっぱ、フィクションは盛り上がってイイ。スペイン風邪はアメリカが初源地だったんだね、へえぇ

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。16年『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年『銀河鉄道の父』で直木賞受賞。他の作品に『東京帝大叡古教授』『家康、江戸を建てる』『屋根をかける人』『自由は死せず』『東京、はじまる』などがある。

「2020年 『銀閣の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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