罪人の選択

  • 文藝春秋 (2020年3月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784163911823

作品紹介・あらすじ

2年半の沈黙を破り、満を持して世に放つ貴志祐介ワールド全開の作品集。
最新SF「赤い雨」は、パンデミックが起きたときあらわになる人間の本性を描いた、今読むべき一作。
表題作は、著者自身が「ここまで強いテンションを維持した作品は、書いたことがありません」と断言する手に汗握るミステリー。
人間の愚かさが絶望で世界を塗りつぶすとき、希望が一筋の光となって未来を照らし出す。

〈収録作〉
「夜の記憶」――『十三番目の人格‐ISOLA‐』『黒い家』で本格デビュー前に書かれた貴重な一編。水生生物の「彼」は、暗黒の海の中で目覚め、「町」を目指す。一方三島暁と織女の夫婦は、南の島のバカンスで太陽系脱出前の最後の時を過ごす。二つの物語が交錯するとき、貴志祐介ワールドの原風景が立ち上がる。
「呪文」――『新世界より』刊行直後の発表。文化調査で派遣された金城は、植民惑星『まほろば』に降り立った。目的は、この惑星で存在が疑われる諸悪根源神信仰を調べるためだ。これは、集団自殺や大事故などを引き起こす危険な信仰で、もしその存在が認められたら、住民は抹殺される。金城は『まほろば』の住民を救おうとするが……。
「罪人の選択」――1946年8月21日、磯部武雄は佐久間茂に殺されようとしていた。佐久間が戦争に行っている間に、磯部が佐久間の妻を寝取ったからだ。磯部の前に出されたのは一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。もしどちらかを口にして生き延びられたら磯部は許されるという。果たして正解は?
「赤い雨」――新参生物、チミドロによって地球は赤く蹂躙された。チミドロの胞子を含む赤い雨が世界各地に降り注ぎ、生物は絶滅の危機にあった。選ばれた人間だけが入れるドームに、成績優秀のためスラムから這い上がった橘瑞樹は、不可能と言われた未知の病気RAINの治療法を探る。

みんなの感想まとめ

多様なテーマと緊迫感が織り交ぜられた短編集は、貴志祐介の独自の世界観を堪能できる作品です。収録作は、過去と現在の罪人が生死の選択を迫られる「罪人の選択」、海洋生物が人類再生の一端を担う「夜の記憶」、植...

感想・レビュー・書評

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  • 貴志さん作品のなかでは傑作!とまでは云わずとも佳作だと思います。

    作品紹介
    <収録作>
    「夜の記憶」一 「十三番目の人格 - ISOLA - 」「黒い 家」で本格デビュー前に書かれた貴重な一編。水生生物 の「彼」は、暗黒の海の中で目覚め、「町」を目指す。 一方三島暁と織女の夫婦は、南の島のバカンスで太陽系 脱出前の最後の時を過ごす。二つの物語が交錯すると き、貴志祐介ワールドの原風景が立ち上がる。 「呪文」一「新世界より」 刊行直後の発表。文化調査 で派遣された金城は、植民惑星「まほろば」に降り立っ た。目的は、この惑星で存在が疑われる諸悪根源神信仰 を調べるためだ。これは、集団自殺や大事故などを引き 起こす危険な信仰で、もしその存在が認められたら、住 民は抹殺される。金城は「まほろば」の住民を救おうと
    するが。 ...0 「罪人の選択」一 1946年8月21日、磯部武雄は佐久 間茂に殺されようとしていた。佐久間が戦争に行ってい る間に、磯部が佐久間の妻を寝取ったからだ。磯部の前 に出されたのは一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入ってい る。もしどちらかを口にして生き延びられたら磯部は許 されるという。果たして正解は? 「赤い雨」一一新参生物、チミドロによって地球は赤く 躁躍された。チミドロの胞子を含む赤い雨が世界各地に 降り注ぎ、生物は絶滅の危機にあった。選ばれた人間だ けが入れるドームに、成績優秀のためスラムから這い上 がった橘瑞樹は、不可能と言われた未知の病気RAINの治 療法を探る。
    切きからけじめス
    X

  • 罪人の選択:☆防空壕,過去・現在の罪人が生死の選択を迫られる( 焼酎か缶詰に猛毒) 緊張感あり
    夜の記憶:海洋生物として人類再生
    呪文:植民惑星調査,時空超えた呪い
    赤い雨:新生物チミドロが地球侵蝕

  • 久々の貴志祐介作品でしたが、個人的にはなんとも残念な読後感です。

    4編の短編がおさめられていますが、う〜ん...

    著者は本作で何を伝えたかったんだろう...

    説明
    内容紹介
    2年半の沈黙を破り、満を持して世に放つ貴志祐介ワールド全開の作品集。
    最新SF「赤い雨」は、パンデミックが起きたときあらわになる人間の本性を描いた、今読むべき一作。
    表題作は、著者自身が「ここまで強いテンションを維持した作品は、書いたことがありません」と断言する手に汗握るミステリー。
    人間の愚かさが絶望で世界を塗りつぶすとき、希望が一筋の光となって未来を照らし出す。

    〈収録作〉
    「夜の記憶」――『十三番目の人格‐ISOLA‐』『黒い家』で本格デビュー前に書かれた貴重な一編。水生生物の「彼」は、暗黒の海の中で目覚め、「町」を目指す。一方三島暁と織女の夫婦は、南の島のバカンスで太陽系脱出前の最後の時を過ごす。二つの物語が交錯するとき、貴志祐介ワールドの原風景が立ち上がる。
    「呪文」――『新世界より』刊行直後の発表。文化調査で派遣された金城は、植民惑星『まほろば』に降り立った。目的は、この惑星で存在が疑われる諸悪根源神信仰を調べるためだ。これは、集団自殺や大事故などを引き起こす危険な信仰で、もしその存在が認められたら、住民は抹殺される。金城は『まほろば』の住民を救おうとするが……。
    「罪人の選択」――1946年8月21日、磯部武雄は佐久間茂に殺されようとしていた。佐久間が戦争に行っている間に、磯部が佐久間の妻を寝取ったからだ。磯部の前に出されたのは一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。もしどちらかを口にして生き延びられたら磯部は許されるという。果たして正解は?
    「赤い雨」――新参生物、チミドロによって地球は赤く蹂躙された。チミドロの胞子を含む赤い雨が世界各地に降り注ぎ、生物は絶滅の危機にあった。選ばれた人間だけが入れるドームに、成績優秀のためスラムから這い上がった橘瑞樹は、不可能と言われた未知の病気RAINの治療法を探る。
    内容(「BOOK」データベースより)
    「夜の記憶」―『十三番目の人格―ISOLA―』『黒い家』の本格デビュー前に書かれた貴重な一編。貴志祐介ワールドの原点!「呪文」―『新世界より』の刊行後ほどなくいて発表された短編。惑星「まほろば」で何かが起きている…。「罪人の選択」―「罪人」の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。果たして正解は?「赤い雨」―新参生物のチミドロによって、地球は赤く蹂躙された。スラム出身の瑞樹はRAINの治療法を探る。最新SF!
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    貴志/祐介
    1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格―ISOLA―』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞する。2005年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、11年『ダークゾーン』で将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞。10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞し、同年、宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編第一位、週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門第一位に選ばれた。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「夜の記憶」、「呪文」、「罪人の選択」、「赤い雨」の四篇収録。「罪人の選択」はミステリー、他の三篇はSF。

    「呪文」と「赤い雨」が特に秀逸。「新世界より」を生み出した著者のSF作家としての力量、凄いな!

    「夜の記憶」
    エイリアン(?)との戦いに敗れ、地球を明け渡し絶滅することとなった人類には、共生チップに記憶と人格を記録されて他の惑星に送られ、文明の前段階にある種族の発展に貢献する道のみが残された。

    人類の終末を描いた壮大な作品だが、ちょっと分かりにくいところがある。

    「呪文」
    とある辺境の貧しい植民惑星の人々の間に、諸悪根源神信仰が蔓延っていた。住民を苛む天変地異を、マガツ神の仕業と決めつけ、怒りをぶつけ、呪詞を唱え、銅像を傷つけるという、激しい怨念の信仰だ。厄災は、マガツ神に強烈な呪詛を浴びせると暫し遠退くという。星間企業YHWHから派遣された調査員の金城は、信仰の実態調査に乗り出すが…。

    ネットワークに遍在する人工意識が星間企業を支配し、その星間企業同士がしのぎを削りながら宇宙を支配している、という宇宙観も面白いし、怨念が時空を超えて相互作用する、というアイデアも秀逸。

    「罪人の選択」
    戦後の混乱期、復員兵の佐久間は、妻を寝取った磯部に焼酎か缶詰のどちらかを選んで食すよう迫る。「正解は、おまえへの感謝。毒入りの方は、おまえに対する憤りだ」。どちらが毒入りか、磯部は頭のなかで必死に推理する。そしてその18年後、佐久間の娘、満子は、女たらしの悪人黒田に同じ二者選択を迫る。「十八年は、古い恨みをぬぐい去るにも、新たな怨念を生み出すにも、充分な年月なのよ」。

    追い詰められた加害者が、必死に推理を働かせる緊迫感がいい。

    「赤い雨」
    人類が生み出した破壊的な微生物、チミドロ。テロにより実験施設から流出したチミドロの胞子はたちまち世界中に広まり、赤い雨を降らせ、殆どの生物が絶滅。動物相、植物相共に激変した。人類も、一部のエリートが隔離されたドームの中で生き延び、また、その他の居住区(スラム)ではチミドロに冒されながら、短い寿命を繋いで細々と生き延びていた。スラム出身のエリート医師瑞樹は、RAINの治療法を編み出そうと…。

    チミドロに冒された真っ赤な世界がおどろおどろしい。

  • 待望の貴志さん2年半ぶりの新刊!

    「悪の教典」でのサイコパス感、「新世界より」や「クリムゾンの迷宮」での不思議な世界観、「ISOLA」や「黒い家」「天使の囀り」でのホラー感、「ダークゾーン」でのゲーム感、とどの本も当時の私を楽しませてくれた。

    そして今作、SFなお話2編が面白かった。最初の「夜の記憶」でムムムッ…なんだこれ?次の「呪文」のSF設定が壮大過ぎて面白い!でも恐ろし気。表題作は時代を超えたミステリでドキドキさせる。「赤い雨」はまたSFチックで映画に出来そうな物語。

    と好意的に説明したが、実は読後やや物足らず。以前のような長編が読みたい!と思ってしまった。

  • 貴志祐介と言えばエンターテイメントに針を振り切った作家というイメージです。名作「新世界より」でSF作家としての力量を見せつけてたのも記憶に新しいです。
    短編集で個々の関連は無いし、世界観の統一も無いので純然たる短編集として楽しみました。
    遠い未来に人間が作り上げた微生物「チミドロ」に侵され鮮血に覆われたような凄惨な世界に変貌した地球。そしてドームの中で清潔に生きる特権階級とチミドロに侵され貧しい生活を送る市井の人々の姿を描いた「赤い雨」が一番です。やはり新たな世界を作る能力がすごいです。

  • 【収録作品】夜の記憶/呪文/罪人の選択/赤い雨
     ミステリだと思って読み始めたので、一・二作目がSFで面食らってしまった。純粋なミステリは「罪人の…」だけか。他の三作は、ディストピア小説に思えた。

  • 貴志祐介の待望の新作は、やや消化不良な内容でした。
    4つの短編で構成されてましたが、前半の2作品は、SFっぽい内容ですが、話が難解すぎて読みづらく、読み進めるのを途中で断念してしまいました。
    後半の2作品は、なかなか面白く、本のタイトルにもなっている罪人の選択というミステリーと赤い雨というパンデミックを題材とした作品でしたが、こちらは期待通りの内容だったと思います!

  • ・夜の記憶 ★★
    なんだかよく分からない話で、読むのに時間がすごーくかかってしまった。


    ・呪文 ★★★★
    だいぶ前に読んだ「新世界より」みたいな話で結構おもしろい。より世界が広くなったバージョン。
    でもやっぱり「新世界より」の方が断然おもろくまた読みたくなった笑


    ・罪人の選択 ★★★★
    シンプルに面白かった!


    ・赤い雨 ★★★★
    これも面白かったー!!!
    つい物語の世界観に引き込まれて一気読み〜
    長編を読んだような満足感!

  • 4編の短編集。表題作「罪人の選択」以外はSFって感じ。新井素子さん読んでるのかって思った。罪人の選択だけ、テイストが違うので、なんでこの4編になったのか??

  • 近未来を描く特質した作家さんが貴志裕介さんだと改めて痛感させられた本でした。新世界も拝読しましたが、また違う近未来と未知の世界に連れ出してくれる作品です。

  • 最初の2作(夜の記憶・呪文)がとても好きなSFで連作と思ったら3作目は全然違った。3作目はミステリっぽい話だけどとくに感想がない。4作目はまたSFっぽい。2話目呪文はほんとに好きな世界観とストーリーだった。映画のインターステラーを思い出したけどインターステラー公開よりずっと前の作品なんですね。宇宙のどこかでおきる集団心理のぶきみさぞわぞわして面白かった。

  • 短編集だが、それぞれの内容が濃い。貴志さんの作品は「新世界より」が一番好きだけどそれに近い世界観で、特に最後の「赤い雨」は長編で読みたいと思った。おもしろかったー!

  • 怖い話の短編集

  • SF3作とミステリ1作の短編集。
    個人的にはタイトル作の「罪人の選択」が1番好き。2番目の「呪文」の、マガツ蠅の羽に書かれてる文字の気持ち悪さを想像すると怖くてよかった。

  • この人の本好きなので楽しみにしてた部分が大きくて期待外れにがっかり。SF要素が強くて私には理解しきれなかった。
    新世界より、に近い世界観はあったかな。新世界よりは大好きな本なのですが

  • 夜の記憶
    呪文
    罪人の選択
    赤い雨

    表題作以外はSFだったw
    呪文の絶望感と閉塞感は凄い。『pestis pestis』はキモ怖かった。

  • やっぱり短編集は…起承転結、オッと、という面白さはあっても感情移入が難しい。

  • 本格的デビュー前に雑誌掲載された“幻の短編”、歴史を越えた本格ミステリから最新SFまで。

    ・夜の記憶
    ・呪文
    ・罪人の選択
    ・赤い雨

    「夜の記憶」
    『十三番目の人格‐ISOLA‐』『黒い家』で本格デビュー前に書かれた貴重な一編。未来の水生生物と惑星からの脱出を控えた夫婦の奇妙な交錯と覚醒。『新世界より』の世界観に似てます。

    「呪文」
    『新世界より』刊行直後の発表。植民惑星の文化調査に降り立った金城は、住民の信仰によって惑星消滅の危機を救えるか?

    「罪人の選択」
    戦後、復帰した佐久間の妻を寝取った磯辺との駆け引き。その駆け引きがこの世代に新たな悲劇を生む。

    「赤い雨」
    新参生物、チミドロによって地球は赤く蹂躙され、人類は危機的状況に。
    選ばれた人間だけが入れるドームに、成績優秀のためスラムから這い上がった橘瑞樹は、不可能と言われた未知の病気RAINの治療法を探る。


    貴志ワールド全開です。
    好き嫌い別れるかも。

  • やはり貴志祐介作品。SF作品に力が入れられていました。
    表題作の「罪人の選択」はミステリというカテゴリになっていますが、ミステリ好きからすると少し物足りないものを感じるかもしれません。
    他の作品については、(SFをじっくり読んだことのなかった私には正確な評価ができないかもしれませんが)「呪文」がとても面白い設定だと感じました。
    まほろばと呼ばれる星に根付く、「諸悪根源神信仰」について調査する主人公。調査していく中で戦慄の出来事に見舞われます。やりきれない思いで自らの星に帰る途中、恐ろしい事実に気付きます。
    最後の最後に、SFだからこそ成り立つ終焉を迎えます。
    しかしながら、SFの世界観に浸りきれなかったこと。冒頭の作品「夜の記憶」が読みづらく、次の作品に手が伸びづらかったことなども踏まえて星2としました。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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