銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163912714

作品紹介・あらすじ

元裁判官で80歳を超えた今も信望が厚い高遠寺静と、中部経済界の重鎮にして車椅子の〝暴走老人〟香月玄太郎の老老コンビが難事件を解決する、人気シリーズ第2弾。
今回は舞台を東京に移し、玄太郎ががんを患った状況下で5つの事件に挑む!

静のかつての同僚たちが、次々と謎の死を遂げた。事件の背後の「悪意」の正体とは?

感想・レビュー・書評

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  • 高円寺静、、
    香月玄太郎この二人がタッグを組めば
    怖いものはない!
    解決できないものはない。

    静おばあちゃんと要介護探偵2ということらしい
    記憶ではもう3か4の気がするから不思議
    静元判事は英知、謙遜、(こんな時、我が身の言葉の貧困さを思い知らされる)善の理想を人格化している
    順風満帆ではなく苦しみ悲しみを味わったからこそ得るものがあると教えられる

    その高円寺静と
    何者も怖いものなくある意味
    傍若無人、手に入れられないものはない香月玄太郎がダッグを組めば
    解決できない事件はない。
    痛快!
    二人とも人には困らない
    静さまの人望、人徳と
    玄太郎のありとあらゆる人脈ネット
    智恵と行動力、破壊力
    車椅子であろうが癌のステージが幾つであろうが
    こんな覇気を持てることに希望がある
    シルバー世代
    後期高齢者の夢と希望?

    中山七里の作品はここまで読むと
    ぜーんぶが繋がってくる
    さよならドビッシーの〜

    静さまの吐く言葉は重い。
    本文より
    「完全になれだなんていってません、完全を目指せと言ってるのです。」

    「真摯な人間の言葉を退屈におもうものはいるが静には安寧を誘う音楽と一緒だった。」

    あちらこちらに珠玉の言葉が散りばめられている。


     

  • 玄太郎と静の銀齢コンビの5つの事件簿。
    静おばあちゃんの方は玄太郎に反発しながらも根幹は同じ。
    いいコンビでした。
    事件はどれもただ悪人を裁いて解決というものではなく。
    事件の裏にある悲しい現実。
    考えさせられるものがありました。
    4話と5話はほぼひとつの物語。
    ラストは結末を知ってるだけに、少し哀しさの残る終わり方でした。

  • 司法研修所の教官に招聘され、東京に戻った静おばあちゃん。玄太郎翁も癌治療のため東京の病院に入院することとなり、病院でバッタリ遭遇した二人は、東京を舞台に事件解決に当たる。東京はアウェイであり、入院中ということもあって、玄太郎翁の言動はかなり控えめ。静を中心に事件が解決されていくので、前作のような過激さはない。

    「もの言えぬ証人」「像は忘れない」「鉄の柩」「葬儀を終えて」「復讐の女神」の5篇。

    「葬儀を終えて」「復讐の女神」は連作になっていて、「さよならドビュッシー」(この後恐らく、玄太郎翁は静と再開することなく事件に巻き込まれて焼死してしまう)や「静おばあちゃんにおまかせ」(玄太郎の諭しが奏効し真っ当に成長した円が活躍する)にも繋がる話。と言うことは、本作後に二人は鬼籍に入ったってことになるな。それはちょっと寂しいな。

    そう言えば、司法修習生の岬洋介もチラッと登場してたな。

  • 玄太郎爺と静婆の2作目。

    前作ではお2人必要ないかと思いましたが、いーコンビてした。

    「東京はお嫌いなんでしょ」

    「生憎と性に合わん」

    「私とも合わなかったじゃないですか」

    「性に合わなくてもウマがあった」

    そんなお2人の探偵物語。

    面白かったです。

  • 2021年読書初め。読了本一冊目は大好きな中山先生。もう、今生の別れかもしれないだなんて言わないで(願)まだまだ静おばあちゃんと玄太郎おじいちゃんコンビの爽快な事件解決に遭遇したい。円ちゃんと静おばあちゃんの物語、一冊目も読み返そうっと、あ、チラっと登場の岬洋介くんもうれしいなぁ。

  • シリーズ2作目。
    楽しい老人コンビです。玄太郎さんは入院中でも変わらず元気です。
    さよならドビュッシーに繋がる事を思うと少々切ないし、静おばあちゃんと円ちゃんの辛い過去が書かれているしで、色々盛り込んだ内容になっていました。
    内容自体は分かりやすいミステリーですが、最後は作者らしい物語だと思います。

  • 静おばあちゃんと玄太郎じいさんの探偵物の2作目にあたる、どちらも著者のシリーズの中では鬼籍に入ってしまった人間である。著者は二人とも早く殺し過ぎたと後悔していることだろう。本書にも著者のスターの若き日の岬洋介や円が登場し読者サービスにもぬかりがない。ただし本作は死の予感が漂っており玄太郎に至っては焼け死ぬことも口に出させているのである。それに静に至っては死してなおこれからも円を守り続けることになるのだから。中山七里ワールドを楽しむためには全作品を読破する必要がありそうだ。

  • オール讀物2019年5月号もの言えぬ証人、8月号像は忘れない、12月号鉄の 柩、2020年2月号3,4月号葬儀を終えて、8月号復讐の女神、の5つの連作短編を2020年10月号文藝春秋から刊行。シリーズ2作目。体調不良もなんのその、老老コンビの活躍が痛快。正統派ミステリーが楽しい。

  • 相変わらずの玄太郎さんでした。

  •  玄太郎&静さんコンビが又も復活で楽しみにしていました!

     静さんの一人娘と旦那さんが事故にあって、切ない再会の孫の円。静おばあちゃんでは法学部の大学生だった円も、まだ中学生であどけないですね。

     そして、名古屋を飛び出して東京を舞台にした為に、警察を思い通りにならない玄太郎も新鮮でした。
     再三、畳の上では死ねない発言をしているけど、その結末を知っているから何とも言えず…

     エピローグでもうこのシリーズは終わりみたいな雰囲気だったのが残念です。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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