夢七日 夜を昼の國

  • 文藝春秋 (2020年10月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163912806

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『想像ラジオ』から7年。言葉の力を知り抜く著者が世に問う、渾身の小説集!

【夢七日】交通事故に遭い、意識不明となった木村宙太。震災後、原発で働いていた君だが最愛の妻の呼びかけにも応じられない深い眠りの中にいる。二〇一九年十一月、私は君に、日々ささやきかける。――君よ、目覚めよ。
        *
【夜を昼の國】一七一〇年、身分違いの悲恋で心中し、恋人・久松と共に「書かれた世界」に放り込まれてしまったお染。歌舞伎や浄瑠璃に脚色され、名誉を傷つけられてきた彼女は今また生き返り、ネットでの中傷に立ち向かおうとする。

みんなの感想まとめ

テーマは、深い夢の中での呼びかけや、歴史的な悲恋を現代に置き換えることを通じて、自己と社会の葛藤を描くことにあります。『夢七日』では、昏睡状態にある宙太に妻が呼びかけ続ける中で、著者のプライベートや社...

感想・レビュー・書評

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  • よく分からないまま、読み進める。ラストまでハテナ。

  •  「ゆめなのか?」と読める「夢七日」という作品と、浄瑠璃をはじめとして、江戸文芸のスター・カップル「お染・久松」の「お染」を語り手にした「夜を昼の国」という二つの作品が入っていました。
     いとうせいこうについては、多分デビュー作「ノーライフキング」と、震災後、まごう方なき「災後」小説として読んだ「想像ラジオ」しか知りませんでしたが、方法を駆使して「時代」と「人間」を出合わせる本書の二つの作品を読んで目を瞠りました。
     「夢七日」は、おそらく漱石の「夢十夜」へオマージュとして書かれているのでしょうが、「想像ラジオ」で原発作業員だった人物を登場させることで、あれから10年の年月と、愚かとしか言いようのない現在の「日本社会」の実相を浮き彫りにして見せた「快作」でした。感想はブログにうだうだと書きました。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202101300000/
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202102010000/ 
     「夜を昼の国」は浄瑠璃や歌舞伎でおなじみの「お染久松」ものの、いわば「テキスト論」の作品化ですが、ああ、そういうふうに「諸本」を比較することが可能なのだと感心することしきりという読後感でした。
     こちらもブログに書きました。覗いてみてください。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202102060000/
     
     

  • 夢七日
    小説や音楽など、いとうせいこう氏の活動を追いかけているけれど、ここまで私小説的にご自身のプライベートな部分を曝け出している作品は非常に珍しいと思った。
    夢の話として、執筆当時の社会情勢やおそらく著者が実際に体験したであろうことが何層にも重なってたくさん描かれている。
    特に不妊治療のお話は、著者のお子さんの誕生のニュースが読んでいる時期と重なったので、すごくリアルに感じた。奥様へのラブレターのようにも思えました。

    夜を昼の國
    歌舞伎や人形浄瑠璃のお話として有名なお染久松の心中話をSNS全盛期の現代に置き換えて描くという大胆な発想の物語。
    こんな表現の仕方があったのかー!
    関西弁の文体で書かれているのが新鮮!

  • 「夢七日」は幻想的な世界が続き、はっきりしたものが掴めないようなもどかしさを感じた。
    「夜を昼の國」は大阪の国立文楽劇場で人形浄瑠璃を鑑賞してから再読しようと思う。

  • 「夢七日」昏睡状態の中にいる宙太に呼びかけ続ける妻。夢の階層は何層へと深く行きつく。その夢の中では著者の交友関係を想起させる人物が現れると同時に、安倍政権とその政治下で行われた悪行、世界情勢がリアルタイムで記される。現実悪夢を彷徨うユメナノカ?とも解釈できる。
    「夜を昼の國」歌舞伎や浄瑠璃で題材となる女性"お染"が現代に生き返り、自らのアンソロジーをなぞっていく。2つの極めて実家的かつ挑戦的な中編小説。

  • 私にはあまり会わなかったのか、ぜんぜん入って来なかった。昏睡の木村宙太の思いを、医師が夢で語ると言う何ともややこしい描きかた。感情のもってゆきどころがわからないまま終わってしまった。
    2話目も同じく。

  • 夢から戻ってくるお話。

    世界に入りこめなかった。

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著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』(河出文庫)で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』(新潮文庫)で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』(河出文庫)で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう!』(講談社現代新書)など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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