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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784163913278
作品紹介・あらすじ
「あんた、ゴミサトシって知ってるか?」
元刑事の河辺のもとに、ある日かかってきた電話。その瞬間、封印していた記憶があふれ出す。真っ白な雪と、死体――。あの日、本当は何があったのか?
友が遺した暗号に導かれ、40年前の事件を洗いはじめた河辺とチンピラの茂田はやがて、隠されてきた真実へとたどり着く。
『スワン』で日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞を受賞。圧倒的実力を誇る著者が、迸る想いで書き上げた大人のための大河ミステリー。
感想・レビュー・書評
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第165回直木賞候補作。
598ページ。圧巻でした。
1972年長野県上田市。五人の小学六年生、河辺久則。五味佐登志。外山高翔。石塚欣太。竹内風花をキョージュと呼ばれる竹内三紀彦は栄光の五人組と呼び「君たちは小さな勇者だ!」と言いながら可愛がっていました。
キョージュは教員で本を二千冊以上所有し永井荷風をこよなく愛して、子供たちに文学を教えていました。休みの日に子供たちを呼び勉強合宿を開いていました。
風花(フーカ)には年の離れた千百合という姉がいましたが冬のある日千百合が失踪します。
そして首を絞められた死体が発見されます。
キョージュはその後疑わしいとされた引きこもりの在日少年、文男を撃ち殺し文男の祖母、母も撃ち、自死してしまいます。
それは栄光の五人組が高校三年生の時に千百合事件として起こりフーカはどこかへ引き取られ、コーショーはバンドマン、キンタは東大合格して上京。
河辺は警察官への道を進みます。
そして令和元年。警察官として生きてきた河辺が五味佐登志の遺体と対面するところから栄光の五人組の次の物語が始まります。
佐登志は殺されていました。河辺は病気で余命の少なかった佐登志がなぜ殺されなければならなかったのかを探りだそうとします。
そこには、あの千百合事件が絡んでいました。
犯人はあの頃の一体誰なのか。五人の中に佐登志の隠していたという金塊目当てに殺した人間が果たしているのか…。
あんなに仲の良かった五人組の中で裏切ったのは誰か。
今回、圧巻とは書きましたが、苦手のハードボイルド598ページは私には少々つらかったです。最後の方の人間関係でちょっと私にはわかりづらいところもありました。
でもラストの60歳になったフーカと河辺の再会シーンには救われた気がしました。
60歳になっても初恋は忘れられなかったのですね。
フーカはやはり皆のマドンナでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初読みの作家さんでしたが、ハードボイルでありながら哀愁を帯びる雰囲気に共感が持てた。こんな時代をくぐってきたとつい思わざるを得ない。昭和五十年代の始め、長野県の上田市真田町でいつも一緒にいた五人の高校生たち「栄光の五人組」。彼らは、その中の紅一点フーカ(荷風をもじってある)と共に、フーカの父親のキョージュこと竹内三起彦に永井荷風、中原中也、太宰治などらを読み込ませられた。
しかし「栄光の五人組」に事件がふりかかり、昭和から平成を経て令和と失われた40年を送ることになる。
「栄光の五人組」の一人だった元刑事で今はデリヘルの運転手をしている河辺のもとに、「栄光の五人組」だった佐登志が死んだと連絡が入る。知らせてきたのは佐登志の世話をしていたというチンピラの茂田。サトシ(佐登志)は暗号のような詩を遺していた。
彼らの友情が裏切られずに守られていたことにロマンを感じた。還暦近い彼らが取り戻せない人生を嘆くのではなく、すべてを背負って未来に目を向けていくラストに励まされる。
セイさんというキャラクターをより書き込んでもらいたかった。河辺が信頼していたセイは最後までカッコイイ男であって欲しかったなぁ。 -
舞台は長野県。まだ10代だった《栄光の5人組》が顔を合わせる日は来るのか…。昭和、平成、昭和と時が流れる中で紡がれる音楽、書籍、事件、歴史背景は、彼らと同年代の自分にとっても思い出深いものだ。多感な時代に教養を授けてくれた年長者の存在は大きい。主人公河辺にとっての「セイさん」や「キョージュ」がそれだ。真実に迫れば迫るほど、彼の大切にしてきた存在が危うくなっていく。過去にさかのぼる、とはそういうことなのだ…。
物語の始まりは《栄光の5人組》の一人佐登志の死だった。他殺であるとみた河辺は第一発見者である若者茂田と共に、彼の遺した大量の本から謎解きのヒントを探す。まるで日本の近代文学史の講義のように、文豪の名文が並べられる。さらに「キョージュ」が40年以上前に説いていた永井荷風論。広げられた風呂敷はとてつもなく広い。マドンナ的存在だった千百合の死。彼女の父「キョージュ」による大量射殺事件。40年以上の月日がたっても、事件の謎はそれぞれの胸に重く残る。互いが互いに疑心暗鬼になり、読者も惑わされる。圧倒されながら、騙されながらの読書は、正直きつかった。
40年以上前の情景を、果たしてあれほど鮮明に覚えているのか、と疑ってしまうと楽しめないだろう。思い出したくもない記憶は山ほどある。しかしそういうものに限って振り払おうとしても振り払えないものだ。ちょっと教訓的なニュアンスも感じてしまう、「昭和」な私だった。 -
んー、最後まで読み通したけど、ちょっと謎解きとか人物描写についていけないところもあった。ストーリーよりも、読者を驚かすことに重きを置いているような。。
とはいえ、アウトローな描写などはカッコよくて良かった。 -
まずは600ページ近いボリュームに尻込みするが、手にとって読み進めていくと、丁寧で趣のある文体で、終盤には読み終えるのが残念に思うほどでした。近々「スワン」も読もうと決意した。
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過去の過ちや順風満帆ではないむしろ自分の描いた理想とは違う現実を生きて、未来の展望も絶望的で…それでも全て引っくるめて自分なりに清算して打ち出した答えに着地する姿に感動しました。
ページ数の多い小説ですが、没入感があり、すらすらと読んでしまいました。
呉勝浩の作品を読破してみたいです♪
「爆弾」読みたいな〜♪ -
私にも小中学生時代をとにかく一緒に過ごし続けた仲間達がいました。
高校位からなぜか疎遠になり、たまに会うと『どのバンドの歌が良い』とか『どのブランドの服が良い』とか、まるで外国人と会話をしているような気分になりました。
この作品の主人公も、仲良しで濃密な思い出を作った友人達がショッキングな変貌を遂げている事に、傷ついたり、奮い立ったりします。
かつての仲間達に裏切られたり、かと思えば本当は変わっていなかったり。
エンディングがスッキリしていないとの評価もありますが、私にとっては共感できる部分が多く、ダーティーで救いの少ないお話でしたがそれなりに面白い作品でした。 -
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長編だったけど本編と関係の薄い装飾が多かった印象。事件と謎解き部分に特化して半分のボリュームだったらもっと集中して読めたかも。疲れて肝心の暗号謎解きに参加できなかった。
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なんだか盛りだくさんすぎて自分にはあんまりだった。
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栄光の五人組。キョージュの講義。チンピラたちとのやりとり。前半は好きな雰囲気で傑作の予感がしたけれど、暗号が難解で、後半の展開に無理を感じた。残念。文章は好きで読むのが楽しかった。
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約600頁、なかなかのボリュームでしたが、面白いので最後まで飽きずにドンドン読み進めました。
主人公の過去と今を1つの凄惨な事件を背景に進められてき、謎が解けたり深まったり…。決して主人公を含めて全員が幸せではないこともこの本の特徴で、もっとみんな幸せになれ…!と思いつつ読んでいたら、最後の最後に少しだけ小さな花を咲かせて終わらせていました。
この作品を、この内容量を30代の筆者が書き上げたのは凄いな、と思います。本と作者の体力の熱量が素晴らしいと思いました。明るい話ではなかったけど面白かったです。
謎の解がもう少しきれいに収まれば良かったな…と思いつつ、その微妙さはあえて出したのかなとも思ったり。結局主人公の確固たる想像で終わってしまう部分も多く、真実は明かされたような?みたいなところが星を一つ減らした理由です。
まぁそりゃ真実を知る人間が居ないのだからしようがないのですが。これは難しいところですね。
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年生まれのそぉ、くるよね。
きたよね。って、展開で、した。
佐登志じゃなくってヒーちゃん(久則)目線で。
佐登志の暗号が解かれていきます。
登場人物ほとんどがキチンと役割を果たしている。
昭和37年生まれ【栄光の五人組】
現在令和までのお話。
時代背景、時の流れ。
なるほど、ねと、思わせてくれます。
文豪もたくさん登場。
森鷗外大先生、永井荷風の荷風さん。
フーカの父キョージュ、その姉千百合。
竹内家の闇のおはなしかなぁ。
そしての第六章‼
重い感じですが、先が知りたくなっちゃうので。
あっという間に読めちゃいます。 -
600頁超の骨太で武骨なミステリー&ハードボイルド労作で、読むのも結構疲れた。「スワン」が凄かっただけに、力が入り過ぎて丁寧だけど大分冗長でもあり、私にとってはインパクトはそれほどでも無かった。力のある作家さんであることは間違いないが、書かれているテーマで当たりはずれがあるような気がする。
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突然、スマホから見知らぬ番号が。幼馴染が死んだということで、世話を任された人からの電話だった。同時に伝言もあるという。それは謎の5行の詩。それに込められた意味とは?一つの事件をきっかけに昭和・平成・令和を経て、隠された真実が明らかになる。
色々読み応えのある作品でした。
なんといっても約600ページという量に1クールの連続ドラマを見ているようでした。読み終わった後はドッと疲れましたが、一つの事件から水面のように拡がる大河級のミステリーに骨太さを感じました。ミステリーだけでなく、ハードボイルドのエッセンスもあったので、男臭さの雰囲気も醸し出していました。
昭和・平成・令和と3つの時代でそれぞれ起きる出来事を思ったよりも長めで描かれています。普通だと過去編になると、さらっと短めに描かれますが、この作品は中編くらいの長さでした。その分、当時起きた出来事を細かく描くことで、より重厚感が増していました。
昭和では仲良しだった人たちが、ある事をきっかけに歯車が狂っていきます。その後、平成や令和では良い方向へ行くのかと思いきや、悪い方向へ突き進むので、胸が痛む思いでした。その背景として、差別や学生運動など社会問題が絡んでいて、その辺のリアルさは印象深かったです。
次に暗号としての謎解きも魅力的でした。5行しかない暗号には、色んな要素が絡まっていて、よくここまで練られていたことに圧倒されました。名だたる作家たちやそれぞれの登場人物、ある事件の鍵を総合的に絡めて、詩に込められているので、全てが明らかになった瞬間、凄いなと思ってしまいました。
それぞれの登場人物たちの末路が儚すぎましたが、主軸となる幼なじみたちの友情が表面では見えなくとも、裏では固く結ばれているのではと感じました。 -
598ページに及ぶ長編物でしたが、読んでよかった。
一転二転する話の中にフッと胸に染みてくるものがあり最後は穏やかな気持ちにのまま読み終えることが出来ました。
著者プロフィール
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