千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163913322

作品紹介・あらすじ

峠で茶屋の給仕をする娘・小鼓は、ある日すべてを失うことになる。
都から来た高僧・青蓮院義圓(のちの義教)が、故郷坂本の町を焼き払ったのだ。
義圓は小鼓の父を追って、坂本までやってきたらしい。
なぜしがない足軽にすぎない父の命が狙われるのか? しかも父は「良兼」という小鼓の知らぬ名前で呼ばれていた。
義圓が父に向って刀を振り下ろす寸前、小鼓は父の前に飛び出した――。
その後の意識は小鼓にはない。

目を覚ました小鼓は、左の肩から先を失っていた。あのとき腕を切り落とされてしまったのだ。
なぜ私が腕を失わなければならなかったのか? 父親は何者なのか? この腕でどうやって生きていけばいいのか。
小鼓は、突如としてこの世の理不尽の渦に巻き込まれることになる。
だが、途方に暮れる小鼓が生き残る道を探る中で、父に手ほどきされた軍略の才能が自らにあることに気づく。
そうだ、誰も助けてくれないのなら、私は与えられたこの「力」で私を助ける!
小鼓は自らの力で戦場を渡り歩きながら父の謎を追い、そしてその謎の解明が、義圓への復讐心を育てていく……。

デビュー作『虎の牙』で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞した気鋭の書き手が放つ、渾身の書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • 総じて面白かった。
    前半部は駆け足に感じたり、ご都合主義かと思う筋書きもあって物語に信頼が置けないと思っていたが、後半にかけて熱気が加速していくのに乗せられた。
    一つ一つのエピソードをもっと厚く描写すればより良かったと思うが、だいぶ長くなってしまうのだろう。
    全体的に急ぎがちに思えた。
    現代にも通じる社会問題の提起が興味深く織り交ぜられていた。

  • 設定などかなり大胆なんだけど、エンターテインメントとして楽しむつもりで読むと楽しめるのかも。できればもう少し短いと気軽に楽しめるのかも。

  • 読みやすかったけど、これってラノベ?
    主人公隻腕と兵法家の設定がもう少し生かせればよかったかな。

  • 副題のくじ引き将軍が足利義教?と思い読み始めると、やはり。
    室町末期の関東に舞台が移ると鎌倉公方や身近な人たちにが出てきてますます楽しめた。

  • はい、正直、ホント面白かった! この時代の物語はあまり読んでませんでしたが、西に東に、物語が勢いよく展開していきますね。ワクワク、と、切なさ、と。凄く好みの物語に出会ってしまいました。

  • 【室町将軍を敵に回した女の運命は?】人の運命を踏みにじる本当の敵は誰か? 片腕を失った少女は、時代に翻弄されながら生きる道を探すが……気鋭が放つ書き下ろし長編。

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著者プロフィール

1981年神奈川県生まれ。2016年「鬼惑い」で決戦!小説大賞奨励賞を受賞。’17年『虎の牙』でデビュー。’18年同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞、’21年『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』で日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。近著に、『落梅の賦』『かすてぼうろ 越前台所衆 於くらの覚書』がある。

「2023年 『風雲 戦国アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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