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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163913445
作品紹介・あらすじ
解明せよ! その毒物は何なのか? 黒煙はどう流れ被害者たちを襲ったのか? 閉じ込められた幼児はいつ窒息したのか? 科学捜査官第一号となり、日本の科学捜査の基礎を築いた著者が初めて明かした戦いの軌跡。
警視庁科学捜査官第1号となった著者は、全国の数々の難事件を背後から支えてきた。地下鉄サリン事件では最初にサリンを同定、サリンを生成したオウムの土谷正実と科学者として対峙し自供を引き出した。和歌山カレー事件では思わぬ場所からヒ素を発見、ルーシー・ブラックマン事件では暴行ビデオの解析から使用薬物を特定した。44人の死者を出した歌舞伎町ビル火災では、煙の流れを検証し、防火扉が閉まっていれば全ての命が助かったと結論、管理者の業務上過失致死傷罪立証に寄与した。知られざる科学捜査の真実が明かされる、まさに一気読み必至のドキュメントだ。
本書に登場する主な事件
地下鉄サリン事件 東電OL殺人事件 イラン人トランク詰め殺人事件 警視庁清和寮爆破事件 和歌山カレー事件 長崎・佐賀連続保険金殺人事件 国立療養所アジ化ナトリウム混入事件 奈良硫酸サルブタモール殺人未遂事件 ルーシー・ブラックマン事件 北陵クリニック薬物使用連続殺人・殺人未遂事件 世田谷一家4人殺害事件 新宿歌舞伎町ビル火災 川崎協同病院安楽死事件 東京駅コンビニ店長刺殺事件 福山市保険金目的放火・殺人事件 パロマガス湯沸器事故 大阪幼児死体遺棄・殺人事件 名張毒ぶどう酒再審請求
目次
第1章 オウムの科学を解明せよ ~地下鉄サリン事件
第2章 憧れの科学捜査研究所へ
第3章 真の科学捜査とは何か ~和歌山カレー事件
第4章 続発する薬物犯罪 ~ルーシー・ブラックマン事件
第5章 現場の捜査に科学を生かす ~歌舞伎町ビル火災
第6章 犯罪捜査支援室の初代室長となる ~東京駅コンビニ店長刺殺事件
第7章 警察庁出向から副署長へ ~大阪幼児死体遺棄・殺人事件
第8章 生きがいを求めて ~名張毒ぶどう酒事件再審請求
あとがき
みんなの感想まとめ
科学捜査の第一線での奮闘を描いた本書は、著者が警視庁科学捜査官として数々の難事件に取り組んできた経験を綴った自伝的ドキュメントです。地下鉄サリン事件をはじめ、和歌山カレー事件や世田谷一家殺害事件など、...
感想・レビュー・書評
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「科学捜査」の第一線を拓き続けた著者の自伝的ドキュメント。地下鉄サリン事件を皮切りに、科学捜査官として関わった事件を列挙する形で警察人生を俯瞰している。
この本には二種類の視座が存在している。一つは事件捜査における科学的な方法論をいかに担保するかという手法的な問題であり、もう一つは硬直しがちな組織の中で新しいことを導入するのがいかに難しいかという組織論的な問題である。
しかしこれらは実は根元は一緒であり、前例に拘泥忖度せず論理のみで問題を考えるということがいかに難しいかという点に収斂する。そして、著者は科学的論理性を重んじる無私の人であったために科学捜査において輝かしい結果を上げ続けることができたが同時に組織の中で居場所が無くなる状況に何度も追い込まれたのだった。
本書は読み応えのあるノンフィクションであるのだが、惜しむらくは自伝として書かれているため客観性に欠ける。科学的であることを重んじる筆者によるので致命的な瑕疵とまではなっていないが、それでも本来は別の筆者によるルポルタージュになることが望ましかったと思う。もう少し失敗の話もほしかったし、私生活が垣間見られる部分もあっても良かったと思う。何しろ真面目な方らしく、全体的にかっちりしていて隙がなさすぎるのである。
本書を読了して間もなく、全然関係ないテレビで、ある識者の放ったコメントが本書を思い出させた。「組織の中に異能の人が現れた場合、その活躍する場所をちゃんと作れるかどうかというのがその組織に柔軟性があるかどうかということであり、活躍させられないような組織はもう終わりなのだ」幕末の江戸幕府についてのコメントであった。著者はまさに異能の人であり、100%ではなかったかもしれないが活躍する場が当時の警視庁にあって本当に良かったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
科学捜査の裏側を設立当初から関わっている著者の自伝的作品。どう考えても正しいことをしているのに、組織というものは絶対に足を引っ張る人間もいる。それでも現場のため国民のために尽くした著者には頭が下がる思いだ。
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極秘感がまったく無い
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科捜研や科警研は、昔からしっかしした組織ではなかったようで、それを今のような形に導いた本人が著した本。
携わった事件がいろいろで、なかでも、
地下鉄サリン事件、東電OL殺人事件、和歌山カレー事件、世田谷一家4人殺害事件、新宿歌舞伎町ビル火災、等はまだ記憶に残る事件なので、興味深かった。 -
著者は困っている人を見ると見捨てずに(助けずに)はおれない、良い人なのだろう。だから、頼まれれば、貧乏くじを引くことになることを承知のうえで、引き受けてしまう。それは、警察官としてはとても大切なことだと思う。しかし、警察官僚として、警察組織の中で生きていくにはかえって余計なことと受け取られるようだ。良い人だから、良いことをしたのだから、それが自分のキャリア(出世)に良く働くと期待するところも無くは無い。しかし、前述のように警察社会というところはそれほど単純でもないようだ。そういった警察官、警察官僚としての組織内での生きづらさがいたるところに記される。
「警視庁科学捜査最前線」の内幕的内容。 -
仕事に対する情熱がすごい。
心折れそうなとき思い出したい。
心折れてからだと熱量にやられて読めないかも。 -
相当マニアックな内容で読みづらさもあるが、過去の大事件を科学にアプローチしていき、解決に導いていくプロセスは勉強になる。所々に警察組織への作者の不満が散りばめられているところはご愛嬌。
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科捜研の女ならぬ男 ノンフィクション
サリン事件がターニングポイント
銃火器以外の兵器、犯罪が登場。
関東化学
試験キット納入
常に勉強することと常に考えること
息子が父の志を継いで検察官の道を歩み始めたのが胸熱 -
東2法経図・6F開架:317.7A/H32k//K
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日本の科学捜査能力の向上に間違いなく貢献した方。過去の多くの事件と職歴を振り返る。官僚組織との戦いに費やされる部分が実に多いところか何とも。
多くの難事件に科学の視点から解決する科学捜査官の警察人生を振り返る一冊。それは正に昭和から平成の事件史と言える。地下鉄サリン事件、和歌山毒物カレー事件、44人死亡の歌舞伎町火災事件など。
警察組織での科学捜査組織の構築に奮闘しているところが印象的であった。出る杭が打たれるのが日本人の特性、筆者も当然のように国、都と組織の論理に相当にやられている。筆者は成功者であろうが、筆者と同様に組織に押し潰された人、他にも日の目に出ることなく職務に尽くした地上の星が多くいたことが感じられる。
多少なりとも筆者の属した組織を知る自分には筆者の苦労、特に新しいことをやろうとしたりトップダウンの特命事項にあたる際の周囲の抵抗が想像できる。
防犯カメラを活用した操作など警察の操作能力は大きく向上している。筆者一人の力ではないだろうが、警察組織のたゆまない努力の姿勢に感服した。 -
"科捜研の極秘ファイル”というより、巨大組織の改革指南書であり、究極の人育本といった印象。
新たに「情報分析支援室」を立ち上げ、「警察の人間国宝」と呼ばれる広域技能指導官となり、捜査と科学の両面で組織に身を捧げるが、その警察人生は悲哀に満ちている。
請われて警察庁に出向している間に、せっかく開発した捜査支援システムは使われなくなり、警視庁で残した新ポストも継げる者のない一代限りのものになってしまう。
さらにあの有名な、名張毒ぶどう酒事件の再審請求で再鑑定に協力した後は、出世コースそのものから外されてしまった。
もともと著者の専門は薬毒物だが、科捜研にいる頃から刑事と話すのが好きで、彼らの凄さや忙しさには共感を寄せていた。
実際に捜査で彼らと労苦を分かち合うことで、現場のニーズを救い上げ、さまざまな解析機材を開発していく。
30年前の写真から被疑者を同定する純国産の顔認証システムを構築したり、技術展示場で見つけた2眼カメラをひったくりバイクの検挙用に実用化したり、それまで試みては挫折を繰り返していた各部各課の捜査情報の横串検索や、データベースの統合システムも完成させ、刑法犯の認知件数の激減させ、実績は数知れず。
それでも専門の分野での活躍は、著者ならではという事例が次々と紹介される。
名張毒ぶどう酒事件では、弁護側が見つけた「当時の鑑定で、犯罪に使用された毒物に当然含まれるべき成分が検出されなかった」という新事実から再審が始まったが、すでに製造が中止されていた問題の農薬をあらためて作って、ぶどう酒への投入時期と、鑑定で分析した時期によって、加水分解で特定成分が検出されなかった謎を解き明かしていく所はスリリング。
ルーシー・ブラックマン事件では、押収されたビデオテープに映ったクロロホルムによる肝機能障害の特有症状から、劇症肝炎で死亡した別の女性と、容疑者の犯行との因果関係を証明している。
ビデオから犯行時に使用された薬物を特定しろっていうのもなかなかの無茶振りだが、それに応える著者も凄い。
胸部が膨らんでから少し遅れて腹部が膨らむというのが、麻酔状態の特有の症状というのも初めて知った。
京都の病院で起きたアジ化ナトリウム中毒事件の話も凄い。
飲み残しの湯呑みから検出されているのに、全ての被害者の血液からは不検出で、尿中からはひとりだけ致死レベルで検出された謎も、科学的に立証していき、最終的に容疑者を逮捕している。
あるいは、保険金目当ての水難事故に見せかけた殺人事件でも、投与された睡眠導入剤が、胃や尿から検出されているのに、血液からは検出されなかった謎の解明も紹介されていて、事実は小説より奇なりを地でいく話だと思った。
世田谷一家4人殺害事件では、職場で使っていたみきおさんのパソコンが押収されず、気づいて分析しようとした時には、すでに他の人が使っていて古いデータが消されていたなど、初動捜査から著者が携わっていたらと思わせる事件もあった。
地下鉄サリン事件で、黙秘を続けていた土谷が自供を始める過程は本書の冒頭で登場するが、とりわけ劇的だった。独自に編み出したサリン生成法で、誰もわからないだろうと高をくくり黙っていたら、目の前で著者が黙々と反応式を書き始め、それを目にし天を仰ぎ嘆息する土谷の動揺ぶりがまざまざと思い浮かぶ。
サティアンにあった巨大プラントでVXガスやサリンなどの化学兵器の製造を命じ、麻原は単にそれらを意に添わぬ敵の排除や社会の混乱を目的としていたのだろうと思っていたが、実はそうした生物兵器の解毒剤の開発も命じていて、おそらく彼はハルマゲドンを自作自演し、多くの人ひどが倒れる中、自分一人が平気で立っていられる世界を夢想していたのではないかという著者の推論は、さすがだと感じた。
ただ、いままで中立を旨とした科研の役割を超え、捜査を支援し容疑を裏付けるという方針の転換は、時代の要請でもあるのだろうが、同時に危うさも感じ、さまざまな異説が唱えられている和歌山カレー事件など複雑な思いで読んだ。 -
えらい人だ。
他人による評伝が出ても良いかも知れない。
人事への不満は生々しかった。 -
読み応えがあった。
こういう人材の大切さよ。 -
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「地下鉄サリン事件」「和歌山カレー」「歌舞伎町ビル火災」など、数々の事件に科学で挑んだ男の話。
著者の、執念により蓄積されていった圧倒的な知識量に驚愕する。
しかし終盤にかけては、著者の葛藤がメインになっていく。
出世競争とは無縁そうに思える著者だが、自分のやりたいことをやるため、部下たちがやりやすいようになるためには偉くならなければいけないとも思う。
しかし数々の難事件が著者に助けを求めてくる。その都度私心を振り払い捜査に協力するのだが、結果としてそうした行動が出世競争のレールから外れる結果を生む。
この本は、2つの物語を読んだ気になる。
タイトルにもある通り「難事件に科学で挑んだ男」
そしてもう一つは、「組織に翻弄されながらも自らを貫いた男」だ。
男の生き様を見せつけられた。
“どう抗ってもうまくいかない大波も来る。四面楚歌で理不尽で、もがくほど深みにはまっていく。実は、このときこそが、チャンスなのだ。自分自身を振り返るとき、人生で本当に大切なのは、こうした時期だったと痛感する。”
この本のクライマックスは、「あとがき」にある! -
一気に読みました。
オウム事件の話は、圧巻。
どの分野もそうなのかもしれませんが、誰も通っていない道をつくる人の志と情熱には頭が下がります。
事件簿の読み物としても、知らない事実もあり興味深いですが、社会人として、仕事へのモチベーションなどにもつながりそうで、参考になる話は多くありました。
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科学捜査がなければ犯人逮捕は有り得なかっただろうという事件は山ほど。同じ警察官と言えども地域のスピード違反取り締まり、交番で道案内をしている方とは違うなあと思った。中島みゆきのファイトに共感。
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面白かった。「科学は嘘をつかない」笑
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