迷走生活の方法

  • 文藝春秋 (2021年3月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163913452

作品紹介・あらすじ

惰眠を貪る私はすでに迷走生活をしているかもしれない。おかげさまで身体は丈夫です!(小泉今日子)
 コロナ時代に必読の福岡ハカセのエッセイ集。
「コロナ時代のいま、福岡ハカセの提唱するのは、知的生活ならぬ『迷走生活』なり。むろん右往左往する生活のことではなく、迷走神経を活性化する生き方を目指そう、というもの。(中略)迷走神経が優位にある時、心身はリラックスし、ストレスは低減、免疫系は活性化され、病気は遠のき、ウイルスも退けられる。人生百年時代。長く、健やかに生きるためのコツがすなわち「迷走生活」。本書のコラムはすべて、そんな気持ちを常に心にいだきながら書いたものです」(まえがきより)
「週刊文春」の人気連載単行本化第6弾です。
 

感想・レビュー・書評

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  •  福岡伸一の週刊文春での連載をまとめた1冊。「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」というベストセラーがめちゃくちゃオモシロくて毎回期待を裏切らない1人。エッセイは初めて読んだけど、やはりオモシロかった。一人称が「ハカセ」でかなり軽妙なトーク調の文体なのが意外。これと文章が超上手いのもあいまってサクサク読める。連載を9章のテーマに分けているのだけども、やはり第一章の「コロナウイルスが問いかけたもの」が気になった。このコロナ禍において生物学者である著者が何を考えているのか知れてオモシロかった。大まかなスタンスとしては「このグローバル社会で広がってしまったのは仕方ないし、ウイルスとは付き合って生きていくしかない」というもの。動的平衡な価値観からすれば破壊と再生を繰り返すのが自然だからとハカセに言われると、この無限とも思えるウイルス対策に対する諦念のような気持ちも芽生えてくる。ただウイルスに対する過剰な防衛反応に疑義を唱える一方で、乗った電車にすごい咳をしている人がいて車両を移動したと正直に話しているところがバランス感覚の良さを感じる。つまり理性で判断できる部分と直感の違いをこのエピソードで示しているというか。「コロナはただの風邪!」みたいな強い言葉で断じるのではなく、それこそ思考は動的平衡だよなと思ったりした。
     エッセイは切り込む角度が大切なのは何度も言っているが、コロナ然りScienceの切り口で色々と語ってくれているのは貴重な話だと思う。知らないことを知る知的快楽もあるし、それがそう見えているのか!というアハ体験に近い感覚もある。この手の書籍はアーカイブの意味でも電子書籍として欲しいけれど著者の作品はいずれも電子化されておらず残念…(その理由も本著内で語られていて、本から電子書籍へ移行しつつあるユーザーとしてはごもっともな意見なのは分かりつつ…)勉強する理由を解説しているエッセイがあり、これまで色々聞いた勉強論で一番シンプルだけど芯をついていると思うので引用しておく。

    生身のからだは一年も経てば、物質レベルでは、全くの別人になる。動的平衡が分解と合成を繰り返し、生命のあらゆる構成成分を入れ替えてしまうから。(中略)それと同時に自分自身の精神も作り変えていく必要がある。なぜなら私たちの心はすぐに、右とか左とか上とか下とか、日本とか米国とか、ありとあらゆる既成の言葉に絡め取られてしまうから。そこから脱却して新しい自分を作り出すことが人生で一番大切なことのはず。(中略)勉強するのは自由になるためだと。

  • 読みやすかった。文字通りのあっちこっちに行く迷走かと思いきや、迷走神経の迷走だった。でも話題は様々で、ある意味では迷走している。コロナからフェルメールまで全9章。知らないことも多く、ミニ知識を得られた。

  • 土佐市図書館
    エッセイ

  • 福岡先生のエッセイ。
    割と面白かったが、前半を読んで終わりにした。
    さほど、ためになる話はない。


  • ・新型血液型発見される
    ・シナプスが連結する音
    ・「快」という名の報酬

  • 書き方は面白かった

  • エッセイなので読みやすく。
    コロナ前後の文章が入っているので話題の変化を感じることも。

  • 生物学者である著者のエッセイ。

    知的好奇心がとてもくすぐられる良質な内容です。
    面白かったです。

  • 2021/08/29 読了

    「迷走生活」と聞き、はじめは「右往左往する生活のこと??」と思ってしまったが、実は生物学系には「迷走神経」というものがあるらしく、それを活性化させる生活をしよう、ということだった。
    なお、「迷走神経」とは「副交感系神経」の一種のようだが、特に学術的に述べられていた記憶はないため、あまりよく理解はしていない。

    著者は「生物と無生物のあいだ」を書かれた方。
    そちらの方は難しいと感じたりもしたが、今回は「週刊文春」の連載を単行本化したもののため、とても読みやすかった。
    1つのトピックが数ページで終わり、また著者のエピソードに基づいて書かれているため、とても親近感がある。

    特に記憶に残ったのは、アスパルテーム(人工甘味料)の発見、のエピソードや、賃貸と持ち家、どちらがいいか、というようなものだ。
    特に賃貸と持ち家に関しては、投資本等でよく見かけるトピックだが、生物学的に考えるとこんな結論になるのか、と思わず笑ってしまった。

    理系出身だからかわからないが、どのエピソードも面白く、ぜひ多くの方に読んでほしいと思える本である。

  • 動的平衡とは違った軽快な文章。
    ガラパゴス、コロナ、フェルメールまで多彩なトピックが知れて面白い。

  • 【ウイルスは生命の環の一部】ウイルスとは何か? PCR検査とは? コロナ禍の中、福岡伸一が「週刊文春」の連載で本領を発揮。今読みたい知恵がこの一冊に!

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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