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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163913582
作品紹介・あらすじ
警視庁捜査一課の「取調室」
“伝説の刑事”と容疑者の息詰まる対決!
「完落ち」とは、全面自供すること。したたかで狡猾な犯罪者と警察はどう戦っているのか。「取調室」という密室での緊迫したやりとりを初めて明らかにした本格ノンフィクションです。
生々しい現場を語るのは、警視庁捜査一課の幹部だった大峯泰廣氏。ロス疑惑、宮﨑勤連続幼女誘拐殺人事件、オウム真理教地下鉄サリン事件など、数多くの大事件の捜査に携わったことから、大嶺氏は“伝説の刑事”と呼ばれるようになり、“落としの天才”として周囲の信頼を勝ち取ります。著者の赤石晋一郎氏は2年以上も大峯氏に取材を重ねました。
大峯氏はいかにして容疑者を落とすのでしょうか。
犯罪者の背景を丁寧に解き明かし、相手の表情をうかがいながらベストのタイミングで、こちらの手の内を明かすテクニックは、まさにプロフェッショナルの技。宮﨑勤事件では、彼が嘘の証言で漏らした「有明」という地名を突破口に自供へと導き、宝石商殺人事件では、元警察官だった容疑者のプライドを刺激する一言で一気に自白へと持ち込みます。
緻密な計画殺人者から、冷血きわまりない殺人犯、愛憎に翻弄された犯罪者まで、刑事と犯人との壮絶な闘いのドラマが次々に展開します。
大峯氏は後年、世田谷一家殺害事件の捜査をめぐる警察上層部の方針に納得できず、定年を前に自ら警視庁を去ることになりました。現場の状況から、大嶺氏にはある“犯人像”が見えていたのです……。大峯氏が職を辞した経緯も、本書で明らかになります。
本書に登場する「殺人事件」
ロスアンゼルス市ホテル内女性殺人未遂事件 1985
ロス疑惑捜査の思わぬ“挫折”が、名刑事の原点にあった
首都圏連続ノックアウト強盗致死事件 1981
「不審死」で処理された遺体。そこにある惨劇が隠されていた。
宝石商強盗殺人事件 1984
退職した“理想の警察官”は、なぜ取調室で激昂したのか。
宮﨑勤 首都圏連続幼女誘拐殺人事件 1989
宮﨑が何気なく口にした地名。その一言に背筋が震えた。
練馬社長宅三億円現金強奪 1990
「証拠を残さないためには皆殺ししかない」。犯人の冷血。
オウム真理教 地下鉄サリン事件 1995
黙秘を貫く“天才信者”を、築地署の屋上に連れ出した。
証券マン殺人・死体遺棄事件 1996
「あいつこそ真のワルだ」。危険な男との取調室の対決。
阿佐ヶ谷女性殺人死体遺棄事件・檜原村老女殺人事件 1997&1998
人を殺めてしまった2人の女性。それぞれの人生ドラマ。
世田谷一家四人殺人事件 2005
問題続出の捜査に絶望した大峯は、ある決断を下す。
みんなの感想まとめ
緊迫した取調室のやりとりを描いた本書では、警視庁捜査一課の伝説の刑事が、数々の重大事件に挑む姿が描かれています。ロス疑惑や幼女誘拐殺人事件など、著名な事件を通じて、容疑者との心理戦や自白を引き出すテク...
感想・レビュー・書評
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食材としては一級品! 調理、盛り付けがイマイチでもったいない印象...。こんな簡単に落ちちゃう? もっと手に汗握る攻防があったんじゃないんですかねぇ...。終章は順番間違えてるなぁ...。人と向き合う姿勢には共感できる一冊。
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ロス疑惑の三浦和義、幼女殺人の宮崎勤、オウム真理教の土谷正実の取り調べをした刑事に取材して書かれた本。長い長い年月の間に無罪判決が出て本当に殺人犯なのかあやふやにさえなっていた三浦和義。この本でやはり犯人だったんだと再認識した。どの事件に対しても犯人の様子や動揺、自白への経過などは書いてあるもののさらりとしか書いてなかったのが物足りなかった。
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昭和・平成の重大事件の内幕をつづる刑事の事件簿。簡潔、テンポ良い文章で一気に読ませる。週刊誌記者である著者の力量に感心。
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面白かった。刑事ドラマを見ているようだった。
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警察官としての使命の高さが全体的に散りばめられているのですが、犯人との対峙では「刑事の勘」が多用されているので冤罪の危うさも感じる本でした。
ラストでは刑事を辞するのですが、世田谷一家殺人事件は今でも未解決であり、もやもやします。 -
警視庁捜査一課の伝説の刑事の携わった事件を追う。週刊文春の連載の単行本。
ロス疑惑から首都圏連続幼女誘拐殺人事件、地下鉄サリン事件、世田谷一家四人殺人事件など。伝説の刑事が退職した後に取材したノンフィクション。
特に取調室での緊迫のやり取りが実にリアル。可視化だ容疑者、参考人の人権など、本書の主役のような職人は絶滅危惧種のように思える。
いくつかの未解決事件。そして刑事の信念。「生まれながらの犯罪者なんていない」
エピローグの主人公の息子の中学の不良たちとの長い付き合いまで、イッキ読み必至の好作品でした。 -
なんだか散漫だった。
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本書の主人公は、大峯氏という元警視庁刑事。宮崎勤、オウムの土谷など平成の大事件で直接取り調べにあたり、口を割らせてきたという。
それぞれに背景が違う事件ではあるが、犯人を深く理解し、時期を捉えて急所を突くことで、事実に向き合わせようとするその技術、大峯氏の仕事へ向き合う姿勢はお見事の一言。
一方で、本書自体は週刊誌の記事をまとめたもので、簡単に読める反面、もう少し突っ込んで書き込んでくれたらと思わせる場面も多かった。素晴らしい題材があるだけに少し残念。 -
"落としの大峯"という異名を持つ伝説の刑事の取り調べ術は、まず「こっちはお見通しなんだよ」というハッタリと、容疑者を窓のない取調室の壁際に座らせ、手洗いなどの中断も許さない心理的圧迫、そして「押してダメなら引いてみな」という巧みな懐柔に支えられている。
相手との間合いや矛盾をつく問いかけの手法などは、交番勤務時代の手当たり次第に行った職質によって養われた。
一課を率いる立場になっても、捜査本部にはほとんどいないのだが、部下は敏腕揃い。
ここぞという場面で颯爽と現れ、常に所内でトップ賞を争う、殺し捜査の最強部隊。
実際に公判で、"自白を強要された"とか、"取調室で暴力を振るわれた"と申し立てられているが、自身の子供が通う中学校の学級崩壊ぶりを知り、すぐさま乗り込んで不良にパンチをくれる様も描かれ、さもありなんと思った。
失踪事件が典型だが、目星をつけた容疑者を任意で呼んで自供させ、遺棄した死体や殺害を示す物証が後から出てくるというパターンがズバズバと決まっていくのは、事件全体が近親者や顔見知りなど密接なつながりがあったためで、最後に紹介される未解決事件のような行きずりの犯行で目撃者もいないとなると壁にぶち当たる。
迷宮入りしている世田谷一課殺人事件も大峯の担当だったが、捜査が暗礁に乗り上げてから任されたため、それまでの捜査の拙さを挽回できずに終わっている。
現場が容疑者の指紋だけだったのですぐに解決されると悠長に構えていたのか、周辺の聞き取りもおざなりで、肝心の指紋採取も捏造が見つかる始末。
類書では知り得なかったDNA鑑定による犯人像の情報は驚きだった。
謎とされた侵入ルート、なぜ現場で長居したのかなど大峯なりの見立ても明かされ、流しの物取りによる犯行という推理だが果たして。
解せないのは、任期を待たず退任した理由で、要望した公開捜査を上で断られたという動機だけなのか疑問が残った。 -
タイトルに「取調室」秘録とあるように、基本的にはいくつかの有名事件に関して「どのように犯人を落としたのか」を語るノンフィクションである。
それぞれの事件は興味深いものがあるが、正直な話、著者は何が書きたかったのかな?というくらい「実がない」。
まず、著者は全てにおいて警察側(大峯氏)に肯定的である。否定的な描写は一切、ない。
私個人としてはこの本で披露される「落とし」のテクニックは危ういものにしか見えないのだが、それを検証してみることはしない。勿論証拠固めをしっかりやっているから公判が維持できて有罪判決がくだったのだろう(と思いたい)が…。
「落とし」に絞ってしまったせいで、すごいというより恐怖を感じる。前後の地道な部分が捨象されているので「落とし」のテクニックが予断になっていなかったのか判断する術がないのだ。勘や筋読みは大事だが、それだけでは駄目なのは過去の冤罪事件が証明している。
終章にかけてが、その危うさに対する取ってつけた回答のようになっているのがまた奇妙である。世田谷事件のエピソードは、ただ物語を〆るためのものでしかない(まず未解決なのだから)。科学への確信めいた傾倒も若干気になる。
終章は良いエピソードなのだが、これもまたある重要な信念を最後に伝えたいが為に無理に構成した感がある。
取調べのテクニックは否定しない(駆け引きは凄いなとは思った)し、「生まれながらの犯罪者はいない」という考えにも同意するものの、とにかくこの書籍は内容が薄い。単純な聞き書きレベルに留まってしまっていて、そこか何かを引っ張り出そうという意思を感じない。著者の主体がないというか。聞き書きに徹しているなら分かるのだが…。 -
警視庁捜査一課の伝説の刑事、“落としの天才”と言われた大峯泰廣氏の活躍を描くノンフィクション。
ロス疑惑、地下鉄サリン事件、連続幼女誘拐殺人事件‥‥、殺人犯を完落ちさせた事件には、有名な大事件も多い。解決してきた事件を見ると凄腕のデカだったんだろうなぁと素直に思う。
ただ、ノンフィクションに仕上げた筆者の描き方があまりにもあっさりしすぎて、取調室の緊張感とか、刑事と殺人犯との手に汗を握る攻防が感じられなかったのが残念。
やっぱり、ノンフィクションライターも文学的な素養は必要だな〜と感じた次第。 -
【“落としの天才vs狡猾な犯罪者” 。取調室の攻防をすべて描く!】宮崎勤連続幼女誘拐殺人事件、地下鉄サリン事件等の大事件を担当し、「伝説の刑事」と呼ばれる捜査員が捜査の舞台裏を初めて明かす!
赤石晋一郎の作品
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