烏百花 白百合の章

  • 文藝春秋 (2021年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163913612

作品紹介・あらすじ

人気キャラクターたちの秘められた過去や、知られざる思い。本編では描かれることのなかった珠玉のエピソード。
「オール讀物」に掲載された「あきのあやぎぬ」「ふゆのことら」「なつのゆうばえ」「はるのとこやみ」「ちはやのだんまり」「おにびさく」のほか、「かれのおとない」、さらに書下ろしを加えた全8編を収録。 

みんなの感想まとめ

多様なキャラクターの秘められた過去や思いが描かれた短篇集で、シリーズの外伝として新たな視点を提供しています。主要な登場人物の素顔に触れることで、物語の深みが増し、特に脇役たちの背景が丁寧に掘り下げられ...

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ外伝。
    主要な登場人物の素顔に触れることができて、面白かった。
    2章の不穏な空気を感じたあとの外伝、なんだかホッとした。
    やっぱりこの雰囲気が好きだなぁ。

  • 八咫烏シリーズ外伝2巻目。
    短篇8篇。
    脇役キャラの過去や背景を深掘りできる本。

    一番好きなのは西家の側室の話「あきのあやぎぬ」。
    側室18人目で大奥みたいなドロドロ展開かと思ったら。

    不器用すぎる兄の千早の話「ちはやのだんまり」。
    妹の彼氏に塩対応。振り回される明留が好き。

    南家の夕蟬(長束の母の若い頃)「なつのゆうばえ」。
    『あの子は、私だ!ほんの少し前まで、むなしさだけだった胸は、燦然と輝くような喜びに満ち溢れた。』

  • 八咫烏シリーズ外伝集第二弾。今回は本編の脇役や市井の人々の視点で山内での生活を描いた話が多かった印象。西家当主の新側室視点の「あきのあやぎぬ」や鬼火灯籠職人視点の「おにびさく」では特に庶民の生活振りがより深く判り世界がより生き生きと感じられて良かった。しみじみいい話だし。妹の彼氏を紹介されて戸惑う千早と明留の「ちはやのだんまり」可愛い!身悶えする。後半の南家「なつのゆうばえ」や東家「はるのとこやみ」の不穏な話や最後の奈月彦親子の「きんかんをにる」タイトル通りの話からの展開を読んだらそうだ、本編色々きな臭いままだったと思い出した。二部読むのちょっと怖いな…。

  • 八咫烏シリーズ外伝の短編集。

    久しぶりに読むので、冒頭に人物紹介と相関図があって、助かる。

    「きんかんをにる」がよかった。
    立場上、なかなか普通の親子らしくいられない、奈月彦たち。
    普通の親子のようなエピソードで、ほほえましかった。

  • 短編集、まあ、さくっと面白かった。八咫烏シリーズのファン向け。
    今まで出てきたキャラのお話。北家雪哉と山内の茂とみよしの話。市柳の次男と雪哉。千早と千早の妹の縁談。西本家顕彦の正室と側室たち。西家の職人。南家夕蝉。東家の浮雲の話。金烏奈月彦と浜木綿の娘の話。
    雪哉の話と最後の金烏の娘の話は好み。

  • 八咫烏シリーズ9作目。外伝、短編集。全8章。
    第2部があのように不穏に包まれて終わった後のこの外伝のホッコリした雰囲気。ああ、やっぱりこの世界楽しいなぁ、と思わされました。外伝はストーリーよりキャラクターが動く話が多くてニマニマしがち。とはいえ、主要登場人物ではない人々の話も多かったけどね。
    「かれのおとない」
    勁草院時代、茂丸の実家にてその地域や家族とふれあう雪哉。茂丸の一番下の妹、みよしから見た大好きな雪哉お兄ちゃんが語られる。
    民草の中にあたしら家族がいるってことをわすれないでいて。
    「ふゆのことら」
    市柳はそこそこの身分でそこそこの腕や頭あって、なにになるか決めかねている。彼から見た、能力隠していた頃の雪哉。
    「ちはやのだんまり」
    妹の結からいい人を紹介される千早、そして明留。明留は千早に変わり相手の男の心根を試そうとするが千早は全くしゃべろうとしないー。
    「あきのあやぎぬ」
    西本家の様子が十九人目の妻になった環の目から語られていく。
    「おにびさく」
    西家のお膝元で鬼火灯籠を作る職人の成長する様子と、大紫の御前の描写。
    「なつのゆうばえ」
    大紫の御前が若かりし時の南家の魑魅魍魎。
    「はるのとこやみ」
    東家領で能力を認められ竜笛を吹く双子。弟の才を羨む兄目線。しかし弟は見事なまでに長琴を弾く浮雲に身分違いにもかまわず音を介して関わり始める。
    「きんかんをにる」
    大紫を避け宮中ではない場所で育つ奈月彦の娘。金柑を2人で煮る様子が描かれる。まださほど荒んでいない雪哉出てくる。

  • とんでもない意気地なし、と噂の少年・雪哉に剣の指導を頼まれた腕に覚えのある市柳は、おびえる雪哉に自信満々で打ち込むが、まもなく違和感を覚え始める――(「ふゆのことら」)

    貴族の少年たちが、父の跡を継いだ職人が、全身全霊で守りたいものとは何か。山内に生きる人々の幸せを誓った彼、そして、権力闘争のはざまに育つ姫君の心の奥にある思いとは。
    「文藝春秋BOOKS」より

    この外伝も本編に負けず劣らず、というかこれがあるからこそ本編が面白いという関係性にある.

  • 大好きな八咫烏シリーズの外伝。これを読まなくても本編にはあまり影響しないが山内の世界を隅々まで知りたい!と僕みたいにどっぷり浸かりたい人には嬉しい一冊。

    第一部から山内を統治する側の視点で描かれているので庶民から見た山内の世界が垣間見得て楽しい。

    本編に出てくる魅力的なキャラクターが外伝でも生き生きと描かれていたり、シリーズにはまった人は臆せず手を出してほしい一冊。

  • 八咫烏シリーズ外伝。異世界「山内」を彩る八咫烏たちの、
    想い、愛、そして恋を綴るファンタジー短編集。
    かれのおとない・・・兄・茂丸の死は家族だけでなく、その親友にも
      深い悲しみを与えた。妹・みよしが雪哉に語る言葉。
    ふゆのことら・・・市柳が勁草院へ行くきっかけは、雪哉との出会い。
      郷長の息子の「責任」を知らしめる雪哉の行動が怖い。
    ちはやのだんまり・・・結が相思相愛の相手を紹介。千早は黙する。
      が、明留は相手のシンを探り、対峙し、真の姿を知る。
    あきのあやぎぬ・・・環が側室になった相手は、西本家の次期当主。
      彼、正室と数多の側室たちの関係とは・・・なんかホッコリ。
    おにびさく・・・養父のような腕前は無い。だが養父は彼の良きモノを
      見ていた。鬼火灯籠の「腕比べ」の選者と送り先に驚き。
    なつのゆうばえ・・・南本家を取り巻く思惑と陰謀。だが、決して
      一人ではなかった。皇后になるべく生まれ育った夕蟬の思い。
    はるのとこやみ・・・音楽が推奨される東領で龍笛を学ぶ双子。
      東家の姫の長琴の技は二人の運命を変える。姫の名は、浮雲。
    きんかんをにる・・・書下ろし作品。金柑の甘煮を介して描かれる、
      奈月彦と6歳になった娘、浜木綿、そして雪哉の日々。
      平穏と緊張の中で育つ娘の姿が際立つ。運命の予感?
    用語解説、人物紹介有り。
    異世界に息づく八咫烏たちの、想いや恋を語る短編集です。
    本編では語られられなかった、あの八咫烏たちの、
    過去やその後が中心ですが、東西南北の四家や各領の
    人々の生活や営みの様子も盛り込まれています。
    なんとも大らかな西本家の支える人々、支えられる人々。
    というか、真赭の薄と明留の兄って・・・弟妹関係はどうなの?
    南本家の思惑と陰謀は、取り巻く環境が影響。だからこその夕蟬。
    「あなた、だぁれ?」浮雲の仕草に、娘のあせびが重なる戦慄。
    奈月彦の娘から金柑を口に突っ込まれる雪哉の脳裏には、
    かつての、己を信じていた頃の奈月彦の姿を重ねたことでしょう。
    細やかな短編とは言え、設定の深さを感じられる物語でした。

  • 外伝短編集
    あせびの父母の話など

  • 面白かった。
    気になっていたキャラのサイドストーリーが充実。
    東西南北と季節やシーンが綺麗に絡んで、気持ちよく読めた。
    最後の、きんかんをにる、が泣ける。

  • 外伝の外伝みたいな位置づけみたいな感じかな。
    その中でもこれからの導入を予感させる最後の話うまいなぁ…

  • 本編に戻りたくない。いつまでも変わらないで欲しかった…茂丸…本当に金柑の話もそうだし本編を知ってるから辛くなる。でも続きも気になるしジレンマ…

  • 八咫烏シリーズ外伝2作目。
    前作に続きとても面白かった。
    「ちはやのだんまり」での千早の反応がただひたすらかわいかった。久しぶりに胸がときめいた。
    「きんかんをにる」では第2章につながるような意味深な最後で続きが気になって仕方がなかった。
    次作も楽しみ。

  • 本編の幕間の光景が描かれていて、しあわせな話ばかりで切ない気持ちになる

  • 楽園の烏、
    より前の時代だということはよくわかる。

    このタイミングで奈津彦達の娘を出してくるのが、うまいなぁ。。。

    雪哉に何があったのか、と思わずにはいられない、最後の物語が印象的

    2021.5.22
    68

  • 阿部さんの短編は毎度読む度に心が色々引っ張り回されて読後ぼーっとしてしまうなぁ…
    しばらくするとまた凄い読みたくなっちゃうし。
    書き下ろしのきんかんを煮るを読むと、やっぱり雪哉は1度立ち直っているにも関わらずあの楽園の烏での化けよう…
    一体何があったんだ…

  • 短編集。
    茂丸を失い自分を無くし、姫の誕生に涙した雪哉。
    楽園の烏で20年が経っていて彼の変化に驚いたので、短かったけれどきんかんをにるがよかったです。

  • 茂さんのお話が出てきたことが嬉しい。
    雪哉が茂丸の妹と交わした約束
    この約束が今も雪哉の中にあるのだろうか。
    闇落ちしたような雪哉だが、この約束を胸に動いているのだろうか。

    そして奈月彦の娘、紫苑の宮。奈月彦に「おそらく自分よりもずっと統治者に向いている」と思わせる幼いながらも賢い娘。
    この先山内がどうなっていくのか気になる。

  • 八咫烏シリーズの世界観に深みが増すような外伝集。比較的、地方にまつわる話が多かったかなという印象。郊外の人から見た山内はふしぎと新鮮で、本編のメインキャラクターはなんだかんだいってほとんど貴族ないし中央で活躍する人々なんだよなあと思い出した。


    以下お話ごとの所感
    かれのおとない……少女からみた雪哉の描写が新鮮。大切なものの喪失と向き合うとき、ひとりでは難しいよねと思う。
    ふゆのことら……少年からみた垂氷時代の雪哉。前話につづいて幕間が埋められて、雪哉の行動原理がすこし捉えやすくなった気がする。
    ちはやのだんまり……終始笑いながら読めた。ふたりがそれぞれ偏見を持たないようにしたり相手へ礼儀の基準を合わせる努力をしたりしてるというのに千早、ひとの頑張りにタダ乗りするな。笑
    あきのあやぎぬ……西本家って山内の良心を司ってたりするのかしら。前話の姉弟といいノブレスオブリージュを地でいく人たちらしい。もしくはやらぬ善よりやる偽善というやつか。奈月彦の性格は金烏の全能感由来かと思っていたけどひょっとすると西家で過ごしてた影響も大きそうと思い始めた。個人的には受け入れられないと感じる気持ちも大事にして欲しいなと思う(矜恃こそ人間の核だと思うので)けど、両方の意見をしっかりぶつけ合ってくれたのが良かった。
    おにびさく……大紫の御前って、良くも悪くも細かいところをよく見れる人なんだなあと思う。偏執してなければ有能なお人なのだろう。
    なつのゆうばえ……推し活は用法容量を守ってしようねと身につまされる話。病んでる時に出逢って沼るのは、わかる。
    はるのとこやみ……単ぶりに東家の原液を浴びた感じがする。普段は雪哉が貴族の立場を渋々で使っている様子を目にすることが多いので、ここまで潔く特権を振り翳しているともはや感心すらできる。これまでの話の中でもさまざまな貴族の立振る舞いの形を見てきたぶん一層そう思う。
    きんかんをにる……人の上に立つ者としての姫宮の仕上がりっぷりと、初期に比べてすっかり只人に落ち着いてしまった奈月彦で、嬉しくなったり切なくなったり、いろいろな味がする。

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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