邪教の子

著者 :
  • 文藝春秋
3.25
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本棚登録 : 1043
感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914169

作品紹介・あらすじ

この家はまともな場所ではない。ここは邪教の巣だ。だから私たちは彼女を救い出す。『ぼぎわんが、来る』の気鋭がニュータウンを舞台に描く、戦慄のホラーサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • この物語は二部構成です。

    一部は光明が丘ニュータウンで新興宗教のカルト教団”コスモフィールド”から小学生の慧斗、祐仁、朋美らが、体の不自由な少女飯田茜を脱会屋の水橋に頼んで奪回をはかるところまで。
    この第一部の最後の一文には驚かされました。
    作品の構成がスタイリッシュでかっこいいと思いました。

    そして第二部。
    テレビ屋の矢口が、今度はカルト教団”大地の民”をとある人物から依頼され取材に潜り込みます。
    ”大地の民”の女性幹部らはなぜか皆とても若々しく40代でも20代にしか見えません。
    矢口は教祖に会いたいといいますが、それは叶わず矢口に取材を依頼した人物が転落死します。
    そして矢口は”大地の民”の一人の信者から教団のとある計画を聞かされて、計画を阻止して別の計画実行を頼まれます。矢口は果たして、その計画を実行してしまうのか…。

    この教団には一体どんな秘密があるのかと思いました。
    面白かったというか何というか奇怪な話で途中まではゾワリゾワリとしました。
    結末は一体これは何だったのだろうかと呆然としました。
    ホラー小説だと思います。

  • 近所に引っ越しして来たのに何故か学校に来ない女の子。実は新興宗教に嵌っている母に監禁されていた!周りの大人達が見て見ぬ振りをする中、慧斗達3人は知恵を絞って彼女、茜を助けようと試みる。この話が思ったより不気味にあっさり終わった後はその約30年後、テレビ屋の矢口が脱走した信者の手引きで「大地の民」という因縁のあるカルト宗教に潜入取材を行う展開に。前半の話で感じていた違和感が取材の過程で次々解消され「大地の民」が使う謎の力とかタイトルの意味とか綺麗に解明されるんだけどどうも消化不良。展開上しょうがないんだろうけど一般人と上手くやっているように見えて、な信者達の不気味さが足りなかった気がする。

  • これはすごい!!(๑º ロ º๑)!!

    ラストに思わず目を剥いた!!



    カルト教団モノと言えば「脱退問題」「金銭問題」「洗脳問題」関連の話を想像させます。

    私は宗教ホラー大好きなので、当然それらを連想してこの作品を読んだのですが…。

    衝撃のラストにダントツ惚れました♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝

    カルト宗教モノの中で白井智之さんの『名探偵のいけにえ』の次に好きです!!
    (白井さんびいきの私なので、そこは仕方ないと思っていただきたい笑)

    私、痺れるような『動機』に弱いんです〜♡♡♡

    ぶっちゃけこの作品のラストは、賛否両論あると思います。(私は好き!!)

    読み始めてから、おどろく所が何ヶ所も…。

    きっと「そうきたか…!!」って言いますよ( -᷄ ᴗ -᷅ )

    澤村伊智さんの作品は思いがけない結末ばかりです。
    ミステリじゃないのにミステリ感がある。
    「この作品、ホラーとかサスペンスとかだよね?」って思っちゃいました。

    主人公がディレクターなのですが、撮影する時の質問の投げ方とか会話の誘導の仕方とか人の心理を突いていたり、幹部との会話のやりとりも読んでいて面白い。
    胎の中黒そう…的な描写が上手い方だなぁと思います。(褒めてる)

    あと、教団モノで実際にあった事件『人民寺院』『ブランチ・ダビディアン』『ヘヴンズ・ゲート』の存在を知る事ができたのも嬉しい♡(知らなかったの。勉強になりました。)
    ※人民寺院は『名探偵のいけにえ』の題材ですね(*´˘`*))


    これだから読書はやめられない♡


    澤村伊智作品4作読んで思った事…


    『澤村伊智作品、どれ読んでも間違いない』


    だって今の所、全て★5ですもん(*^^*)♡

    (これは私の意見であり、三津田信三作品にも同じく言える事です♡全て★5)



    おすすめですよ!!٩(๑>∀<๑)۶

  • 澤村伊智の作品はほとんど読んでいて面白いし、
    大好きだが…
    この作品はクソです!
    絶対に読まないことをお勧めします。

    星も0です。

    なぜ、こんな作品を書いたのか…
    残念Death

    • くるたんさん
      sinsekaiさん、naonaoさん

      そうそう、ぽんと残念なぐらい意味不明ですね。

      ぼぎわんは衝撃の面白さでしたね♪

      基本、私は澤村...
      sinsekaiさん、naonaoさん

      そうそう、ぽんと残念なぐらい意味不明ですね。

      ぼぎわんは衝撃の面白さでしたね♪

      基本、私は澤村さんはホラーが好きです。

      怪談小説という名の怪談も面白かったです♪
      2022/08/06
    • sinsekaiさん
      くるたんさん そうなんですよ!
      他のホラー作品は面白いので
      何でこんなつまらない作品を書いたのかってのが残念でならないわけですよ…
      怪談小説...
      くるたんさん そうなんですよ!
      他のホラー作品は面白いので
      何でこんなつまらない作品を書いたのかってのが残念でならないわけですよ…
      怪談小説は積読してるので、近いうちに読みます
      良かった面白かったんですね
      2022/08/06
    • naonaonao16gさん
      sinsekaiさん
      くるたんさん

      あんまり触れないジャンルなんですよね~
      「来る」も映画好きの同僚の勧めがなかったら観なかったように思い...
      sinsekaiさん
      くるたんさん

      あんまり触れないジャンルなんですよね~
      「来る」も映画好きの同僚の勧めがなかったら観なかったように思います!
      やっぱり原作が相当面白いのですね!!

      15年以上前に小野不由美さん読んで以来ホラーって読んできてないかもしれません…
      2022/08/06
  • 前半、拙い文章で今一つ筋道が通ってないストーリーに、読むのがキツくて(この先読むのを)断念しようか。と思ったら…そういう事ですか。
    後半の読みやすさやストーリー運びも素直に楽しめた。
    こんな風に書き手を表現し分ける事にちょっと感動した。
    ラスト数ページで文中の細かい引っかかりが一掃されて、面白い本でした。

  • この作者が、こんな話を書くとは思っていなかった。
    「平凡なニュータウンで起きる異常な事件」とあって、そのニュータウンにカルト教団の信者の家族が引っ越してくる。その家族は周囲から浮き上がっていて、母親は車いすを使う娘の茜を連れて寄付を募って歩いている。
    茜の現状を見かねて救出に乗り出すのが慧斗なのだが、初めは慧斗の性別もよく分からない。まあ、分からないように書いているのだろうが。

    新興宗教が起こす事件ではあるのだが、いまひとつ面白みに欠ける。

  • R4.6.9-6.17

    新興宗教にハマった家族から子どもを助け出す勇気ある子どもたちの話…と思いきや、そこからさらに異なる新興宗教にまつわる話が進んでいく。

    この構成の妙にまんまとハマり、どんどん読み進める中で高まる緊張感。そんな中迎えたクライマックスは…。
    「ん?なぜここでそれ?」
    「ん?その設定って辻褄合わせ?そもそも辻褄合わせにもなってない?」
    「ん?結局何が言いたかったの?」
    と、いくつもの「ん?」が積み重なって読了。

    新興宗教の異様さにじわじわ迫っていったものの、その異様さの裏にあるものが描かれてないので、クライマックスの突拍子もない展開に説得力を感じず、あまりスッキリせず読了。
    タイトルに惹かれ、導入の展開にハマった割には尻すぼみな印象でした。

  • シンコーシューキョーにハマった母親から監禁されている娘を勇気ある子供たち(リーダーは慧斗)と奪回屋が奪還し…いや~めでたしめでたし~
    ってな話でスタート。
    これがスタートなんですよ!

    で、後半、
    その事件に関わったとされる人物の手引きでその新興宗教のあるニュータウンに潜入した番組ディレクター矢口。(実はこの方も過去にヒミツあり)
    「年を取らない人々」「教祖は慧斗」「大地の力」といういろんな謎を解き明かそうとするが…

    てな話。

    いや~なんだろね。
    読み終わった後で「コレジャナイ感」が胸いっぱいにひろがり…

    静かに本を閉じたのでありました…。

    • sinsekaiさん
      静かに本を閉じた…
      よくわかります!
      自分もこの本を読んでたいへんにがっかりしました

      澤村伊智は大好きな作家なんですが、
      この作品はおそら...
      静かに本を閉じた…
      よくわかります!
      自分もこの本を読んでたいへんにがっかりしました

      澤村伊智は大好きな作家なんですが、
      この作品はおそらく最低最悪な作品じゃないでしょうか!
      その後に出してるホラー小説はめちゃくちゃ面白いんですけどね
      出版社から宗教モノ描いてみてください的な感じで書かされたのかなぁって感じですね…
      2023/02/18
    • puttyhamaさん
      shinsekaiさま

      コメントありがとうございます。

      出版社から宗教モノ描いてみてください~
      的な深読みに思わず笑ってしまし...
      shinsekaiさま

      コメントありがとうございます。

      出版社から宗教モノ描いてみてください~
      的な深読みに思わず笑ってしました~
      ありえるかもですね~。
      2023/05/08
    • sinsekaiさん
      ばくうどの悪夢はめちゃくちゃ面白いです!
      ばくうどの悪夢はめちゃくちゃ面白いです!
      2023/05/08
  • ファンタジックな前半から、後半はドキュメントのような臨場感。前半から後半への転調感は素晴らしい。後半の潜入取材は面白く読めたが後半の終盤、ネタ明かしの場面でやや失速感を感じた。

  • 面白かった。最初の奪還屋の話でところどころおかしな点があるのだが、後半でそのおかしさの理由がわかるとスカッとする。
    終わり方も私はあれで良かったと思う。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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