透明な螺旋

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1565
感想 : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914244

作品紹介・あらすじ

シリーズ第十弾。最新長編。
今、明かされる「ガリレオの真実」。

房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。
失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮上した。
警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる。

「愛する人を守ることは罪なのか」
ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾さん、やっぱり、いい !
    今回は、人間 湯川が “溢れだす” ストーリーでした。
    これまでのガリレオ シリーズでは
    人間 湯川が “垣間見える” ところが魅力だったのですが。 
                                                                                                                                                             
    このストーリーでも、ひょんなことから
    草薙が担当する事件に湯川が巻き込まれます。
    ところが今回、草薙が訪ねて行ったのは
    研究室ではなく意外な場所でした。
    個人的には、ここは胸キュンポイント!
    いつものようにそっけない対応をする湯川でしたが
    草薙の口から出た ある名前 が湯川の心を捉えます。
    そして、事件に深く関わることになるのですが…。 
                                                                                                                                                                                                                                                                                          
    今までのガリレオシリーズとは ちょっと違う雰囲気。
    少しだけ『祈りの幕が下りる時』に通じるのかも。
    そして、結末に関しては
    『容疑者Xの献身』を経ての湯川学かな と感じました。
                                                                           
    読み終えて、タイトル『透明な螺旋』の意味に納得。
    そして、表紙の絵にも深く納得。
    粋ですね~。

  • 湯川の過去が分かって、もう一度ほかのガリレオシリーズを読み返したくなった。
    事件に関しては、トリックに驚かされるものはなかった。なので、犯人もどちらかというと分かりやすいと思う。私は分からなかったが‥(苦笑)
    それよりもどちらかというと、殺人を犯してしまった動機について、思わず犯人に同情できてしまいそうな部分が書かれているのが今回の魅力だと思う。
    今までのガリレオシリーズは、トリックが巧妙で驚きがあったり、もう少し気軽に読めるものが多かったように思うが、今回の作品は、「容疑者Xの献身」の感じに似ている部分があるなと思った。
    このようなテーマが重ためな作品もたまには良いなと思った。いつも読んでいるとしんどくなりそうだが‥‥

  • 房総沖で銃で撃たれた男性の遺体が発見される!?さらに死んだ男の恋人が行方不明?
    失踪事件を捜査をしているうちに警察は何故か湯川学に辿り着いてしまった?

    待望のガリレオシリーズ最新刊!

    本作で取り上げられたテーマはDV、介護、捨て子・・・


    冒頭で語られる昭和の時代の悲しい話・・・

    この話が何処でどんな風に繋がってくるのか?どれが誰?気になって気になっての一気読みとなってしまいます。


    本作のテーマの一つでもあるDVについて考えました。
    人はどうして人に暴力を振るうのか?
    まともな家庭であれば暴力を振るう事は禁止されています。社会生活においても禁止されています。
    しかし妻や子供や親を殴る人はいる訳で、DV人のこの暴力は何処でどう習得するのか、そのメカニズムについて知りたくなりました。
    湯川先生のおっしゃる通り虐待は遺伝するかもしれません。『人からされた嫌な事は他の人にしない』という事よりも『自分がされた嫌なことを吐口となる人に向けてしまう』・・・
    一人一人が負の連鎖のストッパーである事を心がけて生きていくことが大事なのではないかなぁと思いました。


    いつもの事ながら東野圭吾の作品を読んでいると『死んでも良い人はいる』し、『問われなくても良い罪がある』のではないかと考えてしまいます。

  • 読みやすさはNo. 1!読書スランプ中だったので、すらすら読めて楽しめました。ガリレオシリーズということで、期待しすぎてましたよね。直前に「沈黙のパレード」を読んだばかりでしたので、ガリレオシリーズでの醍醐味である物理学的ミステリーが全くなく、湯川先生の出生が明らかになるという展開にビックリしました。湯川先生も今までのような面白い意味での変人さがなく丸くなった感じでした。

  • シリーズ第10弾。最新長編。
    良かった‼︎

    ミステリーの謎としては、正直いうと、伏線もあり、割と予想がつく部分もあるのですが…。そこは、さすがの東野さん、やっぱり、さりげないところで、グッとなるのです。

    このシリーズ、私は全部読んでるのですが、今回読んでて改めて思ったのが、まずは読みやすいということと、警察内部での揉め事とか刑事同士の争いとかがないので(焦点は別なのもあるけど)素直に真っ直ぐ読めるというか…。
    湯川の変人っぽいけど、実は人情味ある部分、その魅力がもちろん一番なのは言うまでもありません。
    今回は、その湯川の秘密も明かされ、その秘密と事件とのシンクロが、心に残ります。

    もしかしたら、私自身が歳をとって、母親でもあり、なおかつ子供も成人している今、読んだから、尚更感じるものは多かったかも…。母親っていうのは、なんというか…悲しいものだと思ったのでした。なんだか切なかった。

    それにしても、女性に対してDVをする男っていうのは、つくづく最低だと思った!根拠のないプライドだけが高い男ほどDVするともあり、なるほどそうだろうなと思ったのでした。

    ともかく、ガリレオシリーズ、やっぱり私は好きです‼︎
    テレビや映画の印象で、配役がもう頭の中で出てきちゃうことだけ、ご愛嬌だわ…(^^;;

  • 【シリーズ第十弾。今、明かされる「ガリレオの真実」】殺人事件の関係者として、ガリレオの名が浮上。草薙は両親のもとに滞在する湯川学を訪ねる。シリーズ最大の秘密が明かされる衝撃作。

  • 重要参考人として探しているのは、亡くなった彼と同棲していた女性、園香さん。
    でも湯川先生が気になる人物は、絵本作家ではなく、その園香さんのお母さんはどういう人か?ということ。
    白いカラスの内容から、重要だと感じたらしい。
    ナエさんがおばあちゃん?
    違う。では何者?っていうところでとても驚いた。
    モノポールとは?
    湯川先生が、ナエさんにお詫びをしたところで、涙が出た。
    誠実な良い子に育って良かった。
    それに比べて
    根岸秀実さんのことを考えるととても可哀想だと思った。わかっているが夢をみたいというには、
    代償が大きすぎる。
    湯川先生と草薙刑事の友情も、ヒビが入らず良かった。
    湯川先生の実のお父さん編もあるのか?期待したい。

  • ガリレオシリーズの最新刊として気楽に読める作品と言うことか。但し、この設定はガリレオシリーズの一作として必然性が希薄なのではないかな。
    ミステリー作品として謎解きの面白みに欠けるような気がしますね。

  • 実に面白い:)
    みんなの感想が聞きたい!!


    園香も悪い女だな笑
    以前、東野圭吾さんは福山雅治さんとの対談で、女性の心情は描けない。なぜなら自分は男だから。とおっしゃってました。
    つまり、園香の真意は分かりません。
    園香の視点から上辻が描かれてるから可哀想な女の子って読者は肩を持ってしまいそうだけど、、、
    上辻が撃たれる時のセリフを想像すると真実は死人に口なし、、、

    島内家との対比として湯川家を取り上げた点は戦後混乱期には実社会でも見られたかも知れない、、、
    望まない妊娠など親の理解、協力によっては3代に渡って不幸をみることになるかも:(
    養子や施設の子でも大学教授になるか容疑者になるか運命の分かれ道、、、

    細かい点では草薙の裁判が終わったら真相を教えてと湯川にお願いする点が真実が明らかになっていなくても裁判をするところがリアルだった:)
    感染症対策でマスクをしているという表現が今時っぽかった、、、

    前回の白鳥とコウモリと比較すると、どんでん返しはなく展開が想像できました:)
    個人的には透明な螺旋の方が構成も含めて面白かった:)

  •  東野圭吾の最近の作品の傾向は、現在と過去の捩じれた関係の中に謎解きの要素をまぶし込み、こねてこねて、最後に何枚もの皮相に包まれた真実のありかを見せる、といった傾向が強いのかな? 本書はガリレオ・シリーズ最新刊でありながら、主人公・湯川学をも事件の軸に巻き込んでゆくことで、一種の転機を見せる作品となる。

     本書には、今年の新作『白鳥とコウモリ』との間に、ちょっとした共通項が見られる。過去に蒔かれた種が、捩じれた成長を遂げて、思わぬ皮相を見せてゆくという展開がそれだ。事件は見られた通りではなく、時間の層を何度となく掘り下げないと見えてこない。捜査はそれを露にするために進んでゆくのである。

     このような作品を読むと、人間と人間の関係には少なからず捩じれのようなものがあって当たり前なのだな、というように思えてくる。それは必ずしも悪意のみならず、善意の行動による場合だってある。

     善人と悪人の見境は表面的にはつきにくい。しかし、その境界を見極める工程こそが、東野作品の魅力であるように思う。ヒントはけっこう明確に示されているのだが、それが明らかになるのは物語の最後の三章くらいからである。いくつもの善悪の皮相が取れて、ミスリードされた偽りの解釈の向こうに、真の善悪が見えてくる。

     愛とエゴ。生と死。真実と誤解。そうした人間界のからくりを揺すって心をミスリードさせるのが犯罪の顔だとするならば、本書では、房総沖に浮かんだ一人の男の死体が語る物語は、その発端であるに過ぎない。

     本書の物語は、戦後すぐに始まる。一人の女性が、赤子を孤児院に捨てるシーンである。物語は現在へ。この物語のヒロインは何者なのか? その周囲の人間たちは、冒頭の出来事にとってどんな関係であるのか? その辺りが本書のミステリー要素を高めるのだが、真相は近いようでなかなか手繰り寄せられない。捩じれの存在だ。謎の一つが、主人公のガリレオまで巻き込んでゆくところが、当初に書いた通り、本書の一つのエポックかもしれない。

     シリーズの常連キャラクターたちの個性を活かしつつ、作品主人公たちの人間関係の謎に迫り、房総沖で発見された男の死体がどう結びつくのか? という捜査経緯と、真実への幾層もの階段を辿る構成。

     いつもの手練れのミステリーの物語を見せながら、主人公も含め、親と子の血の問題に迫る切れ味の鋭さは、やはり流石と言わざるを得ない。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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