コロナ後の世界

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914589

作品紹介・あらすじ

縁故主義、相互監視、正常性バイアス、反知性主義、
“コロナ・マッチョ”、『1984』的ディストピア……
なぜ日本はここまで劣化したのか?

・エビデンスを軽んじ、政治効果を優先させた日本の感染症対策
・知的無能が評価される「イディオクラシー」(愚者支配)とは
・“母子癒着”する日米関係とディストピア化する社会
・カミュ『ペスト』に描かれた危機下における大人の市民像
・「王道」と「覇道」――中国はこれからどうなるのか?
・書物という外部への回路がもつ「コモンの再生」の可能性……etc.

社会の病毒をえぐり、再生への道筋を示す真の処方箋!

感想・レビュー・書評

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  • 『コロナ後の世界』まえがき - 内田樹の研究室
    http://blog.tatsuru.com/2021/08/29_0916.html

    コロナ後の世界 内田 樹(著/文) - 文藝春秋 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163914589

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      11/11 内田樹×仲野徹 – 丸善ジュンク堂書店 オンラインイベント
      https://online.maruzenjunkudo.co.j...
      11/11 内田樹×仲野徹 – 丸善ジュンク堂書店 オンラインイベント
      https://online.maruzenjunkudo.co.jp/collections/j70065-211111
      2021/10/19
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      内田樹が語る「コロナ禍という大義名分で“暴力性をリリース”する人々」 | 文春オンライン
      https://bunshun.jp/articl...
      内田樹が語る「コロナ禍という大義名分で“暴力性をリリース”する人々」 | 文春オンライン
      https://bunshun.jp/articles/-/49323?page=1
      2021/10/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      内田 樹『コロナ後の世界』/いまの日本に足りないのは、自分よりも自分が属する集団のために命を張る「大人」だ | P+D MAGAZINE
      ...
      内田 樹『コロナ後の世界』/いまの日本に足りないのは、自分よりも自分が属する集団のために命を張る「大人」だ | P+D MAGAZINE
      https://pdmagazine.jp/today-book/book-review-898/
      2021/12/22
  • 2021年10月発行の書籍。内田樹が、ブログやその他の色々な媒体に書いたものをまとめ、加筆・修正したもの。「コロナ後の世界」という書名になっているが、ポストコロナについてのものばかりではなく、色々なテーマのについての論考を集めたもの。章立ても「コロナ後の世界」「ゆらぐ国際社会」「反知性主義と時間」「共同体と死者たち」という題名になっている。もとになっている原稿が書かれたのは、2020年から2021年にかけてのもの。

    本書を読んだ後、あらためて世界のコロナウィルス感染状況がどうなっているのかをネットで調べてみた。
    全世界での感染者数は4.8億人、これまでの死者数は6百万人強。世界人口は75億から80億人の間であり、全世界の感染率は6%弱。致死率は感染者数の約1.3%、人口の0.078%ということになる。
    日本の感染者数は、おおよそ6.2百万人、これまでの死者数は27,000人強。日本の人口は約1.2億人なので、感染率は5%強、致死率は感染者数の0.45%程度、人口の0.022%ということになる。世界的な数字と比較すると、感染率は少し低く、また、致死率は世界の数値から比べると随分と低いということになる。
    また、約100年前のパンデミックであるスペイン風邪について調べてみた。スペイン風邪には、全世界で約5億人が感染したと言われている。数自体はCovid-19と変わらないが、当時の世界人口が18-19億人であったので、感染率は27%、4人に1人は感染したと言われている。また、死者数は1億人を超えていたと言われており、致死率は感染者の約20%、人口の約5.6%なので、今回のパンデミックよりも感染率・致死率ともに高いものであった。
    Covid-19について内田樹の2020年当時の論考をあらためて今回読んでみて思い出したのは、パンデミック発生直後は、Covid-19の感染率、致死率、あるいは重症化率は、もっと高いものである、Covid-19というのは、とても危険なものであるという認識が一般的であったということだ。実際に重症になられた方、実際に亡くなられた方もいらっしゃるので、軽々しいことは言えないが、現時点の実際の感染率・致死率よりも、もっとずっと高いもの、例えばスペイン風邪に近いものをイメージしていたと思う。もちろん、危険なものであるという認識のもとで対応したり、あるいは、比較的早くにワクチンが接種できたりしたことにより、結果的に感染率・致死率は上がらなかった、すなわち、世界の人たちの対応は、ある程度うまくいったということでもある。
    内田樹の論考が、ということではなく、もう少し一般論的に言って、パンデミック発生直後に言われていた「コロナ後の世界」についての論考が現実のものと少しずれていることが多いように感じるのは、こういった実際の感染率や致死率についての予測が(良い方に)はずれていたから、とも言えるのではないか、とあらためて感じた。

  • 現在の社会のあり様を、この様に解釈するとわかり良くなるという、視点をもらえる本。
    個人的には、積読の効用が、無知の知を視覚化する所にあるという解釈が秀逸だと思った。
    後は、コロナや、ここ数年のアメリカ、中国、日本の政治に対するもやもやとした違和感の正体を解説して提示されたことに感謝。
    →中間層の弱体化、政治的無関心を助長することと市民の権利の無権利化で統治コストを下げるというのは、ジリ貧しか生み出さないということ。
    →緊急事態への対応として、正常性バイアスを解除するためには、自分以外の視点からの情報の取り込みを一気に増大させないといけないということ。様々な視点から立体的に物事を見ないと、何が起きているかわからない、ということ。日常的に、自分以外の視点からの情報の取り込みを行っていれば、特に苦労しないということ。視点を変えるのは、気づきの視点を得るという瞑想も役に立つと思った。
    →市民を相互監視させることで統治コストを劇的に削減することができてしまうが、その結果、大義名分を掲げて隣人を攻撃する人を野に解き放つことが生じること。その危険はすでに顕在化しているが、そうした統治は、コモンズ的な資源の保全や治安維持にも役立ちうるなとも思った。その辺りは、ナチスの環境保全の本でも読んでみようかと思った。

  • いつも以上に?アグレッシブな内田樹を読めて、ちょっとヒヤヒヤしつつ、面白かった。

    選挙を終えて、さて、そろそろ「この状況」を振り返らなくてはならないよな、と誰もが少しずつ思い始めている。
    結局、日本のコロナ禍における対応はどうだったのか?そして、私たちには何をしてきたのか?

    でも、と内田樹は言う。
    恐らく、それを知っていて答えるべき人たちは皆、記憶喪失にかかるだろうね、と。
    施政者たちは手と手を取り合い、無言を貫く。

    一方、私たちはそんな政治を諦めながら、お互いにルール違反を犯していないかを見張り合い、SNSで拡散することは脅迫のレベルにたどり着いた。
    でも、そこに認められる善は、あまりにも一方的で個人的に歪められたものでもある。
    自分よりも富める者への憎しみ、のような。

    そこで、市民としての振る舞い、大人としての振る舞いを身につけることが求められる。
    自分が社会の一員だと認識し、スマートに行動する機会は、けれども、どんどんと先回りするサービスに、取って代わられているようにも思う。

    今の日本社会に最も欠けているものは「親切」だと書かれていて、私はなるほど、と思ってしまった。

    そして、それを教えることを担う場所も人も、少しずつ分断され、役に立たないものと見做されてしまっている気がする。

  • いつものように
    いや いつも以上に
    フムフムフム を
    連発しながら
    読み進めてしまいました

    なんだろう
    このモヤモヤした状況は…
    を いつものように
    分かり易い言葉で
    分かり易く綴ってもらうと

    そうそう
    私が言いたかったことは
    こういうことだったんだ!
    と 何度も 思ってしまう

    そんな内田樹さんです

    そして
    おっ この本もまた読んでおかなければ
    と思わせてもらえる

    そんな内田樹さんです

  • まえがきを読むだけで、なぜかとても救われたような気持ちになる。これから何度も何度も読み返していくことになるかもしれない。

    世の中、本当に尖った言葉があふれているような気がして、しんどいなぁと思うことが増えた。

    移動の隙間時間で読んだので、もう一度じっくり読み返そうと思う。

  • コロナの功罪、コロナが抉り出した日本社会の暗部、いちいち頷けるが言葉が心に刻まれる前に頭を通り過ぎてしまう。目で文字追うだけ。内田さん、もういいかなぁ。「統治コストの最小化。今の日本には、もう国家目標がない。日本社会の全面的な劣化。ただイエスマンで埋め尽くされた社会を作り出した」なるほど、なるほど。だけど変えるエネルギーは、もはや無い…。

  •  著者を「知の巨人」と呼んでも過言ではないのではないか。透徹したその眼で鋭く世の中を見ている。そして理路整然とした語り口にぐいぐい引き込まれていく。
     全世代に一度は読んでほしい著書だ。いや、そういう前にもう一度読んでみよう。新たな発見があるはずだ。

  • あまりコロナとは関係ない感じがしますが
    最後の大瀧詠一、加藤典洋、橋本治、吉本隆明への追悼の話が残りました。
    あと、今ここという考え方の危険性もある程度納得です。

  •  著者が,いろいろなところで書いた論文を集めたもの。いつも通り,内田さんの筆はよく動く。視点が面白くて,しかも難しくないので読みやすい。本のタイトルにある「コロナ後の世界」は,本の4分の1くらいで,あとは,違う話題が多い。最終の第Ⅳ章では,4人への弔辞?がまとめられていて,ちょっと変わった編集となっている(これは編集者の工夫らしい)。内田さん本人は,「この本を通じて僕が一番言いたかったことは,(吉本隆明を含めた)4人の死者たちに向けて書かれたこれらの言葉の中に表現されていたように思います」と言っていて,ここだけでももう一度読んでみようかな。
     気に入ったところに付箋を付けながら読んでいたら,付箋紙が30枚近くになった。この付箋の部分をこれから抜きだして,どっかに書き留めておくことにする。これがわたしの本の読み方の一方法である。
     一カ所だけ,引用しておく。これを意識してくれれば,おそらく,ネトウヨ・ネトサヨなんていなくなるんだがなあ。これもわたしの加害責任がついて回るんだよな。
      
     僕はものごとの適否を「それをすることによって、集団として生きる知恵と力が高まるか?」ということを基準にして判断しています。もちろん、その言明が「正しいか正しくないか」ということを知るのも大切ですけれど、僕はそれ以上に「それを言うことによって、あなたはどのような『よきもの」をもたらしたいのか?」ということが気になるのです。言っている言葉の内容は非の打ち所がないけれど、その言葉が口にされ、耳にされ、皮膚の中に浸み込むことによって、周りの人たちの生きる意欲が失せ、知恵が回らなくなるのだとしたら、その言葉を発する人にはそれについての「加害責任」を感じて欲しい。(p.2)

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著者プロフィール

1950年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科 卒。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学 院大学名誉教授。専門はフランス現代思想、映画 論、武道論。主著に『レヴィナスと愛の現象学』(文春文庫)、『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)、 『日本辺境論』(新潮新書)など。近著に『レヴィナスの時間論』(新教出版社)、『複雑化の教育論』(東洋館出版社)など多数。

「2022年 『下り坂のニッポンの幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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