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Amazon.co.jp ・本 (520ページ) / ISBN・EAN: 9784163914695
作品紹介・あらすじ
昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。
「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」
「生き残ることは罪じゃないでしょう」
自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。
秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。
『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし本格青春小説。
みんなの感想まとめ
戦時下の日本を舞台にした青春物語は、愛国心に満ちた少年・勇二が自由思想を持つ涼子と出会うことで、少しずつ変わっていく様子を描いています。厳しい統制の中で、将来の夢を語ることすら許されない時代の中で、若...
感想・レビュー・書評
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戦争というよりは、戦時下の日本での青春物語。
愛国心に満ち満ちた軍国主義の少年・勇二が、兄の彼女でもある自由思想の涼子と出会ってすこしずつ変わっていく。
戦争は軍事侵攻そのものも怖いが、影響を受けた人間をおぞましいモンスターに変貌させてしまうのが恐ろしい。
「大人になったら」、と若者が未来を語ってはいけない時代があったなんて信じられない。未来はいつだって平和で明るくあるべきだ。
参考文献の量がものすごかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今なら当たり前のように思い描く将来大人になったらやりたい事や、海外のどこそこに旅行に行きたい…
美味しいものを食べてみたい…
そんは素朴な願いすら統制されて出来ない時代が、ついこの間まであったという事実。
自分は御国の為に身を捧げるから、大人まで生きることはないと当たり前のように小中学の子が毎日思って過ごす。
そんな世の中に希望なんてないよな…と感じながら読んでいた。
どんな小さな夢でもいいから自由に思い描いていられる世の中がいい。
統制だけ厳しくして、金持ちの上の官僚とかだけは酒に女に豪勢な食事や、金に溺れて暮らす。
そう言う未来にならない事を祈るばかり。 -
あの古市さんがどんな小説を書いているのかという興味のもと、読み始めたが最終的にタイトルと言いたいことの解離を感じないではいられなかった。
私に伝わってきたのはこういう少女が古市さんの理想なのかなあ?と思うだけだ。
社会背景は現実的であるが、この少女と主人公の家族だけは浮世離れしていた。
それから古市さんが前に言っていた「キスは唾液の交換だ」との発言がどうしても頭から離れなかった。
そう語っていた人がなんでこういう小説を書いたのか甚だ疑問だ。 -
第二次世界大戦中の日本。主人公は愛国心の強い中学生。
この小説で著者は何を表現したかったのだろうか?
戦争のリアルな日常だろうか。
すっかり国家にマインドコントロールされてはいるが、男気のある主人公の性格が好ましい。
著者の小説の主人公はバラエティーに富んでいる。
植物状態の元シンガー(女性)、高層ビルの窓を清掃する青年、海外に逃避している元俳優と親しくなる料理人。
人間を俯瞰出来ているのかな。
次作も楽しみにしている。 -
今の世界情勢とつい照らし合わせずにはいられない。
戦時中の日本にたくさんあったであろう物語のひとつ。日本にもこんな時代があった。そして、戦時中であっても、コロナ禍であっても、そのどちらでなくても、人や世間というものはあまり変わらないのかもしれないな、と思った。
そこにちょっとだけがっかりしつつ、それでも涼子と勇二、そして優一の存在に明るい希望を感じながら読み進めた。
古市氏の小説は初めて。
表紙をめくった1ページ目で、読み進めていく先々で、人に対しての誠実さを感じた。
テーマとは裏腹にとても優しい物語だった。
そして驚いたのが参考文献の数。
物語に対して感じた優しさや誠実さは著者自身が持っているものが滲み出た結果なのかもしれない。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00632301
昭和18年、夏——その女は、魔女と呼ばれていた
昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。
「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」
「生き残ることは罪じゃないでしょう」
自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。
秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。
『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし本格青春小説。(出版社HPより) -
読み終わった
まさかその時代の話とは思わず、読み始めてびっくり。
捻りなく、既視感のある内容だけど、面白かった。
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・良かった。読後幸せな気分になれた。
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2022.11
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8月に読めて良かった。戦時下の青春物語。戦争の厳しい描写もあるが、3人の物語は涼子の甘夏の香りの様に爽やか。啓介がどうしたか気になる。
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プロフィールによると作者は哲学者とある。
う~ん難しいのかな・・・
しかし話はわかりやすく、内容にもすんなり入っていける。
昭和18年、大学生の兄を持つ勇二は、国家のために命を捧げると公言する中学生。
ある日であった少女は、日本は戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う。
反発しながらもいつしか惹かれていく勇二だが。
戦局は悪化し、自由は統制され、未来さえ見通せなくなり、
自分の向かうべき道もわからなくなり・・・
愛国精神に満ち溢れた若者目線で書かれた一風変わった反戦小説だが、これはそんな中で揺れ動く繊細な恋愛小説でもあると思う。 -
古市だからもうちょっと面白いかと思ったんだけど。
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エッセイ好きの私ですが、こんな小説ならいくらでも読みたいものです。
まさに、タイムリー、コロナ禍や戦争が起こっている現代でも使われている“プロパガンダ”。先の太平洋戦争でも、民族の自衛も、東亜の解放も、大東亜建設も、鬼畜米兵も、普通の言葉として普及し、自分の思いを語れば非国民扱い、他人同士が憲兵となり、道徳や嫉妬が憲法となりまかり通る。
東京の上空からの「宣伝謀略ビラ」には、「あなた方の國には、戦争を理由に、あなたの自由を制限しようとする人がいませんか。アメリカでは、今この瞬間も、人々は自由を謳歌しています。戦争は、あなたの自由を制限する理由にはならないのです。自由を嫌う人は、戦争に勝利したいわけではなく、他人の自由を妨害することそれ自体が快感なのでしょう。」とある。
情報統制、今の日本のマスコミをみているとなぜか一辺倒。特定の思想、世論、意識、行動へ誘導する意図を持った情報に偏っているのではないか・・常に考える、自ら考える、ことの大切さをあらためて知る。 -
物語の構造が良いなと思った。
プロローグで始まり、物語が終わり、エピローグでプロローグに戻る。
しかし、小説を読み終わるとプロローグの同じ情景が違って見える。
そういう仕掛けのある構造は物語としてストンと落ちる。
話としても対照的な兄弟の物語。
終戦中、帝国男子の規範を目指す頭の固い弟勇二と、仏文科に進み自由な思考の持ち主の兄雄一。
その間にいるのは、やはり自由な思考を持つ女子、涼子。
戦争は進み、やがて雄一は学徒出陣の一員として航空機整備兵となる。
一方、非国民のレッテルを張られて村八分に置かれる涼子に対して、勇二は何もやましいことはないのに非難の目を誰かに向ける世間に対して義憤を抱く。
戦争という時代があった。
時代の流れは、常識も、思想も、世間も変える。 -
悔しいけどこれも読み出したら止まらなくなった。戦時下の青春ラブストーリーって感じは確かにした。でも、なんか質感がしっくりこないのはなんやろ。CGアニメっぽいねんな。
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2022 6/4
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「他人の心がわからないというのは、人間に与えられた一番の贈り物かも知れないな(P193)」
戦時下の日本を描いた古市憲寿さんによる恋愛長編小説。古市さんの小説は全部読んでいて、これまではサブカルネタ満載の現代小説だったが、今作はサブカルネタは封印。戦時下の少年と少女の恋模様を描いた作品だが、ストーリが滅茶苦茶練られていて、最初と最後が美しく繋がっている。読んでいくうちに戦時下は今のコロナ禍になんとなく似ていると気付いた(だからあえてこのタイミングで出したのかな?)。これまでの古市さんの作品とは全く違うが、個人的には一番好き、なんか直木賞あたり取りそうな感じ。
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