海坂藩に吹く風 藤沢周平を読む

  • 文藝春秋 (2021年12月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163914787

作品紹介・あらすじ

没後25年を経ても、根強い人気を誇る藤沢周平。時代小説ファンの範疇を越えて、いまなお多くの人々に愛されるのはなぜか。『蝉しぐれ』『三屋清左衛門残日録』などの名高い名作はもちろん、歴史小説、評伝小説など、その奥行きをあますところなく照射する。藤沢文学に正面から向き合った初の本格評論。

みんなの感想まとめ

藤沢周平の作品を深く掘り下げた本書は、特に「海坂モノ」に焦点を当て、彼の魅力を余すところなく伝えています。『蝉しぐれ』や『三屋清左衛門残日録』といった名作が取り上げられ、読者はその作品を再読したくなる...

感想・レビュー・書評

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  • 昨年12月、藤沢周平評論本が上梓された。一冊まるごと、ひとりの作家について語るのだから、さぞかし何か新しい視点から書いているのに違いないと思い紐解いた。

    結果は、面白いか、面白くないか、と言われれば心地よい読書だった、改めて藤沢周平が好きになった、と思った。それと同時に深い深い失望を味わった。順番に語っておきたい。

    本の前半は、著者が「海坂藩もの」と考えた長編・短編を余すことなく紹介・論評を加えたものである。「海坂藩大全」という本から漏れた「臍曲がり新左」「鱗雲」「三ノ丸広場下城どき」「闇討ち」を海坂藩ものにしている。そもそも「三屋清左衛門残日録」が海坂藩だったとは意外だった。全体的に単なる粗筋紹介に終わらない丁寧な論評もついていた。

    「藤沢時代小説は、文章が優れてエンタメだから素晴らしいのではなく、人間が描けているから素晴らしいのだ」要約すれば、そういうことを本書全体で言っているのだが、何を今更当たり前のことを書いているのか、とは思った。藤沢周平の海坂藩論に関しては、向井敏「海坂藩の侍たち(文春文庫)」など多く出ている。そこで、海坂藩に関する時代小説の魅力は既に出ているだろう。今の時期にもし上梓するのだとすれば、この十数年間に文藝春秋が発掘した「初期短編集」、日本食品経済新聞社時代の小説以外の文章、そして最近発掘された直木賞受賞前後の日記類について、評論がされるのだと期待したのだが、「一欠片」も出てこなかった。いったいなんなんだこれは?

    湯川豊の経歴を本の奥付けで見て、私は真から失望した。1938年生まれ、文藝春秋社取締役などを経て退社。そのあと、私立大学教授などを歴任。(現在84歳)ーーとある。確かに藤沢周平を読み込んでいるのではあるが、結局は文藝春秋社が、元役員に対して「おべっか」を使って、こんなに見事な装丁の美本をつくったのである。素人に毛の生えたような本だ、と言ったら怒るだろうか?

  • また、藤沢周平さんを読みたくなりました。

  • 正直なところを言えば、藤沢作品をあまり読んでいない。その分、藤沢周平作品を原作とする、映画は何本も観た。たそがれ清兵衛、隠し剣、蝉しぐれ、花のあと、、、などなど。いずれも胸を打つ美しい映画だ。その原作者の小説も、さもありなんと思い、この本を手にとった。登場する作品群を、時間がかかっても、ぜひ読んでみたいと思った。

  • 【没後25年――藤沢周平、初の本格評論】『蝉しぐれ』『三屋清左衛門残日録』など、数々の名作を残した藤沢周平。いまなお多くの人々をひきつけるその魅力に迫る。

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著者プロフィール

1938年新潟県生まれ。慶應大学文学部卒業後、文藝春秋に入社。「文學界」編集長、同社取締役を経て、東海大学教授、京都造形芸術大学教授を歴任。『須賀敦子を読む』で読売文学賞を受賞。著書、編著多数。

「2019年 『大岡昇平の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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