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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784163915265
作品紹介・あらすじ
#MeToo運動は、この一冊から始まった──。
長年タブーだったハリウッドの性的虐待をスクープし、ピューリッツァー賞受賞。
タイム誌、ワシントンポスト紙、フォーチュン誌ほか年間ベストブックに選出された全米ベストセラー、遂に日本上陸!
「歴史に残る一冊になることだろう」(エッセイスト・洋書レビュアー 渡辺由佳里)
「爆発的で強力なジャーナリズム」(ピューリッツァー賞受賞評)
あらすじ/ハリウッド大御所プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的虐待疑惑を追いかける著者ローナン・ファロー。勇気ある女性たちの証言を得た調査の先に浮かび上がってきたのは、メディア界・政界・司法界による“悪の三位一体”構造だった。巨大な闇に触れてしまった著者はスパイ組織に狙われる。やがては各界トップのクビが飛び、大統領をも巻き込む事態に。彼らの常套手段である「キャッチ・アンド・キル」についても本書で明かされる。
本書には、大勢の証言者が実名で登場します。
「名乗り出た女性の信用をズダズタにする。女性たちを貶めて、追い詰める。犠牲者を略奪者に仕立てあげるのよ」(ロザンナ・アークエット/女優)
「体と心を切り離したわ。顔に笑いを貼り付けてね」(ローズ・マッゴーワン/女優)
「彼(ハーヴェイ・ワインスタイン)は怖い人たちとつながってるの。人を傷つけかねないわ」(ミラ・ソルヴィーノ/女優)
その他にヒラリー・クリントン、メリル・ストリープと著者のやりとりも収録。
著者は「辛く重要な真実を世の中に出すため、大きなリスクを背負ってくれた女性たちには感謝してもしきれない」と述べています。
著者プロフィール/1987年生まれ。映画監督ウディ・アレンと女優ミア・ファローの息子。米国では天才セレブ二世として有名。15歳で大学卒業、21歳でイェール大学ロースクールを修了し弁護士資格を取得。ローズ奨学生としてオックスフォード大学へ進み博士号取得。国務省スタッフ、ヒラリー・クリントン国務長官顧問(当時)などを経てジャーナリズムの世界へ。ニュース放送局MSNBCの番組アンカーを務めた。ニューヨーカー誌に発表した本スクープ記事により弱冠30歳でピューリッツァー賞を受賞。
みんなの感想まとめ
権力と暴力の構造を暴く本書は、ハリウッドの大物プロデューサーによる性的虐待の告発から始まります。著者は、勇気を持って声を上げた女性たちの証言をもとに、メディアや政界、司法が共謀する「キャッチ・アンド・...
感想・レビュー・書評
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圧倒的な権力の元で男性から女性に与えられる性暴力を告発し、世界的なムーブメントとなった”Me Too運動”、その発端はハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力を告発する女性たちであった。その告発は、大手メディアNBCの記者であった著者が発表した記事から始まっており、著者はその功績により2018年のピューリッツァー賞を受賞している。
本書はその一連の経緯をまとめたノンフィクションであるが、ドラマを思わせるような妨害工作の中でいかに著者が1本の記事を出し、世界を変えることになるかという様子が凄まじい。相手はハリウッドの大物プロデューサーであり、これまでも被害にあった女性たちの告発が起きないようにカネや弁護士たちを使った圧力などで自身の悪行を闇に葬ってきた人物である。当然、著者がその闇を暴こうと取材を続けているのもいつしか耳に入り、スパイの送り込みや勤務先のNBCの上層部を利用してプレッシャーなど、ありとあらゆる妨害工作が行われる(実際、そのために著者が発表した最初の記事はNBCではなく、独立系雑誌のニューヨーカーに投稿された)。
しかし、本書は決してハーヴェイ・ワインスタインのような加害者だけを追求するものではない。むしろ、その共犯者として被害者たちの声を無視してきたメディア自体に対する告発こそ、本書の白眉と言える。タイトルの"Catch and Kill"とは、一部の悪質な御用メディアが繰り広げた悪行を指すワーディングである。わざわざこの言葉をタイトルに選んだのも、加害者⇔メディアの共犯関係によって、このような性暴力が続いてきたという点への告発に他ならない。
2022年に読んだ、これから読むであろうノンフィクションの中でも超弩級に面白いこと間違いなしの一冊。 -
2017年10月、ニューヨーク・タイムズ誌とザ・ニューヨーカー誌で相次いでハリウッド映画界の大物プロデューサ、ハーヴェイ・ワインスタインのレイプを含む性的嫌がらせ行為の告発記事が公にされた。本書は、ザ・ニューヨーカー誌の方に記事を発表したローナン・ファローによることの経緯を描いたものになる。
著者のローナン・ファローは、映画監督のウディ・アレンと女優ミア・ファローの実子である(フランク・シナトラが本当の父親だという噂もある ~ 養子との性的関係など複雑な家庭でもある)。いわゆる二世なのだが、おそらくは本人は親の七光りをよしと思っておらず、イェール大学ロースクールを出て弁護士資格を取得、オックスフォード大学で博士号を取得して、米国務省でアフガン関連の職務に就いた後、テレビ調査報道の世界で活躍。MSNBCで自らの名前が入る冠番組のアンカーになった。本書のワインスタイン問題は、その調査報道のネタのひとつとして上がってきたものである。
副題には”Lies, Spies, and a Conspiracy to Protect Predators” ー 嘘とスパイ行為と捕食者を守るための陰謀 ― とある。この本に書かれていることは、ワインスタインの所業を暴いて、#MeToo運動のきっかけとなったというような単純な物語ではない。副題にある通り、ここに書かれていることは、権力者が自らの利権や享楽のために不都合なことが避けられたり隠されたりすることが日常的にかつ比較的組織的に広く行われていたということなのだ。それはある意味ではあきれるほど大っぴらでもあった。ローナン・ファローは、NBCでの調査報道のテーマのひとつとして過去の被害者へのインタビューや関係者への裏取りを進めていったのだが、それがワインスタイン側の知るところになると、ワインスタインはNBCやさらにその親会社のコムキャストの重役たちにプレッシャーをかけてきた。また、ブラックキューブというイスラエルの企業に多額の費用を払って妨害工作を依頼してまで、世に出ることを阻止しようとした。
NBCの重役たちがワインスタインに脅されたとき、彼らの中にも多かれ少なかれ同じようなスキャンダルを抱えているものもいた。そういう人たちは、確かにワインスタインは破廉恥だし、恥知らずだが、ハリウッドではよくある話だとし、そもそもワインスタインのことを多くのことは知らないし、ニュースバリューとしても大きくない、などという言い訳をおそらくは自らに対しても作って、できればなかったことにしようと先延ばしにかけた。他の雑誌媒体に持ち込むことは問題ないという言質を取った上で(そのことはワインスタインにも止められていなかったのだろう)、ザ・ニューヨーカー誌に持ち込めたのは、ファローにとって幸運だったのかもしれない。また、その直前にニューヨーク・タイムズ誌がワインスタインの行為を告発した記事を出したことと、さらにその内容よりもファローが持っている内容(性的嫌がらせだけでなくレイプ行為の事実やワインスタイン自身の声の録音など)が上回った内容であることが大いに後押しになった(先行報道されたことは悔しかったであろうが)。
ザ・ニューヨーク誌から報道が出た後、他のテレビ局から遅れながらも後追い報道を開始したNBCが、あろうことかファローに番組での解説を頼んだ。これを受けて、まだNBCでのキャリアをあきらめていなかったファローはNBCでの取材時にはまだ完成されていなかったというストーリーを守ろうとして放送に臨んだが、結局そうすることができなかった。ワインスタインの脅しに屈したことも含めて、NBCのこうした行動は、おそらくは報道機関としての矜持の欠如にあったのではなかったか。その一方で、ニューヨークタイムズ誌やニューヨーカー誌という雑誌媒体(といっても最近はこれらの記事も含めてWeb記事だが)が報道機関としての矜持を持っていたということなのだろう。
社内の圧力、ワインスタインからの妨害、他誌に抜かれるかもしれないという焦り、などが手に取るようにわかるストーリーはスリリングで惹き付ける。ファローが自らのキャリアのことを意識しつつ、最後はリスクを冒して協力を申し出てくれた被害者たちとの約束を守らなくてはならないという強い思いを心の底から抱えて苦悩したことも感じることができた。
タイトルの『キャッチ・アンド・キル』は、有名人や政治家のスクープ情報の報道含む独占的権利を買い取って、握りつぶしてしまう手法を言う。本書の中でもナショナル・エンクワイヤ誌やアメリカンメディア(AMI)がこの手法を多用していたと告発している。おそらくはこれまでにも同じように多くのことが報道されずに握りつぶされてきたことだろう。#MeToo運動に代表されるエンタメ業界を始めとする性差別の告発の書であるというよりも(もちろんその側面もあるが)、より深刻で重いメディア業界の権力構造の闇に迫る本だった。
なお、先行して報道したニューヨークタイムズの記者による本『その名を暴け』も同時期に出版されている。こちらもお薦めだが、面白さや深さの観点でこちらの本の方がよりお薦め。両方合わせて読むと比べて読むとニューヨーク・タイムズ誌の健全さとNBCの不透明さが感じられて、さらによいかと思う。
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『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』(ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4102401814 -
ハリウッド大御所プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的虐待疑惑を追求した記者がその全容を記した作品。多くの人が彼の悪行を知りこれまでにも調査した人はいたが、金と権力で、メディア、政界、司法も加担しスパイ活動、囮調査などで葬り去ることができていた。著者が脅しや妨害に屈せず事件を明るみにしたことで、世界中に#MeToo運動が広がった。フィクションでも書けないような驚きの内容だった。被害者は自分にも落ち度があると感じ自分を責めるような思考になる、加害者はそこにつけ込む、また相手の弱点を見つけるよう画策し、なければ偽情報を拡散させるなど、手口は巧妙で卑劣だ。この事件後、その余波はメディア大手、政治家などに波及し同じ手口で女性の口を塞いでいたことも明るみになった。残念だがこれがアメリカ社会なんだろう。でもこれと似たようなことは身の回りで十分に起こりうるだろうと思う。知っておいて損はない参考になる作品だった。
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この本を読む事に正直全然乗り気じゃなかったけど、悪意に対してどういう行動と過程を取れば戦えるのかという事について何がしかヒントが得られるかもと期待して読んだ。結論から言うと前提条件が違いすぎてそういう視点ではあまり参考にはならなかった。
あまりにも内容が強烈(話がショッキングと言うよりはシンプルに展開がすげーのと情報量が多すぎ)で一度読み始めてしまうと終わるまで止められない。
この本に関して読むべき!!とも言えないし読まなくていい!!とも言えない。本くらい自分で判断して読め!
色々考えるけど、以下個人的に読んでて改めて思った事 頭がまとまらないので箇条書き
・この世は誰も信用できない前提で如何に信用できる人を見極めるか(または見極めようとするか)
・誰をどういう基準で信頼するのか 裏切られた時にどうリカバリをはかるのか
・裏切られるリスクを前提にしても誰かを信頼して協力しなきゃ1人ではどんな偉人でも戦えないという事
・それを踏まえた上で結局は自分がどう行動するか どこまで自分の信念を貫けるか
・これは自分に関係ない世界で起きた闇の暴露じゃなくて身近にある話の延長線でしかない
・たまたま派手な名前と世界が舞台なだけ
金額とか規模はでけえけどまあこういう事はあるでしょうね。て話だからこんなひどい事があるなんて…!てなる人は運がいいか鈍いだけなんじゃないすかね。
作者が割と淡々としてるからそこは読みやすかった。テレビ出身だからか構成がちょっとドラマっぽい。
あんま関係ないけどアンソニーボーディンの名前が(いい形だったけど)出てきてちょっと辛かった。 -
#me tooのきっかけになったといわれる本。さまざまな角度から見て、学びになるポイントがいくつもあった。
まず、ずっと続いてきた悪事を暴きたいというジャーナリストの視点。妨害というのはこのような形で起こるのか。また、それを打ち砕くのに、慎重に慎重に合法的な方法を探っていく著者の姿勢。
そして、性犯罪(だけではないかもだけど)を告発するときのデリケートなあり方。被害者ほんにんがどこまで開示するのか、一つひとつ確認しながら進んでいく。そうだよね。
ときどき挟まれる謎のメールの話が、驚くべき事実につながっていくのは、本当に衝撃。
また、世界的なセレブカップルの2世で、美しいだけでなく頭脳的にも天才といわれるローナン・ファロー。彼もまた組織の中で働けば、企画が通らないことに苦悩し、予算の獲得に頭を悩ませる。そんなところも楽しんでしまった。 -
一気に読んだ。日本でもハーヴェイ・ワインスタインのニュースは報道されていたし、そこのに続く#MeTooも日本国内にも広がりを見せた。そのワインスタイン事件が世に出るまでの戦いの詳細が記されている。ワインスタインはもちろんの事こと腐れ切っているNBC上層部の動きには読んでいてはらわた煮えくりかえる。ここまで何度とない阻害に立ち向かったローナン・ファロー、ニューヨーカー、ニューヨークタイムズの記者が素晴らしい。ニューヨーカー、ニューヨークタイムズという老舗報道機関が汚染されていなかった事に安堵する。ローナン・ファローがここまで屈する事なく戦えたのは、父ウディ・アレンと姉の問題に対する彼の立ち位置も影響しているのかもしれない。
日本の報道機関はどうだろうか? -
全ての女性に読んで欲しいと思う。卑劣な罠と暴力を許してはならない。
身の危険に怯えながら告発した女性たち、自身のキャリアを危険に晒しながら報道した、ジャーナリスト達の姿に胸を打たれる。
性暴力、正義と保身等難しいテーマについて考えさせられる本だが、アメリカのエンターメント業界についての興味もそそられるし、敵が迫ってくるスリルもあり、とても面白い。 -
権力者の男性による女性搾取の実像を書したドキュメンタリー本です。本来は、そのような暴力を暴く役割のはずの報道機関もそれを黙認していた事実も明らかにしています。
自由の国といわれ、日本に比べればはるかに女性の社会的地位が高いと言われるアメリカでも、このようなことが行われていることは残念です。
日本の映画界においても同様なことが行われていたことが、最近、明らかにされています。
このような状況が、この本の作者のようなまっとうなジャーナリスト、われわれ第三者の目や発言で、すこしでも改善されていくことを望みます。 -
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ハリウッドの大御所プロデューサーとして長年業界に君臨する一方、その強力な立場を利用して女性への性的暴行を繰り返してきたハーヴェイ・ワインスタインの告発とその後の「Me Too ムーブメント」に繋がる調査報道でピューリッツァー賞を受賞した著者が、報道に至る経緯を克明に記した一冊。
長年にわたって多くの女性被害者が口を封じられ、業界関係者も見て見ぬふりをしてきたワインスタインの強大な権力に立ち向かう中で、著者は過去に報道を試みて失敗したジャーナリストや、告発を諦めざるを得なかった複数の被害者を味方につけ、慎重かつ執拗な調査で遂に決定的な証拠を掴むが、実際の報道に至るまでにはさらに想像を絶するような困難が立ちはだかる。そのような中でも報道にこぎつける著者の思いを支えたのは、父親であるウディ・アレンから性的虐待を受けた姉を守ることができなかったという贖罪の念もあったに違いない。
取材時に所属していたNBCでの報道が叶わず、それでもニューヨーカー誌からの報道にこぎつけるまでの道程は、ハリウッドやメディア業界がいかに「男性社会」としての堅牢な”加害者を守る”構造を維持しているか、またそれを打破するのがいかに困難かを如実に示しているが、これをハリウッドだけの特殊事情として片付けることも決して許されない。このサスペンス映画さながらの迫真のドキュメンタリーが映画化されることがあれば、ハリウッドが本当に変わったと言えるのかもしれない。 -
まず安心する翻訳のクオリティー。
カタカナ名ばかり出てくる本作であっても、土台がしっかりしているから苦に感じずに読み進められた。
取材対象と所属する組織の2つと戦う個人という、世の中にはあふれている、でも当事者となると強靭な精神力と意思が必要な状況のルポルタージュ。 -
自分は絶体誓うと言えるだろうか?
仮に絶大なる権力を持っていたとしたら…
権力者の暴走を止める為に声をあげられるか…
妨害工作に屈せずに戦い続けられるだろうか…
そういった意味でもとても価値がある1冊であり
迷った時に心を鼓舞してくれる忘れてはいけない本。
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ハーヴェイ・ワインスタインの事件を詳細に描いたノンフィクションである。既に『その名を暴け』があるが、こちらも負けず劣らずの良い出来である。
権力とは、そこの座に座った者とは。何をしても許されるように世界を作り替え、専属のチームまでいてさらに出版社まで協力させていたのは心底ゾッとしたし胸糞が悪くなった。映画ファンの一人として、今後彼が製作に関わった映画を観る時は良い想いはしないだろう。 -
#MeToo運動のきっかけとなったと言ってもいい本である。
権力者が金や商売上の力や、非合法な工作まで行って、性的暴行を受けた女性を抑え込み、更には貶めるなどやりたい放題であった事が分かる。
大昔の、こう言ったことに寛容であった時代の話かと思ったが、つい最近まで行われていたと知り驚いた。
マスコミまで、この隠蔽に加担していたとは、驚くばかりだ。資本の論理で、資本家に乗っ取られたり、利益至上主義になっていることの影響が出ている。
日本でもおそらく同じような話があるんだろうなと、感じるが、何故かあまり報道されていない。 -
長かったけど面白かった。
ハリウッドを舞台にした、大物映画プロデューサーハーヴェイ・ワインスタインによる女優やモデルへの性的搾取。それを金と利権にまみれたメディアたちが「キャッチ・アンド・キル(記事や証拠を入手して揉み消す)」しようとする。
この事件が#Metoo運動の引き金になったと言われている。
コンゲームのような頭脳戦が繰り広げられている様は、よくできた映画を見ているようだけど、これが事実なのが皮肉である。
女性たちが告発するワインスタインの愚行には反吐が出そうだったし、金と利権に目が眩んでその事実を葬ろうとしたり、責任逃れしようとする人たちにも辟易する。
癒着しまくったエンタメ界とメディア界の中にも、著者のような真っ当な正義感をもつジャーナリスト・記者の存在や、勇気を持って被害を告白し立ち向かう女性たちの強さにも心を打たれた。
日本だったらこうなるだろうか… -
最低最悪の権力者の色欲と、それを利権と引き換えに覆って隠し通す最低最悪の関係各位。
もみ消しは持ちつ持たれつの関係を築くためだけでなく自分自身のため、という関係各位もいたりして。
日本の伊藤さんの件、森友問題(分野は違えど)と構造が同じかと。
ピューリッツァー賞を3回あげてもよいくらいの、世界的なうねりを作り出した報道の顛末が、この本に詰まってる。
ほんとに爛れてるとしか言いようのない、メディア(の権力者たち)。しかし、綿密な調査報道が受け入れられ、それが社会を動かせる分、日本よりマシなのか。
日本のメディアにも、飼い殺しの記者クラブ問題のみならず、実はアメリカと同じ色欲の病巣があるんだろうな…。
犯罪のもみ消しに慣れてはいけない。
慣れてはいないし、その都度ザワッとするけど、諦めてる人が、私含め,ほとんどではないか。
日本で報道をきっかけに、政治家ほか権力者の悪事を白日のもとに晒して「国民の皆様」が立ち上がり、彼らを失脚に追いやることはあるのか。
男性はこの本を読んで、この気持ち悪さを感じられるのだろうか。
ウッディ・アレンの娘の件も、かつて報道された時、自分も含めなんとなく扱いに困ってた風だったけど、ホント娘は気の毒だった。
自分含め!もう、映画見ない!公開しない!とか、ならなかったし。
力があるから、弱い者に好き勝手なことをしても許される(当人にはひどいという感覚はない)、ということが、許されない時代になってくれないか。
せっかく「平和」な国にいるのだから。
などと、つらつら考えずにはいられない本。 -
♯Me Too運動はこの1冊のから始まったという。タイトルのキャッチ・アンド・キルとは、捕らえて殺すと直訳されるが、実際に殺されるという話では無いない。性的搾取、不正を揉み消す組織的な手段を説明するもの。本著は、ハリウッドを舞台とし、女優たちが如何に虐げられていたか、そのキャッチ・アンド・キルの構図を明らかにする。
イスラエルの会社であり事件の揉み消しに加担したブラックキューブ。諜報機関であり、イスラエルの国家諜報部と繋がりもあるスパイ組織。被害女優のスキャンダルや汚点を探し出し、逆に貶めて事件を封印する。メディアは、問題の中心人物の芸能界隈への権力により、思い切った行動が取れない。ーこんな話、日本でも聞いた事があるし、確かスノーデンも印象操作されていなかっただろうか。
女優のマッゴーワンやグティエレス。知らない名前はネットで検索すれば、画像が出てくる。日本にいると遠くの話のようだが、著名人を対象にした大事件だ。権力による性的搾取の正当化は、根深い問題。示談で成立するならば、リスクを取って加害者と敵対し、公開するインセンティブが低い。起こった事は取り返せず、自らを曝け出す手間やリスクを考えれば、示談金や見返りの方が良い。味を占めて常態化したり、他の被害を防ぐために立ち上がれれば良いが、疲労感の方が強い。しかし、これを許すと、金と権力のある輩は、好き放題。この構図に対し、♯Me Too運動はよく立ち上がったと思う。女性の連帯感は、自己防衛上も必要なのだ。 -
長い、長いけど、読み始めたら止まらない。思っていた内容とは全然違うコンゲーム、スパイ合戦。でも最後にそのスパイに好感を持ってしまう。NBCが報道を潰したことで結果的にこの本がベストセラーになっているから皮肉だ。本当にこんなことがあるんだな、事実は小説より奇なりだななどと感心している場合ではない。ボーイズクラブによって現実世界が捻じ曲げられているのは日本も同じ。むしろ、こうして証拠の握り潰しがちゃんとスキャンダルになったアメリカの方がまだ正常な方向に向かっていると思う。女性が声を上げ歪みをなくしていこうとするときに立ちはだかるバイアスやレッテルや抑圧を、これほどまでかと痛感させられる。アレンの息子でスーパーエリート男性というローナンだからこそここまで捨て身の報道ができたというのは間違いないので、やはり力というのはこういう風に使わないといけないと思う。日本もたとえば望月衣朔子さんがやっているのと同じことをエリート男性がやれば全然風当たりが違うはず。あとアメリカでは弁護士が報道の細部までチェックしていて(それが握り潰しの一端を担うこともあるが)、こういう活用の仕方があるよなと思った。
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<書評>キャッチ・アンド・キル ローナン・ファロー 著:東京新聞 ...
<書評>キャッチ・アンド・キル ローナン・ファロー 著:東京新聞 TOKYO Web
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