孤剣の涯て

  • 文藝春秋 (2022年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784163915364

作品紹介・あらすじ

徳川家康が天下を統一し、世の中からは急速に戦国の気風が消えていった。かつて戦場で名を馳せた宮本武蔵の剣も、時代遅れの遺物になり果てていた。弟子たちは武蔵を見捨て、道場の存続は危ぶまれている。父親の病いも手伝って、借金まみれの生活をするまでに落ちぶれていた。

武蔵が自分の剣も終わりと観念し、さる大名に形ばかりの免許皆伝の免状を出し、その見返りとして借金の肩代わりをしてもらう話がまとまりかけたが――

そのとき武蔵の元に「五霊鬼の呪い」の探索の依頼が舞い込む。この呪いをかけられた者は二年以内に死ぬと言われているが、大御所・徳川家康が「呪い」の標的になったというのだ。家康に呪いをかけた者(=呪詛者)を生け捕りにするのが武蔵の役割だという。

世を捨てると決めた武蔵は、最初依頼を固辞する。しかし、武蔵の唯一のそして最大の理解者である弟子・佐野久遠が呪詛者に殺されたかもしれないことがわかり、事態は一変。
呪詛者を探しだすことは、弟子の仇を討つことに繋がる。武蔵は自身の中に再び生への衝動が湧き上がるの感じ、呪詛者探索へと旅立つ。

みんなの感想まとめ

剣劇とミステリーが交錯する物語が展開され、主人公の宮本武蔵は、時代の変化に直面しながらも、愛弟子の仇を討つために立ち上がります。徳川家康にかけられた「五霊鬼の呪い」を解くため、武蔵は呪詛者を探し出す依...

感想・レビュー・書評

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  • 時は江戸初期。剣劇・宮本武蔵が営む円明流道場は、その教えの厳しさゆえすっかり寂れていた。唯一の弟子・佐野久遠を禅寺へ修行に送り出すと、道場を閉める算段を始めた武蔵だったが。

    何者かの手で、大御所家康に対し「五霊鬼の呪い」(徳川家に伝わる特殊な呪詛)がかけられ、呪詛を行った者を捉えよとの依頼が武蔵のもとに舞い込んだ。どうやら弟子の久遠が呪詛騒ぎに巻き込まれて殺されたらしいことを知り、真相究明に乗り出す武蔵。愛弟子を失った怒りから、大坂冬の陣・夏の陣で武蔵が繰り出す剣の鋭さが増す。

    太平の世になり、無用の長物となっていく剣技の最後の煌めきを描いた剣劇小説。謎も複雑に入り組んでいて、良質な娯楽作品だった。

  • 家康を呪う五霊鬼という呪詛。それをかけられた者は2年以内に死ぬという。呪いに用いた妖刀村正をもつ者を探し、阻止するよう依頼された武蔵。弟子の久遠を殺された仇討ちとして受け、三木乃助と共に大阪城へ。当初豊臣側の仕業かと思いきや、徳川方の陰謀と疑いはじめる。首謀者と思われる人物が現れたかと思うと二転三転と進み、徳川勢の攻撃も始まる。真田、柳生、そして家康と名だたる人物も登場、宇喜多の名も。怒涛の展開では武蔵の凄まじさに圧巻。
    369冊目読了。

  • 徳川家康はじめ徳川一門にかけられた強力な呪詛を解くため宮本武蔵が奔走する、というとなんだか安っぽく聞こえるが、てんでそんなこともなく、豊富な史実の知識をベースにしているため、違った視点での再解釈もなるほどと思わせるものがある。できればもう少しラストの回収がスパッと簡潔に決まると読後感もスッキリしそうな気がする。 

  • ふむ

  • 紙が厚く2ページ捲ったかたと何度も確認。相変わらず汚い描写が続く。関西の話に偏りすぎでは。「宇喜多の捨て嫁」で抱いた作者への期待は何だったのか。1から10まで、凶々しいだけの連続で、最後まで読んだがその必要はなっかたかな。

  • 大阪の陣を経て徳川の世が確定、剣豪などという人種は不要のものとなった時代。それでも剣の道を極めようとする宮本武蔵だが、天賦の才に恵まれた後継者が、不可解な事件に巻き込まれて殺される。その裏には、豊臣と徳川の最後の対立があり、武蔵もこれに巻き込まれていく。SF時代小説として十分面白いし、登場人物の意図が生々しく伝わる描写で引き込まれる。

  • 徳川と豊臣との戦いの中、家康に対する呪詛の生首が見つかる。思想家、芸術家として残り、ほぼ一代限りの名人にはいつも暗い影が付き纏う。自らの剣の後継者と望んだ佐野久遠を殺された武蔵は呪詛者を追う。実在の人物を交えて、オカルト的な展開をすると、読者の好みは真っ二つに分かれる。

  • 晩年の宮本武蔵を描いた歴史ミステリー

    技と心が極みに昇り詰めた剣士の見た風景、戦国から江戸へ変遷する時代を武蔵の目で追っている

    勢いで読めますが、歴史小説というにはややトリッキーでな演出で、歴史の裏側の世界という感じです

  • 宮本武蔵が最愛の弟子を殺され、その真相をさぐり復讐するべく大坂冬の陣に間諜として潜り込む。

    なんだろう。視点が結構変わるのでちょっと読みづらく感じました。時代小説の体ではあるものの根底にあるのは「家康を呪った呪詛者は誰なのか?」といった謎があるミステリ。それなりにどんでん返しはあるものの、話のポイントがいまいちわかりづらいように思えて盛り上がりに欠ける印象。あくまで個人的にですが。武蔵の弟子に対しての心情みたいなものは早い段階でもうそんなに語られず物語を展開させる便利なキャラクターとして動かされてるように感じてしまったもので。

  • 大坂夏の陣と冬の陣を背景に、徳川家康を呪う五霊鬼の呪いが発動。首謀者を妖刀村正で斬ることで呪いが解けるというホラーの世界。そこに宮本武蔵と坂崎直盛こと鬼左京がお互いに競い合う形で探偵業。愛弟子を殺された復讐やかって愛した人に似た千姫を助けるべく奮闘する鬼左京とエンタメ要素満載の時代劇。史実と空想がごちゃ混ぜになって、それなりに筋は通っていて面白かったです。

  • 宮本武蔵が家康が豊臣家を滅する大阪の陣を背景に家康を呪う五霊鬼たる儀式で弟子の佐野久遠が討たれた仇を取るあらすじ。。
    良く解らんストーリー展開で最後は斜め読みでイマイチの内容だった。

  • 結局、武蔵は何をしたかったんや!
    馬鹿が無駄に引っ掻き回して終わった感じ。

  • かような武蔵が生まれましたか。剣術の達者なるは、これまでの武蔵像と違わず。されど、思慮分別においてはいささか、いや、かなり頼りない。三木之助(ホントは隼人)にせよ、千姫にせよ、若輩ながらに武蔵よりよほど思慮深い。よくもまあ、あんなんで戦乱の世に六十有余の決闘を制し、生き延びてきたもんである。その果てに、道場主となったのはいいが、指導者としての資質を欠いて弟子が定着しない。借金がかさみ、その返済の肩代わりで免許皆伝の叩き売り寸前などとは無様だ。ミステリー仕立てながら内輪揉めって感じで、決着にせよ物足りない。

  • 武蔵が剣をふるうシーンなどの重圧感とスピード感は,木下昌輝ならではである. 歴史に詳しければ設定の妙などを楽しめるのだろうが, 私にはそこまでのバックグラウンドが無く, 残念である.

  • 場面、場面がころころ変わり面白く読みました。

  • 江戸幕府の時代になって戦国時代が終わり、剣技がもはや時代遅れになりつつある頃、大御所徳川家康に呪いが掛けられた。呪詛者探索を依頼された宮本武蔵は、弟子の仇を討つためにもと、大坂の陣の大坂城へと侵入する。力作ではあるが、氏の作品としては同じ宮本武蔵を扱った『敵の名は、宮本武蔵』の方が良かった。どうもこの作家当たりはずれがあるような気が。

  • 一本筋が通りながらも、様々な話が展開していく。歴史ミステリーな感じ。伏線の張り方も上手い。
    帯の通り!木下さんの最高傑作っ!!!

  • 最後まで武蔵や武人達の圧倒的な威圧感をひしひしと肌に感じました。面白かった。

  • 【宮本武蔵が「呪い」の探索に乗り出す】大御所・徳川家康に「二年後に死ぬ」呪いがかけられた。その呪いを解くには妖刀村正で呪詛者の首を刎ねなければならないが……。

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著者プロフィール

木下 昌輝(きのした・まさき):1974年奈良県生まれ。2012年「宇喜多の捨て嫁」でオール讀物新人賞を受賞、14年単行本デビュー、15年歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、咲くやこの花賞を受賞。著書に『天下一の軽口男』『つわもの』『敵の名は、宮本武蔵』『戦国十二刻 始まりのとき』『応仁悪童伝』『剣、花に殉ず』『愚道一休』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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