- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163915418
作品紹介・あらすじ
かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。
コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。
感想・レビュー・書評
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本著者が初読であったため、どういう作風なのか分からない状態で読み進めました。最初は上手く作品に入っていけない感はあったのですが、読み進めるごとに作品に引き込まれていきました。
各短編とも大きく動きのあるような作品ではなかったうえ、決して明るい話ばかりではありませんでしたが、感情の機微や情景がすごく繊細で読み終えた後にはどこか前向きになれるような気持ちにさせてくれる不思議な魅力がありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
星々がキーワードとして使われる窪美澄さんの短編集。
「銀紙色のアンタレス」だけ読んだことがあってずっと記憶に残ってて、読み直したらやっぱりこのなかでもいちばん良かった。
窪美澄さんの手による、少しずつ大人になりかけている男子が年上の女性にどうしようもなく惹かれ、ほのかな憧れを抱くような設定が好きなのかもしれない。 -
人気作家、連作短編集。星にまつわる5つのエピソード。星の明かりが主人公達の内面をも照らし出す。そして影をうつし出しもする。
エピソードのひとつ、「星の随に」はコロナの影響色濃い作品で、「これは私たちの物語だ」とも思う。主人公の父はコロナで仕事ができず、主人公の産みの母は看護師で忙しい。さらには多くの登場人物達が、コロナ禍の独特のプレッシャーを受けている。
身の丈のささやかな幸せすらも分断していく世の中/社会。そこに重ね合わされるのは、かつての戦争の逸話……。
主人公たちの心情に、図らずも寄り添ってしまう。私たちは誰かを信じ続けることが可能なのか。そんな「誰か」はどこにいるのか。そっと、自他に問いかけたくなる珠玉の作品集だった。 -
2022.6.27
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それぞれ味わいのあるはなしだった。
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5編どれもいい!
短編集。
直木賞候補作。
窪美澄さんの本は「ふがいない」から全部読んでいるが、親子の話が多く、感動してグッとくる。
読みやすくて好き。
星に癒される。
大切な人と離れてしまい心が辛い。
見上げると、星の煌めきがあり、大切な何かを思い出し、祈りたくなる。そんな5編。
ラストの継母はひどいのに、想くんは、なんという天使なのだろうか。泣ける。
②の主人公は高校生。
③の主人公は中学生。
⑤の主人公は小学生。
なので、同じ年頃の生徒も共感できると思う。
学校図書館に置きたいと思った。
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なんてことない短編だが流石に文章力が光っていて引き込まれる。
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星々にたとえた5つの短編集。
短編集なので隙間時間に気軽に読めるかなと手に取ったのですが、、ほとんどの作品で涙こぼしながら読みました。ひとつひとつ丁寧に読みたくなるおはなしたち。
「真夜中のアボカド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」「湿りの海」「星の随に」
どこかのアンソロジーで読んだことがあったのかな、「銀紙色のアンタレス」これは何回読んでも思春期の甘酸っぱい感じがとても良くて好き。
ですが、個人的に響いたのが婚活に苦しんだ身としては「真夜中のアボカド」これが最初だったから一気に持ってかれたな〜。
死んだお母さんが幽霊といういじめられてる子のお話の「真珠星スピカ」もよかった。
窪さんが描く少年少女がとても好き。
著者プロフィール
窪美澄の作品






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