進化を超える進化 サピエンスに人類を超越させた4つの秘密

  • 文藝春秋 (2022年6月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784163915531

作品紹介・あらすじ

◎元「ネイチャー」誌編集者が贈る、かつてない人類史

人間はどこから来て、どこへゆくのか?

この古くて新しい問いに答えようとする新たなる名著が誕生した。

著者はいう。
並はずれた種である人類は、いま超生命体になりつつある、と。

その超生命体=ホモ・オムニス(集合性人類)とは何者なのか? 本書は宇宙の誕生から説き起こし、人類という種がいかにして自分たちを変え、自然との関係を変えてきたかを語りつくす。

その語り口は、自然科学と人文科学が融合した、現代ならでは知見を縦横無尽に往来する、ビッグ・サイエンスにしてビッグ・ヒストリーといえる。

人間をここまで変えてきた進化、なかんずく文化の進化がいかになされたのか。著者は4つの要素がそれを推し進めたのだという。
火。
言葉。
美。
時間。

火を使うことは、人間の利用可能なエネルギーを飛躍的に増大させ、わたしたちを生物的な限界から解き放った。
言葉という情報こそが、複雑な文化的知識を正確に伝え、わたしたちを協力させることを可能にした。
美が、わたしたちの活動に意味をもたらし、共通のアイデンティティで融合させ、大規模な社会をつくりあげた。
そして時間が、世界を客観的・合理的に説明する方法の基盤となり、わたしたちの科学をここまでにした。

この4つの要素と人類の物語は新鮮な驚きに満ち、今まで気づかなかった人間観を与えてくれる。そして、生物進化を超えた文化進化の先には「超人類」の姿が見えてくる……。

2020年の英国王立協会(世界最古のもっとも権威ある学会)サイエンス・ブック賞最終候補作。科学本の垣根を超え、知的刺激を求めるあらゆる読者に贈る、待望の邦訳。

感想・レビュー・書評

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  • 人類の進化史を広範に語った書。「遺伝子」と「環境」と「文化」、「この互いに補強しあう三要素ゆえに、人間は変化する宇宙の一生物に終わらず、自らを変える力を持つ並外れた種になった」、そして「文化」の並外れた進化は、「火」、「言葉」、「美」、「時間」の4要素により推し進められた。

    学者じゃなくてサイエンス・ライターだから、浅く広くとなるのかな。力作だけどやや盛り込みすぎの感がある。内容が抽象的でちょっと読みにくかった。翻訳もあまりよくないのかな。

    ユニークなのは、「美」を取り上げているところ。「「美」は生物学的には不要だが、人間には、それを強く欲し、それに価値を見出だす性向があ」り、この性向がグローバルな交易を促進したという。確かに、貴金属や美術工芸品が珍重され、高値で取引されている(しかも金などの貴金属の価値が経済を支えている)ことをかねてから不思議に思っていた。これって人間の性なんだな。「美」を珍重する性向が交易ネットワーク構築(ひいては人類の進化発展)を促し、そこのとがこの性向を強めた、ということなのかな??

    「現像液」という言葉がやたら出てくるが、なんかしっくりこなかった。原文ではどんな単語なのだろうか?

    女性が差別されてきたことに随所で言及していて、(著者のこだわりなんだろうけど)かえって内容の客観性を損なわせている気がした。

    自分が期待していた、人類進化に関する新しい知見は、本書にはあまりなかったな。「文化がヒトを進化させた」と「ヒトは〈家畜化〉して進化した」の2冊を読んでいたからな。わざわざ時間を書けて読む必要はなかったかも。

  • 書評「進化を超える進化」 (ガイア・ヴィンス著、野中香方子訳) 人だけが手にした四つのもの|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト(2022/09/03有料会員記事)
    https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022090200700

    【書評】『進化を超える進化 サピエンスに人類を超越させた4つの秘密』ガイア・ヴィンス著、野中香方子訳 「良き祖先」となるために - 産経ニュース(2022/9/4)
    https://www.sankei.com/article/20220904-PCBWTNW225K2FASTJUKCAYKY54/

    『進化を超える進化 サピエンスに人類を超越させた4つの秘密』ガイア・ヴィンス 野中香方子 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915531

  • 面白いのだが新しい視点はなかった。
    エピソード形式で書いてあるので入りやすい。

  • レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12770827193.html

  • TRANSCENDENCE:
    How Humans Evolved through Fire, Language, Beauty and Time
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915531

  • 原題のTranscendence(超越)と邦題は、生物的な進化を超えて、周囲の環境や自分自身まで変化をもたらすまでに進化したという趣旨だろう。
    著名なネアンデルタール人以外にも多くの人類がいた中でヒトだけが生き延びたのは、ほんの偶然によるもの。数々の危機を乗り越えて超進化に至った点として、本書では①火、②言葉、③美、④時間の4つのキーワードを挙げている。。
    火と言葉はわかりやすく、よく指摘されるポイントだが、美と時間は毛色が変わっていてユニークかな。
    確かに「美」は生物的には何の有利な点はないが、豊かな文化を生み出したし、「時間」は自己や事物を客観化できることにつながったのだろう。
    本書は著者の主張に沿ったディーテールに圧倒されるが、素人目には自身の主張に沿ったものを並べたのか、そうではなく客観的なのかの判断はつかない。

  • 個人的に人類史が好きな方には、おすすめの一冊という感じ。
    人類進化の3要素「遺伝子」「環境」「文化」を進化させた4つの要素「火」「言葉」「美」「時間」の発明・発見について書かれている。
    文化は、他社から学ぶ能力とそうして得た知識を表現する能力に支えられている。

    【火】
    体内の燃焼(代謝)はゆっくり進むが、火の燃焼スピードは、速いので強いエネルギーを発散する。これにより、人間は、エネルギーの外部委託(アウトソース)が可能になった。
    また、夜でも明かりがある状態となり、活動時間も大幅に増えた、そして、エネルギーの吸収を効率した(より美味しく、衛生的に)ことにより、時間も増え、狩り以外のことにも時間を使えるようになり脳が発達した。(前頭葉の肥大化)
    他の動物はエネルギーを効率よく吸収できない(人間ほど時間が抽出できない)ので、脳が発達しなかった。
    加熱料理は、胃腸の代行業みたいなもの、それゆえ顎が小さくなり、顎の筋肉の縮小で発声が発達した。

    環境の変化は、集団の大きさ、ひいては知性(集団脳)の大きさに影響。つまり文化にも影響する。

    陶器の発明により、汁物の調理が可能、健康状態や生存率を上げた。結果的に人口増加。

    【言葉】
    火により、日照時間が増えると人類は喋るようになった。そして、物語を通して世界を理解しつつ、社会集団を形成していった。言葉ができると人間は、”噂”ができるようになる(それにより、リーダーの凄さなどを噂で認識させ、ダンバー数より多くの集団を形成することとなる。人間の行動には一貫性があるので、過去どう行動したかは、将来のどう行動するかを知るいい指針となる)。なぜなら、物語は、合意された嘘で構成されているため、この頃から人間は、嘘がつけるようになった。そして、”記録”というものが生まれ、脳の処理能力(記憶など)をアウトソースすることとなる。
    また、言葉が作られたことにより、その構造は人間が現実をどう捉えるか強く影響(のちの時間の概念に通ずる)

    【美】
    美しさの概念が、生物学的に繁殖力を上げ、集団を美しいものにしたい(美徳のイメージ)という想いが、社会規範を作った。そして、美は共感力を高め、共同体意識を向上させた
    また、装飾品もこの頃から作成され、それにより、作るための技術やその材料の探査取引を促進させた。王冠などは、遺伝子の継承のみならず、社会的文化の継承まで可能とした。装飾品の誕生により、交易も始まった。(あっちの方が綺麗だからほしいなど)それにより、狩猟から定住生活へ。そして、農業が発達し、人口が増えたが(食べたい時に食べれる。言葉の発達により「貯蔵」も可能となった)農業で有利な男性がクライとしては、上になり男尊女卑が生まれた。

    【時間】
    時間という概念の出現により、技術、階層的社会構造、言葉を作り出せた。
    生後数ヶ月の赤ちゃんは、対象の永続性を理解。3〜4歳で虚構の世界に没入して、その世界において感情を想像できる(ままごとなど)
    そして、記憶という概念も生まれた。記憶があれば文化形成、社会集団の確立も可(過去を思い出し、未来へ活かせる)
    石器の持ち運びに代表(後で使えるだろう)されるように、時間の概念が”未来予測”という概念を発達させた。

  • 「美」と「時間」が人間文化を進化させたという着眼点が本書の面白さだと思いますが、どうしてもサピエンス全史と比較してしまいますね。

    全てサピエンス全史でいう認知革命(虚構の誕生)で説明できると思いました。

  • うーん、これはなんかキレが悪い。

  • 良き祖先となるために
    資産や知識を残すことも大切かもしれないが
    文化を残すことが大切なんですね
    先住民は当たり前のように文化を残してきました

    林業をなりわいにするって改めて大切なんだと感じました
    国産材の建築を長持ちさせたい

  • なかなか面白い読み物で、想像を掻き立ててくれました。
    でも哀しいかな、当方の知識不足のせいで本書の主張にどれくらいの客観性があるのかの見当がつきませんでした。
    面白いんだけれども、本当ですか?みたいな感じがつきまとうというか。
    まぁでもこれはよろしくない発想でしょうが、文系と理系の発想が上手く組み合わさった色々なヒントが詰まった書物かなと思います、当方ごときがいうのも何ですが。
    高校生とかに読んでもらいたいです、夏休みにいかがでしょう?

  • サイエンスライターが書いてる、そんだけかな。

  • 読みやすくて面白かった

  • いったん返却。
    積読扱いとする。

  • 人間の進化の過程で大きな影響を与えた4つの要素についての考察
    火、言葉、美、時間

    1.火
    火を使って食べ物を加熱することにより、消化吸収が効率化(消化エネルギーの外部化)
    →カロリーをたくさん消費する脳を維持、拡大することができた

    火を使うことによりエネルギーをコントロールして陶器や金属加工などが可能となり文明の構築、生産性向上できた

    2.言葉
    言葉や文字によりコミュニケーションや知識の蓄積が可能となって組織化が進んだ

    3.美
    美の概念により装飾品やスパイスに価値がついて、交易が効率的に行われるようになった

    4.時間
    時間や数字を用いて現実世界を標準化することにより、認識のやりとりができるようになった。

  • 【英国王立学会サイエンス・ブック賞最終候補の傑作が邦訳】人間がこれほど並外れた種となった歴史。そこには生物進化を超えた文化進化があった。かつてない切り口で新鮮な驚きを与える人類史。

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