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著者 :
  • 文藝春秋
3.88
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本棚登録 : 263
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915623

作品紹介・あらすじ

選考会で異例の満場一致! 
第127回文學界新人賞受賞作

松井まどか、高校2年生。
うみちゃんと付き合って3か月。
体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。
――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。

優しさと気遣いの定型句に苛立ち、
肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。

★★★

文學界新人賞・全選考委員激賞!!

ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがある。――青山七恵

安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。――東浩紀

本作には紛うことなき現代を生きる人間が、そして現代がぶち当たっている壁が克明に描かれている。——金原ひとみ

世界が傷つくとみなす事項に対する、最初からの「傷ついてなさ」が、ぐっとくるのだ。――長嶋有

満場一致の受賞となり、今後の活躍を楽しみにしている。――中村文則

主人公にとって、また小説にとって、とても重要なもの、安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、小説の中に確かに存在している。――村田沙耶香

感想・レビュー・書評

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  • 第167回芥川賞候補作。

    今回の候補者は5名全てが女性なのだそうだ。
    直木賞も5名のうち女性が4名。最近の女性作家の活躍ぶりが現れている結果なのだと思うけど、男性作家も頑張ってほしい。
    まあ、確かに僕もここのところ圧倒的比率で女性作家の作品を読んでいるなあ…

    で、チョコチョコさんから芥川賞本命とご推薦いただいた本作、めちゃくちゃ面白かった。

    高校二年生の松井まどかは40キロ弱。通っている女子校では「王子様」であり、もてる。痩せ過ぎているから生理が来ていない。生理がくることがとても嫌で生理を止めるために痩せたのに、親からは拒食症の女の子と見做されてる。
    ぐりとぐらのような自分にとっての「かけがえのない他人」が存在するといいと思っているが、付き合っている同性の大学生とは、そのような関係になれそうにないー

    「N/A 」とは、《not applicapable》適用なし。該当なし。質問に対する回答がないことや、仕様書などで該当データがないこと。

    周囲はやさしくて、自分をいろいろ理解しようとしてくれるけど、なんか当てはまらないんだよなー。でも、別にそんなの関係なく存在しちゃってるし、まあいいか、と、そんな風に漂っていて、なんかいい感じだ。

    著者の年森瑛(としもりあきら)さんは、候補者で唯一顔出しされていない。1994年生まれで、公務員なんだそうだ。
    謎が多いけど、才能のある人なので、書き続けてほしいな。

    • naonaonao16gさん
      チョコチョコさん

      おお!
      ありがとうございます!!

      いつも触れた作品に感化されて熱くなってしまうんですよね笑
      そう言って頂けて嬉しいです...
      チョコチョコさん

      おお!
      ありがとうございます!!

      いつも触れた作品に感化されて熱くなってしまうんですよね笑
      そう言って頂けて嬉しいです!
      わたしもチョコチョコさんのレビューに遊びに行きますね~
      2022/06/27
    • チョコチョコさん
      naonaonao16gさん

      わあ。ありがとうございます。
      なかなか言語化するのが下手くそなので、色んな方のレビューを参考に勉強中です笑
      ...
      naonaonao16gさん

      わあ。ありがとうございます。
      なかなか言語化するのが下手くそなので、色んな方のレビューを参考に勉強中です笑


      たけさんとのやりとりもエッセイを読むかのように楽しませてもらってます(←これって良いんですかね?マナー違反ならお二方ごめんなさい)

      これからもレビュー楽しみにしております。
      2022/06/27
    • naonaonao16gさん
      チョコチョコさん

      個人的にはやりとり見ていただいて大丈夫です笑
      チョコチョコさん

      個人的にはやりとり見ていただいて大丈夫です笑
      2022/06/27
  • 食事を控えて体重40kg以下をキープする松井まどか。高校2年生。
    痩せたい願望、大人びていく身体への違和感や羞恥、といったことでは別になくて、ただただ「股から血が流れるのが嫌」という理由。
    生理がない快適さに本人は満足していて、食事制限も強迫観念を感じるほどではなさそうだけど、
    周囲の大人はまどかを「不安定で」「ケアが必要な」「拒食症の」女の子と見なし、対応マニュアルを遵守する。
    当然、まどかにはぴんとこない。そりゃそうだ。
    マニュアルが想定してる人物像と全然違うから。

    年上の女性うみちゃんと付き合ってる。
    けれどLGBTQなのかと問われると、答えに困る。
    「かけがえのない他人」になる可能性がうみちゃんにあっただけ。

    属性に名前がつくことで、孤独が癒える人はいるだろう。
    仲間と連帯し、属性外の世界に立ち向かう人たちも出てくるだろう。
    その人たちを否定したいわけじゃない。
    ただまどかにとっては、どの名前もしっくりこないのだ。
    属性によって定義されると、まどかがただのまどかではなくなる。
    矛盾や多面性や曖昧さがまるっと消えて、単純明快な存在になってしまう。
    そんなの、変。

    違和感を覚えるまどかの感覚はすごく真っ当で、貴重だと思う。

    好きな場面だらけだけど、なかでも友達2人とのLINEのグループトークが良かった。
    あの一秒一秒がカウントされてるような、そして時間と一緒に人間性も測られてるような瞬間。
    すっかり忘れてた学生時代の思い出が蘇った。あの絶体絶命な感じは独特。

  • 現代に生きる若者の生の言葉はリアル。
    併せて作者の確かな文章力で読ませます。
    独特の表現力で言語化してくれて
    やってくれてます!
    文学の持つナマモノの鮮度がここにあり、今読むべきタイミングなんだなと素直に受け入れられた。

  • 文學界新人賞受賞、芥川賞候補作、ということで期待値も高く、私も期待して読みましたが、ちょっと物足りなく感じました。
    多様性、LGBTQ、SNS、生理への嫌悪、コロナなど今問題になっていることを取り入れている。多様性を受け入れよう、認めようという言葉にも抵抗感がある。多様性って面倒くさいものなのかもしれない。何かの枠に入ると楽なこともある。しかし、枠からはみ出たいと思いながらも心地悪さを感じることもある。「属性」という言葉が何度も出てきて、本作のキーポイントなのかもしれない。消化不良。 

  • 忘れていたなあ。こんな感情とか思いとか。
    読んでいると、すごい奥底にあったいろんなものが噴出してくる気がした。
    よく言語化して、小説にきちんとできたなあと思う。

  • 「時間大丈夫?」「あっ、全然。いつまでも」

  • 【選考会で異例の満場一致! 文學界新人賞受賞作】松井まどか、高校2年生。優しさと気遣いの定型句に苛立ち、肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。

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