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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163915722
作品紹介・あらすじ
第167回芥川賞候補作にして、『「AV女優」の社会学』『体を売ったらサヨウナラ』などで知られる鈴木涼美の、衝撃的なデビュー中編。歓楽街の片隅のビルに暮らすホステスの「私」は、重い病に侵された母を引き取り看病し始める。母はシングルのまま「私」を産み育てるかたわら数冊の詩集を出すが、成功を収めることはなかった。濃厚な死の匂いの立ち込める中、「私」の脳裏をよぎるのは、少し前に自ら命を絶った女友達のことだった――「夜の街」の住人たちの圧倒的なリアリティ。そして限りなく端正な文章。新世代の日本文学が誕生した。
みんなの感想まとめ
母と娘の関係を深く掘り下げた作品で、重い病に侵された母を看病する娘の姿を通じて、複雑な感情と和解の過程が描かれています。タイトルの「ギフテッド」は、母から受け継いだ美しさや傷を含む「贈り物」としての意...
感想・レビュー・書評
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第167回芥川賞候補作品。
タイトルの「ギフテッド」は、「天賦の才能を持つ人」という最近流行りの意味で使ってはなさそうだ。
「娘にのしかかってくる母の重さ」を皮肉的にギフテッド(贈られた)と言っているのかな。
母の死を通しての「ダメな母Xダメな娘(by吉田修一さん)」の和解を描く。
和解というか許容?そこまで行かないか?
娘は母を受容するくらいまではできたのかもしれない。
いずれにしても少しだけ救いはある。
母が娘に贈ったのかもしれない最後の詩。
この詩が…
深いようなそうでないような。
意味があるようなないような。
ただ、極めて文学的だ。
本作品はこの詩にたどり着くための小説、と言えるのかもしれない。
母と娘の微妙な距離感がもやもやと心に残る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
※
芥川賞候補作
いつもながら賞と関係する小説は、
どうにも難しく複雑に感じられて
読み進めるのに骨が折れます。
ーーーーー
17歳で母親から逃れるように家を出て
歓楽街で一人暮らす主人公。
余命宣告された母親と暮らす戸惑いと、
わだかまりから到底埋めることのできない
ギクシャクとした雰囲気と深い溝。
幻覚と妄想が混在する思考に、母と友人の
死が絡まってなんとも言えない仄暗さと
行き場のない息苦しさが淡々と続く。
単純明快の対極にある難解さ。
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さすが芥川賞候補。難しいです。
作者の感性や価値観を読んでいくという感じ。
分かるような分からないような。
それが芥川賞の作品だろうから完璧に理解しようとは思いません。
美しい娘が母のように美しさを武器に生きることにならないよう
身体に傷を付けてあげるという行為をしたのか?
それをもとにギフテッドと題名したのでは。
美貌もギフトであり、母からの傷もギフトである。
そのひとつのコンプレックスが
行動を思いとどまらせてくれることがあるというのは
私自身もよく分かるので、
たしかにギフトといえばギフトだな、と。
芥川賞の作品って、考えすぎると難しくてなかなか先に進まなくて考えないで読むと訳が分からない。
Googleで解釈を調べても良いのだけど
それをすると作者に対して失礼なような。。。
とにかく難しいです。 -
遅れてきた大型新人こと、鈴木涼美さんによる小説デビュー作。
小説でもエッセイのようにあの独特の素敵な長口上があるのかと思いきや、わりに淡々とした情景描写が重ねられてゆく落ち着いた文体でした。
夜の歌舞伎町で働く娘のもとに、病に冒された母親がやってくるというストーリーで、もちろん違うのは分かっているけれど、やはりどうしても著者本人と重ねてしまうところはある。
束の間の夕暮れを愛して詩をかくような母親をもつと、娘は大変なんだろう。
死そのものよりも、もうペンを持つことさえままならず、詩をかけないうちに無抵抗に死んでしまうというのは、悲しいと思った。
──ドアがパタリとしまりますよ。
──ドアがしまるとき、かいせつは いりません
──できれば、しずかにしまるといい。 -
暗い内容なのに引き込まれてしまうのはなぜだろう。
主人公は夜酒を提供する店で働いていたが、余命わずかの母と共に過ごす時間をとるために退職。友人の自殺や失踪、自らの生い立ち、ホストとのやりとりなどが、細かい情景とともに語られる。気持ちが落ち込んでいるときは避けたい内容だが、言葉の連なりがストンと落ちてくるような表現方法は秀逸だと思う。主人公の思いがそのまま文字になって現われている。
要となるのは主人公の腕に残る火傷のあと。普通に考えれば虐待にほかならない母親の行為。しかしこれが究極の愛情だと思わせる流れに、すさまじさを感じた。
読み終えたら、もうそのまま閉じてしまいたい。そんな読後感である。 -
死に向かって弱っていく母の面倒を見ながら、自分と母とのこれまでについて振り返っていく純文学らしい文章のお話だった。過去に母からタバコの火を押し付けられてできた痕を刺青で隠していることと、死にたいといつも言っていた友達が本当に死んでしまったところが印象に残った。
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直近の芥川賞候補作。
MXテレビのバラ色ダンディに出演された作者鈴木さんを観て手に取る。元日経新聞記者であり、元AV女優でもあった方。
性風俗や水商売についての社会学的考察を纏めた文庫本や新書がすでに数冊刊行されているとのことだが、文芸作品から拝読。
未婚まま母親がひとり産み育てた女性が主人公。彼女は歓楽街に住み働く。まるで自分を諦め半分以上捨ててしまったような日常。
しがみつかない、おいかけない。
母子家庭に育った彼女と母親との社会的には許されない異様な関係性のなか、彼女は弱り切った母親の最期を看取ることを拒まない。ただし完全に受け入れているわけでもなく、感情は排されている。
単純化した毒親作品に陥りがちなところを事の善悪を排して抑制的に淡々と描ききる筆致に驚き。
また、女性が同性である風俗に身を置く女たちに対してありがちな安易な同情や憐憫を微塵も感じさせず、一定の距離を持ち続ける様もお見事。
当然侮蔑も嫌悪もない。ただただ淡々と。
読み手に委ねる勇気があるのだろうな。こう読まれたいという書き手側の姑息な意図は感じず。
死に往く母親について私ならば母親という大人への怒りと弱り切った高齢者を憎む自分への嫌悪で、自己否定しまくりなのだろうなと置き換える。読み手に一任の感覚。
鈴木さんが「普通」の世界から若干振り切っている女性たちを侮蔑の念なく、客観的に描ききる視線は作者自身の経済力と知力の豊かさがあるからだろうなと想像。
でも決して上からではないところが興味深い。
振り切っちゃってる女性ならば金原ひとみさんの方が私は好み。止めたいのに止まらない。そこにあるひりひりした感覚が癖になるのだよなあ。
偶然にも鈴木さんと金原さんの親御さんたちはアカデミアで翻訳関連の専門家らしく。言語IQが高い系統なのね。-
ごはんさん
おはようございます!
金原さんに通ずる作風や(おそらく)育った環境などの文言が、すごく気になり、コメントさせていただきました...ごはんさん
おはようございます!
金原さんに通ずる作風や(おそらく)育った環境などの文言が、すごく気になり、コメントさせていただきました!
レビュー拝見しながら、金原さんの、感情的なのに淡々とした登場人物を思い出しました。
別の作品で鈴木さん気になっていたので、こちらも要チェックですね!
素敵なレビュー、ありがとうございました^^2023/03/28 -
naonaonao16gさん
コメントありがとうございました。
「共感」とか「寄り添い」などが吹っ飛ぶ作品だと思います。
バサッとドラ...naonaonao16gさん
コメントありがとうございました。
「共感」とか「寄り添い」などが吹っ飛ぶ作品だと思います。
バサッとドライに描ける鈴木さんは金原さんとはまた雰囲気が違いますが、興味深かったです。
金原さんよりも味付けが乾いている印象でした笑。
読みながら私自身が何に怒っているのかが見えた気がします笑。
2023/03/28 -
ごはんさん
淡々と描かれているだけに、自分の価値観(怒りのポイント、何が許せないか)が浮き出てくるってことなのかな、と推察しました。
これ...ごはんさん
淡々と描かれているだけに、自分の価値観(怒りのポイント、何が許せないか)が浮き出てくるってことなのかな、と推察しました。
これたぶん、共感できる作品を描くよりずっと難しい気がします。
来月休みが多いので、単行本をわんさかゲットして家で静かに読もうかと画策中…
この作品もノミネートさせていただきます!
レビューありがとうございました!!2023/03/28
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歓楽街の片隅で暮らす、ホステスの私は、重篤な状態に陥った母を持つ。死に場所を探すような母から、私の部屋に移らせて欲しいという願いを受け入れる私。死に近づく母を見守る私は、常々「死にたい」と呟いており、少し前に自ら命を絶った一人の少女のことが脳裏によぎるー
少しずつ母の理想とは異なる成長をしていく娘に対し、口うるさく注意せず見守るのは。娘の腕に火傷を贈り、体の価値を減らしたのは。最後まで娘と共に時間を過ごしたいのは。産んでよかったと心から思うのは。
夜の世界で暮らす私の描写がリアリティ溢れる美しい文章だからこそ際立つ、母の愛情。
「わからないことを、わかっちゃダメだ」
「わかることだけを、わかりなさい」
母が残した娘に対する愛情が言葉へと姿を変え、確かに伝わる。 -
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一気読み。
何気なく手に取って読み始め、チラッとここをのぞいてみるとここでの評価が低かったのであんまり期待しないようにと自分にブレーキかけながら読んだけど、とても好みの文章だった。
命が尽きる前の淡々としたやりとりが胸にくる。
作者の経歴からもう少しあけすけなドギツイものかと身構えていたけどそんなこともなかったし、直接的な表現でないのがわかりにくいと捉えられたのかもしれないが、逆に私はそこが好きだった。
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芥川賞候補らしい作品。
しかし、なかなか親子の機微に同調できなかった。
ドアの音と動き、それらにいろいろな想いが含まれているのだろうが、難しすぎた。 -
生きる世界が違う、育った環境で人は全く別の人間として生きる。今の私を形作る物それは私自身に関わってくれた、全ての人達から与えられたギフテッド。作品に所々書かれている重い扉。その向こう側とこちら側。私は気付かぬ内に行きつ戻りつしているんだろう。
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この作家、気になる。
娘と母、そして父。
複雑な関係、複雑なコミュニケーション。
世の中にはいろいろな家族がある。 -
芥川賞候補になったやや自伝的要素も組み込んだ鈴木涼美さんの処女小説。
ギフテッドが才能があるというよりも、母親につけられた火傷によって、あるところで踏みとどまったという意味でギフトであったということを示しているとのこと。
そういう意識がなく読んでしまっていた。
身体の商品化、母と娘の関係、について拡がりがありそうな小説だが、読み手を選ぶかもしれない。 -
テーマは好きなものではないが、次作に期待。
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