オリンピックを殺す日

  • 文藝春秋 (2022年9月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163915937

作品紹介・あらすじ

五輪を潰せ!
新たなスポーツ大会「ザ・ゲーム」の計画が浮上した。
果たして黒幕は誰なのか。記者が、たどり着いた真相とは!?

五輪の意義を問う、衝撃のサスペンス!

メディアを排除し、ザ・ゲームを開催せよ!
コロナ禍にもかかわらず、強引に開催された東京五輪の最中、大学教授が、「五輪は集金・分配システムに変化し、意義を失った」という言葉を残して、日本を去った。
数年後、新聞記者がある情報を手にする。世界的企業が、新たなスポーツ大会「ザ・ゲーム」を企画している、と。
記者は、この大会を仕掛ける、謎の組織の正体を暴けるのか。

みんなの感想まとめ

五輪の意義やその背後に潜む問題を鋭く描いた作品は、現代のスポーツ界に対する深い考察を提供します。コロナ禍での東京五輪の開催がもたらした不安や、選手たちが直面するプレッシャー、さらには資金絡みの複雑な事...

感想・レビュー・書評

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  • 2020年にオリンピックが東京で開催されると決まったときは、嬉しかった。
    だが、コロナ禍で中止…?とはっきりしない期間が長くてモヤモヤしたまま、1年後に無観客での開催。
    なんだが不安定な気持ちなまま幕を閉じた感があった。
    これがオリンピックだったのか…と。
    それから後にお金絡みの問題も次々と発覚。
    それだけではなく選手たち周辺のさまざまな問題。
    察すれば、「オリンピックを殺す日」もなるほどと思ってしまう。
    「ザ・ゲーム」これもありかもしれない。

  • 小説ならではの理想の世界ですね。
    オリンピックを考えさせられます。
    全てはお金ですかね。
    プロとアマの境界線は欲しいですね。

  • オリンピックを殺す日


     堂場瞬一さんの,スポーツを取り巻く小説。

     東日スポーツの菅谷健人(すがやたける)は,世界レベルの新しい競技大会が計画されているらしいという噂を耳にする。
     それはオリンピックを揺るがす存在となるらしい。
     だが,その大会の内容を知っているアスリートや関係者たちは緘口令が敷かれているためか,皆口を噤む。
     『ザ・ゲーム』その大会の意図とは一体何なのか……。

     ◇

     アスリートの心情や立場,それにかかわるマスコミ,オリンピックのような世界大会の陰で蠢く多くのスポンサー企業など,スポーツ小説の面よりは社会派の小説だと感じました。

     オリンピックでメダルが取れなかったことを謝る選手たち,成績によってはSNSでバッシングを与える視聴者……。
     本来,スポーツの頂点を目指す大会のはずが,周りの雑音によって,アスリートたちが緊張を与えられている……。
     アスリートにストレスを与えるメディアのあり方についても,一石を投じる小説だったのではないでしょうか。

  • 「おもてなしの心」?誘致の段階からあまりにひどかった東京五輪。コロナだけではなく、巨大な利権ゲームを白日の下に…そのアンチテーゼ「選手による選手のための大会」に賛同しかけたが、よく考えたら⁇勝手にやればで終わりでは。大きくなりすぎたスポーツ大会の在り方提示にしては尻切れ蜻蛉。巻き込んだメディアの在り方も中途半端…。でも検証は必要です。

  • オリンピック、昨年日本で心配されながら無観客で開催されました。その後金銭問題が発覚し騒がれています。
    近年、オリンピックの開会式、閉会式がショー化して観ている方は楽しみでもありますが、運営する側は大変でしょうね。
    そういうオリンピックに疑問を投げかける作品でした。
    納得できる事も多かったです。

  • 開催までが長かった割にはここまで勿体ぶらなくてもいい内容だった。現代オリンピックに一石を投じているのは間違いないのでいつか誰かがこれを現実にするかもしれない。

  • 堂場瞬一だからかけるフィクション。
    確かにオリンピックは東京大会から変わってしまったとスポーツ好きな人ほど宴の後のやるせなさを感じているだろう。
    それでもサッカーやラグビーのWカップはグレーな事を持ちつつ拡大している。
    ザ・ゲームにしてもスポンサーがいるわけで、スポーツはTOPに上がれば上がるだけお金がかかるもの。
    そこをスポンサーなしにクラウドファンディングやクラブ会員などで賄えるか。そこまで賛同の輪を広げられる価値がスポーツにあるか。
    残念ながら理想は厳しい。
    私の試算ではリオオリンピックの為の税金は国民一人当たり500円。一方東京オリンピックは都民一人当たり3万円になる。

  • オリンピックは大きくなりすぎた。負けた選手が謝るのががまんできない。などなど共感するところはあるが現実的ではないかな。

  • オリンピックに限らず、スポーツ中継に感動物語は不要と思う。

  • 2023-3スポーツが大好きな作者にとって描きたかったストーリーなんだと思う。けど周りがヤキモキするばかりで肝心のアスリートと運営側の事が描かれていない。ちょっと最近モヤモヤする展開が多いけど、刑事ものもおんなじ感じ。ちょっと整理して絞った連続ものを期待します。

  • ザ・ゲームを開催する側の論理には100%賛成だが、まあ変わらないだろうね、残念ながら。で、堂場さんのスポーツ物は単純に競技自体の話が好き。こういう政治的な話が私は好きじゃない

  • 大学教授の問題発言から始まった謎を秘めた大会"ザ・ゲーム"。観客すら入れないまま、記者たちも翻弄された大変な騒動じゃないかと思います。

  • 行き過ぎた商業主義のスポーツの祭典・オリンピック大会の問題点を抉るように描き出した快心作。小説仕立てで読み易く書かれているのも好印象だが、惜しむらくはマスコミがどのように変わるべきかの著者の考える処方箋が盛り込まれておらず、中途半端な終わり方だったことか。

  • オリンピックに代わる国際試合、ザ・ゲームの開催を聞きつけたスポーツ記者の菅谷は関係者への取材を始める。
    しかし、関係者はみな詳細を話そうとはしない。彼、と言われる人物の理念に賛同し集まったと言う。ゲームは徹底してメディアを締め出し、スポンサーもつけない。オリンピックへの挑戦にも見られた。
    取材を進めると、彼の正体はかつてオリンピックを批判してメディアから干された元オリンピアの常田。
    常田は選手のための大会を理念に掲げ、選手を金儲けに利用するスポンサーの排除、取材対応の負担をなくすためのメディア排除を徹底した大会を作った。
    大会で選手たちは国やスポンサーにとらわれずあくまで個人として出場、純粋に競技を楽しむ姿がみえた

    オリンピックのあり方を問う、論評に近い小説だった。ストーリー仕立てではあったけど、一貫してオリンピック批判と、スポーツのあり方について論じている印象。
    ゲームの主催者である「彼」の正体についてもったいぶった割にはフラグどうり常田で意外性がなく残念だった。
    様々な人物に取材するシーンを描いているが取材拒否のくだりばかり、同じことの繰り返しに思えた。無駄に登場人物が増えるだけで混乱した。
    菅谷のメディアがスポーツを発展させてきたと言わんばかりの傲慢な態度をとる様子が印象的だった。スポーツ選手だけでなく、取材されること=喜ばしいこと、ではないのにメディアの傲慢さがうまく表現されていたと感じた。

  • 現代のスポーツやオリンピックの在り方、メディアの在り方について一石を投じる作品。元新聞記者である堂場瞬一ならではの作品。

  • 一気に読んだ。オリンピックは一からやり直した方がいいと思う。

  • オリンピックのようにスポンサーや国代表でなく個人として競技を行うザ ゲームというイベントの話。

    メディア側があたふたする様子が痛快

  • オリンピックと同時期、アテネで開催される
    ザ•ゲーム
    スポーツ新聞の記者が最初に気がつく
    オリンピックに出れない選手、引退間際のマワソン選手、引退したテニス選手の教え子、
    陸上部を廃部した会社社長、取材するが何もわからない。アメリカ出張でIT企業を訪問したが、何もわからない。招待状が届いたことを選手から教えてもらう。自費参加、テレビ中継なし、マスコミ対応なし。
    ザ•ゲーム参加表明する選手が出てくる
    記者はアテネへ。記者だけ目撃者として開会式スタジアムに入った。オープンゲームは引退したサッカースーパースターによる親善試合。取材した日本人が出場。1年前からスケジュールされていた。
    ネット観戦して記事を書く毎日。
    最終日マラソンのゴールを見にスタジアムへ
    主催者の彼がやってきた。元レスリング五輪選手で大学教授が言い出しっぺだった。
    引退間際の日本人ランナーが優勝。
    ザ•ゲームの二回目が開催。アスリートかマスコミ取材から解放され、笑顔で違う。
    アスリートの為の大会。

  • オリンピックの抱える問題点は既に一般的なのに、目新しい切り口は特に無く、最後まで引っ張るオチでもない。

  • オリンピックの商業主義などの問題点をえぐりつつ、スポース記者である主人公の葛藤が描かれる快作。最近オリンピックに関わる事件も報じられる中、問題提起にもなっていて、タイムリーな作品で非常に面白かった。メダルを取った選手が、その後一斉にテレビタレントのごとく画面を賑わわせるが、本人の本心はどこにあるのでしょう。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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