小説家の一日

  • 文藝春秋 (2022年10月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163916057

みんなの感想まとめ

書くことをテーマにした短編集で、様々な人々の内面や日常が描かれています。各短編は、メールやメモ、日記など、日常の一コマを切り取ったものでありながら、どこか不穏な空気を漂わせています。特に「園田さんのメ...

感想・レビュー・書評

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  • 井上荒野に関する書評/解説/選評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://onl.sc/x9ZhiX4

    『小説家の一日』井上荒野 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916057

  • メール
    メモ
    落書き
    ズッキーニのグラタン


    メモやSNS、日記など、
    書くことが共通で織り込まれている短編集
    タイトルに惹かれて手に取りましたが、
    ちょっと雰囲気違ってました
    各話なんとなく不穏なものを感じます
    「園田さんのメモ」が良かった
    図書館本

  • "書くこと"にまつわる短編集。予想通り爽やかな話は1つもないけど、余韻を残す感じが見事なんだよなぁ。短編が十作あるのですが、「凶暴な気分」がささったかな。自分がいかに恵まれているかに無自覚な人間にこれでもかってくらいお見舞いしたい気持ちわかるわぁ。

  • 不倫、イジメなど胃が重くなる話題が多い短編集。平易な文章なのにその空気感や情景を醸し出す所が、好きな作家さんの由縁。「料理指南」のやるせ無いピュアな樹さんがとても良かった。

  • 「園田さんのメモ」が好き。

  • 「書くこと」をテーマとした10編の短編集。

    「園田さんのメモ」言葉よりも文字で伝える不気味さ、でも園田さんってどこかにいるかも。でも嫌いじゃないかも(笑)

    「好好軒の犬」は、あちらにいる鬼のスピンオフ版かなと思える意味深なお話。

    贅沢な全10編でした。

  • どの短編もとても余韻が残り、不思議な感覚だった。
    どの作品も「え、これで終わり?」と思うラストなんだけれどなぜかどれも心に残る感じ。
    やっぱり上手いんだなぁと実感。

  • 久しぶりの荒野さん
    やっぱりうまいなぁと思う
    無駄がないし、不穏な感じもどこか上品な感じも手厳しい感じも健在、という感じ。

    好好軒の犬、と小説家の一日はつながっていたのね、そしてそれは荒野さんの子供の頃と現在に極々近いということが、あちらにいる鬼を読んだ人ならすぐにわかることだし、実際その二つが面白かった

    小説なのだからフィクションなはずだけど、あーそんなふうに荒野さんは暮らしてるんだな、と思ってしまった。

  • 園田さんのメモがよかった

  • メール、手紙、日記、SNS、付箋、小説
    “書く”ことにまつわる短編集

    「やばい。
    もう会いたい。
    別れてから5分経ってないね。」
    不倫関係の2人のメールのやり取りが、ゲスい。本人たちはまじめだ。ほんとにまじめ?

    父の勧めで勤めた職場ですっと渡される付箋には
    「ストッキング」
    え?と足元を見ると伝線してる。なぜ付箋?
    歓迎会の別れ際、紙片を渡される
    「お酌は不要」
    ん?

    いつもの保健室の向かいのトイレの個室に
    ある日書いた四角に
    次に行ったら木が描いてあった
    窓だ。誰かがこの四角を窓にしたんだ。次々と足されていく窓の向こう側。誰かとこの窓で繋がっている。

    娘が既婚者と付き合っている。子供ができたという。夫は娘と彼の甘さに激怒する。母の日記は当たり前だけどひとりよがりで、誰の気持ちにも気付けてない。そう、日記だからそれでいいんだけど、なんかみんないたたまれない。

    短編の中でも短めのものばかりだけど
    ひとつひとつの話にフックがあって
    すごく引き込まれる
    けど、ふっと放り出される、というか預けられる

  • ものすごく井上荒野的な感じがします。井上さんの作風を知っていてそれが好きな方には楽しめて、それ以外の方にはさほど刺さらないかもしれません。「書くこと」をテーマにした10短編集。お気に入りは『緑の象のような山々』→世紀のクソメールの応酬。『園田さんのメモ』→こんなメモは怖い。『窓』→いじめの描写が辛い。でも少し救われるようなラスト。総括:全体的にモヤ~っとした質感でオチも「え、それで...」となるものが多いがなぜか読ませます。1編が短いので隙間時間にサクッと不穏を楽しめました。

  • どの短編もモヤモヤ終わる。
    嫌な感じで話が進んで、最後にスカッとすればいいのだけれど、全然スカッともしない。モヤモヤ、イライラする。
    「窓」に関しては不快感しかなく、なんでそんな救いようのない話なんだろう。
    不倫、妊娠の話も何話かあったけど、どうしても女性側の負担が重く、男が勝手だ。

  • 10編収録の短編集。
    うち、小説家が主人公のものが4編あり、作者本人か父・井上光晴を思わせるものもある。 表題作もその1つだ。

    他の6編も含め、全体が「書くこと」をテーマにしているというのだが、それはあとからのこじつけ臭いw

    10編それぞれに異なる趣向が凝らされている。
    たとえば、「緑の象のような山々」は不倫カップルのメールのやりとりのみで進行し、地の文は一切ない。

    全体に、力の抜き加減がとてもうまい。
    書きすぎず、“ステレオタイプな盛り上がり”の一歩手前であえて「寸止め」する美学というか。

    収録作の中で、私がいちばん気に入ったのは「何ひとつ間違っていない」。
    編集者・小説家間のありふれたトラブル(「小説集を刊行する・しない」というトラブル)材を取りながらも、読ませる。ツイッターが小道具として巧みに使われているあたりも、いかにもいまどきだ

    逆に、いちばんつまらなかったのが表題作。10編中、作者本人に最も近いと思われる小説家が主人公であるせいか、小説というよりもエッセイだと思った。

  • 10作全てがハッピーエンドという訳ではなく、だからと言ってバッドエンドという訳でもなく。

    ただ、何となく感じられる不気味さや不快感。

    人間の醜い部分を匂わせるような作品だった。

    個人的には
    「窓」が一番好き。

    最後の女子生徒2人が見つめ合う描写。

    本来「同士」を見つけ、希望を感じさせる終わり方になるはずが、何故か、もっと悲しく悲壮感漂う終わり方だった。

    そこになんとも言えない怖さを感じた。

    ただ、表現方法が単調であって読みやすくはあったが星3である。

  • 10個の短編たち。作家とか編集者の登場人物が多いと思ったら、「書くこと」がテーマの短編集と知って納得。
    いじめられている女の子がトイレの壁にこっそり窓の落書きする話も、メモの付箋を渡す不穏な女性社員の話も、たしかに「書く」話だった。

    全体的に不穏な話が多くて、とても自分好みだった。
    「人生いろいろあるけど、ないよりいいよ」という台詞もよかった。

  • 他の方の感想を読んで初めて「好好軒の犬」にでてきた娘さんが
    タイトルにもなってる作品に出てきたことを知りました。
    確かにお父さん、小説家でしたね。
    書くことをテーマとしてるそうですが、だいたい不倫のお話…
    一番印象に残ったのは「名前」。
    娘がかつての自分と同じ立場になり、しかも自分はできなかったことをやりとおしてるのを見た母親。
    母親と娘の女性性みたいなのがぶつかる話。
    生々しいけど、終わり方がカラリとしてます。

  • 読者感情を儘に操る短篇十作品は何れも秀逸。日常の些細なこと、ありがちな出来事を巧みに描写。曖昧さを残したオチもいい。登場人物の台詞ひとつにしても含みを持たせ、つい深読みしてしまった。

  • 10作品の短編集で、2作品に同じ名前で海里という人物が登場しています。何か繋がりはあるのか、とか何か意味はあるのか、と珍しく2度読みしましたが特に無いような感じがしました。もしかしたら、あるのかも知れません。小説家である井上さんに意図を尋ねてみたいと思った一冊。

  • 短編集。

    井上荒野さんの小説には冷たい男が出てくる。本作の冷たい男1位は「つまらない湖」の男と決めた。
    一見、付き合いやすいし優しそうに見えるが、「今夜ぼくはあなたと寝た方がいいのかな」とサラッと問うてくるし、「どちらでも対応できる」と本心で言っているのも冷たい。しかし、私はこの冷たさが好きなのである。本心を隠してあれこれ画策する男より余程素直ではないだろうか。すぐ傍にいるのに遠い存在の男は貴重な存在だ。

    最低な男も決めたい。
    栄えある1位は、「緑の象のような山々」の男。
    妊娠した不倫相手に甘言を囁き、いざ自分が追い込まれると手のひら返したように堕胎の説得を始める。この短編は、男と女がSNSで会話しているのだが、「w」の多用がここまで不快とは思わなかった。こちらは何も面白くないのだが?これも筆者の策なのだろう。段々話が深刻になるにつれて「w」が登場しなくなるのも良い。

    全てを理解した訳ではないが、どこか空虚さと清々しさが残る読後感。

  • 「書くこと」をめぐる短編集、だけど、自らと向き合いじっくり書くというより、表面的な平和や見て見ぬふりの違和感に潰されていく中で溢れ出たという感じの切迫感とザラつきが印象的。どんどん語る男と、あれもこれも飲み込む女。溢れ出た言葉の重さは男に届くのか。

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞、2018年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞を受賞。他の作品に『もう切るわ』『ひどい感じ 父・井上光晴』『夜を着る』『リストランテ アモーレ』『あちらにいる鬼』『あたしたち、海へ』『そこにはいない男たちについて』『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』『猛獣ども』『しずかなパレード』などがある。

「2025年 『私たちが轢かなかった鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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