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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784163916545
作品紹介・あらすじ
デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。主人公は、アダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。彼女が祖母と共に暮らすのは、森の中に佇む、意匠を凝らした西洋建築の家である。まさに「聖と俗」と言える対極の世界を舞台に、「性と生」のあわいを繊細に描いた新境地。
みんなの感想まとめ
「性と生」をテーマに、ポルノ業界で化粧師として働く主人公・聖月の物語が描かれています。彼女は、個性的な女優たちの生きざまを支えながら、切磋琢磨する姿を目の当たりにします。元セクシー女優の著者が描くこの...
感想・レビュー・書評
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闘う女たちの舞台、そこは、ポルノ女優たちの生きざまを色濃く描く物語。
ポルノ業界で、プロメイクとして働く聖月。
そこでは、女優たちが、切磋琢磨と自分たちを輝かせるために生きていた。その環境で、聖月(みづき)は彼女たちにメイクを施している。
マイナスな偏見が多く見受けられる、ポルノ業界の実情が、元セクシー女優の著者だからこそ描ける物語だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芥川賞候補作になったので、読んでみた。
以前読んだギフテッドも良かった。
作者の鈴木涼美さんは東京大学大学院社会情報学修士課程修了。
すごい。
主人公のメイクの仕事をしている女性は、
聖月(みづき)。いい名前だと思う。
お仕事小説。
下ネタ的な語彙はたくさん出てくる。
けれど、内容は淡々としていて、へーなるほどと思った。面白かった。
受賞したものよりこちらの方が読みやすいし良い。
撮影中に女優が、
「ダメ」とか「ムリ」っていうのは演技だと思われてしまうので、
止めたい時は、はっきりと「カット」と言うこと。
おばあちゃんの考え方が素敵だと思った。
学校図書館は×
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はじめにおことわりしておきたいのだが、私が書いたこの感想には、ストーリーとしてのネタバレは含まれないが、印象的な表現の引用、を何点かさせて頂いている為、この書籍を未読で新鮮な驚きを経験したい方はここから先のこの感想を読むことをお控えいただきたい。
私が男性であるからかもしれないが、ポルノ的な視点、でこれまで読んでいたいくつかの小説…、村上龍先生の作品であったり、金原ひとみさんの作品であったりしたもの…、それらとは全く異なるエロチックな表現に衝撃を感じて、恥ずかしながら一気に読み終えてしまった。
作者の名前は、芥川賞候補、という事で何度か目にしてはいたのだが「かつてAV業界に身を置いた…」「東大大学院卒の…」という、穿った表現をすればある種「紋切り型」の経歴に嫌悪して、私はこれまでその作品を読まずにいた。しかしその私の偏見は間違っていたと強く認識させられた。
文体は平易で読みやすい。また、冷静で客観的な主人公の視点で描かれる日常風景、そして突然、”精液”などという語句を含む情景描写で読む者をある種「作りものではない」世間一般の人間にとっては現実的ではない世界にひきずりこんでいく展開の巧緻さ、これは私が嫌悪した作者の実体験に依るもの、それを忠実に表現する作者の才能に依るもの、が大きいのではないかと思う。
要所要所でも作者独自と思われる”化粧バンド”(ビジュアル系ミュージシャンの事であろう)とか”運動選手のための祭典”とかいったある種ひねくれた表現もあり、私はクスリとさせられた。また、”ポルノは女の現前性に強く依存する。”などという哲学的な表現もあり、その意味を興味本位ではあるが考えてみる事、その機会を与えられた事、も感動に値する。
”化粧師”という立場で、ポルノ産業に身を置き、女優も男優も、その向こうにいる多くのポルノ愛好家も、全てを客観的な視点でとらえ、冷静に表現する主人公(作者)の、くり返しにはなるが才能、極めて現実的な創作による快作であると私は思う。 -
惜しくも受賞はならなかったが、再び芥川賞にノミネートされていた鈴木涼美さんの二作目の小説。
瀟洒な洋館のような実家と、化粧師として働くAV撮影現場、「聖と俗」を行ったり来たりする感覚が新鮮だった。
言い回しがややまわりくどいところは、鈴木涼美さんぽさを感じる。
主人公・聖月の、奔放というか自由気ままな祖母と母親の存在がうらやましい。愛する娘へ、から始まるメールを英国から送ってくれたり、「嵐が来て雨が降って、それが過ぎ去った後って誰かと会いたいじゃない」と悪びれない顔で言ってくれるような存在が。 -
テーマにインパクトがあり購入したが独特な言い回しで少しわかりにくく感じる文体でした
これが芥川賞候補なのか…と
AV女優のメイクを担当する主人公の話
数分後には裸になり、身体も性も自尊心も数時間の間は放棄する彼女たちがそれでも明け渡さないものがあるのだとしたら、その片鱗に触れる私は幸福だとすら思う -
AV撮影ヘアメイクをする女性が主人公。芥川賞の候補作。
母や祖母の存在がアクセントになりながら
静かに話がすすんで行きます。 -
夜と朝とか、男と女とか、都会と田舎とか、他人と家族とか、聖と俗とか、そういったものの間(あわい)を揺蕩う姿を描いた作品だと感じた。
人ってそんなに何事も白黒はっきりさせて生きられるわけじゃない。
「自分はこっち」って、はっきり決めなくちゃいけないなんて誰が言った?
立場も生き方も考え方も、いつでもどんなふうにでも変わり得る。
タイトルのグレイスレスの「グレイ」という音がグレー(灰色)を思い起こさせて、余計にそんな印象が強く残った。
田舎の邸宅での丁寧な暮らし(風味)と都会のスタジオですぐに崩れる宿命のAV女優の化粧をする描写が行ったり来たりするのがおもしろい。
主人公の祖母が人生を謳歌していて自分もこんなふうに歳をとりたいと思った。
芥川賞は取れなかったけど、読んでよかった。 -
AV業界の話だと思ったけど、主人公の職場がそうであるというだけで、主題?にそこまで「性」の感じがしなかった。自分の働き方や家族の生き方に対して、自分はどうあるべきかと考えていた。それは、どんな人でも考えそうな事で、全く一緒の考えには決してならないものだ。主人公ははっきりと答えを出したわけではないと思うが一歩を踏み出したような気がする。劇的な何かがあったわけではないが、そういう変化もあるよなあ。
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感受性がにぶい「ブルジョワ」女性三代。孫が主人公。作者は皮肉なのか、本気なのか?私が理解できないだけか?ても、まあおもしろい、かな…
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とても芥川賞っぽいのに、スラスラ読める私には稀有な小説。
ポルノ入ってるところが、ゾクゾクさせられるから?高度な表現が、なんとなくわかったような気持ちになれるから? -
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「何かが正しくて何かが愚かに見えてもそんなものは無限に広がる世界の中で偶然転がり込んだ感覚でしかありません」
この言葉が印象的でした。
常識に固執しなくてもいいんだと思うと肩の力が抜ける気がしました。
同時にそういうのに執着しまくる自分自身に苦笑しました。 -
鈴木涼美さん2作目。
ポルノの撮影現場で、女優たちにメイクを施す化粧師が主人公。かなり露骨で生臭い描写も多数あり、受け付けない人は受け付けないだろうと思う。彼女が住むのは都心から離れたなかなかに豪壮な洋館で、玄関扉の上には十字架が飾られていた。この“聖”と“性”の対比が面白みなんだろうか。ちなみに彼女の名前にも「聖」が使われている。
うーん、ちょっとなにを感じ取ればいいのかわからなかった。
第168回芥川賞候補作。 -
グレイスレス(文學界2022年11月号)
著作者:鈴木涼美
発行者:文芸春秋
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
facecollabo home Booklog
https://facecollabo.jimdofree.com/
「AV女優」の社会学として書籍化!日本経済新聞社記者を経てフリーに 。 -
純文学として読むべきなのかエンタメ(大衆)文学として読むべきなのか迷った作品だった。私の読解力不足もあるのだが、純文学作品として読んだ場合に、私は何を受け取れば良かったのだろうと考えたが分からなかったい。一方でエンタメとして読んだ場合には、スカッとする要素が不足しているように感じる。もちろん芥川賞候補作なのだから純文学として読むべきだろう。でも私にはお仕事小説としてしか読めなかった。
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希望を抱きつつ読み進めても一向に感情移入できず読了。新奇な題材に面白さを感じたが、描く世界観から伝わるもの、心に響く何かを感じられなかったのが残念。これも読者の好みがあるので仕方ない。
著者プロフィール
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