- 本 ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163916972
作品紹介・あらすじ
圧巻の書き下ろし最新長篇
最高の人生
永遠の快楽
その、極北
十字架を背負った女が、死にゆく男と交わした奇妙な約束――。
衝撃のラスト4ページの先に、あなたは何を見るだろうか。
介護に疲れて次々と男を買う女、妹の夫との際どい週末のひととき、両親・祖父母が遺した消えない禍根、忘れ得ぬ男との別離と心に刻まれた深い傷跡。そして、死にゆく男が示した奇妙な交換条件……。
いくつもの人生が響き合い、絡み合う。そして物語は、衝撃のラストへ。
人生と世界の営みの深淵を追い続ける作家が到達した、新たな極点
感想・レビュー・書評
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主人公の旭の生きかたって、どうなんだろうか?と大胆でありながらも計算しているようで、相手のことを考えているようで、全く考えてもいない…。
ただ、二階堂さんとの関係だけは想像できないまま、終焉を迎える。
これは、二階堂さんが、正常でいる己を忘れないためと忘れて欲しくないために行ったこと。
契約を結んだ三人の女たちにしっかりと一生消せない強烈な記憶を残すことが、彼女たちのなかで自分は生き延びることに繋がるのだと。
人は、いつかは死ぬ。
どんなかたちで死を迎えるのかは、わからない。
結末は、衝撃的だった。
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あらすじから気になっていた白石一文さんの新作。
さくさく読み進められたのだけど、なかなか濃厚な人間模様で圧倒されました。
主人公の旭が、妹である麗の夫を寝取った末の修羅場シーンとか痛快だった。
"美人は自尊心の塊"。開き直った人間の持論、清々しいのでずっと聞いていたい。
そして唐突に語り手が変わるラスト4ページには、とたんに本作まるごとを飲み込んでいくかのような胸中が綴られているのだが、そこにある感覚はとてもよく分かる。
むしろ誰もが似通ったことを企みながら生きているのではないだろうか?と感じるのだが、そうでもないのかな。ここまで大掛かりでなくとも。 -
途中から読むのが嫌になり始め でも帯の言葉に最後迄 読めば 何かあるのかと我慢して読んだけど 読み終わっても 「なんだコレ」でした。
どこが焦点なのかも よくわからず 時代錯誤的な内容や 差別やセクハラ的な表現。
まともなのは 麗だけ。 -
この人の作品はいっつも何の説明もなく進んでいって、その流れの中でサラッと説明されていくのが、ある意味心地よく、そう来るか、と言ったような心持ちにさせられる。生死の前にはお金があっても何にもならないってことかね。紳士が下衆になっておしまいとは。
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タイトルの意味といい、終盤に至るまで自分が何を読んでいるのかがよくわからない状態だった。。
そんなことあるの?といういきさつがいくつもあり、どう読んでいいものやら。
わたしにはここから何を読み取るのか、難しかったかもしれない。
255冊目読了。
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だめだ。二階堂さん含めて主だった登場人物の考えまったく共感・理解出来ず。“いくら金持ちだからといって”と言う側面だけでなく、あまりに特殊な人たち。ただ「自分の記憶が消えていく時、他人に激しい痛みと共に二度と消えない鮮烈な記憶残す」それも意味があるとは思えないが。白石さん大丈夫か…。洗車マニアなんているのかなぁ?
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最近の作風とはちょっと違ってあっさり。少し前に戻ったような感じ。
〝あの女たちに一生消せない強烈な記憶を残すことができれば、俺がこの世界からきれいさっぱりいなくなっても、俺という人間の記憶は彼女たちのなかで生き延びてくれる。〟
最後、二階堂さんが旭に目隠しをしていたのが気になったけど、記憶というのは視覚と必ずしも結びつくものではないということかな。でもそれなら何度も体勢をかえてちゃんとした緊縛師に緊縛された意味は。白石先生のご趣味かしら。
相変わらず妙にディテールに拘る謎描写がたくさんでてきてすき。湿潤療法とか洗車とか……
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主人公の旭はもちろんのこと、何だかみんな身勝手だと思った。
二階堂の叶えたい願いも所詮そんなものかと残念な気持ちに。
旭は「大事な人を失ったら、身体の水分が奪われるんだよ、人間は」と言っていたけれど、旭はこれからも満たされることなく、ずっと偽物の水を求め続けるのだと思う。 -
死に方は選べる
性に奔放すぎるな。主人公にたいし共感する人は少ないかもなー。一方で老人には共感できる。
なにかの映画であったけど、「自ら死を選ぶ権利」はあってもいいと思う。この老人の方法はこの老人の人生を考えるとアリだけど、実際に受けたらイヤだなww
本題と関係のない奔放な女性の話が続く。まぁ面白かったからいいか。
【引用】
大事な人を失ったら、身体の水分が奪われるんだよ、人間は。
著者プロフィール
白石一文の作品





