神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

  • 文藝春秋 (2023年9月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784163917450

作品紹介・あらすじ

女子高生のルカは、父親が亡くなり、新興宗教「天国の木」に走った母親に養育放棄されている宗教2世だ。マコトや自身も宗教2世だった子ども食堂の主催者・アズはルカに親身に接するが、彼女が教祖の目に留まり、花嫁候補に選ばれてしまう。さらに、教団には教祖直属で荒事を請け負う部署があり、マコトたちに悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。マコトとタカシは、Gボーイズを動員し、ルカを救い教団をたたく計画を練るが……。
表題作のほか、投機目的で高騰するビンテージ・ウイスキーを狙うバイヤー、過激な推し活をする〈私生(サセン)〉、闇バイトの連続強盗団が登場。難破船さながらの日本で起きている事件を鮮やかに切り取る全4編。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な社会問題をテーマにした短編集で、特に新興宗教2世の苦悩を描く表題作が印象的です。主人公ルカは、母親に見放され、教団の花嫁候補に選ばれるという過酷な状況に置かれますが、彼女を救うために仲間たちが立...

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ19作目。短編集なのにここまで心に響かせるものを作る筆致はさすがの一言!
    今作はやはり表題が1番良かったかな。
    宗教2世問題についての話だが、行き着くところは金になるわけであって、宗教法人からもしっかり税金を取るべきだと思う!!しかもより他より多いくらいに( *`ω´)
    宗教って本来は清廉なものではないの?納税の義務がなくても私は払いますって言ってる奴なんていやしない。
    税金を払わない輩に偉そうに説法なんてされたくないよ!!!!!

  • 感想
    最近は大体巨大組織に対抗する時はネットに動画さらす作戦だな。


    あらすじ
    ヴィンテージウィスキーバブルに乗じて街のバーからウィスキーを巻き上げようとする輩の話。

    アイドルの個人情報、私生を手に入れて、アイドルを執拗に追い回すファンとそれを売るサイトの話。

    孤独な年寄りばかりを狙う強盗の話。

    新興宗教2世を救う話。Gボーイズと教団の問題画像を公開して教団を追い詰める。

  • 毎回新作を楽しみにしているシリーズ物です
    今回も現実にある話題を取り上げ
    楽しく読めました
    題材の中で
    現実で苦しんでる人もいるかと思いますが
    読んだあとに色々考える作品です

  • あいかわらず最新トピック満載。もうシリーズ19冊目。マコトのまわりの社会情勢はすっかり令和だけれど、マコトたちは全然歳を取っていないような、不思議な世界になってしまった。ちょっとズレもあるけれど、社会課題に関心をもってもらうきっかけになるかな。10代・20代の子は、IWGP知ってるのかなぁ。
    2023/11/25読了

  • 気に入っているシリーズの小説で新しい作品が出ていることに気付くと、凄くそれを手にして読みたくなる。そうした小説は「少し御無沙汰している遠方の友人達に久し振りに会う」というような感覚を抱く。
    このシリーズは「池袋の彼は御無沙汰だが、如何しているであろう?」という気分で紐解き始め、そして作品を愉しみ、頁を繰る手が停め悪くなり、素早く読了に至る。そして余韻に浸る。
    1冊の本に4つの篇を収めているという様式、主人公が書き綴るか話して聴かせているかしている内容が一人称で綴られるという文章の感じは全く「相変わらず」である。このシリーズは新作に出会う都度に「彼が還って来た!」と嬉しくなる。
    「池袋の彼」としたのは、このシリーズの主人公である「マコト」こと「真島誠」である。
    マコトは、池袋駅西口の商店街で母親が営む果物店を手伝っている。更に、時々関係することが作中に登場するが、雑誌にコラムを綴るアルバイトもしている。こういう仕事の他方、マコトは「トラブルシューター」として池袋の街では少し知られていた。友人や、何かで出会った人達の困り事の解決に向けて、義侠心や激情に駆られて動き始め、智慧や人脈を駆使しながら奔走するのである。
    池袋駅西口に、「池袋駅西口公園」という公演は実在している。別段に用も無かったが、東京へ南下した際に思い付いて池袋に出て、この「池袋駅西口公園を一寸眺めたことも在った。このシリーズの最初の頃に出た作品で、マコト達が公園を「ウエストゲートパーク」―「西口の公園」を英語に直訳している…―と呼び習わしていた。そこから『池袋ウエストゲートパーク』というシリーズ名が起こっている。
    1冊の本に4つの篇が収まっているが、大概は各篇が四季に対応している。今般は、秋(『大塚ウヰスキーバブル』)、冬(『<私生>流出』)、春(『フェイスタトゥーの男』)、夏(『神の呪われた子』)と各篇に四季が宛てられている。
    このシリーズでは多くの篇で「小説が登場した頃の“社会”の話題」が取り込まれている。今般はウイスキーの取引に異様な様子が見受けられること、著名人等の様々な情報が過剰な程度に漏洩していること、“闇バイト”というようなことで高齢者に暴力を振るうような凶悪犯罪が見受けられること、所謂「宗教2世」の問題と、最近の話題が取上げられているように思う。
    何れの作品も、非道な振舞いをする者、卑劣漢、卑怯者を懲らしめるような内容も含まれるのだが、マコトが出会う人達の様子を通じて個々人の人生や、少しオカシイ事が放置されてしまっているかもしれないというようなことを考えさせられる。
    今般の4篇では、標題作ともなっている『神の呪われた子』は考えさせられた。
    強めな雨の日に店番をしていたマコトは、パンフレットを配ろうと現れた新宗教の活動をしている母娘に出くわした。それから何日かして、その時の高校生位の娘が1人でパンフレットを通行人に配っていた様子を見掛けた。見ていれば、娘は倒れてしまったので、マコトは彼女を助けようとした。
    そんな出来事から、子ども達を支援する「子ども食堂」というような活動、子どもの虐待と親権という問題、虐待の下に在って精神が不安定になってしまって行く子ども達というようなこと等、考えさせられる話しが色々と出て来る。そして新宗教の教祖や取り巻きの異様な行動が在って、それを懲らしめるという顛末が入る。
    こんな具合なのだが、この『池袋ウエストゲートパーク』のシリーズも長くなり、細かいことをやや曖昧にして長く続けているというような感じになって来たかもしれない。
    最初の作品でマコトは19歳と明言した。そして30歳位迄は年齢を重ねたことを意識するような描写が在った。が、何時の間にかそういう描写は消えた。シリーズの最初の作品の頃に19歳とすれば、マコトは昭和生まれなのだが、何時の間にか平成生まれであるt示唆されている場面さえ在るようになった。
    結局、シリーズが続く限りは「20歳代の最後から30歳代に差し掛かるような」という様子が続けられるような感じがする。
    主に池袋やその周辺を舞台に、マコトが出逢う、そして見詰める不可解な出来事や運命、そして見守る様々な人達の人生という様子がテンポ良く活写されるこのシリーズは非常に愉しい。御薦めである。

  • 国産ウイスキーの高騰といい、宗教2世問題といい、実話なんじゃないかと疑うほどリアルなフィクション。実世界にもこういうトラブルシューターがいればいいのに。

  • 何年続いているシリーズだろうか。
    当然ですが、登場人物は歳を取らないですね。
    内容は安定したレベルですね。
    次が期待出来ますね。

  • 今回も安定して面白かった。
    今の社会問題とリンクしたストーリーが考えさせられ、登場人物も魅力的で飽きさせない話。

  • マコトとタカシはいっつも時代の最先端の事件に首を突っ込むな。しかも、みんながそういう解決をして欲しいっていうやり方で決着するから面白い。関西のおじいから見たら池袋ってアブナイイメージやけど、こんな若い友達がいるならいつか行ってみたいね。

  • IWGPシリーズ第19弾。世情を映し出した読了感ある4部作。
    時代は変わっても、変わってほしくない人間の姿や生き方というものを改めて考えさせられる。
    20年以上続くマコトやタカシの物語がこれからも長く続いてほしい。

    【大塚ウヰスキーバブル】
    ウイスキーバブルで思わぬ恩恵を受けた老バーテンダー。不憫な孫の将来を第一に考え、自身はまた明日からは普通のお酒を一杯ずつ売る生活に戻ると宣言した格好良さに敬意。

    【私生流出】
    推し活につけこみ、アイドルの個人情報を売り物にする輩。個人情報は金銭的な価値あるデータであるが、元を辿れば1人の人間を構成するそのものに他ならない。
    推しを苦しめるのはアンチよりも過激なファンなのかもしれない。

    【フェイスタトゥーの男】
    気の弱い好青年が犯罪に加担させられる悲しい物語。道を踏み外した青年を責任を持って面倒を見ると宣言したコウシ、当然のようにピンチに駆けつけるキングの義理堅さ。

    【神の呪われた子】
    元首相の暗殺事件で一気に批判が噴出した宗教2世問題。今で言う親ガチャの大ハズレを引いてしまった子供の悲惨な境遇。
    「神様を信じる自由も、信じない自由も、子供だって好きなように選べる」世界であってほしい。

  • 永遠のキングとマコちゃん。
    毎度大体展開は同じ。水戸黄門を見ているような気分になる。でも、その裏切らない予定調和がいい。
    毎回その時の時事ネタ盛り込んだスパイスと予定調和がいい塩梅なんだ。

    SNSによるアイドルの情報流出とか宗教二世とか、身近な時事ネタについてちょっと考えさせられるきっかけになるのもいいんだよなぁ

    2024.3.4
    39

  • 安定感。
    いつも通りの展開でオチは同じ。
    けどいつも読みたくなる。
    そんな本。
    はや19作目。

  • 池袋ウエストゲートパークの小説版、19作目です。

    私は、もともとドラマを見てから小説のファンになり、過去作品も全部読みました。

    放映当時のドラマの印象が強く残っているため、小説を読んでいるときも、マコトは長瀬君、キングは窪塚君の顔が浮かびます。

    ドラマ放送当時、同世代だった私は中年になってしまいましたが、小説の中の彼らはずっとそのまま。
    不思議な感じもしますが、懐かしさもあって毎回、新作を楽しみにしています。

    池袋ウエストゲートパークは、そのときどきの社会問題を扱います。

    今回で言えば、表題作の「神の呪われた子」は宗教2世を題材に書かれています。
    世間を騒がせている、あの宗教団体の実態もこんな感じだろうな……とリアルさを感じました。

    また、強盗事件が題材の「フェイスタトゥーの男」も、あの事件のことだろうな、と。

    1作目に登場したウイスキーバブルについては、正直あまり知りませんでした。
    「なぜ今、お酒の買取が多いのだろう?」とは思っていたのですが、本作を読み、そのからくりがわかりました。

    扱う事件は時事ネタですが、マコトの軽妙な語りで難しく感じないのがシリーズの特徴。

    ドラマを見ていた、かつて若者だった世代にはもちろん、Z世代の若者たちにも読んで欲しい1冊です。

  • 今の世の中、他人の痛みに鈍感な人が多くなったように感じていたのですが、それはいよいよ生活や心に余裕がなくなって、自分の周りのことしか見えない、見たくない人が増えたからかもしれない、と思いました。最近は他人を食い物にするのが一部の悪党だけじゃなくて、いわゆる一般人だったり、身近な人だったりするのが怖い。
    作中のマコトの言葉に「ほんと、おれたちの国って、どうしちまったのかなぁ。国が貧乏になるって、こういうことなのかな」というものがあって、心に刺さりました。金銭的な貧しさだけでなく、心の貧しさも深刻ですよね・・・。

    IWGPはフィクションだけど、事件が終わった後に関係者たちで労わり合う描写が私は好きです(一緒にお酒を飲んだり、かき氷を食べたり)。
    たとえ束の間の平和だとしても、達成感や幸福感、未来への希望を感じることができる終わり方には救われるので。

  • やはりどう転んでも大好きすぎるIWGPシリーズ。本当に一気に読みたくなる。でも一方で、一章、一章、大切に日々の暮らしとなぞらえて読みたくもなる。リアルタイム最先端のニュースが落とし込まれていて、この時代を一緒に生きている感がすごい。読了後、さて、マコトのお店にフルーツでも買いに行こうかな!!と心から思ってしまう。

    これからもずっとマコト一緒に生きていきたい。そうしたら毎日そこそこ楽しいし、この日本の未来も悪くはないって思える。力が湧く。

    石田衣良さん、どうかずっとずっとマコトと一緒に生きていきたいのでよろしくお願いいたします!(?)

  • 【インチキ教祖から宗教2世の少女を救い出せ!】ウイスキーバブル、過激な推し活、連続強盗団……停滞する日本で起こっているトラブルに、マコトが立ち向かう。シリーズ第19弾。

  • いつか誰かの感想で読んだが、ある程度巻数を重ねてからは水戸黄門のような勧善懲悪ストーリーで落ち着いて読めると言っていたが正にその通り。

    最初の3巻くらいまでのハラハラドキドキやキレはないかもしれないが、今の社会問題などをうまく取り入れた題材から最後は上手にマコトがまとめてくる!
    と安心して読めるようになった。

    今回も日本のどこかにこんな問題を抱えた人達かいるんだろうな。と考えながら読みました。

    相変わらずの面白さでした。

  • もうシリーズ読み始めて20年近くになるけど、ずっとかっこいいんだよなぁ

    タカシとマコト

    大好きなシリーズだ

  • 池袋を舞台に、実家の果物屋の店番でありながらトラブルシューターであるマコトの活躍を描いたシリーズ、19作目にあたる。

    いつもその当時の社会問題をモチーフにしている作品なので、今回のテーマは何かな、と思っていたら、高騰するジャパニーズウィスキーバブル、加熱しすぎる推し活、若者の貧困と闇バイト、宗教2世、というラインナップだった。

    タイトルにもなっている宗教2世のテーマは、新興宗教の教主があまりにもゲス過ぎて、話の規模がずいぶん小さくなってしまった印象がある。

    ただ、社会問題を扱いながらも社会小説ではない、というのがこのシリーズの持ち味だから、ちょうどいい落としどころなのかもな。

  • 『強いっていったいなんだろうな。
    おれはマコトより、ほんとに強いのか。
    もしマコトのほうが強いなら、アズと比べてどうなのか』
    どこかが強くて、別などこかが弱くて、
    日々勝ったり負けたりしている。
    そんな愛すべき砂粒が、人間というものなのかもしれない。

    ・ウイスキーバブル
    最初のウイスキーの話もとても良かったです。年の離れた友人っていいなあ。粋。
    お礼の仕方も素敵。良い音で流れるんだろうな。

    ・アイドルの個人情報流出。私生サセン
    ・強盗3件に巻き込まれた古着屋コウシと、
    バイトのジュンペイ
    『あそこのガキの心をやつは折った。
    どんなに力が強くとも、自分だって同じ目に遭うことがある。そいつをコオウに教えてやる。』
    かっけぇ王様!
    ・タイトル。宗教二世。
    アズの子ども食堂、もっと聞きたいなあ。
    みんな売れ残りって言いつつ『ちょっとまだ、売れるけど、そろそろアズが来るし、これも渡そう』って言ってアラとかつくねとか渡してそう。
    子どもを空腹にさせない。しびれるなあ

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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