緊立ち 警視庁捜査共助課

  • 文藝春秋 (2023年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784163917504

作品紹介・あらすじ

【指名手配犯を絶対に逃すな!】

潜伏犯がいるという「緊急立ち回り情報」(緊立ち)が発令された。「

「カメラアイ」を武器に群衆の中から手配犯を捜す警視庁刑事と、広域捜査を担当する刑事。
ビル爆発事件で怪我を負いながら、また凶悪犯の逮捕へと奔走しながら、そのうえで、離婚、介護という人生の壁を乗り越えていく女性刑事二人の物語。
ある時、強盗および殺人の手配犯がここにいる!という緊急立ち回り情報(緊立ち)が入った!

直木賞受賞作『凍える牙』など、警察小説の名手による、13年ぶりとなる警察小説が誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁刑事部捜査共助課に勤務する2人の女性を軸に指名手配犯を捜査する逮捕劇。

    「見当たり捜査班」で4人1組のチームで動く、川東小桃。
    けっして派手さはないのだが、「目元」だけで動く人の中からひとりを見つけるのは容易ではなく、集中力が必要。
    見当てたときのゾクゾク感、快感なのか武者震いなのか身体中の血液がすごいスピードで巡る感覚は、たまらないんだろう。
    待つ、ひたすら待つ、、、

    頭の中でスーパーの鮮魚コーナーで流れている
    サカナ サカナ サカナ
    サカナを食べると〜

    読みながら思わず口にしてしまう…

    「広域捜査共助係」でペアを組み動くのは佐宗燈。
    粘り強く地道な捜査で、気づかれることなく張り込みを続けるのも体力がいる。
    ペアの相手である岩清水との相性も良い。


    この2人の女性の活躍も見応えがあるが、私生活の問題もいい具合に挟んでくるので退屈せずに楽しめる。
    しかしながら、小桃の結婚生活も呆気ないほどの結末ではあるのだが、この仕事をしてると仕方ないのだろうか⁈
    もちろん仕事だけではないのだろうけど。
    燈のほうも別居生活になり、どうなるのかとこちらも気を揉んでしまう。

    いくつもの逮捕が交互にあり、プライベートも気になりながらマックスに「緊立ち!」で熱くなった。












  • 警視庁捜査共助課の2人の女性刑事、見当たり捜査班・小桃と広域捜査共助係・燈(あかり)の物語です。
    2人の女性刑事の仕事と私生活に密着といった感じです。
    2人の喜怒哀楽がとても楽しませてくれます。
    そして、お二人のパートナーとの関係性についてもリアルに表現されてて、とても面白かった。
    仕事と家庭の両立について考えさせられる物語ですね。
    乃南さんの音道貴子シリーズが大好きだったので、久しぶりに乃南さんの刑事ものに興奮しましたね。

  • 見当たり捜査班の川東小桃。
    広域捜査共助係の佐宗燈。

    ふたりの女性警察官を軸に、コロナ禍での捜査共助課を描く警察小説。

    とてもおもしろかった!

    所在不明の指名手配犯たちを発見するため、街中で立ち続ける、メモリー・アスリートの見当たり捜査班。
    わずかな手がかりを頼りに、どこに逃げたかわからない手配犯を追う、広域捜査共助係。

    どちらも、捜査一課、機動捜査隊、組織犯罪対策課や交番勤務といった、よく取り上げられる部署とは違った切り口で、新鮮。

    いつ犯人と出くわすかわからない緊張感と、わずかな手がかりからたどっていくおもしろさ。

    どの話も引き込まれた。

  • 特殊な仕事もあるものだと思いました
    話が面白く、良い気分転換になりました
    また続きが読みたいと思いました

  • 「メモリーアスリート」として犯人をキャッチする小桃と広域捜査を重ねて犯人を追う燈(あかり)。それぞれのプロフェショナルな仕事ぶりと家庭内のあれこれに興味津々となり、一気に読んでしまった。「見当たり捜査官」を扱った物語としては、職場での権力抗争に焦点をあてた相場英雄氏の「心眼」が記憶に新しいが、本作は仕事と生活の両面で悩む人々の姿が描かれ、身近な感覚である。

    人の顔の特徴を天才的な「眼」でインプットする小桃は、班の中でも抜群の成績である。一方ベテラン燈は地道で的確な捜査で実績を上げる。二人が関わる事件が交互に語られる中、それぞれの家庭での悩みについても会話形式で披露される。そんな彼女たちのトークを含めたあたたかな関係性が興味深い。会話のテンポも、まるでドラマを観ているかのように立体的。公私がバランスよく配されていることで興味が持続する。

    さてこのタイトル「緊立ち」の意味がわかるのは終盤になってからだ。緊迫感が増し、自分まで捜査に加わっているかのような錯覚を覚える。というのもその界隈は自分が度々行く博物館や資料館の最寄駅であるため、映像が頭に入ってきてしまうのだ。

    物語の背景にコロナ禍があり、今でも多数の人々が苦しんでいるはずだが、なぜか遠い昔のように思えてしまった。今後コロナ禍時代の話は賞味期限切れになってしまうかも。只中なら臨場感があっただろう。

    まだまだ続きそうなエンドである。また、映像化したら面白そう。両方に期待したい。

  • 396ページ
    1800円
    9月17日〜9月19日

    登場人物がそれぞれにキャラがはっきりしていて、混乱することなく読み進められた。犯人逮捕に至る経緯から目が離せず、おもしろかった。警察官といっても、人間で、普通の人と同じように結婚したりしてなかったり、離婚したりしなかったり、そんな当たり前のことが描かれていたんだけど、それぞれの家庭がどうなるんだろう、と興味をそそられた。それぞれの今後の話も読んでみたい。

  • 緊立ちという題名に惹かれて読んでみた。
    なかなか奥の深い内容で読み進める程に味が出て来た。
    ただ事件解決でのハプニングが進めば進むほどあるとなを良かったかも

  • 2024/1/12読了。

    二人の女性警察官が主役のストーリー。
    いわゆる凶悪犯相手ではないが、どちらも地道な捜査をコツコツとしていく。

    事件解決に至る過程も面白かったが、同性として「あるある」な話が出てきて興味深かった。
    ただあまりにリアルで、男性読者にはあまり受け入れられないのでは?と心配になったり。
    あとは私には「緊立ち」が思ったほど大きな盛り上がりにはならならず、全編、淡々と進み、そのまま終わってしまった印象だったので、そこが少し残念かも。

    ただ文章のリズムも良いし、登場人物の描き方も秀逸で、乃南アサ、やっぱり好きだなぁと改めて。

  • いろいろ刑事の話を読んできたけど、こういう仕事もあるんだと知ることができました。
    当たり前だけど、刑事も家庭があり、いろんなこと抱えてるんだなぁ。

  • 捜査共助課に属する橙と小桃の2人の女性刑事が主人公。緊立ち、と言うからには切羽詰まった動きや情報を期待したが、主人公達の私生活や思いが多く、ミステリー性が今一で退屈だった。


  • 久しぶりの乃南アサ作品。
    「音道貴子シリーズ」が好きで、久々の警察物、それも女性刑事ものということで期待して読んだ。
    だけど、音道シリーズが事件8:主人公の内面2くらいの比重だったのに比べ、この作品は事件3:女性刑事の内面7くらいの比重で、あまりにもサラッと事件が解決しすぎるし、2人の女刑事の内面重視の感じが期待外れだった。

    カメラアイを持つ見当たり捜査班の川東小桃と広域捜査共助係の佐宗燈、2人の刑事の、離婚や介護など私生活の問題をメインに据えた物語。
    燈の考え方には納得がいくし応援もしたくなるけど、小桃の自分本位で身勝手な考え方や振る舞いには全く同情もわかず、小桃目線のパートはかなりイライラしながら読んだ。

    扱う事件が多く連作短編のような作りで、事件解決の醍醐味を味わいたい人には薦められない。
    「凍える牙」〜「風の墓碑銘」のようなヒリヒリするミステリ長編をまた読みたいものです。

  • 見当たり捜査と広域捜査
    警視庁捜査共助課に属する二人の女性刑事が様々な事件と対峙しつつ
    それぞれの家庭での壁とも立ち向かう。
    二人それぞれの公私を取り混ぜてるので
    ちとテンポが掴みづらかった。

  • 指名手配犯を追う二人の女性刑事を中心に描いた警察小説。

    一人はメモリー・アスリートと呼ばれ、秀でた記憶力と鋭い観察力を武器に手配犯を探し出す。
    もう一人は細い糸を手繰り寄せながら地道に手配犯を追う広域捜査共助係。

    過程は違えども、被疑者逮捕へ向かう情熱と努力に感服する。

    犯人逮捕に至るまでの緊迫感と確保した時の解放感。
    その落差がスリリングで楽しめた。

    女性刑事達が抱える問題も織り込まれ、仕事と家庭を両立する事の難しさに溜息が漏れる。

    緊急立ち回り情報を意味する「緊立ち」。
    終盤の大捕り物は圧巻。

    読み応え十分な警察小説。

  • これは面白くてサクサク読めました。普通は事件発生で検挙するのは分かるけど、その前に本人を探し当て逮捕するなんて、本人はびっくりですね。
    こういうシステムになれば事件が早期解決しそう!続編期待!

  • 新シリーズ。面白かった。
    続くかな…?

  • 指名手配犯を追う「捜査共助課」に所属する二人の女性刑事の物語。見当たり担当の小桃と広域捜査担当の燈の捜査手法は違えども、犯人を捕らえようという志は同じです。手掛かりが見つかったときや犯人を「見当て」たとき、彼女たちと同じようにわくわくしながら読める警察小説。そして自らも危難に巻き込まれたり、あるいは家庭の問題に悩みながらも職務を全うしようとするお仕事小説でもあります。
    どちらも一見地味な仕事なのですが、しかし重要な役です。細い糸を手繰るようにしながら犯人に迫る広域捜査も、街中で指名手配犯を探す見当たり捜査も、根気がないとできない仕事。さらに見当たり捜査官って「メモリー・アスリート」と呼ぶのか……たしかにとんでもない能力だと思います。素質はもちろんだけれど、努力も相当なものですよね。
    一方で彼女たちの家庭の問題もなかなかに複雑で、仕事以上に悩ましいです。特に一見問題がなさそうな小桃の家庭の問題、これは本当に本人にしか分からないのでしょうね。一人よりも二人の方が淋しい、ってそりゃ耐えられないわ。お互いのためにも早く切り捨てて正解だったのかも。

  • 捜査共助課、広域班と見当たり班にそれぞれ所属する刑事たちのお仕事。

    雑踏で所在不明の指名手配犯たちを発見するメモリーアスリートの見当たり捜査班。
    わずかな手がかりを頼りに手配犯を全国で追う広域班。
    か、過酷・・・。
    めちゃくちゃ面白かった。やっぱ乃南さんの警察ものはじみじみとよい。

  • 警視庁捜査協助課に勤務している女性刑事の話。それぞれの仕事の内容が少し違っているが仲が良い。家庭内にそれぞれ悩みがあり事件解決にも忙しい。犯人逮捕で東奔西走する毎日は大変だ。ただもう少し犯人像に深掘りすると良かったかな?

  • 見当たりっていうのは大阪府警発祥で、かなりの成果を上げているって昔から聞いているけど、それこそ特殊能力ですよ。そのストーリーを小桃ちゃんに絞って次作を書いてほしいですね。ステレオ対応を崩して良い作品を書こうとする作者に乾杯です。

  • 超絶久しぶりの乃南アサさん
    文体が…お変わりなくて
    内容が今時で(離婚は普通、特殊詐欺等)
    最初は不思議な感覚で読みました

    女刑事達、素敵すぎる。勇気と根性と体力と武道の嗜みと敏捷性と尋常ならざる正義感と恐怖心に打ち勝つ強さがあったなら…
    警察の道、格好いいなと思った

    メモリーアスリート本当に存在するのね

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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