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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163917658
作品紹介・あらすじ
第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書
&NHKドラマ10「宙わたる教室」原作!
東京・新宿にある都立高校の定時制。
そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。
負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。
子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。
起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。
中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。
「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、
理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、
学会で発表することを目標に、
「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。
『藍を継ぐ海』で第172回直木賞を受賞した著者がおくる、
いま一番熱い最高の青春科学小説!
感想・レビュー・書評
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伊予原新さんの作品を読み終えた充足感と読書の楽しさをしっかりと味わうことができた。私にとって身近ではない科学の世界と定時制高校の物語に、興味がずっと高まり続けながら読んでいた。魅力的な登場人物にも惹かれていた。伊予原さんの専門的な知識や物語の構成、繊細な描写にずっと引き寄せられていた感覚があった。読んでいて楽しい、そんな思いがずっと続いた。
本先品は7つの章からなる物語。各章のタイトルは『夜八時の青空教室』『雲と火山のレシピ』『オポチュニティの轍』『金の卵の衝突実験』『コンピュータ室の火星』『恐竜少年の仮説』『教室は宇宙をわたる』で、章ごとに起こる出来事を経て、物語が繋がっていく。
第1章『夜八時の青空教室』の中心人物は、柳田岳人。この作品の中心人物でもある。舞台は、都立東新宿高校定時制。岳人は定時制高校の生徒。そして、もう一人の中心人物である岳人の担任である藤竹、34歳。定時制高校の授業は週5日、5時45分に一限目が始まり、9時に四限目が終わる。なので、4年間通って卒業になる。岳人は2年生で、1年生での欠席はなかった。そのような中、岳人は退学を考えていて、そのことを藤竹に話す。しかし、そこでのやりとりは、退学に向けての話にはならない。岳人のペースではなく藤竹のペースで会話が続く。そのことに違和感を感じながらも、読み進めていった。
場面は転換し、岳人の職場でのシーン。些細なことから、同僚と喧嘩をする。上司に家に帰るように言われ、帰った岳人が昔を思い出すシーンへと展開する。
話は小学校の頃に遡る。岳人は文章がうまく読めないという問題を抱えていた。また、書くことも苦手だった。このことは、ずっと岳人を苦しめることとなった。そんな苦しみを抱えながらでは、学習や進学への意欲は上がらないだろうな。岳人の思いを知った上で、藤竹は岳人に関わり続ける。そんな藤竹の存在や思いが、岳人に届くといいなと思いながら読み進めていた。岳人の文字を読めないという状態から藤竹が気づく、ある障害のこと。それを打ち明ける藤竹。複雑な状況の中でも岳人は、自分の悩みが和らぐようであった。自分でもわからない状態が苦しかった分、少しは楽になれたかな。そうだとしたらよいなと思う。
この章のラストに向かって、タイトル『夜八時の青空教室』に繋がる展開になる。それは、藤竹が授業で行う実験に関係していた。「なぜ、空は青いのか」という疑問に答える実験が始まる。その実験は、岳人の心を揺さぶる。岳人が、子供の頃に夢中で読んだ本は科学関係のものだった。その時の気持ちが呼び起こされる。純粋に夢中になったものは、心に残るものかもな。藤竹と岳人の会話が優しく伝わってくる。心地よい気持ちが広がる。
第2章『雲と火山のレシピ』の中心人物は、越川アンジェラ。東新宿高校定時制に通っていて、岳人と同じクラスに所属している。担任は藤竹。夫とフィリピン料理店を営んでいる。アンジェラが定時制高校に通っている理由は、自分の人生に関係があった。読みながら複雑な家庭環境に苦しく感じる場面もあった。親や家庭は選べないというけれど、アンジェラの生い立ちや生まれてからの人生を考えると、学校で学習することすら当たり前でない人生があるのだろうなと想像する。
そのような中でも、アンジェラに希望を与えた人の存在があったのは救いだなと思う。苦しい人生を送っている人は、どのくらいの人がその支えになる人とめぐる会えるのかな。出会いとは偶然なのだろうけれど、誰と出会うか、どう繋がるかによって、アンジェラのように前向きに生きようとする気持ちが生まれるかもしれないな。
しかし、そんなアンジェラに試練が訪れる。それは、同じく定時制に通っている池本マリが巻き込まれた出来事による。現在の高校生と同年齢のマリにも、定時制高校に通っている理由があり、将来の夢があった。それは、偶然にもアンジェラと同じ夢だった。だからこそ、アンジェラがマリのことを気にかけ、応援している気持ちが強いのも分かる。アンジェラはマリを守ろうとして、マリを傷つけた相手に暴力を振るってしまったのだろう。自分のことなら我慢できるかもしれないけれど、大切な仲間だったからなのだろうな。アンジェラの繊細で複雑な心境を想像する。この出来事もラストに向かって、藤竹や仲間によって救われていく。その過程は、どこまでも温かく心地よい。伊予原さんの繊細で丁寧な描写が心に沁みる。
藤竹が、岳人やアンジェラを誘って行った雲と火山の発生の実験のやり取りや経過が、登場人物たちの晴れやかな気持ちを想像させる。科学って面白いなと感じた。
第3章『オポチュニティの轍』の中心人物は名取佳純。保健室登校をしている。佳純に関わる人物は同じクラスの松谷真耶。保健室の先生、佐久間。佳純の数学と理科担当の藤竹。佳純は人と関わることが難しくなっていた。佐久間はそんな佳純をしっかりと受け止める。そこにはぬくもりというよりは強さや覚悟を感じる。それが、佳純にとっての居心地の良さになっている感じ。
佳純に関わろうとする真耶は、佳純にとっては関わりが難しそうな存在。摩耶は佳純を利用し、佳純はそれに恐怖を感じる。佐久間がそのことに感づいて佳純を守る。佐久間の強さがかっこいい。そこには佐久間の過去の体験が背景にあった。佐久間も辛い過去を背負って今を生きていた。だから、強いしかっこいいのだろう。
引き続き、藤竹は岳人とアンジェラと実験をしていた。今回は、火星の夕焼けを作る実験。火星にはかつてオポチュニティという探索機が存在した。その話と、佳純がしていたリストカットの話が繋がる。オポチュニティが探索してできた火星の轍と。藤竹の語りが胸を打つ。また佐久間の思いも佳純の心をつく。周りにそんな人がいたら、佳純は強くなれるのだろうな。そんな期待が広がる。岳人とアンジェラと佳純の関係も心地よい。これからどうなるのだろう。
第4章『金の卵の衝突実験』の中心人物は長嶺省造。妻は入院中で、省造が定時制高校へ通うことが難しくなるぐらい体調が悪くなっていた。省造は集団就職の時代を息抜き、町工場を経営するまでになっていた。厳しい時代を生き抜いてきた人の勉学への欲望は、計り知れないな。高校に通えなかった省造。また妻の江美子も同じ境遇だった。働き者同士が出会い結婚へと。しかし、当時の労働環境の悪い影響で江美子の肺は傷んでいた。妻も将来、高校で勉強したいと願っていた。家庭を持ち幸せな暮らしをしていると思うけれど、勉強したいという思いが強くなっていく。
省造は岳人たちとぶつかってしまう。それは、互いの背景を知らずに言葉尻や態度が気に食わなかったりするから。定時制高校のクラスでは、互いを分かり合うことは難しいだろうな。そもそも関わりも薄い感じがする。いざこざが起こるのは、互いを知らないからというのはあるな。そこのところは難しいな、どのような人間関係においても起こりうるだろうから。
そんな省造に、クラスで話をしてほしいと頼む藤竹。そこには、省造の背景を理解している藤竹の思いが込められていた。省造の話に吸い込まれ、読みながら私の胸は熱くなり、涙が溢れてきた。省造の思いや江美子の思いが真っ直ぐに伝わってくる。それを引き出す藤竹の心遣いにも痺れる。
科学部の実験は、クレーターの形成について。その実験道具の制作に省造の職人としての技術が必要だった。話が絡まっていきながら、人間関係の構築へと向かう見事な伊予原さんの構成。新たな人物が科学部に関わりをもつ展開にワクワクしてくる。
第5章『コンピュータ室の火星』の中心人物は丹羽要、同高校の全日制に通う2年生。定時制の岳人たちが使う教室を共用している。丹羽が目指していた高校は、この高校ではなかった。その挫折がずっと根深く丹羽の心根を支配している。しかも、その理由は弟や家庭にあると考えているので、出口のないトンネルを突き進んでいるかのよう。自分の考え方次第で、未来は好転するかもしれないのに、難しい状況を想像する。
そのような中、ひょんなことをきっかけに丹羽と岳人が出会うことになる。この辺りの展開がまた面白く、伊予原さんの構成を楽しむ。反発し合う中にも、互いに真剣に向き合っているもの同士が共鳴していく。目指している目標や夢があると、出会うことによってこのように相乗効果のようなものが起こることもあるだろうな。互いの境遇や目指しているものを伝え合う丹羽と岳人。そこから互いの思いの実現に向けて想いを馳せる関係になっていく。こんな形の青春の姿もいいな。そんな思いが膨らんでいく。
第6章『恐竜少年の仮説』の中心人物は藤竹先生。タイトルにもなっている恐竜少年であった頃の話が展開される。少年時代の興味や関心が土台となって、その後の藤竹の道と繋がっていた。理想的な人生とも言えるかな。
ただ、順風満帆だった藤竹の人生にも転機があった。それは大学生時代に起こっていた。自分のことではなく、一緒に学んでいた貧しい仲間の学生への理不尽さが、藤竹にとっては辛く苦しいものだった。藤竹の今の考え方やこれまでの科学部での活動の意味と繋がる。それは衝撃的だった。科学部で懸命に実験していた岳人、アンジェラ、佳純、長嶺の心中を考えると読むことが辛くなる。そんな展開に佳純が放った一言が、今活動していることの意味を自分軸で捉えていて、藤竹や仲間に響いていく。読みながら私の心にも真っ直ぐに言葉が響く。かっこいいなと思う。周りがどう捉えようが、自分の捉えがどうかによる。それを佳純の考え方や言葉が示してくれていると感じた。
この章では、部員達の関係がギクシャクして、活動が止まってしまう事態になったが、藤竹の言葉や佳純の言葉により部員達が互いの思いをわかり合っていく。また、同じ方向で歩み始める。人と人のつながりの難しさとそれを乗り越えていく強さや優しさを感じる。本心を分かり合うこと、単純なようだけれど、そこが大切なのだろうな。
第7章『教室は宇宙をわたる』の中心人物は柳田岳人。岳人達科学部は研究の成果を発表する大きな大会に臨む。書類審査を通過し、本大会でのセッションに参加するという展開にワクワクする。岳人たちだけが定時制高校としての参加であり、他校は科学部として名だたる高校ばかり。緊張の度合いは計り知れない。ただ、科学部の4人だけではなく、丹羽要やプレゼンの指導をしてくれた英語の木下先生も一緒に参加していた。そして4人の強力な支えである藤竹先生も。真剣に向き合って最後までやり遂げようとする姿はかっこいい。それを支える人の温もりも心地よい。晴れやかな展開に希望の未来を感じる。読後の爽快感が溢れる。
科学の面白さや奥深さ、それに夢中になっていく魅力的な登場人物。読むことが楽しく、読後感もとても良かった。伊予原新さんの作品の面白さを堪能できた。 -
これは熱い。どうしようもないくらい熱い。
『アルプス席の母』以来の胸熱感動にふるえた。
科学的なことはよくわからない。
ドラマも観ていないから、実験のイメージもわかない。
でも、あまりある感動があった。
科学愛と教育愛に満ちた冷徹沈着な藤竹先生。「食えん男」。
そして世代もちがう訳あり定時制科学部の四人の仲間たち。時には衝突しながら、四つの個性がさらにお互いの長所をひきだしていく。「実験室に火星を作る」という目標達成のため、試行錯誤を繰り返し、スクラムは強固になっていく。
「人間は、その気にさせられてこそ、遠くに行ける」
藤竹先生が、四人の心に火を点けた。
自分はどうだったろうか。
「人間は、自分が思うより、無限の可能性がある」と信じて、必死にやってきたけれども。
原石を磨くのは本人。でも周囲の人達がどう関わるかで原石の輝きは変わる。
もったいない原石が近くに転がっていないだろうか。
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エリエールさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
ドラマを観た友人がよかったよーと言ってたので
原作読んだんです。
ああやっぱり...エリエールさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
ドラマを観た友人がよかったよーと言ってたので
原作読んだんです。
ああやっぱりドラマいいですか。
これはオンデマンドしかないかな?
ありがとうございます。2025/07/25 -
まいけるさん。こんにちは。
また覗いてしまいましたよ(*^^*)
あの後アマプラでドラマ見ました。泣けました!とても良かったです(*^^*)...まいけるさん。こんにちは。
また覗いてしまいましたよ(*^^*)
あの後アマプラでドラマ見ました。泣けました!とても良かったです(*^^*)
映画でなくドラマだったのも良かったと思いました。NHKだったので内容もしっかりしてました。見るべきドラマです!!!!!!!2025/07/25 -
ぴこさん、コメントありがとうございます。
アマプラでもあるのですね!
これは観るしかないですねー。
ありがとうございます。ぴこさん、コメントありがとうございます。
アマプラでもあるのですね!
これは観るしかないですねー。
ありがとうございます。2025/07/25
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面白かった~。
定時制高校の科学部が舞台。
いろいろな生徒をうまく導く藤竹先生がすごい。
あとがきにはきちんとモデルがあり、これが「はやぶさ2」ともつながっている。
伊与原 新さんは神戸大学理学部を卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻とのこと。
この本が出来たのも伊予原さんならではのこと。
すごく良い作品でした。
この本は読まないと。-
いるかさん、こんにちは♪
この本、面白そうですね。
図書館の自分のページに登録しました。
予約で待っている人がいるので、しばらくか...いるかさん、こんにちは♪
この本、面白そうですね。
図書館の自分のページに登録しました。
予約で待っている人がいるので、しばらくかかりそうだけど
読みます(^^)/"2024/04/05 -
yyさん
おはようございます。
コメントありがとうございます。
この本 絶対に伊予原さんにしか書けない本だと思います。
読...yyさん
おはようございます。
コメントありがとうございます。
この本 絶対に伊予原さんにしか書けない本だと思います。
読後感もすごくよくって、しかもあとがきを読むと、、、
おすすめの一冊です。
感想楽しみにしています。。2024/04/08
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このまえ放送してたドラマ版が面白すぎたから、
応援したくて本も買った。
伊予原新さんの本を読むの初めて、
もっと泣かせようとした、ジメジメした文章なのかな?と思ったけどその反対やった。
あっさりと淡々とした描写で、細かい所でいま各人がどう思って考えてるかわかるようになってる、おさえ気味なのがおしゃれ〜。
今までドラマとか映画より、原作の方が何倍も面白いって思ってたけど、これはドラマが良すぎた。
研究部のやり取りも濃厚で、ドラマの方が仲良いやろうな思うし、丹羽くんとか麻衣の話もあるし、研究部のメンバーの細かい物語も追加されていて感情移入しやすい。
藤竹演じる窪田正孝さんが最高なのは言うまでもないし、
特に柳田を演じる小林さんがハマりすぎ。
小説ではアンジェラのことをママ呼びなのにビックリした(笑)
これドラマでもやってくれたら最高やったのに!!!
続編も動き出してるみたいなので
また同じ制作とか脚本家の人でドラマ作ってほしいなあ。 -
あー、最後、泣けたなぁ。
定時制高校の科学部のお話。
定時制だから、年齢は様々。
みんな、それぞれ理由があって今この教室にいる。
高卒の資格を取りたいということであれば、通信制の高校でもいいのに、わざわ足を運んでくるのは何故なのか?
同じ教室の中の世代間の溝、定時制と全日制の生徒の溝。それらが埋まっていく過程もグッとくるけれど、ただのいい話だけで終わっていないところがまたいい。
保健室の先生は誰が救えて誰が救えないかトリアージをしているし、科学部の顧問の藤竹も部を立ち上げる目的は実は個人的な理由があったりする。
でも、その先には生徒を思う気持ちがある。
保健室の先生も藤竹先生も、受け身でなく、自分から学ぼう、自分自身を救おうと思うことの大切さを教えてくれている。
とてもいいお話だった。大満足の一冊。-
本とコさん、こんにちは♪
本当にいい本でした(о´∀`о)
新たな環境で新たなよい関係を……
ですね♪
そして、学ぶことの本当の意味を教...本とコさん、こんにちは♪
本当にいい本でした(о´∀`о)
新たな環境で新たなよい関係を……
ですね♪
そして、学ぶことの本当の意味を教えられるお話でした。
学校が誰にとっても明るく希望にあふれた場所になるといいなぁ。2024/02/26 -
こっとんさん
コメント&フォローありがとうございます。
本当に泣ける話でした。
ドラマがどうなるか楽しみです。
いまは、ビーチボーイズ再放...こっとんさん
コメント&フォローありがとうございます。
本当に泣ける話でした。
ドラマがどうなるか楽しみです。
いまは、ビーチボーイズ再放送録画してみてます。(関係ないですね。)
この方の作品は、他のも読んだことありますか?オオルリ流星群とか月まで3キロとかありますよね。
私は初めてでしたので、よかったら教えてください。2024/10/09 -
のんさんさん、こんにちは♪
「ビーチボーイズ」いいですねー(≧∀≦)
懐かし〜(≧∇≦)
私は伊予原新さんは、「月まで三キロ」以来2冊目で...のんさんさん、こんにちは♪
「ビーチボーイズ」いいですねー(≧∀≦)
懐かし〜(≧∇≦)
私は伊予原新さんは、「月まで三キロ」以来2冊目です。短編もステキだなーと思いました。他にも“読みたい”リストには何冊か入っているので、ゆっくり読んでいきたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いしますね(*´∇`*)2024/10/09
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2024年第70回青少年読書感想文コンクール
(高校部門)課題図書
都立定時制高校を舞台に一人の教師が、科学部を創設。様々な事情を抱えた生徒達の長所を汲み取り、火星クレーター再現実験に挑む。
あとがきでも触れられていますが、実際の定時制高校の活動がモチーフとなっているようです。
年齢職業家庭に関係なく学ぶという姿勢に感動します。しかし、私はそれ以上に著者が第6章で
「夢を見させすぎない」
「研究と生活・生計」 という現実の厳しさ
ーおそらく著者も研究者として何かしら経験した
をきちんと書かれたことに感銘を受けました。
教育機関でもっと専門性を活かした授業が増えれば良いなと常々思っています。-
「いいね」ありがとうございます。
伊与原さんは完璧理系なのに文学を書ける、貴重な作家さんだと思っています。「いいね」ありがとうございます。
伊与原さんは完璧理系なのに文学を書ける、貴重な作家さんだと思っています。2025/06/25 -
たろうさん
はい、ほんとうにそうなんです。
自分の得意な分野にストーリーを持ち込めるアイデアもたくさんお持ちです
そして、この理系だったとい...たろうさん
はい、ほんとうにそうなんです。
自分の得意な分野にストーリーを持ち込めるアイデアもたくさんお持ちです
そして、この理系だったというところが、わかり易い文章文脈につながっているのかもしれません2025/06/25 -
おびのりさんへ
オイラの尊敬する一人、北野武さんも理系ですが、小説を書きます。
そして映画を数学的に編集して完成させるそうです。おびのりさんへ
オイラの尊敬する一人、北野武さんも理系ですが、小説を書きます。
そして映画を数学的に編集して完成させるそうです。2025/06/25
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伊与原新さんは初読みです
今私の中でちょっと面倒臭いなあ、出来ればやりたくないなあ、と尻込みしたくなっている事があります
でも本書は、そんな事をあと一歩だけ頑張ってみようかなあ、なんて少しだけですが前向きに思わせてくれる様な作品でした
一人の教師と、訳あって定時制高校に通う四人の生徒で活動する科学部
彼らは学会で発表することを目標に、火星のクレーターを再現する実験に挑みます
生活環境も年齢もバラバラな四人がぶつかり合いながらも、それぞれが持つ力を合わせて成長していきます
互いの関係性をあらゆる意味で濃く深くしていき、またそのことが研究成果に大きく影響していきます
作中の言葉に気に入ったものがありました
__人間はその気にさせられてこそ、遠くまで行ける__
本書では教師がその役割を務める訳ですが、その気にさせる、それは周りの人が導いてあげないと出来ない事です
長所を伸ばす、可能性を追求する、そんな環境を作ってあげる事
そしてまさに「水を得た魚」の成長振りは、見ていても物凄い勢いがありますものね
「学ぶ」と言う行為は、知りたいと思う「好奇心」から成るもので、その人の可能性を広げ自信にもつながります
色々な事に好奇心を持って学んでいる人って、いつもキラキラ輝いていて素敵です
私もそんな風に歳を重ねて行けたら良いなあと思います
科学部の四人のうち二人はじいさんとおばさんなので、青春小説とは言いませんが、新たな一歩を踏み出し、可能性を追求して諦めない、読後感の良いお話でした
今年はあと五日間仕事です
頑張ろう!!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
喝を入れました -
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
これは、今年読んだ本で、1番心に響きました。
良い本を今日という日に読み終わったことに、とても幸せを感じています。
※今日はとても良い日だったので…
ーー
自動的にはわからない。
授業をただ聞いていればわかるとか、教科書をただ読んでいればわかるというものではない。
人生こそ、自動的にはわからない。
自分の人生を、一本道のように見通せる人はいません。誰しも、いるのはいつも窓のない部屋で、目の前には扉がいくつもある。とにかくそれを一つ選んで開けてみると、またそこは小さな部屋で、扉が並んでいる。人生はその連続でしかない。
ーー
最近、自分の不甲斐なさと直面する機会が多かったから、この物語に出てくるような、かっこいい人たちに出会うだけで、涙が出てきてしまいます。いや〜、全力を尽くさないとな、、、
頑張らねば、、、
そんな思いが何度も浮かび上がりました。
面白かったな〜
いろんな境遇で育った人たちが、藤竹という先生に導かれるようにして、前に進んで行きます。
その、前に進んでいく姿に、、、
ほんと、泣けてくる(T ^ T)
心に響くフレーズも多くて、おっと、思うこともしばしばありました。
・真に価値ある問いは、しばしば無知の中に生じる。
・できないと思う前に、できると感じる。あれこれ逡巡する前に、手を動かしてやってみる。
頑張ってる人は、ほんと好きです。
誰かのためでも、自分のためでも、なんだっていいけど、前を向いている人には励まされる。
私もそうですけど、恵まれて育って、ノウノウと生きてしまっているのは、やはり、ダメですね。
もっと、爆発的に収入を増やして税金を多く払うとか、寄付をするとか、もっと、頑張っている人の支援ができるようになるとか、もっと、前に進まなければいけないです。
第三章のオポチュニティの話は引き込まれました。
「もう少しだけ前へ進もうと思ったな違いない」
いつも、小学生の時の卒業だか、卒業イベントだかの言葉を思い出すんですよね。
「まっすぐ、前を向いて歩きます」
いまだに、この言葉が毎日のように、のしかかってきます。まっすぐ前を向いて、一歩を踏み出せているのか?と、、、
頑張らないとダメですね、ほんと。
まずは、近くのひとということで、先日、親にPCをプレゼントしました。
先行き短い中で、ものすごい遅いPC使わせていたので、新しいのに変えたんですよね。
まずは、身近な人から、やれることをやらないとダメですね。
なにができるか、
どこまで進めるか、
だれかの役にたてるか、
いろいろあるけど、前を向いて、進んで行きたいと思える作品でした。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/
各登場人物視点で、各回お話が進んでいきます。
定時制に通う人たちが、様々な問題とか、葛藤と向き合いながら、科学の実験に参加するようになっていきます。その活動を通して、前を向いて、前に進んでいきます。
/_/ 主な登場人物 _/_/_/
【東新宿高校定時制】
藤竹 担任、科学同好会、35歳
①柳田岳人 ディスレクシア、2年
三浦
朴 ぱく
正司麻衣 しょうじ、キャバクラ嬢
②越川アンジェラ ママ、飲食店経営、2年
池本マリ
③名取佳純 保健室登校、1年、起立性調節障害
松谷真耶 まや、1年
佐久間 保健、先生
④長嶺省造 長老、74歳
長嶺江美子 妻、入院
【東新宿高校】
⑤丹羽要 にわかかなめ、3年
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Manideさん
こんにちは。
宙渡る教室は、私も、今年読んだ中でトップ3に入る良い本でした。
ドラマも良かったですよ。
次は、リラ読まれる...Manideさん
こんにちは。
宙渡る教室は、私も、今年読んだ中でトップ3に入る良い本でした。
ドラマも良かったですよ。
次は、リラ読まれるんですね。
こちらも来年2月からドラマやりますよ。
良かったら見てくださいね。
2024/12/25 -
のんさん、こんにちは〜
よかったですよね。この作品。
リラも読んでます。
年内最後の作品になりそうです。
生まれた環境が恵まれていなく...のんさん、こんにちは〜
よかったですよね。この作品。
リラも読んでます。
年内最後の作品になりそうです。
生まれた環境が恵まれていなくても、
そこでくじけずに頑張るって、すごいと思うんですよね。
テレビでも見ます。情報ありがとうございます。
NHKなんですね、楽しみにしておきます。2024/12/25 -
なんかみんな責められないような、優しい人が集まってました。お父さんも悪気はなかった感じです。
ドラマ期待してます。なんかみんな責められないような、優しい人が集まってました。お父さんも悪気はなかった感じです。
ドラマ期待してます。2024/12/25
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感動しました! 都立高校定時制を舞台に先生と生徒が「科学部」をつくり、そこで変化、成長する物語です。
作者の伊予原 新(いよはら・しん)さん、お上手です!
伊予原さんは地球惑星物理学の元研究者。大学院では地磁気の研究をされていたようです。
その経験と知識をそのまま物語の材料にして、たくみに組み立てられています。水も漏らさぬ感動ストーリーは、まさに横綱相撲級です!
「キムワイプ」とかの実験室小ネタも盛りだくさん。SF小説『火星の人』や、高校生の科学研究と言えばの『理系の子』も取り込んで、もう最高です!
https://booklog.jp/item/1/416790215X
でも楽しいだけじゃないんです。厳しさのある物語でした。みんなが救われ、成長するわけではありません。
それは定時制の先生がたの言葉のなかにもあらわれます。
・理科と数学の藤竹先生「自動的にはわかりません」「自分で手を動かしてください」
・保健室の佐久間先生「自分を救おうとしている人間しか手助けできない」
だれもが「教室」に残れるわけではありません。
昼間に働いている方々にとって「定時制」とはなんとハードなことかと感じます。
生徒のお一人、越川アンジェラさん(40歳代)も「教室」に残った一人です。夫とフィリピン料理店を経営されています。夜の営業と学校が丸被りです。それでも入学を決断。でも、気合だけではどうにもなりません。
学校の時間を差し引いて、何とか収まるようにと、家族の協力、そして、小さな工夫を積み重ねます。何かを始める時の覚悟、見習いたいです。
藤竹先生は「実験」と人生を結びつけています。まさに、アンジェラさんの高校生活も「実験」ですね。
生徒と先生、個々の「事情」ではじまったそれぞれの物語が「科学部」で交わったとき、「科学」ですべての「事情」を超越したかのように感じました。サイエンス・パワー!(笑)
もしも、「煩悩検出器」があったなら、「事情」を超越した刹那、煩悩計は「0(ゼロ)」となり「瞬間解脱」が実現、きっと何かが生まれたはずです。
わたしは、その瞬間の輝きに、心のなかでそっと手を合わせました。-
伊与原新さんの作品は、科学の知識と人間ドラマが本当に巧みに絡み合っていますよね。特に「科学部」という場を通して、生徒も先生も自分の限界や事情...伊与原新さんの作品は、科学の知識と人間ドラマが本当に巧みに絡み合っていますよね。特に「科学部」という場を通して、生徒も先生も自分の限界や事情と向き合いながら成長していく描写が印象的です。ところで、定時制という制約の中で、アンジェラさんのように生活と学びを両立する姿はまさに「実験」の連続だと思いますが、あなたはこの物語からどんな“生き方の工夫”やヒントを受け取ったと思いますか?2026/01/17 -
Taylorさん
コメントありがとうございます ♪
ちょうど短歌をはじめようか、
どうしようかと思っていた時期でした。
何かを始める...Taylorさん
コメントありがとうございます ♪
ちょうど短歌をはじめようか、
どうしようかと思っていた時期でした。
何かを始めるのは大変だけど、
価値あることだと、勇気をもらいましたよ (^^)/2026/01/17 -
ご返信ありがとうございます!
結果よりも、実際に「手を動かして試す」時間そのものに価値があると思います。
短歌も同じですよね。完璧に仕上...ご返信ありがとうございます!
結果よりも、実際に「手を動かして試す」時間そのものに価値があると思います。
短歌も同じですよね。完璧に仕上げることだけが目的ではなく、言葉を何度も練りながら、自分自身を少しずつ知っていく過程こそが面白いんだと思います!笑2026/01/17
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また新たな素晴らしい本との出逢いに感謝です! 感動がじんわりと広がり、心躍る一冊でした。
様々な年代、境遇や抱える事情も違う生徒が在籍する定時制高校が物語の舞台です。
章ごとに視点人物が変わり、彼らが定時制高校に通う理由や困難さが描かれていきます。読み進めるほど、登場人物全員が魅力的なキャラクターで、思わず全面応援している自分がいました。
こうした不遇な生徒たちが、一人の理科教師・藤竹と出会い、学ぶ楽しさ・仲間と協力する喜びを知り、科学部として実験に没頭しながら大会出場するまでが、生き生きと表現されています。あぁ、こんな先生がたくさんいたら‥、と思ってしまいます。
「青春科学小説」という括りを超越して、かつても今も頑張っている人、自己肯定感が低く自分で自分を諦めている人‥、万人の心に響く作品です。
何かがきっかけとなり、自らやってみたいと動き出し、自分で引いた限界ラインを超えようとする時の目が輝き‥。もう〝学びの基本〟ですね。本書には、これが全部詰まっています。
やはりそのきっかけづくりの鍵になるのが、周りの教師や親を含めた大人です。児童・生徒(仕事をする若者も)の可能性を信じ、よさを生かし主体性を引き出すことこそ、大人の責任ですね。
夜の静謐なイメージがある伊与原新さんですが、大きな熱量が伝わる渾身の一冊と感じました。
藤竹先生のもう一つの〝実験〟の仮説「どんな人間も、その気にさえなれば、必ず何かを生み出せる」も、確実に検証されたんですね。万々歳! -
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様々な理由により定時制高校に在籍する4人が、個性的な教師に導かれて、日本地球惑星連合の大会での発表に挑戦する感動の物語。第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)。事実を元にした小説と知り衝撃を受けた。「どんな人間も、その気にさえなれば、必ず何かを生み出せる。それが私の仮説です。」
友達(花ちゃん)から、NHKのドラマ10で面白いのをしていると、紹介されて原作を手に取りました。ドラマでの教師の藤竹、4人の生徒の配役が小説のイメージ通りなのに感激しました。ドラマの終了前に原作が読めて得をした気分です。-
「いいね」ありがとうございます。
珍しい理系の作者さんの小説ですね!
天文台に勤務しているオイラには、「読まねば」の作品です♪「いいね」ありがとうございます。
珍しい理系の作者さんの小説ですね!
天文台に勤務しているオイラには、「読まねば」の作品です♪2025/06/15
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東京都立東新宿高校定時制。
勤労学生が仕事のかたわら意欲的に通っていたかつての姿はない。入学してくるのは全日制には通えない何らかの事情を持った生徒ばかりだ。そこには将来を見据える前向きな生徒はほとんどいないように見える。
荒れる生徒、無気力な生徒と対するだけで精一杯の教師たち。そこに1人の風変わりな教師が着任し科学部を立ち上げたことで、変化が生じていく。
これは「教室に『火星』を作り出す」という突拍子もない実験に挑んでいく老若男女4人の定時制高校生たちの1年間を描く青春小説である。
◇
牛丼屋を出たところで柳田岳人は腕時計に目をやる。定時制では3限目の時間だが、岳人は構わずコンビニでたばこを買い、くわえたばこのまま歩道の真ん中を歩いて学校に向かった。
校門まで来ると、中からバイクの耳障りな爆音が聞こえる。ため息をついた岳人がグラウンドまで出てみると、退学したはずの三浦が朴を後ろに乗せて原付で走り回っていた。
岳人が近づくより早く、痩せた貧相な体格の男がバイクの前に歩み出た。岳人の担任の藤竹だった。
藤竹が何か言っている。三浦に対し、怯えも怒りも感じない淡々とした態度でだ。薄ら笑いを浮かべつつ食ってかかる三浦に臆することなく平然としている。
そんな藤竹を威嚇するように三浦はバイクを発進させ、藤竹のまわりをぐるぐる回り始めた。それを見た岳人が、暗がりから三浦に「おい」と声をかけたところ……。
( 第1章「夜八時の青空教室」) ※全7章。
* * * * *
教師に必要な資質。それが描かれていました。
担当教科についての十分な知識や指導力があることは当然ですが、そこに正確な観察眼と洞察力、柔軟な対応力も必要です。
短気を起こさず生徒の向上心の発芽を待てる忍耐力も必要でしょうし、トリアージの判断能力も求められるかも知れません。
藤竹という教師はそれらすべてを持っていた上に、さらに極上の資質を有していました。
それは、藤竹自身がのめり込める専門分野を持つとともに、その楽しさを生徒に伝え、同じ世界にいざなえる情熱を持ち合わせていることでした。
その象徴的なシーンが、物語の終盤にあります。
空中分解寸前となった部員を前にした藤竹が自らの経歴を語ったあと、君たちを科学部に引き込んだのは定時制高校に科学部を作り生徒に活動させることができるかという「実験」のためだった、と告白します。
すると部員の中で最も内気な佳純が実験の前提となる仮説を尋ね、それに対する藤竹の答えを聞いて言い放ちます。
「相手のことを信じてやる実験なんて、ない」と。
この指摘に藤竹は安堵と感嘆を覚えます。生徒たちを研究者の冷徹な目で見ていたわけではなく、同じ宇宙に魅せられた仲間と捉えていたことに気づかされたからでしょう。
定時制に来ざるを得ない事情。障害、学力不足、貧しさ、不登校。それらを乗り越えてでも科学部活動、ひいては学校活動に生徒たちを引き込んでいくだけの熱量を、藤竹は持っていたとわかる、感動的なシーンでした。
ディスレクシアの岳人。フィリピン育ちで読み書きが覚束ない、日比ハーフのアンジェラ。炭鉱町の貧しい家庭で育ち、中卒で働きに出るしかなかった長嶺。
学力不足の3人は、向学心がないのではなくて、向学心を阻む原因が解決されなかっただけだったのです。
そこにもう1人、ストレス障害で教室に入れなくなった佳純が加わりました。保健室登校だった佳純ですが、藤竹に対する信頼感と SF好きだったことが、佳純に保健室を出る決心をさせたのでした。
計算力と行動力に長け、優れた理解力も有する岳人。コミュ力が高く、チームを融和させる人徳を持つアンジェラ。町工場を長く営み、ものづくりの名手である長嶺。客観的に物事を捉える観察力と緻密な分析力に裏打ちされた、高い学力を持つ佳純。
この4人の適性を見抜き、さり気なくフォローしながら不安や不満を和らげ惑星科学の入口に立たせてやる。そんな藤竹の手腕はまったく見事というほかありません。
ただし藤竹から狡智に長けた嫌らしさは感じません。むしろおちゃめな印象すら受けるのです。
奇しくも科学部入部を決めた長嶺が藤竹に言ったことば、「食えんな、あんたは。妻より食えん」によく表れています。
笑顔で夫をうまくおだて仕事をする気にさせる長嶺の妻。藤竹はそれ以上だと長嶺は言ったのです。
最終章で描かれる、「日本地球惑星科学連合大会」の高校生セッションで発表する岳人と佳純やフォローする長嶺とアンジェラの姿は爽快で涙が出るほどでした。
実話を元にしている物語なので、できすぎた話との批判もないでしょう。教育の可能性について考えさせてくれる感動作でした。
不満を1つ挙げるなら、岳人が昔のワル仲間からリンチを受ける展開は避けてほしかったということです。
そこは朴という不良少年をうまく使えなかったのかと思いました。 ( もしかして、これも実際にあったできごとなのかも知れませんが……。) -
文学書評
読書レベル 初級〜中級
ボリューム 282頁
ストーリー ★★★★★★!
読みやすさ ★★★★★
ハマリ度 ★★★★★
世界観 ★★★★
知識・教養 ★★★★★
読後の余韻 ★★★★★★!
一言感想:
久々に感動して涙しました(泣
ストーリーが自分好みのど真ん中!サクサク読めるし、展開も早いし、最後までワクワク感が止まらず読み終えました。
本著者は、第172回直木賞を受賞者!とても読みやすい本なので、直木賞作家の作品を気軽に読んでみたい方にもとてもオススメです! -
定時制高校に通う人たちは年齢も幅広く、通う理由も様々で個性的。全日制よりも1年多く通わなければいけないけれどみんな高卒資格もらえるように最後まで頑張ってほしいと思いました。新任教師の藤竹がじつに上手い立ち回りをして1話ごとに科学部の仲間を増やしていきます。そして行われる実験が面白そうでついついひき込まれていきました。
金髪ピアスの柳田岳人に、フィリピン料理屋のママ越川アンジェラ、過呼吸保健室登校の名取佳純、74歳元町工場経営者の長嶺省造、全日制に通うPCオタクの丹羽要は密かに佳純ちゃんが気になってるようでイエローカードだしたくなりましたw
火星の夕焼けは青いとかオポチュニティの轍の話とかは想像を膨らませるには充分すぎて心躍りました。
藤竹の経歴が明かされ科学部を作った目的を語り出した時に鼻持ちならない感じがしたのですが、佳純の言葉に目から鱗でした。そして予想以上の成果が生まれることもしばしばで嬉しい誤算なんだと思います。
【追記】
火星探索で独りぼっち14年間も地球にフォトを送り続けたオポチュニティの話は特に感動してしまいました。最後にふり返って自分が歩いてきた軌跡のフォトを送信するとか無茶ツボでした。私も誰も歩いていない雪山でスノーシュー履いて踏み跡残すのが好きでよく振返って我ながら規則正しい踏み跡にウルウルすることがあるんです。下山するのが勿体なくってこのままずーとここにいたいなぁとか思って立止まると3分もしないうちに凍えてきてまた歩き出すんですけど、すごい雪庇を乗り超えて歩いてきた軌跡は自己満足にすぎないのですがSNSにアップしてニマニマしてます。-
しじみさんおはようございますᐕ)ノ
要にイエローカード!笑
甘酸っぱい青春でしょー(*˘˘*)♡笑しじみさんおはようございますᐕ)ノ
要にイエローカード!笑
甘酸っぱい青春でしょー(*˘˘*)♡笑2024/03/02 -
ゆーき本さんこんにちわ♪
あはは、要がコクってきたら佳純ちゃん
過呼吸で保健室行確定なんだもんww
ゆーき本さんこんにちわ♪
あはは、要がコクってきたら佳純ちゃん
過呼吸で保健室行確定なんだもんww
2024/03/02
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自分が理系の出自だったからか、生徒たちの真摯な科学に対する学びの姿勢と探究心、そしてバックグラウンドの違う仲間たちと手を取り合って目標へと進む姿に思わず涙が溢れてしまいました。
物語は定時制高校のお話で、1人の教師が定時制高校に「科学部」を作るお話。定時制高校の生徒たちは年齢も、境遇も学問に対する考え方もバラバラ。そんな生徒たちの知的好奇心を刺激し、定時制高校の生徒たちで、火星を作る「実験」を行うというもの。
なんと言いますか、学校の授業やテストの成績だけでは見ることの出来ない人間の根源的な知への渇望ってすごいなぁと。物事の本質を知ること、知ったことを試して深く理解すること、こういう本質的な学びを教えてくれるような作品だったように感じます。
何よりすごいのが、実際にあったお話に感銘を受けた作者が、それを題材に本作を書いたということですね。定時制とか全日制とか、境遇に関係なく、人は誰しも自身の知的好奇心に従い学ぶことが出来る強さを持っているというメッセージ性が感じられる素敵な作品でした。-
ネモJさんこんばんは。
理系ご出身だったのですね!感想を読ませていただき、私も読みたいなぁと思い、ついコメントしてしまいました!^_^ネモJさんこんばんは。
理系ご出身だったのですね!感想を読ませていただき、私も読みたいなぁと思い、ついコメントしてしまいました!^_^2023/10/22 -
なゆさん、こんにちは〜
コメントありがとうございます!
ぜひ読み終わりましたら、感想をお聞かせください!なゆさん、こんにちは〜
コメントありがとうございます!
ぜひ読み終わりましたら、感想をお聞かせください!2023/10/23
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良い話だった。自分がディスレクシア(文字に関する学習障害)だとは知らず、自暴自棄になっていた青年が定時制高校に入学。良い先生に巡り会い、仲間と共に、希望と自信を取り戻していく。
良い先生との出逢いは本当に大きな財産。教員が余裕を持って子供・学生と接することができるよう、教育・研究の予算を増やしてほしい。より明るい未来のために選挙に行こう! -
最初は、いろんな事情で定時制高校に通う生徒をテーマにした短編集なのかなと思っていたら、先生が科学部を立上げて、その生徒達が集まり、研究が始まるというストーリー
メンバーがそれぞれの得意な事を出しあって、一つの目標に向かって取り組むのって本当にいい!
きれいごとっぽくも見えなくもない無いけど、でもやっぱり、そんな事は無く、変化とも成長とも進化とも化学反応とも言えるような言えないような関係性が楽しそうと思った
途中、装置の説明とかイメージが辛かったところはあったけど、最後まで読み切って良かった! -
オール讀物で連載(2022.2-2022.12)されていたが、現在シリーズ2が連載中で、内容が繋がらないので忘れたのかと思っていた。もう一度読んで見ようと借りてきたら、7章中、後半の3章が書き下ろしだった。新シリーズは後半の重力可変装置の発表会を見た女の子が定時制に入学し、科学部を再興する内容。
定時制を舞台に1章毎に生徒や先生の一人一人を主人公に進めて行く。やはり全日制と違い一人一人に重い理由が潜んでいる。それでもドロップアウトすることも多いだろうが、何とか最初の学んで見たいという気持ちを貫いて欲しいと思う。
昨年、ボランティアの日本語教師の講習会に通い、終了後に実際の教育現場を見せて貰った。外国の人達が真摯に学んでいた。教える方も簡単に考えてはいけないと思わせられた。
この本の中では藤竹先生が個人的理由で定時制での科学部立ち上げを行なったと書かれている。最後は生徒達と、一つの目標に向かって一致団結した姿が描かれて胸が熱くなった。 -
定時制高校に通う生徒たちが、「火星」について科学的研究に取り組みます。その先に待つ大きな成長と感動体験にもう感涙。
matoさんのレビューから即買、一気読みでした。どこかでご覧になっていたら、ありがとうございましたと伝えたいです(^o^)
定時制高校。ヤンキー、不登校経験者、高齢になってから学び直す人、メンタルを患ってる人、夜の町で働いてる人、ルーツが外国の人などたくさんの人が一緒に勉強している。自分が経験していない世界を知ることができました。
一言で言うと、一斉授業なんて絶対無理でしょ。個人に合わせて少人数でカリキュラム組まなきゃなきゃって思いました。それならオンラインで通信制?でも、やっぱり人と関わることを選んで定時制に入学してくる。そんなことを感じました。
先生たちはすごく大変で忍耐と辛いことの連続だと思います。
例えばディスレクシア(読字障害:文字情報を読み取ることが著しく困難)の柳田くんは、教科書の文字の大きさを変えるだけでなく、読み上げ機能もほしい。電子教科書が必須です。とにかくヤンキーで、これだけ聡明な子がどこまで傷つけられたらこうなるの?って感じでした。
アンジェラさんは、そもそも日本語そのものがバリアになっている。だから、本人の努力だけでは難しく、専門の日本語指導教員がほしいところ。
佳純さんはリストカットと過呼吸に苦しんでいる。保健室で主にすごしているんだけど、少人数で彼女だけの生きづらい気持ちがわかる人とマンツーマンで学べたらいいのにな。
70才の永嶺さんは言うことなし。向学心、いくつになっても大切ですね。「Anyone who keeps learnnig stay young.」私もいつも心に持っていたいです。
幼稚園、小学校段階から早期支援を受けていればここまでは早々いかなかったのでは思う登場人物が多く悔しくなります。でも、「親ガチャ」様々な家庭環境で学校にいけなかったのでしたね。「学校にいけるだけで本当はすごいこと」と言われています。そんな世界で生きざる得ない人たちが確実に存在します。
要くん、一人だけ全日制からの参加。自分の学校をクズといって憚らない。確かに偏差値だけでものをみる風潮って根強いし品がない。でも、自分次第ってことを証明します。自分で選んだ道をこの道を選んでよかったと言える生き方が大事なんだと思います。自分の母校、やっぱり愛したいですよね。
これら登場人物が藤竹先生に誘われ、科学部を作ります。そして、研究発表の舞台に挑みます。彼ら彼女らの中には、先生になりたかった、大学にいきたいとの気持ちをもつ者もいます。
一方で「その気にさせて、期待を持たせて、本当にいいのか。」との言葉が胸に突き刺さりました。
確かに十代の若者の成長はすごい。たった数週間で、数ヵ月で人がかわったかのように伸びることはある。だけどスーパー教師の藤竹だから、藤竹マジックのもとだから成長していけてる面も大きいと思います。
一方で「その気」になってもできないときの方が人生、圧倒的に多いものではないでしょうか。
やはりそこは指導者がこの子はここまでと見立て、それ以上は本人の自主性に任せるのがいいと思いました。
「その気にさえなれば、必ず何かを生み出せる」藤竹の仮説は正しくもあり、危うさもあるのだと思います。そして、この仮説こそがこの物語の中核をなす主題でしょう。
さて、この作品が実話を元にしていることに改めて感動しました。楽しいこともあるけれどきっと苦労ばかりの中だけれど生徒たちと日々向かい合う先生がいるのだなぁと思いました。最近読んだ本の中では抜群。⭐5です。!
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ちゃたさん、こんにちは
これはいい作品ですよね。
実話がもとになっているんですね。
いいですね〜(^^)ちゃたさん、こんにちは
これはいい作品ですよね。
実話がもとになっているんですね。
いいですね〜(^^)2025/10/26 -
manideさん
はい、この作品、皆さんにおすすめですね。リアリティがあって、だから感動してしまうんてすよね。manideさん
はい、この作品、皆さんにおすすめですね。リアリティがあって、だから感動してしまうんてすよね。2025/10/26
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著者プロフィール
伊与原新の作品
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感想 :

前に進んで行こうとするお話はいいですよね(^^)
前に進んで行こうとするお話はいいですよね(^^)
どの章も前を向いて、希望の未来が見える作品でした。こんな読後感のある作品は心もあたたまりますね。
どの章も前を向いて、希望の未来が見える作品でした。こんな読後感のある作品は心もあたたまりますね。
「いいね」ありがとうございます。
伊与原さんのオイラが読みたい作品だけが、なぜかこの辺りの図書館にない!
「いいね」ありがとうございます。
伊与原さんのオイラが読みたい作品だけが、なぜかこの辺りの図書館にない!