俺たちの箱根駅伝 下

  • 文藝春秋 (2024年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784163917733

作品紹介・あらすじ

2026年秋、ドラマ化決定! 主演・大泉洋

池井戸潤の最新長編の舞台は、
「東京箱根間往復大学駅伝競走」――通称・箱根駅伝。
青春をかけた挑戦、意地と意地のぶつかり合いが始まる。

ついに迎えた1月2日、箱根駅伝本選。
中継を担う大日テレビのスタッフは総勢千人。
東京~箱根間217.1kmを伝えるべく奔走する彼らの中枢にあって、
プロデューサー・徳重はいままさに、選択を迫られていた――。
テレビマンの矜持(きょうじ)を、「箱根」中継のスピリットを、徳重は守り切れるのか?

一方、明誠学院大学陸上競技部の青葉隼斗。
新監督の甲斐が掲げた「突拍子もない目標」の行方やいかに。
そして、煌(きら)めくようなスター選手たちを前に、彼らが選んだ戦い方とは。
全てを背負い、隼斗は走る。

みんなの感想まとめ

青春と挑戦が交錯する物語は、箱根駅伝を舞台に、選手たちの熱い想いとそれを支える人々のドラマを描いています。読者は、フィクションとノンフィクションの絶妙なバランスを楽しみながら、選手や監督、さらにはテレ...

感想・レビュー・書評

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  • 下巻は第2部『東京箱根間往復大学駅伝競走』。主な登場人物は上巻から引き続き。構成は11章からなる。箱根駅伝10区間とどのように構成が重なるのだろうか、楽しみ。

    第1章『大手町スタートライン』。スタートラインに立つ緊張感と、1区のランナーならではの心境が伝わってくる。面白いなと感じたのは、テレビ局スタッフや解説者たちのやりとり。テレビ放送では見えない部分の想像が膨らむ。人が関わる仕事では、その人間関係が大きく影響する。それは、どの仕事でも起こりうることだろうな。みんなが同じ考えではないから。テレビ局の中心人物は、チーフ•プロデューサーの徳重亮とチーフ•ディレクターの宮本菜月。チームスタッフは1000人。私が知らない世界であることも重なり、とりまとめる苦労にイメージが追いつかない感覚がある。

    優勝候補の大学は、青山学院、東西、関東の3校。実在する大学も含まれていて、リアルと想像が混在する作品世界の面白さを感じる。

    上巻から続いて、物語の中心となる大学チームは関東学生連合。1区は諫山天馬、所属大学は品川工業大学。率いる監督は甲斐真人。甲斐の指導はどのような結果を生み出すのか、その顛末も楽しみになる。そんな甲斐のことを面白くないと思っているのは、東西大学の平野監督。かつての関係も加わって、平野監督にとっては相容れない感情が表に出ている。反対に甲斐は冷静。そこが対照的で面白い。平野が熱くなればなるほど甲斐は冷静になっている。達観している感じで、かっこいい。

    天馬のレースは苦しいものが伝わってくるが、走っている最中に浮かぶのは家族のこと。支えてくれて応援してくれて、箱根で走ることを楽しみにしてくれている父親のこと。そんなものを背負って走っている天馬。この章の最後は感動的なシーン、そこでは順位やタイムは明らかにならない。このあたりは池井戸さんの表現なのだろうな。楽しみになる。

    第2章『立ちはだかる壁』。この章の冒頭で1区の順位が明らかになる。私の想像とは違ったが、そこも含めてこの先の展開が楽しみになる。こうした構成に池井戸さんの作品の面白さがあると思う。

    2区は村井大地、東邦経済大学3年生。2区は箱根駅伝のエース区間と呼ばれている。各大学のエースが競い合う。その様子が伝わってくるような表現が続く。今まさにレースが行われているかのよう。大地の前を行く東西大学は、同学年の青木が走っている。同学年がゆえに、大地にはこれまでの陸上大会の結果から負けたくない気持ちと、勝てないという気持ちが交錯しているよう。何度戦っても勝てない相手がいたら、どんな気持ちで臨むことができるのだろう。難しい心境が窺える。それでも、駅伝となると個人の戦いを超えたものがあるから、ペース配分も難しいだろうな。無理をしすぎるとペースダウンにつながるだろうし、無理をしないと自己ベストは出ないだろうし。戸塚の中継所へ向かう描写は、大地の力走が伝わってくる。

    大地から襷を受け取った3区は富岡周人、目黒教育大学4年生。周人が目指していた大学は東西大学。それは父が進んだ道で、父への憧れもあったからだった。近づきたいのに敵わない存在が父だったら、それは苦しいだろうな。しかも、父からの諦めの言葉をかけられたら、耐えきれくもなるだろう。それでも周人は箱根を走るところまで努力した。そこに凄さを感じる。父とは違う道、理想の道とは違う道、それでも夢を諦めずに努力した周人が箱根を走っている。その姿を想像すると込み上げてくるものがある。次の走者、内藤星也に襷が渡る。

    第3章『人間機関車』。星也は関東文化大学2年生。スタート前から体の異常を感じていた星也。星也の走りを見て異変に気づく甲斐監督。その上、空からは雨が。過酷な状況が伝わってくる4区。星也は後続に抜かれ順位を下げていく。苦しい展開が続く。それでも、襷をつなぐことが走る力になる。それが箱根駅伝なのだろうな。

    第4章『点と線』。5区は箱根駅伝の勝負を分けると言われている山登り。往路のゴールである箱根を目指す。粉雪が降る過酷な状況が、白熱したレースの描写が想像世界を広げていく。関東学生連合チームの第5区は倉科弾。快走で順位を上げていく。実況中継の描写も興奮を掻き立てる感じ。給水ポイントで給水役を担った、弾の大学のキャプテン。弾にかける言葉が胸を打つ。自身は叶わなかった箱根駅伝の舞台を後輩の弾が走っている。複雑な心境の中で、魂の言葉が響く。美しいなと思う。弾の快走は、関東学生連合チーム全体に勇気を与えるものとなった。心地よい読後感。復路の激走が楽しみ。

    第5章『ハーフタイム』。往路を終えた後のテレビ等の監督インタビューや監督同士のやりとりの場面。1位は平川監督率いる東西大学。5区のランナーが区間1位となり逆転した。しかし、表情は冴えない。その原因は関東学生連合チームの躍進にあった。平川監督は甲斐監督の学生時代からのライバルであり、甲斐監督が急遽監督として関東学生連合チームを率いて箱根駅伝に参加していることが面白くなかったのだ。全くの個人的感情。そのような感情に囚われていると、冷静な判断はできなくなるだろうな。それを、甲斐監督は冷静に見抜いているようにも感じる。いずれにしても復路の展開が楽しみでたまらない。いよいよ決戦の復路へ。

    第6章『天国と地獄』。6区のランナーは猪又丈。6番目にスタートする。箱根の山下りを順調に飛ばす丈。しかし、雪がちらつく難しいコンディションの中での走りとなった。それでも、快調に飛ばし順位を上げていく丈。ところが、思わぬアクシデントにより転倒してしまう。読みながらハッとなるほどの衝撃を受ける。大丈夫ではなさそうな状態で走る丈。その様子を見事に伝えるメインアナウンサーの辛島。その実況は映像が浮かんでくるほどに、私の心を熱くする。涙がこぼれそうになる。読みながら、頑張れと祈る。順位を下げながらも、なんとか襷をつなぐ丈。心の底からよかったと思う。

    第7章『才能と尺度』。7区のランナーは佐和田晴。当日のエントリー変更で晴が抜擢された。そこには、甲斐監督の選手を見定める独特の眼力があった。その期待に応える晴の激走が描かれる。雨の中の飛沫が感じられるほどに。晴のここまでの道程は、平坦ではなかった。ただ、粘り強く自分を信じて、自分の特徴を活かすために努力を積み重ねていた。愚直に。そんなエピソードが胸を打つ。応援したくなる。晴の激走はチームの順位をさらに上げていく。ゴールに向かって、さらに私の期待が高まる。

    第8章『ギフト』。8区のランナーは乃木圭介。京成大学1年生。京成大学は予選会で敗れて、本大会出場は叶わなかった。その中で、圭介は関東学生連合チームに選出され、8区を走っている。現在5番目という順位。関東学生連合チームはオープン参加のため、正式な順位や記録には載らない。しかし、走っている選手たちの気持ちは、そんなことは関係なく、ただ自分たちのためにチームのために、そして出場が叶わなかった多くの大学の同じ志を持つ選手たちのために走っていた。とても明確で単純で、だからこその走りのように私の想像世界が広がる。上位校の選手たちは名だたる有名な選手たち。その選手に気後れしない堂々とした走りを見せる圭介。邪心はなくただひたすらに走っている感じが爽快。スピードも感じる池井戸さんの描写に魅了される。そして、最高の結果が圭介にもたらされる。それは、この後を走る2人にも引き継がれるだろう、そんな思いが私に広がり、圭介の走りにただ感動した。

    第9章『雑草の誉れ』。9区のランナーは松木浩太。青山学院に次いで2番目で襷を受け取った。この9区は全区間で最長距離であり、各校が力のある選手を送り出している。浩太のプレッシャーはいかほどだろう。初めての箱根駅伝であり、4年生の浩太にとっては最後の箱根駅伝。このために大学に進学し、練習を積み重ねてきた。喜びの大きさは計り知れない。だが、素直に喜べない状況が浩太にはあった。所属する大学の北野監督との確執、浩太の実家で祖父の代から継がれてきた飲食店の閉店。どちらも、浩太の心に暗いものを広げていた。走ることに専念したいだろうけれど、心に抱えたものは個人によってさまざまだ。メンタルがいかに大切かを考える。その胸のうちを図るように、甲斐監督が浩太に声をかける。心の暗雲が消えて光が差し込むように。さらに感動場面が訪れる。給水ポイントで、給水係として浩太に駆け寄ってきたのは北野監督。浩太の驚きがわかる。私も予想外の展開に胸が高鳴る。北野監督の厳しくも温かい檄が浩太に響く。私の心にも。目頭が熱くなる。心が軽くなると走りも変わるのだろう、そんなことを想像しながら浩太の走りを楽しむ。いよいよアンカーの隼斗へ襷がつながる。

    第10章『俺たちの箱根駅伝』。10区のランナーは隼斗。この物語の中心人物である。明誠学院大学の4年生でキャプテン。また、この関東学生連合チームのキャプテンでもある。周りに気遣いができ、チームをひつにすることができる力が隼斗にはあった。走力とは別の力が、隼斗の人となりを表していて、この物語のフィナーレに相応しい、展開が続く。明誠学院大学の監督であった諸矢は、入院先でこのテレビ中継を妻と見ている。諸矢の病気が明らかになるとともに、甲斐監督とのやりとりも描かれる。壮絶な人生を賭けた物語がそこにはあった。諸矢は懸命に生き、その意志を引き継ぎ、甲斐は自分の色として輝かせようとする。箱根駅伝の中継では見えない物語が、私の胸を震わせる。二人の監督の意志に呼応するかのような隼斗の走り、私の中に鮮やかな映像として浮かぶ。かっこいいな。ゴールは歓喜の中で。涙を流す登場人物たち、その涙が私にも転化する。思わずありがとうという言葉が出てくる。そんな気持ちになりながら、この章を読み終える。

    最終章『エンディング•ロール』。タイトルの通り、この物語の終幕。箱根駅伝後の登場人物たちのその後が描かれている。それぞれの明日に向かって、進んでいる状況にホッとしながらも、物語同様に実際の箱根駅伝も終わった時から、次の年の箱根駅伝に向けたスタートが切られているのだろうと想像する。喜びや悔しさを糧に、また次に向けて動き出す。私もそうかな。感情の高まりは、何かを始めるには大切なものだろうな。物語に気づかされる。

    池井戸さんの巧みな描写が何度も胸に響き、目頭が熱くなった。爽快感とモチベーションの高まりを得た。そんな作品に出会えたことを嬉しく思う。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      上下巻読了されましたね!
      オイラもおもしろくてあっという間に上下巻読了しました♩
      「いいね」ありがとうございます。

      上下巻読了されましたね!
      オイラもおもしろくてあっという間に上下巻読了しました♩
      2025/11/01
    • アールグレイさん
      箱根駅伝、来年のお正月に観る時
      今までとは違う見方ができるのではないでしょうか?
      私は、箱根駅伝が大好きです。
      区のそれぞれの選手が、前の選...
      箱根駅伝、来年のお正月に観る時
      今までとは違う見方ができるのではないでしょうか?
      私は、箱根駅伝が大好きです。
      区のそれぞれの選手が、前の選手を捉えて、追い越して・・・・全大学の襷が、繋がりますように・・・・
      2025/11/01
  • フィクションとノンフィクションの間を上手く書いてくれていて、池井戸作品の良さを余す事なく味わえる著書でした。箱根駅伝元々好きですが、箱根路を目指す方、それを周りで支える方、あらゆる方面へのリスペクトがある作品作りで、勉強にもなりましたし、読んでいてとても感情移入しやすかったです。わかっていても期待を裏切らず、『そうそう!これこれ〜!!』を外さずに書いてくれているので、読み手もスルスルいっちゃいます。この学生連合へのフォーカスで、箱根駅伝をまた違った視点から観ることが出来そうです。ドラマ化も待ってます。

  • 最高に楽しかったです^_^
    熱い物語ですね。
    何度も感動して涙が出てきました。
    読みながら実際に箱根駅伝をテレビ観戦しているような錯覚に陥ってしまいました。
    監督の想い、選手の想い、それを支える各大学生の想い、そして放送局のチーフ・プロデューサーとチーフ・ディレクターの判断とメインアナウンサーの実況に感動しました。胸が熱くなりました。
    来年の箱根駅伝を観るのか楽しみになりました。
    とても良かったです^_^


  • はい、下巻です!


    上巻読了後、そのまま読み始めてしまい止められず、その日のうちに読み終わってしまいました!!
    また寝不足ですー笑


    でも面白かった!!
    とてもわかりやすく、没頭できました(*^^*)
    箱根駅伝をそのまま見ているような興奮を味わえました!ちゃんと見たことないんですが、、笑


    箱根駅伝の学生連合チームと新監督が箱根に挑む話と、それを放映するテレビ局サイドの話が描かれています。


    ただ箱根を目指すというだけではないのがさすが。学生連合チームということ、監督も新監督であるということで、なかなかまとまらないチームがどう変わっていくのか、とても面白く読ませてもらいました。


    またテレビ局サイドの話もあることで、学生連合チームへの客観的な印象や他のチームの情報もうまく伝えています。

    番組制作の裏も面白かったです!
    こうやって番組って作られてるんですね
    CM入れるタイミングの難しさよ!!!

    ちゃんとヒール役がいるのも池井戸潤さんらしい!モヤモヤさせてきます!笑


    そして箱根駅伝本番
    もう何度泣いたか笑


    上巻にも書きましたが
    箱根駅伝は正直ちゃんと見たことがないのですが、これくらい掘り下げてくれたら見るのに!と思いました。笑


    せっかくの機会なので、次の箱根駅伝はちょっと見たいと思います(*´꒳`*)


    それにしても辛島さんめちゃめちゃよかったー
    愛を感じます。
    泣かすー!!


    あと甲斐もかっこよすぎて、勝手に惚れてました(〃ω〃)

    久々にがーーーっと入り込む感じの作品でした♪

    • shintak5555さん
      図書館からの連絡待ち!
      あとちょっとだと信じてる(๑>◡<๑)

      ところでどんなに面白くても、ベッドで読むと秒で寝落ちしてしまう。なんとか出...
      図書館からの連絡待ち!
      あとちょっとだと信じてる(๑>◡<๑)

      ところでどんなに面白くても、ベッドで読むと秒で寝落ちしてしまう。なんとか出来ないかなぁ。一度寝不足!って言ってみたい!
      2024/08/16
    • どんぐりさん
      私も前はそうだったのに、なんか変わってきました

      最近はちょっとだけ、、、と思って読んで
      いざ寝ようと思うと寝れないこととかあります、、
      私も前はそうだったのに、なんか変わってきました

      最近はちょっとだけ、、、と思って読んで
      いざ寝ようと思うと寝れないこととかあります、、
      2024/08/16
    • shintak5555さん
      読書好きなのに秒で寝落ち族です。悲しい!
      読書好きなのに秒で寝落ち族です。悲しい!
      2024/08/16
  • 毎年お正月、「箱根駅伝」テレビから溢れ出てくる学生たちの熱量にただならぬものを感じていたので、池井戸潤さんってことも気になり手に取った本ですが、いゃ〜とてつもなくハマりました!

    この箱根駅伝の主役は関東学生連合チーム。予選会の後に結成される急ごしらえの寄せ集め集団。オープン参加という形で記録には残らない。
    この脇役とも思える連合チームにライトを当てた所が面白い。

    このチームとしての一体感も目的もないバラバラのチームがまとまっていくとこ。箱根駅伝という競技の難しさ、そして面白さ。それぞれのチームの期待を背負い一心に走る若者たちの躍動。監督経験がなかったサラリーマンの甲斐監督の手腕。番組制作の全スタッフテレビ報道マンたちのプロ意識。全ての人たちの感情が丁寧に書かれていて読んでいてどっぷりハマれる。頭の中で、映像が浮かぶ。連合がんばれ!連合ゴー!と何度も叫んでいる自分がいる。

    来年の「箱根駅伝」が今まで以上に楽しみです♪

  • もう、下巻なんかアッという間です。
    次が気になって、そして、その次が気になって、
    止まれないのでした。

    1点だけ気になるとすれば・・・、
    新監督の素性とか過去とか、もっといじくり放題だったような気がしました。

    とにかく大満足です。

    • のんさんさん
      楽しい本でしたね。
      早く映画化してほしいです。
      楽しい本でしたね。
      早く映画化してほしいです。
      2025/07/03
    • mr.satomiさん
      映画がイイですね。
      (偏見ですが)日テレのドラマではアイドル並べて終わり・・・になりそう。
      映画がイイですね。
      (偏見ですが)日テレのドラマではアイドル並べて終わり・・・になりそう。
      2025/07/03
  • 「ドラマは敗者にこそ宿る」

    感動の四重奏だった。
    ひとりひとりの生い立ちと思いが襷にたくされ
    死力を尽くして走る。
    走れなかった仲間が辞めたはずのコーチが声を限りに背中を押す。
    選手を知り尽くした甲斐監督の起用戦術と言葉かけ。最高のタイミングで選手に勇気とエネルギーを与える。「ここから先は、隼斗、おまえの花道だ。4年間お疲れ様。ありがとう」と。
    そして辛島アナのプロ意識。辛島さんのアナウンスに熱いものがこみあがる。全部視写して残したい言葉たち。独自に取材したどこにも書いてないアナウンス。山下りと最終区のアナウンスは圧巻だ。

    「敗者は負けを認めることで勝者になる」

    俺たちの箱根駅伝。
    最高のチーム
    最高のストーリー
    歴史に残らない歴史的な快挙の物語

  • 週刊文春で連載していた頃から「池井戸先生は『箱根』をどう描くのか?!」
    単行本の発売までは敢えて情報をシャットダウンして楽しみに待つ事にしていました。

    期待に満を持しての発売。

    やっぱりチョー面白い!!

    物語の展開も駅伝コースを走るかの如くある程度上巻から下巻へのペース配分があるものと思いきや、池井戸先生は上巻からかなりのハイペースで飛ばしていきます。

    特に、後半のライブ感は半端ありません。映像を観てるかの如く読めば読むほど絶え間なく文章が脳の中で映像変換されていきます。

    何度も胸が熱くなります。
    何度も目頭が熱くなります。

    今回は銀行も企業も出て来ません。
    しかしながら本当に面白い。

    「俺たちの箱根駅伝」
    確かに「君たちの箱根駅伝」でした!

    自分の想定以上の面白い本を読んだ後は「ロス感」が半端ないです。
    続編描いてくれないかな…

  • 箱根駅伝・本番スタート。

    商社マンで伝説のOB・甲斐が率いる寄せ集めチームの学生連合が、各々の個性を活かして1区から10区までを走る。
    彼らの姿は、テレビ局などのマスコミやライバルをも注目させることとなる。

    その区間ごとに選手に声かけをする甲斐監督の言葉が優しく希望を持たせてくれる。
    彼らが孤独のなかで何を思いどう走っているのかがわかっているようで、投げかけるひとつひとつが、気持ちよく走らせてくれる言葉なのだ。
    もう、こちらまで泣けてくる。
    メンタルが7割であるというのが理解できる。

    テレビ放映の様子やアナウンサーの言葉、監督の言葉、沿道の景色すべてをも見せてくれた素晴らしい描写だった。

    「走る」ということだけで、こんなにも心が揺さぶられるとは思いもしなかった。
    「箱根駅伝」の深さを知ることになった。






  • 上巻は学生選抜に選ばれたメンバーたちの個々の物語だが、下巻では最初から最後まで箱根駅伝のレースの様子が描かれる。
    もちろん、きちんと学校として出場している学生たちにも物語があるが、学生選抜のメンバーたちの物語と共に描かれるレース展開はもう目の前でレースが行われているようで、一気読み。
    走る学生たちと並行して描かれるのは、テレビマンの姿。
    どんな時も選手の一瞬を取りこぼさないように、あれだけの苦労の元、毎年箱根駅伝の中継が行われていると思うと、テレビマンの雄姿にも涙が出た。
    走る選手たちへのリスペクト。
    その上で成り立つテレビ中継だからこそ、毎年感動が生まれるのだろう。
    もちろん、学生連合の面々の頑張り、悔しさも手に取るようで、本当に本を読んでいると言うより、一つのドラマを観終わった感じがする作品だった。
    いつもの池井戸作品ではかかせない敵キャラがいないところも、すごく新鮮。
    新たな箱根駅伝小説が誕生したことは間違いないだろう。

  • 公式記録には残らない「学生連合チーム」として箱根駅伝に臨むランナー達を中心に、箱根駅伝に関わる人々を描いたスポーツ&エンタメ小説。下巻はいよいよ本選。現場を観ているような緊張感ある描写でした。また、悪役の東西大学監督の平川、編成局長の黒石(と、お笑い芸人の畑山)が良い味を出していました。

  • /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
     
    たぶん、物語に「どう入り込んでいくか」は、とても大切な気持ちだと思うんですよね。

    暑くて、走るの避けてばかりの私には、ちょうどよい作品。もう、ほんと、熱い気持ちで、ページをペラペラとめくってきました୧(⑉•̀ㅁ•́⑉)

    こういう作品はいいですよね〜
    「風が強く吹いている」好きな私としては、熱い気持ちになれて、感動しました。

    ただ、最後の1ページはいらないような…気もします。どんな意味があるんだろうか…


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/

    箱根駅伝に挑む学生連合と、箱根駅伝を放送するテレビ局のドラマ。
    下巻は箱根駅伝スタートから始まります。


    /_/ 主な登場人物 _/_/_/ 

    最初のページに記載あり

    • NEW PEACEFULLY BOOKSTOREさん
      コメントありがとうございます!
      下巻も熱かったですねー!
      甲斐監督、サプライズ給水係、辛島アナによる
      波状攻撃に号泣不可避でした。
      コメントありがとうございます!
      下巻も熱かったですねー!
      甲斐監督、サプライズ給水係、辛島アナによる
      波状攻撃に号泣不可避でした。
      2025/01/15
    • Manideさん
      暑かったですね〜

      やっぱり暑さは大切ですね!!
      暑かったですね〜

      やっぱり暑さは大切ですね!!
      2025/01/15
    • Manideさん
      熱さでした(笑)
      熱さでした(笑)
      2025/01/16
  • 魂のタスキリレーなんて、聞くだけで泣いてしまう。隼斗、甲斐監督、本当におめでとう!!届けてくださるテレビクルーの皆さんにも感謝

  • いよいよ本選。チーム一人ひとりのドラマと思いに涙が止まらない。甲斐監督のかける声にも。彼らは今に全力を懸けている。箱根を走れる機会はこれを逃したら永遠になくなるから。
    白熱するレース。箱根駅伝の駆け引きってこんな意味があったのかと何度もはっとさせられる。精密な競技だと思う
    トラックでのタイムが一次元、その日の天候やコンディションが二次元、その日のメンタルや体調で三次元つまり、トラックで勝てても箱根で勝てるとは限らない所以だ。メンタルが7割とも言う。

    諸矢前監督の「勝者は常に一握りで多くのものは敗者だ。だけどな敗者にだって人生はあるし、敗者だからこそ得るものもあるんだよ。敗者は敗けを認めることで勝者になる」
    この言葉はすごい。一番心に刺さった。きっと自分が努力してもできなかったときに噛み締めると思う。

    筆者は、つまり箱根とは敗けの美学だとも言っている。だから箱根は魅力的なのだ。
    作中に出てくる辛島アナや徳重のようなテレビ局のスタンスがあの箱根駅伝のアマチュアレースとしての原点を守っている。
    今年も駅伝のシーズンが始まる。
    精一杯の応援を送りたい。


  • 文句無しの5
    池井戸作品といえば…の展開かも知れませんが、やっぱりみんな好きなシュチュエーションだし、涙せずして読むことができない感動作。
    辛島さんがカッコ良すぎた。

    それにしても、どうしてこのタイミングでこの本を読んでしまったのか。次の箱根駅伝観れるのは9か月半も先ではないか。

  • 期待を持って下巻に進んだが、10もある区間を全て取り上げているので、どうしても一つひとつの人物の内容が薄くなってしまう。上巻の敵役達も出てくるが、同じように悪どさが薄い。
    学生連合の目標が3位以上なので、結末もある程度分かってしまう。最後の方は感動するものの、出来レースのように見えてくる、、、。
    箱根駅伝が好きな方には非常に面白いだろうと思う。

  • 学生連合チーム記録に残らないがランナー一人一人に走る想いがあり、抜く時やタスキを渡す時にドラマがあった。それを臨場感ある書き方で描写する表現に涙が出ました。来年は箱根駅伝見ようかなと思わせる作品でした。

  • 下巻も会社の本棚で眠ってたので、上巻と一緒に借りてきて、上巻を読み終わってすぐに一気読みしました。スポーツ系の作品は結末は予想できるけれども、やっぱり感動しちゃいますね…

    下巻には箱根駅伝のレース内容、エピローグが載っており、新監督がたてた目標が達成できるのか、どんなレース展開が繰り広げられるのかが見どころとなっております。

    箱根駅伝を題材にした作品で個人的に思い入れがあるのが三浦しをんさんの「風が強く吹いている」でして、本作もあらすじからすると、そういう系統なのだろうなと思ってた部分が正直ありました。正直な話、題材が同じなので、レースに関しては似ている部分は多いかなとは思います。

    しかし、本作はテレビ局での描写も合わせて書いてあるのが特徴的でした。箱根駅伝という歴史あるスポーツイベントの伝統性を尊重するテレビマンとエンタメとして放映したい上層部との駆け引きに池井戸さんらしさを感じました。

    ただ、登場人物が多く、キャラクターの特徴を印象付けるためにキャラ描写がレースの最中に来ているので、なかなかキャラクターに愛着が湧きづらかったのが少し気にはなりました。まぁそれでも素直に感動しましたし、とても面白かったのでオススメの作品ではあります。笑

  • 下巻から待ちに待った本番が始まった!
    最初から最後まで中だるみを感じさせない熱い戦い。ずっとラストスパートが続いてるようなスピード感で、全員分じっくり描いてるのにあっという間だった。下巻は体感時間が半分くらい。
    今年の駅伝は全然違う見方になりそう。

    場外乱闘も相変わらず丁寧で、憎たらしいやつも最後には案外いいやつじゃんってコロコロ手のひらで転がされたり。
    監督論として、鉄拳制裁か個性を生かすか、自分かチームか。
    記録に残らないチームでの激闘、最高でした。

  • 箱根駅伝を伝える小説として三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を思い出しながらの読書

    どちらも青春ドラマとして涙涙の感動作だが、
    こちらは、テレビ中継というもうひとつのドラマも見ることができる。

    箱根駅伝は15年前くらいにはまって、毎年テレビにかじりついて見ていた。
    子育てで忙しく、普段テレビをみる暇もない私が、唯一お正月の2日間だけはゆっくり箱根駅伝を見ることを自分に許していたのだ。

    5区と6区の中継の少なさやCMのタイミングに不満を抱いていたこと、アナウンサーの情報量で感動の大きさが変わると思っていたことを思い出す

    この本を読んでテレビ中継する放送局の並々ならぬ努力と信念までもが伝わってきた。

    箱根駅伝はランナー達の物語だ。

    けれどもそこには監督をはじめ、コーチ、マネージャー、家族、大学、テレビ局、スポンサー等など、様々な人達に支えられていることを知る。

    それぞれの想いを一手に受けて走るランナー達。

    その中での、学生連合のランナー達は、最下位闘いの定番のように思われながらも、それぞれの大学のチームメンバー達の想いを胸に走っているのだ。

    学生連合チームは、寄せ集めでありながら、未知の可能性を持つ。
    そこにはやはり監督の影響力が大きい。

    甲斐監督の観察眼とランナーに向けるアドレスとそのタイミング。
    生まれ持った才能に加えビジネスで培われたスキルなのだろう。

    そんな素晴らしい監督を信じて、目標に向かっていく学生達の姿が眩しかった。

    やはり、チーム力とはチームメンバーを信じることなのだろう。
    信じることは人間関係すべてに共通する成功の秘訣なのかもしれない。

    箱根駅伝とはランナー達の箱根駅伝であり、その誰かのための箱根駅伝。
    でも…
    「俺たちの箱根駅伝」
    その想いこそが勝利に導かれたと言える。

    あと、半年先だけれど久しぶりに今度の箱根駅伝はゆっくり観てみよう。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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